羽丘の元囚人   作:火の車

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デート

リサ「__環那ー!来たよー!」

 

 土曜日の朝、俺の部屋に元気な声が響いた

 

 誰かが家に入ってきた気配は感じてたけど

 

 ヘッドフォン着けてたから、誰かまでは分からなかった

 

燐子「お邪魔します。」

イヴ「おはようございます!」

環那「あぁ、おはよう。」

 

 俺はヘッドフォンを外しながら、3人に挨拶をした

 

 さて、今日は何の用かな

 

環那「今日はどうしたの?」

リサ「デート行きたい!」

環那「え?」

リサ「デート行きたい!」

環那「いや、聞こえなかったわけじゃないよ?」

 

 これまた突然だな

 

 ていうか、ちょっと精神年齢下がってない?

 

 昔に似たようなこと言ってた時と声音が同じなんだけど

 

環那「どうしていきなりそんな話に?」

琴葉「やはり、恋人と言うのはデートをするものでしょう?私たちもしたいです!」

燐子「折角、環那君と付き合えたんだし......///」

イヴ「恋人らしいことは何でもしたいです!」

環那「なるほど、単純明快な理由だ。」

 

 彼女の願いは叶えるべきだ

 

 一応、俺も考えてなかったわけじゃないからね

 

 プラン自体はいくつかある

 

環那「なら、行こうか。」

リサ「え?」

琴葉「今からですか!?」

環那「皆が行きたいと思った時点で、俺の選択肢は即行動さ。いくつかプランは用意してある。駐車場で待っていてくれないかな?俺は着替えてから行くよ。」

 

 そう言って、一度4人には部屋を出てもらい

 

 俺は外用の服に着替えた

 

 さて、どのプランを使うか

 

 まぁ、応用も必要だろうし、臨機応変に行こう

__________________

 

 “リサ”

 

 環那の言う通り、駐車場で待っていると、一台の車があたし達の前に止まった

 

 まさか......なんて一瞬思ったけど

 

 流石にないよね!

 

環那「__いやー、買っておいて良かった。」

リサ、燐子、琴葉、イヴ「......」

 

 あー、うん、なんとなく分かってたよ?

 

 でもさ、誰も予想しないじゃん

 

 幼馴染は車持ってるとか

 

琴葉「い、いつのまに車なんて。」

リサ「浪平先生も知らなかったの!?」

琴葉「か、彼のお金のことに私はノータッチなので。」

燐子「やっぱり、環那君ってすごいですね......」

イヴ「これはすごいで片付けていいことなのでしょうか?」

 

 ダメだね

 

 流石にちょっとどうかしてる

 

 あたし達の常識に収まるような存在じゃないのは知ってたけど......

 

リサ「環那の財布の管理って、大変そう......」

環那「そう?心配しないでいいくらい稼ぐけど。」

琴葉「そう言う事ではありませんよ。」

環那「え?」

燐子「うん......金銭感覚は、大切だから。」

イヴ「節約は大事ですよ!」

環那「人によると思うけど。」

 

 環那は運転しながらそんな会話をしている

 

 なんていうか、安心感がすごい

 

 事故なんて起きないんだろうなって、ありえないのにそう思っちゃうもん

 

環那「俺の稼ぎは世界基準で考えても多い方だし、多少の散財くらいなら、生活に困ることはないよ?」

リサ「う、うーん、実際そうなんだけどね?」

イヴ「このままだと、私たちはダメ人間になってしまいます!」

環那「いいんじゃない?」

琴葉「いや、良くないですよ!?」

 

 環那は好きな相手にはとことん甘いタイプだ

 

 多分、この先あたし達がブランドもの欲しがったり、家を欲しがったりしても、普通に買うと思う

 

 だからこそ、ちゃんとしないといけない

 

 あたし達もちゃんと自立してないと、いい関係にはなれないから

 

環那「みんな真面目だね~。」

琴葉「ここであなたの金銭に甘えるような人間なら、まずあなたに選ばれないでしょう。」

燐子「これ以上、環那君の負担増やしたくない......!」

 

 皆、考えてることは一緒だ

 

 環那は何でもできるから、色んな事をしてる

 

 自分と同い年で学校に行きながら会社の社長とか考えられないし

 

 それに加えて、家事して、勉強教えて、エマの面倒見て

 

 正直、キャパオーバーだと思ってる

 

環那「あはは。変だね、みんな。」

燐子「変......!?]

環那「面白そうだし、期待しておくよ。頑張れ。」

リサ「なんで他人事!?」

 

 そんな会話をしながら、あたし達はドライブを楽しんだ

 

 けど、目的地はどこなんだろ?

 

 外はもう、全然見たことない場所だし

 

 まぁ、環那が考えてるし大丈夫か

__________________

 

 皆で話してるうちに目的地に着いた

 

 駐車場から分かる高級感

 

 周りに並んでた、環那の車に負けずとも劣らない高そうな車

 

 これは......

 

環那「女の子って好きでしょ?ファッション関連とか、スイーツとか。」

リサ「そりゃあ好きだけど。」

 

 周りを見渡すと、どこかしらで見たことがあるような高級ブランドの看板

 

 それに、好きな子の間では有名なブランドもある

 

 そして目が痛くなるような、すごい値が書いてる値札

 

 高校生でこの辺りの店に入ろうなんて、普通は思わないね

 

 だって、絶対に手が届かないもん

 

環那「高級品こそが良い物とは決して言わないけど、でも、人生で一回くらいは手に入れたいでしょ?」

リサ、燐子(もう持ってる......ていうか貰った......)

イヴ「何もない日に貰うのは気を遣いますけど......」

琴葉「私は、不相応ですし、似合わないので......」

環那「いやいや、琴ちゃんは似合うよ。飾らない姿も魅力的だけど、俺は色んな姿の琴ちゃんを見たいな。」

琴葉「!///」

 

 浪平先生の手を握りながら、そんなことを言ってる

 

 端から見たら、ただのナンパ男だ

 

 まぁ、本質は「貢がせてね」って言ってるわけだから、少し違うんだけど

 

環那「それに、2人にはまだ渡してないからね。」

琴葉、イヴ「?」

リサ「あー。」

燐子「そういうこと......」

 

 確かに、それは不公平か

 

 そうなると、ここに来た理由も分かる

 

 致仕方ないって感じかな

 

環那「さぁ、行こうか。俺も思考を始めないと。」

 

 そう言って、環那は歩き出した

 

 多分、あたし達の手助けはいらないね

 

 あたしは見守りつつ、初めての皆とのデートを楽しもうかな

 

 

 

 

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