羽丘の元囚人   作:火の車

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最終工程

 夜の街は自由が利く

 

 昼に比べて人目が少なく、視界も良くない

 

 人に見せられないことをするには、ちょうどいい

 

勝、源蔵「ぎゃあぁぁぁあ!!!」

環那「......これで終わりだ。」

 

 俺は今、最後の工程に臨んでる

 

 これが終われば......

 

勝(じ、次元が違う......!!!)

源蔵「き、貴様は、どこまで私をコケにする......!!!」

環那「別に、今さらお前らをバカにする意味はないよ。ただ、お前らはリスクになる可能性がある。」

源蔵「ぐほっ......!!!」

 

 俺の蹴りがジジイの腹に突き刺さる

 

 早く終わりにしよう

 

 時間は有限、急がないと

 

環那「お前らはここで消す必要がある。選べ、苦しまず消えるか、抵抗して苦しんで消えるか。」

源蔵「き、貴様ごときがぁ......!」

環那「......少しは利口になればいいものを。残念だ。」

源蔵、勝「っ......!?」

 

 俺は2人に注射器を刺した

 

 しかたないから、これでリタイアしていただこう

 

源蔵「これ.....は......!」

環那「お前の両親が打たれたのと同じ薬だ。エマの作品なんだ。効果は折り紙付きだよ。」

勝(なんだ、これ、意識、が......)

環那「次、目を覚ました時には廃人同然になっているだろうけど......仕方ないよね。」

「__環那さん、終わりましたかい?」

環那「あぁ。後は頼むよ。」

「お任せくだせぇ。親父の頼みですから。」

 

 ことを終えると、浪平組の組員が出てくる

 

 前もって、篤臣さんに頼んでおいたんだ

 

 ゴミ掃除を......ね

 

環那(これで、全部終わった。)

 

 全てを断ち切れた

 

 これで、完全に自由な身

 

 それじゃあ、果たしに行くとしよう

 

 俺の最大の責任を

__________________

 

 “燐子”

 

 この数日間で、色んな人から祝福された

 

 今井さん、若宮さん、浪平先生、友希那さん

 

 エマちゃんや氷川さんやあこちゃんも

 

 氷川さんは複雑な表情をしてたけど、皆、祝福してくれた

 

燐子(後は......)

 

 環那君の姿はしばらく見ていない

 

 一体、どこで何をしてるかもわからない

 

 もしかしたら、ほんとは嫌だったのかなとか思ったけど

 

 エマちゃん曰く、それは絶対にないらしいけど、流石に心配になる

 

燐子(環那君、大丈夫かな......?)

 

 分かってる

 

 私が心配するなんておかしいことだって

 

 それでも、不安になっちゃう......

 

燐子「はぁ......」

紗夜「大丈夫ですか?白金さん。」

燐子「大丈夫です。ただ......」

紗夜「あぁ、南宮君のことですか。彼なら大丈夫でしょう。彼をどうこう出来る人間なんて、想像できませんし。」

燐子「そうだとは思うんですが......」

 

 出来れば、側にいて欲しい

 

 そう思ってしまう

 

 初めてのことばかりで不安だからかな

 

 余計にそう思ってしまってる

 

紗夜「まぁ、確かに。妊娠中の女性を放置と言うのは、感心しませんね。」

燐子「その、怒りたいわけじゃなくて......」

紗夜「分かってますよ。彼のことです。最大限の準備をしているのでしょう。」

 

 氷川さんはそう言いながら、私の背中をさすってくれます

 

 学生が妊娠なんて......と少し怒られてしあいましたが

 

 学校にいる間はよく面倒を見てくれるので、氷川さんは優しい人だと思います

 

紗夜「そろそろ帰りましょうか。」

燐子「はい。」

 

 私たちは生徒会の仕事を切り上げることにしました

 

 今日も氷川さんはお家まで送ってくれるみたいです

__________________

 

「おい、あれ......」

「なんでこんなところにいるんだ?」

 

 校舎を出ると、校門の辺りがざわついていました

 

 そこにいる生徒の困惑、驚きが伝わってきます

 

 一体、何が......?

 

燐子「__え......?」

環那「あ、来たね。」

紗夜「南宮君!?(これは......)」

 

 校門の方に歩いて行くと、そこにいたのは環那君だった

 

 けど、少し違う

 

 環那君と関わっていれば分かる

 

 今の環那君は数日前と明らかに違う

 

環那「随分、待たせてしまったね。」

燐子「えっと......」

環那「色々、気になる事があると思うけど、少し場所を変えよう。ここは人目が多すぎる。」

燐子「うん......」

紗夜(私は邪魔ですね。)

 

 私は環那君と一緒に近くの公園に行くことになった

 

 その間の環那君の表情は穏やかで

 

 今までとは明らかに違うのをより感じた

__________________

 

 近くの公園に来ると、私たちはベンチに腰を下ろしました

 

 人通りが少なくて、静かです

 

 なんだか、落ち着きます

 

燐子「えっと、その......」

環那「落ち着いて。質問はちゃんと答えるから。」

燐子「じゃあ、まず、環那君、変わったよね.......?」

環那「変わった......ように見えるか。でも、厳密に言えば、元に戻ったが正しいかな。」

 

 元に戻った......?

 

 一体、どういう事だろう?

 

環那「俺が持ってた未練は全部消えたんだ。これからを生きるために。」

燐子「!(それって......友希那さんにも......)」

環那「流石に少し無理は必要だったけど、結果は得られた。」

 

 多分、すごく辛かったと思う

 

 環那君にとっては今までの指針を捨てるようなもの

 

 今まで生きてきた理由をなくすのは、私が思ってる以上に......

 

燐子「その、環那君......」

環那「別に辛いとか、そう言うのはないんだ。元々、俺の気持ちは燐子ちゃん達に向いてた。後は、いつそうなるかという問題だった。」

燐子「そうなの......?」

環那「うん。だから、何も問題ないよ。」

 

 多分、問題ないのは今だからだと思う

 

 こうなった瞬間はもっと辛かったはず

 

 それを一切顔に出さないのは環那君らしい

 

環那「だから。重要なのはここから。」

燐子「え......?」

環那「やるべきことは終わらせてきて、後は一つ。」

燐子「!///」

 

 環那君に左手を握られる

 

 照れくさくて目を逸らしたくなるのに、出来ない

 

 環那君がそうさせてくれない

 

環那「結婚しよう、燐子ちゃん。」

燐子「ふぇ......?///」

環那「俺は君を幸せにしたい。」

 

 環那君にそう言われて、さらに顔が熱くなった

 

 結婚......って、そう言う事だよね

 

 こんなの、答えは一つだよ......

 

燐子「え、えっと、よろしく、お願いします.....///」

環那「......よかった。じゃあ、これを。」

燐子「わっ///」

 

 環那君は小さい箱を取り出した

 

 その中身は、指輪だ

 

 綺麗な宝石が付いてて、高級感がある

 

環那「絶対、幸せにする。」

燐子「うん......!///」

環那「じゃあ、燐子ちゃん。引っ越ししようか。」

燐子「え......?」

環那「お腹の子どものこともあるし、離れて暮らすのは気が引ける。だから、新しい家、買っておいたよ。琴ちゃんとエマもいるし、サポートは手厚いと思う。あ、ご両親にも話してあるよ。」

燐子「そうなの.....!?」

 

 い、いつの間に?

 

 この数日間、2人には話す勇気がなくて黙ってたけど

 

 もう環那君が話してたの......?

 

環那「荷物を運び出す準備はしてるから。もう新居に行っても良いと思うよ。」

燐子「う、うん(?)」

環那「じゃあ、行こうか。」

 

 環那君はそう言って、私の手を引きました

 

 それからは車に乗って、短いながらも快適なドライブ

 

 なんていうか、この数十分は頭が追い付かず

 

 気づけば、私は新しい家にいました

 

 

 

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