羽丘の元囚人   作:火の車

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最終回:良い子

 ついつい、昨夜は盛り上がってしまった

 

 まさか、俺が本能に抗えなくなるとは

 

 あの後結局、イヴちゃんは気絶しちゃったし

 

 何とか抑制しないといけないな

 

イヴ「う、うぅん......」

環那「あ、起きた?」

イヴ「カンナさん!__っ♡(き、昨日の反動が......♡)」

環那「......あっ。」

 

 やはり、昨日はやりすぎたみたいだ

 

 イヴちゃんの様子がおかしい

 

 もしかしたら、彼女の身体そのものを変えてしまったかもしれない

 

環那「ごめんね、イヴちゃん。昨日はつい、本能が制御を外れてしまった。」

イヴ「うひっ♡......だ、大丈夫、です......♡」

環那「ほ、ほんとに?」

 

 記憶が残ってるだけに、気まずさがあるな

 

 まさか、こんなに早く本性をさらけ出してしまうとは

 

 俺もまだまだみたいだ

 

 そんなことを考えながら、少し無言の時間が出来た

 

イヴ「あ、あの、カンナさん......///」

環那「どうしたの?」

 

 少しして、彼女は落ち着いたようで、話しかけてきた

 

 さて、どう出てくるか

 

イヴ「そ、その、昨日、私の名前を呼んでくれて、嬉しかったです......///」

環那「そっか。」

イヴ「私としては、イヴと呼ばれる方が嬉しかったです///」

環那「うーん、まぁ、別にそう呼ぶのはいいんだけど。」

イヴ「そう言えば、リサさんやユキナさん以外はちゃん付けなのはなぜですか?」

環那「うーん......」

 

 言われてみれば、考えたことなかったな

 

 なんとなく最初にそう呼んで、そのままなだけなんだよね

 

 よくよく考えれば、特に理由もなにもないな

 

環那「テキトーだね。」

イヴ「えぇ!?」

環那「最初にそう呼んで、特に変える機会もなかったから。別にこだわりがあるわけでもないんだよね。」

イヴ「なら、私のことはイヴと呼んでください!」

 

 彼女は元気な声でそう言った

 

 まぁ、別に呼び方はなんでもいい

 

 ていうか、本性はそう呼んでたし

 

イヴ「そっちの方が、特別感がありますから///」

環那「!」

 

 彼女はそう言って、右腕に抱き着いて来た

 

 自分が服を着てないことを忘れているのかな?

 

 まぁ、今は大丈夫だけど

 

環那「そういうものなの?」

イヴ「はい!」

環那「じゃあ、俺のことも呼び捨てにする?」

イヴ「えぇ!?い、いえ、それは、その、カンナさんは年上ですから......」

環那「そっか。まぁ、仕方ないか。」

 

 呼び方なんて、俺は何でもいい

 

 大切なのは、気の持ちようだ

 

 俺が彼女を愛することは、変わらない

 

環那「さて、そろそろ朝食にしようか。」

イヴ「はい!」

環那「じゃあ、服を着ようか。」

イヴ「え__ふ、服を着てません!?///」

環那「あぁ。」

 

 どうやら、彼女は自分の状態に気付いてなかったらしい

 

 俺はそんな慌てふためく彼女を眺めながら自分の準備をし

 

 その後は2人で朝食を食べて、残りのクルーズを楽しんだ

__________________

 

 クリスマスから2ヶ月が経った

 

 リサも友希那もエマも大学が決まり、クラスの雰囲気も緩み切ってる

 

 俺は大学になんていく気もないから、最初からゆるゆるだったけどね

 

リサ「で、どうなの?イヴと。」

環那「どうしたの?藪から棒に。」

友希那「昔からの幼馴染についに彼女が出来たのよ?気になるわ。」

エマ「私も。」

 

 どうやら、女性と言うのは恋バナが好きらしい

 

 エマまでそうだというんだから驚きだ

 

リサ「あー、気になるな―。こっぴどくフラれたからなー。」

環那「別にそんなに話すこともないよ。」

リサ「でも、日菜が『最近、イヴちゃんが変わったんだよねー。なんか大人っぽくなったって言うかー。』って言ってたよ!」

環那「......ふーむ。」

 

 なるほど、彼女か

 

 流石に鋭いな

 

 人のことなんて気にしていないようで、観察がよくできてる

 

リサ「恋は人を変えるって言うしねー。」

環那「あはは、そうかもね。でも......」

リサ、友希那、エマ「?」

環那「ほんとにそれだけだと思う?」

リサ「!?」

友希那「ほ、本当に何をしたの?悪いことじゃ、ないわよね?」

エマ「大丈夫。お兄ちゃんは愛した人には優しい......多分。」

 

 おぉ、エマまで不安になってる

 

 これは珍しいものが見られた

 

環那「まっ、大丈夫だよ。彼女に嫌われるようなことはしないさ。」

リサ「だ、だよね。」

友希那「さ、流石にね?」

エマ「大丈夫(多分)」

(~♪)

環那「ん?」

 

 3人と話してると、誰かからメッセージが届いた

 

 まぁ、誰から送られてきたかは分かるけど

 

 そんなことを考えながら、俺はアプリを開いた

 

環那「......ふーん。」

リサ「どうしたの?環那。」

環那「なんでもないよ。さて、俺は予定があるから、ここで失礼しよう。」

友希那「そう。また明日。」

エマ「私は今井リサ達と帰る。」

リサ「またねー!」

環那「あぁ、また明日。」

 

 俺は軽く手を振りながら、教室を出た

 

 さて、今日も会いに行くとしようか

__________________

 

 “イヴ”

 

 クリスマスの日から、私とカンナさんはお付き合いをしています

 

 今は公表はしていませんが、いつかはする予定です

 

 そんな状況ですから、私たちが会えるのはお互いの家などの、人目につかない場所です

 

 普通のカップルに比べ、気軽に会えるような関係ではありません

 

 でも、カンナさんは毎日会いに来てくれます

 

環那「ふむ。それで?」

イヴ「同じクラスの方に告白されました......」

 

 私は座ってるカンナさんに抱き着いたまま、今日のことを報告しています

 

 今日、私は同じクラスの方に告白されました

 

 少し話したことのある程度の方だったので、本当に驚きました

 

イヴ「放課後に教室で告白されて、色んな人に見られました......」

環那「中々、度胸のある子だね。」

イヴ「今まで、何回かこういうことはありましたが、お断りするのは慣れないです......カンナさんとの関係も公表できないですし......」

環那「そうだね。」

 

 少し、抱き着く腕に力が入ってしまいます

 

 大好きな人と普通に外を歩けないなんて

 

 アイドルの不便なところです......

 

環那「告白されてどう思った?」

イヴ「......えっと。」

 

 カンナさんからの質問に、私は言葉が詰まりました

 

 でも、どう言えば良いのか迷ってるわけではなくて

 

 この本音を言ってしまったら、私は......アイドル失格になってしまいます

 

イヴ「......全く、何も感じませんでした。」

環那「ふむ。」

イヴ「正直、相手の方の顔も覚えていませんし、ドキドキもしませんでした......」

 

 驚くほど何も感じませんでした

 

 カンナさんといると、他の男性が物足りなく感じてしまいます

 

 この2ヶ月間で、私の人への価値観は大きく変わってしまいました

 

イヴ「ファンの人も、学校の人も、色んな人に対する興味が薄くなっているんです......」

環那「大人は皆、そんなものだよ。近しい人物以外に抱く感情なんて、そんなものさ。」

イヴ「そう、なのでしょうか......」

 

 アイドルとして、ファンの皆さんは大切にするべきです

 

 学校の人たちも、応援してくれる人たちがいます

 

 そんな人たちにこんな感情を抱いていて良いのでしょうか......

 

環那「自分がどうありたいかによるけど......イヴはこの先、どうありたい?」

イヴ「......!///」

 

 カンナさんに頬を撫でられます

 

 胸がドキドキして、頭が蕩けそうです

 

 頭の中が、カンナさんでいっぱいになります

 

 ただでさえ、カンナさん以外、何も見えなくなったのに......

 

イヴ「ずっと、カンナさんのものでいたいです......///そう思うように、変わってしまいましたから......///」

環那「ふふっ、良い子だ。」

イヴ「ふぁ......///」

 

 私は身も心もカンナさんに堕とされてしまいました

 

 もう、他の男性なんて目に移りません

 

 カンナさん以外の男性に触れると、嫌悪感を感じてしまいます

 

 告白も全く心に響いてきませんでした

 

 もう、愛せないんです

 

 私の体に、カンナさん以外はダメだと、刻み付けられてしまったんです

 

環那「今日はどうする?」

イヴ「た、たくさん、愛してください♡あの人の告白が、完全に消えてなくなるまで♡」

環那「あぁ、いいよ。ほんとにイヴは、良い子だ。」

 

 そう言うカンナさんの目には狂気が宿っていました

 

 でも、その狂気が、私は嬉しいんです

 

 これが、カンナさんの本当の姿ですから

 

 それを求めてしまうのが私なんです

 

 もう二度と、他の誰かを今までのようには思えないかもしれません

 

 でも、それでもいいです

 

 カンナさんにとって“良い子”でいられるなら、他の何も__

 

 

 

 




ここから別のルート書きます。

取り合えず、全員を選んだ場合と途中で燐子を選ぶIFルートくらいです。
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