羽丘の元囚人   作:火の車

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贅沢

 年末とは、日本では特別な日だ

 

 家族と過ごしたり、実家に帰省してたり、人によって過ごし方は様々だろう

 

 その中で旅行と言う選択肢を取るというのも、間違いではないと思う

 

琴葉「__楽しみですね!」

環那「そうだね。」

 

 色々あったけど、今日は旅行に出発する日だ

 

 今は車を走らせ、リサ達を迎えに行ってる

 

 エマも連れて行っていいかなと思ってたけど、あの子から断られた

 

 「恋人同士の旅行に水を差すような無粋なことはしない。」らしい

 

 何というか、変なところで真面目な子だ

 

環那「まっ、楽しむのもだけど、琴ちゃんはリラックスする時間にするといいよ。教師って仕事はただでさえ激務なんだから。」

琴葉「折角の旅行ですよ!楽しまなきゃ損じゃないですか!」

環那「まぁ、琴ちゃんがいいなら。俺はそれを尊重するさ。」

 

 彼女が元気であるのはいいことだ

 

 今の俺にそれ以上の幸せはないんだから

 

環那「ちゃんと琴ちゃんが楽しめるように考えてるよ。」

琴葉「私はあなたといられればどこでも楽しいですが。」

環那「嬉しいこと言ってくれるね。」

 

 俺と一緒にいて楽しいとは自分自身思わないけど

 

 まっ、言われる分には嬉しいね

 

 特にあの4人からだと

 

琴葉「あなたが分かりやすく嬉しそうなのは珍しいですね。」

環那「そう?琴ちゃん達と恋人になあってからは割とこんな感じだけど。」

琴葉「ふふっ、分かってますよ。私も同じですから///」

 

 琴ちゃんは左手薬指にはめられた指輪を見つめながらそう言う

 

 うーん、可愛い

 

 今は運転中だからどうこう出来ないけど

 

 家だったらマズかったかも

 

環那「さぁ、もう少しで着くよ。」

琴葉「はい!」

 

 そろそろ、待ち合わせ場所だ

 

 もう集まってることは確認済み

 

 安全に急がないとね

__________________

 

 “リサ”

 

 今日は旅行に出発する当日

 

 せっかくの環那と付き合って初めての旅行

 

 朝から早起きして気合い入れて来たけど......

 

リサ「__まっ、だよねー。」

燐子「あうぅ......///」

イヴ「すごくお似合いですよ!リンコさん!」

 

 他の2人もすっごい気合入ってた

 

 燐子まで、今までにないくらいオシャレしてる

 

 それに......

 

リサ「やっぱり、着けてるよね~。」

燐子「はい......///」

イヴ「もちろんです!」

 

 皆の左手薬指には指輪がはめられてて

 

 それぞれ、違った特徴がある

 

 いやぁ、なんていうか、環那のこだわりが伺える

 

イヴ「これは、カンナさんからいただいた、大切なものですから///学校やお仕事中は付けられませんが、それ以外の時はずっと着けています///」

燐子「私もです......///これがあると、いつも環那君を感じられて///」

リサ「それを環那が聞いたら喜ぶと思うよ。」

 

 この2人がこんなに嬉しそうなら、環那はすごく喜ぶと思う

 

 ていうか、この指に指輪着けてると、人妻みたいだね

 

 相手全員一緒なんだけど!

 

燐子「今井さんはこう、照れたりとかそう言うのはないんですか......?///」

リサ「うーん、最初はすごい照れたりもしたけど。もう体の一部みたいなものだし、むしろない方が落ち着かないかも。」

イヴ「す、すごい威厳です!」

燐子「流石、今井さん......まるで、歴戦の奥さんみたい......」

リサ「そんなに年取ってるように見える!?」

 

 なんか、最近、年取ってる扱いされてる気がする

 

 イヴはともかく、燐子とは同い年なのに!

 

イヴ「い、いえ、そんなことは......」

燐子「ない......ですよ......?」

リサ「なんで目逸らしてんの?不安なんだけど__!」

 

 あたしたちがそんな会話をしてると、目の前に車が止まった

 

 見覚えのある高級車だ

 

 そんなことを思ってると、運転席から、見慣れたあたし達の彼氏が下りて来た

 

環那「お待たせ。」

リサ「環那、あたしってそんなに年取ってないよね?」

環那「え?リサは若々しいと思うけど。どうしたの?」

 

 環那はあたしの質問に困惑してる

 

 まぁ、だよね

 

環那「何があったのかは分からないけど、大丈夫大丈夫。燐子ちゃんとイヴちゃんもおはよう。」

燐子「お、おはよう。(今井さん......)」

イヴ「おはようございます!」

 

 環那は2人に挨拶をした

 

 まぁ、ここで話してても浪平先生を待たせちゃうし

 

 飛行機の時間もあるしね

 

 ずっと喋ってもいられないか

 

環那「さぁ、皆の荷物を積んだら出発しよう。まぁ、飛行機の時間には少し余裕があるし、のんびり行こう。」

燐子「うん......!」

イヴ「楽しみです!」

リサ「そうだねー!」

 

 それから、あたし達は車に荷物を積んで、そのまま乗り込んだ

 

 さぁ、旅行が始まる

 

 あたしもやりたいことあるし、それも達成できるように頑張ろう!

__________________

 

 “環那”

 

 しばらく車を運転し、空港に着いた

 

 それからはチェックインして、荷物を預けて、さっさと検査場を抜けた

 

 冬期休暇のシーズンは混むし、早いに越したことはない

 

 みんなもなんの問題もなく通貨して、今は飛行機の中だ

 

環那「__いやぁ、ここまでは順調だねー。」

リサ「ねぇ、環那。ここって。」

環那「ん?ファーストクラスだけど。」

燐子(なんとなく、そんな気はしてた......)

 

 そんなに長い時間じゃないけど、4人に負担をかけるわけにはいかない

 

 そうなると、この席しかないよね?

 

 旅行での過度な妥協はよくないと思ってるから

 

琴葉「全くあなたは......」

環那「あはは、いいじゃんいいじゃん。一応、プライベートジェットでも買おうと思った所を我慢したんだから。」

イヴ「れ、レベルが違います......」

リサ(よかった。それじゃなくて本当に良かった......)

燐子(環那君なら大丈夫だろうけど、流石に......)

 

 まぁ、旅行の最初を飾るには充分でしょ

 

 座り心地も問題なし

 

 向こうに着くまでゆっくりできそうだ

 

環那「まっ、テキトーに座ってよ。俺は少し休ませてもらうよ。」

琴葉(最近、忙しそうでしたし、眠たいんでしょうね。)

 

 俺は一足早く席に着いた

 

 旅行を存分に楽しむために、ここは体力を温存しよう

 

 後は、隣に誰が来るか

 

燐子「隣、座るね?」

環那「おぉ、燐子ちゃんか。」

 

 これは何ともいい人選だ

 

 誰が来ても嬉しいことには変わりないんだけど

 

 今の状態でいうと、落ち着いてる燐子ちゃんは適任だと思う

 

環那「飛行機の中じゃあんまりお構い出来そうにないけど、大丈夫?」

燐子「うん。疲れてるだろうし、少しでもゆっくり寝てね?」

環那「それは、ありがたい。」

燐子「で、でも......///」

環那「?」

 

 燐子ちゃんは俺の腕に抱き着いて来た

 

 腕が柔らかいものに包まれてる

 

 それに、すごく暖かい

 

燐子「こうやって、くっついててもいい......?///」

環那「いいよ。むしろ、こっちの方がよく眠れそうだ。」

 

 俺はそう言い、目を閉じた

 

 燐子ちゃんを感じる

 

 こんな風に眠れるなんて、飛行機の席なんて比にならないくらい贅沢だ

 

リサ(その枠、あたしじゃないの~!?)

琴葉(白金さん、私よりも母性的なんじゃ......)

イヴ(カンナさんがあんな風に眠るなんて、流石はりんこさんです!)

 

 

 

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