彼と出会ってから何度目かのデートに来ています
今までと違うのは、私以外にも恋人関係の人たちがいることで
一見すれば異様な状況ですが、私を含めた当人たちは楽しんでいます
リサ「__ねぇ見て!これ綺麗じゃない?」
燐子「わっ、綺麗な色ですね......!」
イヴ「初めて見る宝石です!」
今はジュエリーショップにいます
南宮君が来たいと言っていましたが
当の彼は......
環那「......ふむ。」
何やら、ずっと考え事をしています
ショーケースの前ですごく集中しているのが分かります
一体、どうしたのでしょうか?
琴葉「どうしたんですか?南宮君。」
環那「ん?あぁ、ごめんごめん。ちょっと、考えないといけないことがあってね。」
琴葉「悩みですか?相談位なら乗りますが。」
環那「悩みって程でもないよ。ただ。」
彼は小さくため息をつきました
そして、チラっと私と向こうにいる3人の方向に目を向け
そして......
環那「何でも似合っちゃう可愛い彼女がいるのも、大変だなと思っただけさ。」
琴葉「!///」
私の左手を握りながら、そんなことを言いました
突然のことで心の準備が出来ず、年甲斐もなく慌ててしまいます
ほ、本当に彼はいつもいきなり......
環那「もうすぐ終わるから、少しだけ待ってて。あ、隣にいてくれてもいいんだよ?」
琴葉「いますよ///」
それからしばらく、私は考え込んでる彼の隣にいました
普段のどこか軽薄な態度とは違う真剣な表情に、心臓が掴まれたような感覚に襲われ
数か月前、彼を好きになったときの気持ちを思い出しました
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“イヴ”
ジュエリーショップを出て、私たちは近くのカフェに来ました
カンナさんは色々調べていたようで、ここは個室があるお店です
恐らく、私の立場を配慮してくれたのだと思います
リサ「可愛い~!」
燐子「美味しそうですね......!」
琴葉「す、すごいクリームの量ですね。私が食べたら胸やけしそうです......」
イヴ「ナミヒラ先生もまだまだお若ですよ!」
琴葉(気を遣われてしまいました。)
料理が届いてから、リサさんは写真を撮り、リンコさんはそれを見ていて
ナミヒラ先生はパスタを頼んで、のんびり食べています
イヴ「カンナさんはサンドイッチですか?」
環那「うん。評判よかったから、頼んでみたくてね。」
イヴ「そうなんですか!」
環那「食べてみる?」
イヴ「!」
カンナさんがサンドイッチを差し出してきました
こ、これは、まさか
所謂、あーんというものでしょうか!?
イヴ「い、いただきます///あーん......///」
環那「!(あ、そういうことか。)」
カンナさんの手にあるサンドイッチを一口食べました
パンがフワフワで、挟まれている卵はなめらかで、上品な味がします
いや、それよりも......
イヴ(カンナさんに食べさせてもらえて、嬉しいです......///)
環那「うん、中々美味しいね。」
イヴ「!?///(こ、これ、間接キス......///)」
環那「どうしたの?」
自覚なしです......
今さら間接キスくらいでとは思われるかもしれないですが
恥ずかしいものは恥ずかしいです
リサ「あー!ずるーい!」
イヴ「!!///」
リサ「あたしもしてほしいー!」
燐子「わ、私も.......///」
琴葉「よ、よろしければ......///」
環那「あぁ、別にいいよ。順番ね。」
そう言って、カンナさんは3人にサンドイッチを食べさせていきます
皆さん、満足そうな表情です
それに......
環那「ふふ、悪くないね。こういうの。」
イヴ「!(あっ。)」
嬉しそうに微笑んでるカンナさんの方を見ると、お皿には何もありませんでした
4人全員に食べさせて、無くなってしまったようです
イヴ「か、カンナさん!」
環那「ん?」
イヴ「あ、あーん///」
環那「え?」
カンナさんが何も食べられないのはかわいそうです
なので、私はケーキをカンナさんに差し出しました
首をかしげて不思議そうにしています
環那「あぁ、そういうこと。じゃあ、おかまいなく。」
イヴ「!///」
そう言った後、カンナさんはケーキを食べてくれました
いつもは甘える立場ですが、食べさせるのもいいですね
環那「うん、美味しいね。イヴちゃんみたいなかわいい子に食べさせてもらえば、なおさら。」
イヴ「お、お世辞が上手です......///」
環那「俺、嘘はつくけどお世辞は言わないよ。」
リサ「まーたこっそりイチャイチャしてるよ。」
燐子「初めて環那君と羽沢珈琲店に行った時を思い出しました......///」
琴葉「ていうか、嘘はつくってハッキリ言ってますね。」
それから、他の皆さんもカンナさんにケーキとパスタを分けて
お腹がいい感じに膨れたところで、私たちはお店を出ました
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“環那”
あれからしばらく車を走らせ、海の近くに来た
海は良い
暑いときも寒いときも、その美しい景色は変わらないから
環那「うん、いい感じだ。」
リサ「出た、かっこつけ。」
燐子「意外とこういうの好きだよね。過程にこだわるというか。」
環那「そう言う性分なんだよ。」
リサに関してはひどい言われようだ
別にかっこつけるつもりはないんだけど
そう言う風に見えちゃうのかな?
環那「まぁ、いいや。さて、このデート最後のイベントを始めようか。」
イヴ、琴葉「!」
俺はそう言い、2人の方に目を向けた
何をするのか分からないんだろう
2人は不思議そうな目を向けてくる
環那「俺たちはこうして付き合うことになったわけだけど、この関係は日本においては異質で、不安定なものだ。細かい決め事もまだしてないからね。」
琴葉「それはまぁ、確かに。」
イヴ「そうですね?」
環那「それぞれがしたいことや、欲しい時間をみんなですり合わせたり、これからどういう風になっていきたいかとか、色々考えていくことになる。そこでだ、俺から一つ、はっきりさせておくことがあると思ってね。」
ゆっくりと2人の方へ近づく
俺達にはある意味、必要になるだろう
不完全なものは、それを整える型がある方がいいからね
環那「俺は4人全員、愛してる。」
リサ、燐子、琴葉、イヴ「!///」
環那「皆を幸せにすることこそ、俺の使命だと思ってる。」
俺はこの4人に開放してもらったようなものだ
それに、こんなに優しい使命はない
こんな人生になるなんて、思ってもみなかった
環那「だから、4人の足並みを揃えるという意味で、2人にも渡しておこうと思って。」
そう言って、2人の前に小さな箱を2つ差し出した
これが最初に行った場所での目的
リサと燐子ちゃんには渡してるけど、この2人にはなかったからね
イヴ「こ、これは!///」
環那「指輪だよ。」
琴葉「......!///(あの時の......///)」
結構、良い反応してくれるな
俺にしては悩んだから、反応がいいと嬉しいね
琴葉「いいんですか?///私たち、もう引き返せなくなってしまいますよ?///」
環那「承知の上さ。」
イヴ「す、すごく嬉しいです!//カンナさんとこんな風になれるなんて.......///」
環那「喜んでくれたならよかったよ。」
2人は指輪を受け取って、嬉しそうにしてる
たかがアクセサリー一つ......でも、その意味は大きい
彼女たちにとっても、俺にとっても
環那「イヴちゃんはちょっと考えないとだけど、琴ちゃんには着けててほしいな。」
琴葉「え?」
環那「その指輪は、俺たちの関係性を強固にすると同時に、この子は誰にも渡さないって言う牽制の意味合いもあるからね。」
琴葉「!!///」
イヴ「私もつけていたいです......///」
環那「ま、まぁ、見つからない範囲ならね?」
イヴ「はい!///」
これで、このデートでやることは終わった
後は、家に帰るだけだ
何というか、安心したよ
リサ「珍しく独占欲出してるじゃん~。」
環那「当然でしょ。誰にもとられたくないんだから。」
燐子「そ、そう......///」
環那「俺、かっこつけに見えるかもしれないけど、好きな人といるためなら、恰好なんて気にしないさ。」
リサ、燐子「///(こういう所、好きなんだよね///)」
それから、俺たちは車に乗り、帰路についた
俺にしては、よくやったんじゃないかな
急なデートだたけど、今日は良い日だった