あの日から、1週間が経った
俺は特に変わりのない日常を過ごしている
......と、俺は思ってるんだけど
リサ「お、おはよー///」
環那「うん。おはよ。」
なんだか、最近、リサの様子がおかしい気がする
いや、リサだけじゃなく、燐子ちゃん、琴ちゃん、イヴちゃんも
何というか、俺に対してよそよそしい気がする
環那(うーん。)
琴葉「おはようございまーす。」
環那「あ、琴ちゃん。」
琴葉「っ!///」
環那「?」
教室に入ってきた琴ちゃんの方を見ると、目を逸らされた
え、普通にショックなんだけど
まぁ、琴ちゃんも家からこの調子で
燐子ちゃんもまともに目を合わせてくれないし
あのイヴちゃんまでも、似たような感じだ
環那(嫌われたって感じじゃない。んー、何があったんだ?)
思い当たる節は......まぁ、細々とあるけど
でも、その時点では何もなかったんだよね
うーん......
環那(んー、どうしよ。)
流石にずっとこの調子だと悲しいな
でも、原因が解明できてないんじゃ動けない
どうしたものか
リサ「ね、ねぇ、環那。」
環那「どうしたの?(やっと話しかけられた。)」
リサ「そ、そのー、環那って重婚とかどう思う?///」
環那「重婚?」
ど、どうしたんだ?藪から棒に
それにしても、重婚か
環那「本人たちが満足してればいいんじゃない?」
リサ「そ、そっか!///」
環那「どうしたの?」
リサ「い、いや、なんでもないよ!///」
環那「?」
リサ「ちょっと、お花摘みに......///」
リサはそう言うと、そそくさと教室を出て行った
もうすぐホームルームなんだけど
まぁ、いいや
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学校が終わった
さて、今日は何をするか
仕事のスケジュールは空いてるし、勉強とかしないし
取り合えず、買い物でも行こうかな
燐子「__か、環那君......!」
イヴ「カンナさん!」
環那「燐子ちゃんにイヴちゃん?」
珍しいな
2人でいるのも、こっちに来てるのも
今日は一体、何が起きてるんだ?
環那「どうしたの?」
イヴ「す、少しお茶でもいかかですか!?」
燐子「は、羽沢珈琲店で.....!」」
環那「いいけど、なんでそんなに大声で?」
イヴちゃんはともかく、燐子ちゃんまで
こんな声、滅多に聞けないよ
環那「まぁ、取り合えず行こうか。」
燐子「そ、そうだね......!」
イヴ「行きましょう!」
そんな会話の後、俺たちは羽沢珈琲店に向かった
道中、異様に会話が少なかった
けど、チラチラと2人からの視線を感じた
俺、ほんとに何をしたんだ......?
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道中ほぼ無言のまま、羽沢珈琲店に来た
それで、今はそれぞれが注文したメニューが来て
それを軽く食べつつ、様子を伺ってる
環那(さて、どう出てくるか、もしくは、どう出るか。)
2人の目的が分からない以上、下手な動きは出来ない
でも、待ちすぎるのも時間を浪費するだけ
ここで俺がやるべきは、2人から目的を引き出すこと
幸い、そんなに駆け引きが必要なわけじゃないし
環那「それで、何か話があって来たと思うんだけど。どうしたの?」
燐子「え、えっと......」
イヴ「少し、カンナさんの将来像を聞いてみたいというか......」
環那「将来像?」
え、学校の面談?
急に聞かれても少し困るな
特に面白いことも言えないし......
環那「会社の意識改革も少しずつ進んで、もう1,2年もすれば完成するだろうし。それが終われば、更なる基盤の強化と事業の拡大。それが終われば、さっさと社長なんて立場とはおさらばさ。」
イヴ「えぇ!?」
燐子「そ、そうなの......!?」
環那「元々、不本意な立場だしね。」
まぁ、退いた後も利用はさせてもらうけどね
金銭面を潤すために
面倒事は後継に押し付けよう
イヴ「ま、まぁ、それはいいんです。もう少し、プライベートな部分と言いますか......」
環那「プライベート?」
燐子「その、結婚とか、その後の生活とか......」
環那「あー、そっちか。」
つい、パッと思いつく方を言ってしまった
そっちの方が簡単だからね
2人が聞きたい内容の方が難しいな
環那「そうだなぁ。出来るだけ、自由であってほしいとは思うな。結婚したからと言って、自分のやりたいことを諦めてほしくない。」
イヴ「なるほど。」
燐子「寛容な旦那様になりそうだね......!」
環那「まぁ、負担になるなら、結婚そのものに意味がないからね。」
自分の要望も言うべきだけど、配偶者の意思を尊重するべきだ
俺はある程度ワガママでも受け入れられるし
燐子「じ、じゃあ、その、家族はたくさんいた方がいいとかある......?///」
環那「まぁ、子どもはいると可愛いだろうね。それも、将来の相手と要相談だけど。」
イヴ(つ、つまり、相談次第では、子だくさん......!///)
燐子(環那君との......///)
環那「?」
2人とも固まったぞ?
え、何が起こった?
流石に子どもは話が飛躍しすぎか?
燐子「う、うん、聞きたいことは聞けたから、そろそろ解散しよっか......!///」
環那「え?」
イヴ「そ、そうですね!///環那さんもお忙しいでしょうし!///」
環那「別に暇だけど__」
燐子、イヴ「そ、それじゃ......!///」
そう言うと、2人は自分の分のお金を置いて店を出た
ポツンと取り残された俺は、呆然と2人が出て行った扉を眺め
少し呼吸を置いて、カップを持ち上げた
環那(な、なんだったんだ?)
俺はコーヒーを飲み終えた後、会計を済ませた
2人が置いて行ったお金は今度返しておこう
今日は、不思議なことばっかりだったな.......
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今日は不思議な出来事ばかりだった
リサも燐子ちゃんもイヴちゃんも
久しぶりに話したら様子がおかしかったし
それに、やけに焦ってた
環那(うーん。)
料理をしつつ、今日の出来事を整理する
と言っても、整理するほどの情報がないんだよね
3人の行動で一致する部分はあるけど
会話内容はバラバラだ
強いて一致する点を探すなら、結婚か
まぁ、リサは重婚って言ってたけど
琴葉「__ただいまかえりましたー。」
環那「おかえり、琴ちゃん。」
6時くらいになって、琴ちゃんが帰って来た
大体いつも通りだ
俺は軽く琴ちゃんの方に目を向けた
琴葉「今日のご飯は何ですか?」
環那「今日はとんかつだよ。ソースは何種類かあるよ。」
もう揚げ終わってるので、キャベツを切っていく
残りのメニューは豆腐のお味噌汁にお漬物
うん、よくできた定食だ
あとはキャベツを切って__
琴葉「あ、そう言えば、南宮君。あなたは、重婚などに関心はありますか......?///」
環那(キンッ)
琴葉「何の音ですか!?」
いきなりのことに驚いて、包丁が指に当たってしまった
こんなミス、初めてだ
環那「大丈夫。包丁が指に当たっただけ。」
琴葉「た、大変じゃないですか!大丈夫ですか!?」
環那「金属だから大丈夫だよ。」
左手で切ってて良かった
正直、気分で使う手変えてるけど
今日の俺はどうも運がいいらしい
琴葉「あ、そう言えば......」
環那「それより、今日は一体どうしたの?皆、重婚やら、結婚やら。何か悩みでもあるの?」
琴葉「!」
心配してキッチンに入ってきた琴ちゃんにそう尋ねた
すると、琴ちゃんは目を逸らした
琴葉「それは......」
環那「それは?」
琴葉「......///」
目が合わない
琴ちゃんは顔を真っ赤にしたまま、目を逸らされる
うーん、これじゃ話は聞けないか
琴葉「えっと、話すので、少し待ってください......///」
環那「?」
琴ちゃんはそう言うと、携帯を操作した
その数秒後、玄関の扉が開いて
何人かの足音が鳴った
リサ「お、お邪魔しまーす。」
燐子「お邪魔します......」
イヴ「お邪魔します!」
環那「早くない?」
スタンバってた?
そうとしか考えられない
どう考えてもこの早さで集まれるわけないし
環那「取り合えず、座る?」
そう促し、俺は4人に座ってもらった
2人ずつが並んで座って、俺は1人で座ってる
なんか、誕生日にでもなった気分だ
環那「それで、まぁ、4人が繋がってるは何となく想像つくけど、一体何があったの。」
リサ「いやー、実はー......」
リサが事の詳細を話してくれた
どうやら、あの日に俺が全員欲しいと言ってたのを聞いてたらしい
その時点で、起きてたのかと驚いた
リサ「それで、話し合ったの。環那が良いなら、4人一緒に付き合うのはどうかって。」
環那「すごい話し合いだね。(なるほど、そう言う事か。)」
そりゃ、あんなこと言ってたら目も合わせられないか
ていうか、前向きなことに驚いたんだけど
燐子「みんな、環那君のことが大好きで、選ばれなかった3人はすごく辛いと思うから......」
琴葉「きっと、私たちはあなたに選ばれなければずっと誰ともお付き合い出来ないでしょう。」
イヴ「だから、みんな一緒にカンナさんといれば、幸せだと思いました!」
環那「そ、そうなんだ。」
確かに、そうなのか
俺は皆のことを完全には理解してない
もし、俺が選ばなかったとして、そうなるのかはわからない
けど、皆がそう思うなら、そうなんだろう
リサ「だからさ、その、あたし達全員、貰ってくれると嬉しいんだけど......///」
燐子「その、日本でも事実婚なら大丈夫だし......///」
琴葉「私たちは全員、この話には納得しています///」
イヴ「あとは、カンナさんがよろしければ///」
とんでもない状況だ
俺はこの状況にそんな感想を抱いていた
ただでさえ、この4人に好かれてるのすら贅沢なのに
まさか、4人一気にって
贅沢どころか、罰当たりだな
環那(......でも、今さらか。)
今まで散々、点に唾吐いて生きて来たんだ
罰当たりなんて、考える必要もない
むしろ、これは大きなチャンスなんだろう
選べないまま、時間を浪費していたから
環那「ほんと、どうかしてるよ。みんな、世間的に見ればレベルが高くて、男なんか引く手あまたなのに。世界の損失もいい所だ。」
リサ、燐子、琴葉、イヴ「!」
環那「でも、世界のことなんて、俺の知ったことじゃない。」
俺は4人の目を見た
全員が納得してるというのはほんとらしい
なら、俺が迷う必要もないか
環那「だから、皆がくれたチャンス、ありがたく使わせてもらうよ。」
リサ、燐子、琴葉、イヴ「!///」
環那「俺が全員幸せにする。後悔はさせないよ。」
俺は4人に向けてそう言った
うわぁ、すごい贅沢だ
嬉しいよな、やらかしたような
こんな感覚、初めてかも
リサ「やった!」
燐子「よろしくね、環那君......!」
イヴ「すごく嬉しいです!」
琴葉「思い切りがいいですね。南宮君。」
環那「喜んでくれたようでよかったよ。それと、思い切りに関ては皆ほどじゃないかな。」
これは、誰にも不満が生れないように考えないとな
でも、いいな
楽しく考えられる課題はいいものだ
琴葉「あ、皆さん今日は泊っていくらしいので。」
環那「え、そうなの!?じゃあ、ご飯用意しないと。」
リサ「ご、ごめんねー。」
環那「あぁ、大丈夫。予備の食材は用意してるから。」
燐子「用意周到......!」
イヴ「何かお手伝いすることはありますか?」
環那「大丈夫。座ってて。」
なんか、とんでもないことになったけど
俺は欲しかった人たちを手に入れた
これは、責任重大だな
まぁ、のんびり、楽しみながら考えていくとしよう
折角、4人と付き合うことになったんだ
楽しまなかったら損でしょ?