羽丘の元囚人   作:火の車

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水着選び

 6月はあんまり好きじゃない

 

 雨は降るし蒸し暑いし

 

 本当にこの月はあんまり好きじゃない

 

リサ「かーんな!」

友希那「おはよう、環那。」

環那「あ、おはよー。」

 

 ボーっとしてると友希那とリサが歩いてきた

 

 友希那が朝に声をかけてくれるなんて......

 

 いやぁ、良い世の中になったねぇ

 

リサ「ねぇ、環那?」

環那「どうしたの?」

リサ「夏休みさ、何か予定ある?」

環那「特にないよー。」

友希那「!」

 

 もちろん、俺に夏休みの予定なんてない

 

 この町には戻って来たばっかりだし

 

 一緒に遊ぶ子もリサや友希那しかいないしね

 

リサ「じゃあさ、環那もあたし達と合宿行こうよ!」

環那「合宿?」

友希那「えぇ、Roseliaのメンバーで海の近くの音楽スタジオで合宿をするの。」

リサ「もちろん、遊んだりもするよ!」

環那「へぇ、海かー。」

 

 海なんて何年見てないだろ

 

 最後に見たのが小学生の時だから......

 

 もう分かんないや

 

環那「他の3人がいいなら、いいかもねー。」

リサ「決まり!前もって確認は取ってるんだよねー!」

環那「用意周到すぎる。」

 

 連れて行く気満々だね

 

 まぁ、断るつもりはなかったんだけど

 

友希那「......じゃあ、買いに行きましょうか。」

環那「え?」

リサ「そうだね!」

環那「なんのこと?」

友希那「水着よ。」

リサ「環那、放課後時間ある?」

環那「......え?」

 

 俺は首を傾げた

 

 その後は何だかんだ授業を受けて

 

 よく分からないまま時間は過ぎていった

__________________

 

環那(__お、おぉ......)

 

 放課後、俺は友希那とリサとショッピングモールの水着コーナーにいる......女性用のね

 

 肩身が狭いってこういう事を言うんだね

 

 周りは女性用水着ばっかりでキョロキョロしてたら不審者扱いされそうだ

 

環那「なんで、俺まで?」

リサ「え?環那に選んでもらおうかなって。」

友希那「環那の好きな水着じゃないと意味がないわ。」

 

 2人は当然と言った感じでそう言った

 

 分かった、これは役得だ

 

 女の子の水着を見られるわけだし

 

 しかも、2人とも可愛いし

 

リサ「じゃあ、環那はまってて!水着選んでくる!」

友希那「いい水着を選んでくるわ。」

環那「うん、楽しみにしてるよ。」

リサ「じゃあ、行ってくるねー!」

 

 そう言って2人は水着を選びに行った

 

 俺は取り合えず店内にある椅子に座った

 

 2人の水着姿を見るのは中学の時のスク水かな?

 

 リサは男子に特にみられてた記憶がある

 

 まぁ、そいつらは蹴っ飛ばしてたんだけど

 

環那(2人は水着、どんなの選ぶのかなー?)

 

 友希那はこう、フリフリしたので

 

 リサは派手そうな水着かなー

 

 なんでそう思うかと言うと、昔一緒にカタログ見た時に言ってたからだね

 

 当時の俺は理解してたから気まずかったのを覚えてる

 

環那(まぁ、成長して変わったかもしれないし。今は分かんないかな。)

友希那『か、環那!』

環那「ん?友希那?」

友希那『その、試着室に来てくれないかしら?』

環那「りょうかーい。」

 

 俺は友希那に呼ばれて立ちあがり

 

 声がした試着室の前に移動した

 

 友希那、もう水着決めたのかな?

 

 意外と早かったね

 

友希那『その、笑わないでね......?』

環那「もちろん笑わないよ?」

友希那『じゃあ、開けるわね......?』

 

 友希那のそんな声が聞こえると

 

 ゆっくりピンク色のカーテンが開いて行った

 

 友希那の水着、どんなだろ

 

友希那「ど、どうかしら......?///」

環那「__!!」

友希那「環那?///」

 

 に、似合いすぎる

 

 紺色で程よくフリルがあしらわれたビキニ

 

 薔薇の模様と色が相まってどこかRoselia味を感じる

 

 本当にバンドが好きなんだ

 

環那「に、似合うよ!すごく可愛い!」

友希那「そ、そう......?///」

環那「うん、世界一可愛いよ!」

友希那「じゃあ、これにするわ///」

環那「待って、それは俺が買うよ。折角だし友希那にプレゼントしたい。」

友希那「え、いいわよ。そこまでしてもらうのは__」

環那「いいんだよ!折角だからさ!」

 

 充分貯金してることだし

 

 どうせお金に使い道なんてないし

 

 それなら友希那に使うのが一番いいに決まってる

 

環那「買わせてよ!ね?」

友希那「そ、そこまで言うなら。」

環那「決まり!」

友希那「じゃあ、着替えてくるわね?」

環那「うん!」

 

 俺が頷くと友希那はカーテンを閉めた

 

 いやー、良いものを見れたね

 

 これから来るであろう幸せが凝縮してた

 

 あれを生みで見られるのが楽しみだ

 

環那(友希那は綺麗だし、きっと海でも映えるんだろうなー。あの銀色の髪が潮風で靡く姿......そんなの見たら美しすぎて罰が当たりそうだ。)

 

 妄想が膨らむ

 

 でも、明確なイメージが出来ない

 

 俺程度の想像力じゃ最高の友希那の姿を浮かべられない

 

環那(まだ1か月あるけど、楽しみだなー。)

リサ『__環那ー?』

環那「リサ?リサも着替え終わった?」

リサ『うん♪しーっかり見てね!』

 

 リサはそう言って勢いよくカーテンを開けた

 

 友希那と違って躊躇いがなく

 

 すぐに水着を着たリサの姿が見えた

 

環那「っ!」

リサ「どうー?環那?」

環那「え、あ、うん。」

 

 正直、リサの水着を見て驚いた

 

 あんまり見たことない種類

 

 だけど、肌の露出がいい可愛らしいビキニ

 

 いろんな色が散ってて花火みたいな模様

 

 後はおしゃれなのか腰辺りにビーズなアクセサリが付いてる

 

環那「に、似合うんじゃないかな。」

リサ「むぅー、やっぱり友希那みたいな反応はしてくれないんだ。」

環那「いや、すごく似合ってるよ。でも、思ったより派手だったから......」

リサ「......ふーん。(あれ、まさか動揺してる?)」

環那(なんだ、これ?)

 

 なんでこんなに動揺してるんだ?

 

 リサだって似合ってるのは間違いない

 

 でも、さっき友希那だって可愛かったし......

 

 こんなの今までで初めてだ

 

リサ「ねぇ、環那?」

環那「ど、どうしたの?」

リサ「こっち来て!」

環那「!」

 

 リサはそう言うと俺の腕を引っ張って

 

 そのまま、俺を試着室に引きずり込んだ

__________________

 

 試着室の中は狭くて、人2人入れば密着する

 

 それが片方水着ならなおさらすごい

 

環那「り、リサ?何をしてるの?」

リサ「環那が珍しく動揺してるし、ちょーっと漬け込んでみようかなって☆」

環那「!」

リサ「ほら、どう?中学の時よりは成長したでしょ......?///」

環那「......っ。」

 

 壁に追い込まれて、前からはリサが抱き着いてくる

 

 豊満な体が水着によって露出を増して

 

 モロに俺の体に当たる

 

リサ「言ったでしょ?環那を振り向かせるって///」

環那「そ、そうだね。(なんでこんなに動揺してるんだ......!?)」

 

 友希那と同じくらい感情が舞い上がってる

 

 なんでだ

 

 俺には友希那以上はいない

 

 今も昔もそう思って生きて来たのに

 

リサ「環那にはもう、あたしの全部を見られてるけど水着はまた別でしょ?///」

環那「り、リサ、やめときなって。バレたら面倒だよ。」

リサ「大丈夫♪その時は恋人ですって言えばいいんだよ♪」

環那「そう言う問題じゃ......っ。」

 

 取り合えず、落ち着かないと

 

 いつも通りにすればいいだけだ

 

 なにも難しい事じゃない

 

 リサと接触しても今までなら冷静でいられたんだ

 

リサ「......あたしは、環那の事が好きだよ///」

環那「っ!」

リサ「ずっと、ずっと......///」

環那「......(くっ......)」

 

 こうしてると、あの日を思い出す

 

 病室での、あの言葉を......

 

 何だって言うんだ......っ

 

環那「......好きって、何なの?」

リサ「え?」

環那「い、いや、なんでもな__」

友希那「__何をしているの?」

環那、リサ「!!」

 

 話してる途中、友希那によってカーテンが開けられた

 

 友希那は不機嫌そうな顔で俺達を見てる

 

 そうか、着替え終わったんだ

 

 それで、俺とリサがいないから......

 

リサ「ご、ごめん~、つい~。」

友希那「何がついよ。思いっきり誘惑してるじゃない。」

環那「だ、大丈夫だよ。俺は友希那以外に__っ!」

 

 違う

 

 俺の脳裏にそんな言葉が浮かんできた

 

 でも、何が違うんだ

 

 自分で自分が理解できない

 

環那「......友希那とリサの水着、俺が買うよ。リサ、着替えたら持って来てね。」

リサ「う、うん?(なんか、様子がおかしい?)」

環那「行こう、友希那。」

友希那「えぇ?」

 

 俺は友希那を連れて試着室を出た

 

 取り合えず、一旦切り替えよう

 

 明日になれば頭がリセットして戻る

 

 そんな事を考えながらリサを待ち

 

 2人の分の水着を買って店を出て

 

 それからは家に帰った

 

 

 

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