羽丘の元囚人   作:火の車

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対応

 お風呂に入って、私は部屋でのんびりしてる

 

 この後、ここに環那君が来るけど、いつ来るのかな?

 

 もう結構、時間経ってるけど......

 

環那『__燐子ちゃん。今、大丈夫?』

燐子「!」

 

 そんなことを考えてると、部屋の扉がノックされた

 

 私はそれに反応して、扉の方に歩み寄って

 

 ゆっくり扉を開けた

 

環那「お待たせ。」

燐子「ううん、大丈夫。部屋、入る?」

環那「うん。お邪魔するよ。」

 

 私は環那君を部屋に招き入れた

 

 二人きりになると少し緊張する

 

 これから一緒に暮らすし、このままじゃダメなんだろうけど

 

環那「さて、じゃあ、話しをしようか。」

燐子「う、うん。」

 

 正直、話さなきゃいけないことはたくさんある

 

 しかも、どれも大切なこと

 

 ど、どれから話すんだろう......?

 

環那「色々、話すことはあるんだけど。まずは、俺たちの子どもについて。」

燐子「う、うん。」

 

 間違いなく、これが一番大切なことだと思う

 

 環那君もそれを分かってる

 

 私もそう思ってるから

 

環那「俺の考えとしては、育てたいと思ってる。でも、負担が大きいのは燐子ちゃんだから、意見を聞きたいな。」

燐子「私も、産んで育てたいと思ってる。環那君との子どもだから。」

環那「そっか。それなら、よかった。」

燐子「!」

 

 環那君は安心したようにそう言うと、私の横に来て

 

 そして、抱きしめてくれた

 

 力強い、男の人の体だ

 

 すごく安心する

 

環那「絶対に幸せにするよ。燐子ちゃんも、お腹の子も。」

燐子「うん......///ありがとう、環那君......///」

 

 数時間くらい、ずっとバタバタしてて、現状を理解するのに必死だったけど

 

 抱きしめられて、環那君に触れて

 

 やっと、愛されてるって思えた

 

環那「愛してるよ、燐子ちゃん。」

燐子「うん、私も、愛してる......///」

 

 幸せだ

 

 妄想してたことが、現実に起きてる

 

 環那君とこんな風になれるなんて、夢みたい......

 

環那「婚姻届けは高校を卒業したらすぐ出そう。」

燐子「あ、そうだ、高校......これからお腹も大きくなるし、どうすれば.......」

環那「大丈夫。」

燐子「え......?」

環那「それはもう、対策してあるから。任せて。」

 

 環那君はそう言って、ニヤッと笑った

 

 一体、何をしたんだろう?

 

 そう思うけど、今の私には環那君が何をしたのか分からなかった

__________________

 

 あれから2ヶ月が経ちました

 

 この間、体育祭や生徒会選挙を乗り切って......

 

 と言っても、体育祭は病気ってことにして見学にして

 

 生徒会選挙は座ってただけなんですけど

 

 何とか、妊娠の件は誤魔化せました

 

 それで、今はと言うと......

 

燐子「ありがとうございました。」

 

 自分の部屋でPCを立ち上げて、それで授業を受けています

 

 これは、環那君が交渉して決めた、特別措置らしいです

 

 普通ならこんな話は通るわけないんですけど

 

 どうやって環那君は通したんでしょうか......?

 

燐子「はぁ......」

 

 お家にいる時間が長い分、休み時間などは暇なことが多いです

 

 少しでも家事をしよう

 

 そう思った時もありましたが、もしもの事があると危ないからダメだと怒られました

 

 あの時の環那君は感じたことのない圧を放っていました

 

 あんな風になってるのは初めてで、ちょっと怖かったです

 

燐子「ふふっ♪」

 

 2ヶ月経って、お腹も大きくなってきました

 

 少しずつ、子どもの成長を感じられて、愛おしさが溢れてきます

 

 それと同時に、お母さんへの感謝の気持ちも大きくなってます

 

 こんな風に自分が生れたんだって思えて

 

燐子(もう折り返し......この子が生まれるのも、そう遠い話じゃない。だ、大丈夫かな?)

 

 私、ちゃんとこの子の親になれるのかな?

 

 現状、私はまだ学生で

 

 まだまだ未熟もいい所だし

 

 ど、どうしよう......

 

燐子(やっぱり、何か役割を......)

環那『燐子ちゃん?』

燐子「~!?(な、なんでいるの......!?)」

 

 静かな部屋で色々考えてると、環那君の声が聞こえた

 

 なんで?

 

 今日は平日で、学校があるはずなのに

 

燐子「か、環那君......?」

環那「あ、いたね。失礼するよ。」

燐子「う、うん。って、あの、学校は.......?」

環那「うちは今日が終業式だよ。言ってなかったっけ?」

燐子「聞いてない。」

環那「あ、それはごめん。」

 

 環那君は笑いながらそう言います

 

 いや、別に謝るようなことじゃないんですけど

 

 少し驚いただけで

 

環那「飲み物持ってきたよ。はい。」

燐子「ありがとう。」

 

 環那君が持ってるのホットミルクです

 

 手で触って分かるくらい、最適な温度

 

 環那君の感覚器官ってどうなってるんだろう?

 

環那「そろそろ昼休みだと思ってね、用意してたんだよ。」

燐子「ありがとう。」

環那「気にしないで。燐子ちゃんは今大変なんだから。」

 

 環那君は優しいです

 

 むしろ、過保護なくらい

 

 私は幸せ者だと思います

 

 でも......

 

燐子「やっぱり、少しは皆の役に立ちたいかも......私一人だけ何もしないのは......」

環那「別に、そんなに焦ることはないと思うよ。」

燐子「でも__」

環那「燐子。」

燐子「!(名前だけ?初めてだ。)」

 

 いつもと雰囲気が違う

 

 優しくも、圧もない

 

 不思議な感じだ

 

 それに、呼び方も......

 

 なんだか、ゾクゾクする

 

環那「今はダメだよ。今の燐子ちゃんはガラス細工より脆いと考えていいんだから。」

燐子「でも、やっぱり気になっちゃうよ......」

環那「せめて、安定期まで待って。安全とは言えないけど、今よりはましだから。」

燐子「うぅ......」

環那「ほら。」

燐子「んっ......っ///」

 

 私が唸ってると、環那君はキスをしてきました

 

 恥ずかしいのに安心します

 

 なんだか不思議です

 

環那「俺は燐子が大切なんだ。だから、もう少しだけ我慢して。」

燐子「なんだか、誤魔化された気がする......///」

環那「あはは、気のせいだよ。はい、授業始まるよ。邪魔になるといけないから、俺はリビングにいるよ。何かあったら呼んでね。」

燐子「うん。」

 

 環那君は笑みを浮かべながら部屋を出ていきました

 

 そして、私は5限目の授業に臨みました

 

 

 この後、この子が生まれるまでの約5か月間

 

 私はよく言えば悠々自適な生活を送ることになります

 

 環那君にうまくコントロールされて......

 

 

 

 

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