羽丘の元囚人   作:火の車

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一息

 所謂、一等地にある高級マンション

 

 私の家とは比較にならないくらい大きくて、立地もいい

 

 そんなところに私は今いる

 

燐子「こ、ここは......?」

環那「これから、俺たちが暮らす家だよ。」

燐子「......(???)」

 

 一瞬、環那君の言ってることが理解できなかった

 

 これから暮らす?

 

 ここで......?

 

環那「あ、心配しないで。ここは病院も近いし、生活圏もそこまで変わらないようにしてるから。」

燐子「そこは特に心配してないんだけどね......?」

エマ「__あ、来たね、燐子。」

燐子「エマちゃん。」

 

 リビングで環那君と話してると、エマちゃんが出て来た

 

 なんだろう、ちょっと安心した

 

エマ「いきなりで驚いただろうけど、とりあえずおめでとう。」

燐子「あ、ありがとう。」

エマ「これからは、私も燐子のサポートをする。いつでも頼って欲しい。」

 

 エマちゃんがいれば、確かに安心かも

 

 環那君曰く、そこら辺のお医者さんよりもすごいらしいし

 

エマ「燐子の部屋の用意はできてる。出来る限り、今までの生活空間を再現した。」

燐子「そうなの......!?」

環那「それ以外の必要なものも補充してるよ。ご両親へのヒアリングもしてる。」

燐子(い、いつの間に......?)

エマ「これから夕食の用意をする。燐子は部屋でゆっくりしてて。案内する。」

燐子「う、うん。」

 

 私はエマちゃんに部屋に案内され

 

 環那君は夕食の準備をしにキッチンに入った

 

 まだ、これを現実と思えてないから、2人に甘えて落ち着こうかな

__________________

 

 私の部屋はほぼ、今までと同じだった

 

 本棚の配置、パソコンの位置、窓の向き

 

 全部、違和感がない

 

 え、どうなってるの?

 

燐子「ふー......」

 

 落ち着くためにベッドに腰を下ろす

 

 今日一日で色々起きすぎて、情報が整理できてない

 

 けど、一つ確かなのは......

 

燐子(か、環那君と結婚......!?///)

 

 環那君と結婚して、一緒に暮らす......

 

 この事実が身悶えしてしまいそうなほどうれしい

 

 なんだか、夢でも見てるみたい......

 

燐子(こ、これから一緒に暮らして、それでいつか、結婚式とかもするのかな......?///)

 

 考えただけでもドキドキする

 

 今までよりも近くにいられるのが嬉しい

 

 環那君が選んでくれたのが嬉しい

 

 私、どんな風にしてればいいんだろう......?

 

 今まで通り......じゃ、ダメだよね?

 

 ちょっとはそれらしくしないと......

 

燐子(家事くらいは率先してしないと、環那君のパートナーに相応しくないよね......)

 

 今日は驚いたまま甘えちゃったけど

 

 明日からは少しずつ、家事とかしないと

 

 何とかして、ちょっとくらい任せてもらわないと

 

燐子(よ、よし、頑張ろう。)

琴葉『__白金さん、今、大丈夫ですか?」

燐子「浪平先生?あ、どうぞ。」

琴葉「失礼します。」

 

 浪平先生がお部屋に入ってきました

 

 恐らく、お仕事帰りだと思います

 

 きっちりとした服装をしています

 

琴葉「今日から一緒に暮らすので、ご挨拶に来ました。お体の調子はどうですか?」

燐子「今は落ち着いてます。(突然、気分が悪くなることもあるけど......)

琴葉「そうですか。何かあれば、声をかけてください。」

燐子「はい......ありがとうございます。」

 

 浪平先生は穏やかに笑っています

 

 人気の先生と聞いてるだけあって、すごく優しいです

 

 私から妊娠のことを話した時は、心配しながら、叱ってくれましたし

 

琴葉「学生の身で妊娠と言うのは少し早いとは思いますが、愛する人と深い繋がりが欲しい気持ちはよく分かります。それに......」

燐子「?」

琴葉「彼なら、全部何とかしてくれます。学生とか年齢とか、そういうことは超越してる人ですから。」

 

 だから、任せておけばいいです

 

 そう思ってるのがよくわかる

 

 でも、本当にそれでいいのかな......

 

琴葉「......心配そうですが、本当に問題ありませんよ。」

燐子「え......?」

琴葉「今の彼は、次元が違いますから。」

 

 次元が違う......?

 

 あの変化のことかな?

 

 そんなにすごくなったの?

 

琴葉「あ、そろそろお夕飯が出来ますね。行きましょう。」

燐子「は、はい。」

 

 浪平先生にそう言われて、私は部屋を出た

 

 正直、今の環那君がどんな状態かは分からない

 

 いつか分かるのかな?

__________________

 

 浪平先生と一緒にリビングに来ました

 

 テーブルの上にはごはんに生姜焼きにお味噌汁、里芋の煮物、ほうれん草のおひたし

 

 と、すごく美味しそうなご飯が並べられてる

 

 環那君、また料理上手になってる

 

燐子「__美味しい......!」

環那「それはよかった。」

 

 見栄えに負けないくらい、美味しかった

 

 お肉にもお野菜にも味がよくしみてて

 

 一口食べたらまたほしくなるのに、満足感もある

 

 お店で食べるのよりも美味しいかも......

 

琴葉「美味しいくせに栄養バランスもいいので、健康になっちゃうんですよね。」

エマ「お兄ちゃんの料理は完璧。」

環那「普通だと思うけどね。何か特別なことをしてるわけでもないし。」

燐子(か、彼女としての立つ瀬がない......)

 

 環那君、何でもできちゃうよ......

 

 家事は一通りは出来るけど、環那君ほどじゃないし

 

 むしろ邪魔になるんじゃ.....

 

環那「あ、そうだ。」

燐子「?」

環那「燐子ちゃん。後で部屋に行っていい?今後について話したいんだ。」

 

 環那君は私の方を見てそう言った

 

 確かに、少し落ち着いて話したいかも

 

 ここまで全部が急だし

 

燐子「いいよ。待ってるね?」

環那「うん。」

琴葉「私たちはお邪魔そうですね。」

エマ「そうだね。さっさと部屋に籠ろうかな。」

 

 それから私はご飯を食べて、先にお風呂に入らせてもらった

 

 やっと、環那君と落ち着いて話せる

 

 色々あったけど、それが結局、一番楽しみかも

 

 

 

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