羽丘の元囚人   作:火の車

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退院後の生活

 退院してから4日ほど経った

 

 俺は琴ちゃんの家にまだ居候することになり

 

 少しの間は奇異の目で見られたりしたけど、今は何だかんだ平和に過ごしてる

 

 ......はずなんだけどー

 

友希那「か、環那///あ、あーん///」

リサ「ほら、こっちもあるよ!///」

環那「あ、う、うん。」

 

 和解して以降、友希那はこの調子

 

 奇異の目で見られた理由はこれが大きい

 

 今までの扱いと天と地の差だし

 

 ていうかもう変わり過ぎだしね

 

環那「あの、俺は別に食べさせてもらわなくても大丈夫だよ?」

リサ「何言ってんの?右手ないんだし、そのくらいしないとじゃん。」

環那「いや、あの__」

友希那「私の責任だもの、果たさせて......?」

環那「......」

 

 俺、もう左手で箸くらい使えるんだけど

 

 ていうか文字を書くのも多少できるし

 

 ちょっと不器用な人くらいになったんだけど

 

「ど、どうなってんだ?」

「影武者?」

「て言うかモテすぎだろ。」

「羨ましい~!!!」

環那(最後の誰?)

 

 まぁ、そんなことはいいや

 

 俺は友希那の意思を尊重するだけ

 

 つまり、もうこの状況に従うという事だ

 

 ”リサ”

 

友希那「このお弁当、私が作ってみたの......///」

環那「っ!な、なんだって!?」

リサ(環那が感情をあんなに出してる。珍しい__って、え?)

友希那「これ、なのだけれど......///」

リサ(何あれ......破壊物質?)

 

 お弁当

 

 友希那がそう言って出したのは何かよく分からない物体

 

 ドス黒くて紫のオーラが見えてくる

 

 え、これは食べ物なの?

 

環那「わぁ、美味しそうだね!」

リサ(なんで!?)

友希那「そ、そう!///」

環那「ありがたくいただくよ!」

 

 こんなに嬉しそうな環那も珍しい

 

 ここまで嬉しそうなのは友希那が運動会で頑張ってたときとか、友希那が新しい服着たときとか、友希那が褒められたときとか......って、友希那しかないね

 

 てか、今はそう言う問題じゃない!

 

友希那「はい、食べて......?///」

環那「うん。」

リサ(え、マジで行くの?死ぬよ?)

 

 友希那は環那の口にそれを入れた

 

 やばいやばいやばい

 

 下手したら吐血して死__

 

環那「__うん、美味しいね。」

クラスメイト「!?」

リサ「え?」

環那「これは卵焼きだね。うん、すっごく美味しいよ。」

 

 開いた口が塞がらない

 

 いや、あれが美味しい?

 

 まさか、環那って......

 

環那「友希那は料理上手だね。」

友希那「ま、まだまだよ......///」

リサ(あー......)

 

 大体だけど分かった

 

 ていうか環那なら必然なことだ

 

 いや、いくら友希那が大事って言っても限度があるけど......

 

リサ(きっと、友希那の作った物なら何でもおいしく感じるんだろうなー。)

 

 どういう事ってなるけど

 

 でも、もうこれしか考えられない

 

 だってそうじゃないとあれは食べられない

 

 常人が食べたらマジで死ぬって

 

クラスメイト(み、南宮って、化け物か......?)

友希那「また、色々作ってみるわ!」

環那「うん、楽しみにしているよ。」

 

 これ以降、環那は『鋼の胃袋』の称号を得た

 

 あたしも陰ながらそう呼ぶんだけど

 

 まぁ、あたしも流石に化け物だと思った

__________________

 

 ”環那”

 

 放課後、俺は友希那とリサと行動するようになった

 

 俺は今の体に慣れる練習をするんだけど

 

 でも、今日は少しだけ違う行動をしてる

 

環那「__おー、初めて入ったー。」

 

 俺は今、友希那達が練習してるライブハウスに来た

 

 友希那は練習を見て欲しいらしく

 

 俺は2つ返事くらいで付いてきた

 

 だって、友希那の意思は俺の意思だからね

 

あこ「環那兄が来るのは初めてだね!」

環那「来る機会がなかったからねー。」

リサ「まぁ、今日はゆっくりしていきなよ!」

紗夜「いや、何自然にいるんですか?」

環那、友希那、リサ、あこ「?」

燐子(仲良し......?)

 

 紗夜ちゃんはなんで眉間に皺寄せてるんだろ

 

 なんか怒ってるっぽいし

 

 あんまり刺激しないようににこやかに話しかけないと(見当違い)

 

環那「紗夜ちゃん?あんまりイライラしてると美人な顔が台無しだよ?ほら、スマイルスマイル~。」

紗夜「別にイライラしてません!」

環那「美人は否定しないんだ。いや、いいと思うけどねー。」

友希那「......私は?」

あこ、燐子(し、嫉妬してる。可愛い。)

環那「え、友希那?」

 

 俺は首を傾げた

 

 これは所謂、愚問と言う奴だ

 

 だって、俺の回答は決まってるし

 

環那「美しい銀髪に大きな瞳、端正な顔立ちに飛び抜けた声量に歌声。その姿はまるで天使......いや、女神そのものだよ!」

友希那「そ、そう......///」

リサ「知ってる?環那の中で美人って言うのは誉め言葉じゃなくて、ただの感想なんだよ。しかも、100人にアンケートを取ったのを仮定して何パーセント回答があったかによって変わる。友希那を褒める時だけは語彙力が上がるらしいよ。」

紗夜「機械ですか?」

環那「違うよ。ただevidenceを出すために考えてるだけだよ。」

 

 俺は笑いながらそう言った

 

 だって、友希那の誉め言葉は簡単に浮かぶけど

 

 他の人は機械的に考えないと褒める言葉が出ないし

 

環那「友希那以外を褒めるのは苦手だね。感想があんまり浮かんできてくれない。」

紗夜「正直ですね!?」

リサ「あはは、それが環那だしねー。」

友希那「そ、そうよ......!///」

燐子(友希那さん......嬉しそう.....)

 

 こんな話ばっかりしてるけど、練習は良いのかな?

 

 わざわざ無料でもない場所借りてるのに

 

 俺はふとそんな事を考えた

 

環那「練習しなくていいの?」

友希那「あ、そうだったわ。」

あこ「友希那さん、忘れてたんですか!?」

友希那「か、環那に夢中で......///」

紗夜「のろけてる場合ですか!!」

環那「いやぁ、友希那は可愛いなぁ。」

燐子「そう......ですね......(ツッコミする気なし)」

リサ「まぁ、悔しいけど可愛いね。(慣れた。)」

あこ「可愛いね!」

紗夜(ツッコミ不在っ!!)

 

 紗夜ちゃん、すごい顔してるな

 

 でもまぁ、大丈夫でしょ(適当)

 

環那「じゃあ、練習しなよ。折角だし、友希那の歌を楽しむとするよ。」

友希那「えぇ!私の全てを懸けて歌うわ!///」

紗夜「私はよく練習は本番のようにと言いますが......それは本番だけにしてください!」

友希那「みんな、準備するわよ!」

あこ「はーい!」

紗夜「......もう、いいです。」

 

 紗夜ちゃんは何かを諦めたようにそう言った

 

 なんだか大変そうだね

 

 どうしたのかな?(←こいつのせい)

 

友希那「環那、しっかり見てて!///」

環那「うん、分かった。」

友希那「上手に歌えたら、また撫でて欲しい......///」

環那「じゃあ、ウォーミングアップしておくね(?)」

 

燐子(また、イチャついてる......)

あこ(空気、甘......)

紗夜(この2人は......)

リサ(あたしがこう考えるのもあれなんだけど......)

リサ、紗夜、あこ、燐子(これでまだ付き合ってないの?)

 

 それからしばらくして、練習が始まった

 

 友希那の歌はもちろんすごくて

 

 終わった後は約束通り友希那を撫でた

 

 友希那が幸せそうで良かったね

 

 

 

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