羽丘の元囚人   作:火の車

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一面

 私には最近、彼氏が出来ました

 

 お相手は別の学校の先輩で、学生の身で大企業の社長さんです

 

 性格は誤解されやすいですし、本人も認めていませんが、すごく優しいです

 

 いつも誰かのために頑張っていますし、何より、私以外にもその人を好きな人たちがいました

 

 それこそが、優しさを証明しています

 

イヴ「カンナさん!これがネットカフェなんですね!」

環那「うん。俺も久しぶりに来たよ。」

 

 そんな人と私はデートをしています!

 

 今は前々から興味があったネットカフェに来ています

 

 カンナさんは私の立場を気にして、あまり人の多い場所でくっついたりはさせてくれません

 

 ということで、ネットカフェです!

 

環那「一応、ここは完全個室で防音もしっかりしてるから__」

イヴ「えぇ!?///」

環那「え?」

 

 完全個室で、防音......

 

 そんな空間でカンナさんと2人きりなんて......

 

 私、私......

 

イヴ(ど、どうにか、なってしまうかも.....///)

環那「普通に喋っても大丈夫だよって話だったんだけど......別のこと考えちゃった?」

イヴ「ご、ごめんなさい......///」

環那「いや、まぁ、大丈夫だよ。」

 

 カンナさんは苦笑いを浮かべつつ、そう言います

 

 うぅ.....絶対にエッチな子だと思われてます......

 

 すごく恥ずかしいです......

 

環那「まぁ、入ろうか。」

イヴ「は、はいぃ......///」

 

 カンナさんにそう言われ、私たちは個室に入りました

 

 と、取り合えず、気を取りなおしましょう

__________________

 

 “環那”

 

 しばらく来てなかったけど、ネットカフェは中々いい

 

 防音がしっかりしてるから静かだし、飲食も出来るし、ネットも読書も出来る

 

 何より、密室なのがいい

 

 俺やイヴちゃんみたいな人間には、良い環境だ

 

環那「どうする?映画でも見る?」

イヴ「い、いいですね!そう言えば、チサトさんが出演した映画があるんです!」

環那「それはいい。見てみようか。」

 

 そう言って、PCで登録してる動画配信サービスを開いた

 

 そこで調べると、確かに彼女が写っている映画が出てきた

 

 すごいな、俺と同級生なのに

 

環那「ほう、学園青春ものか。」

イヴ「いつもとは違う制服もよく似合っていますね!」

 

 白鷺千聖......彼女は素晴らしいな

 

 決して目立つ役ではないけど、要所に彼女の技巧が伺える

 

 俺のイメージの中では、普段は落ち着いて、一歩下がって周りを俯瞰してるような感じだった

 

 けど、作中では軽いノリでヒロインの背中を押す役割だ

 

 恐らく、普段の行動とはかけ離れているだろう

 

 にもかかわらず、演技に一切の違和感がない

 

 見る側がどう受け取るのかを理解してる感じがする

 

環那「......すごいな。」

イヴ「カンナさんでも、そんなことを思うんですか?」

環那「もちろん。俺、自分のこと結構演技もいけると思ってたけど、彼女には敵わないな。」

 

 特別な人間というのは存在する

 

 演技という分野においては、日菜ちゃんすら凌駕するだろう

 

環那「演技力に加え、あのビジュアルだ。いい役者だと思う。」

イヴ「カンナさん、チサトさんを可愛いと思ってるんですか?」

環那「綺麗な子だとは思う。でも、1番はイヴちゃんだよ。」

イヴ「!///」

 

 イヴちゃんは白い頬を真っ赤に染めた

 

 可愛い反応だ

 

 少し嫉妬してたのも、可愛いな

 

環那「俺が好きなのはイヴちゃんだよ。」

イヴ「か、カンナさん......///」

 

 正直な感想を述べた

 

 少し暗めの空間をモニターから出る光が照らす中

 

 横にいる彼女は熱っぽい視線をこっちに向けていた

 

 “イヴ”

 

 カンナさんの言葉で、胸がドキドキします

 

 一番のはずがないのに、まるで、そう言う風に思えてしまいます

 

 カンナさんは嘘つきです

 

 演技も、すごく上手です

 

環那「それにしても、良い映画だね。爽やかな青春ってこういうのなんだって思う。」

イヴ「で、ですね///」

 

 映画では、主人公とヒロインが良い雰囲気になっています

 

 それと同じように、私の心臓の音も大きくなっていきます

 

 喉が渇いたときの水が欲しくなるように、私は何かを欲しています

 

 そんな私はそれを求めて、ゆっくり手を伸ばしました

 

環那「!(袖、掴まれてる?)」

 

 私はカンナさんの服の袖を掴みました

 

 なんだか、体が熱いです

 

 カンナさんなら、分かってくれます......よね?

 

イヴ「カンナさん......///」

環那「あー。なるほど。」

イヴ「ひゃ......///」

 

 カンナさんは私の右の頬に軽く触れました

 

 義手ではない方ですが、ひんやりしています

 

 顔が熱くなってる分、余計にそう感じます

 

環那「ここ、そう言う場所じゃないから。これだけ。」

イヴ「んっ♡」

 

 唇に熱い感触を感じます

 

 体中に力が入って、全身が熱くなって、なぜか目が潤んできます

 

 軽いキスなのに、すごく気持ちいです

 

イヴ「ちゅ♡はぁ♡んちゅ♡」

 

 少しずつ激しくなってきました

 

 頭がボーっとして、カンナさんしか感じません

 

 全神経を支配されているようです

 

イヴ(こ、こんなに、なんてっ///私、もう__)

環那「__ふぅ。こんなものかな。」

イヴ「っ!///」

 

 意識が真っ白になる直前に、カンナさんがフッと離れていきました

 

 狙いすましたかのようなタイミングで離れられ、悶々としつつも、どこか落ち着いています

 

 なんなんでしょうか、この感覚は

 

環那「不満そうだね。」

イヴ「うぅ......///カンナさん、イジワルです......///」

環那「好きな子には意地悪しちゃうんだ。」

イヴ「少し、変わりましたね......///」

環那「お陰様でね。」

 

 カンナさんはニコニコしています

 

 なんだか、今までよりもイジワルです

 

 ......でも

 

イヴ(それだけ、心を許してくれているという事でしょうか?)

 

 そう思えば、距離が縮まっているのでしょうか?

 

 リサさんやナミヒラ先生には少し意地悪ですし

 

環那「意地悪なのは嫌い?」

イヴ「嫌ではないです......でも、何度もされたら、どうにかなってしまいます......///」

環那「あはは。まぁ、今日は状況が状況だから。許してね。」

イヴ「はぃ......///」

 

 カンナさんはそう言い、小さく笑いました

 

 今日はなんだか、今までとは違う一面を見た気がします

 

 少しはいい関係になっている......のでしょうか?

 

 分からないですが、そうであれば嬉しいです

 

 

 

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