人と言うものは良く分からない
獄中での生活が長くて、人間的感覚が弱くなったんだろうか
それとも、心が元からないんだろうか
リサの気持ちが分からない
なぜ、俺に固執してるのか
全く持って俺には理解が出来ない
環那(......なんなんだろ。)
一番分からないのは、自分
いや、俺が自分の事が話からなのは当然だ
俺は、自分が何で生まれたのかすら分からない
だから、心と言う物が正しく機能してない
それは前々から自覚してた
環那(そもそも、人を好きになるって気持ちってどんなだろ。)
俺は友希那を愛してる
けど、それは恩人として
恋愛的な好きとはまた一線を隔してる
あこ「__環那兄ー!」
環那「あこちゃん?」
あこ「やっぱりいた!」
屋上でしばらく考え込んでると
勢いよくドアが開いてあこちゃんが入ってきた
いつも通り、太陽みたいな笑みを浮かべてる
なんて言うか、本当に妹みたいだ
環那「どうしたの?」
あこ「リサ姉が用事があるから、あこがお弁当持ってきたの!」
環那「そうなの?悪いね、忘れてた。」
しまった
考え込み過ぎてご飯のこと忘れてた
こんなミス、初めてかも
あこ「環那兄が珍しいね?」
環那「あはは、俺にも偶にはあるよ......多分。」
あこ「多分なんだね。」
自分ですら知らなかった
あんまりミスをして生きてこなかったから
環那(これは、重症だな。)
あこ「まぁ、いいや!お弁当食べよ!今日はあこが食べさせてあげる!」
環那「え、それはいいよ。もう左手にも慣れたし。」
あこ「えー!?」
環那「?」
あこ「やりたいー!!」
環那「えぇ!?」
あ、あこちゃん、いつからそんな子に?
別に左手は大丈夫なんだけど
もう般若心境模写くらいはできるし
でも、子供の好奇心を阻害するのは......(※2歳差)
環那「まぁ、いいよ。したいならね......」
あこ「わーい!やったー!」
あこちゃんはそう言いながら弁当箱を開けた
なんでこんなに嬉しそうなのかは分からないけど
まぁ、喜んでるならいいかな
あこ「はい!あーん!」
環那「はいはい、あーん。」
俺は差し出されたおかずを食べた
いつも通りのリサの味だ、美味しい
ほんと、料理上手になった
けど、小さい子に食べさせられる構図って危ないね(※2歳差)
環那(んー、なんだろ、この状況。)
あこ「環那兄、美味しい?」
環那「うん、美味しいよ。あこちゃんに食べさせてもらったから、何倍も美味しく感じる。」
あこ「よかったー!じゃあ、もっと食べて!」
あこちゃんはそう言いながらドンドンおかずを差し出してくる
ちょっとペースが早いけど
まぁ、食べられるしいいかな
そんな事を思いながら、俺はお弁当を食べた
あこ「そう言えばさ。」
環那「?」
あこ「環那兄ってRoseliaの合宿来るんだよね?」
環那「うん、行くよ。折角だし。」
あこ「そうなんだぁ。じゃあ、一緒に遊べるね!」
あこちゃんは嬉しそうにそう言った
まぁ、遊べると言っても海には入れないんだけどね
片腕でも泳げるけど、断面晒すのはヤバいし
環那(そう考えたら、腕がないのは不便なのかもしれない。まぁ、それくらいしかないけど。)
あこ「環那兄?」
環那「なんでもないよ。」
あこ「じゃあ、海で何するか話そうよ!花火とかよくない!」
環那「あー、いいね。大きい花火をバーンってね。」
それから、俺とあこちゃんは海でする事を話して
その中で取り合えず、大きい花火とスイカ割をするのは決めた
いやー、楽しみだねー
__________________
放課後、俺はRoseliaの練習に来てる
最近は割とこれが日課だ
料理も掃除も中々できなくなっちゃったし
でも、これはこれで楽しいんだよね
友希那「__ここまでにしましょう。」
それで、2時間ほど練習をし
友希那はメンバーに向けてそう言った
張り詰めた空気が解けて、雰囲気が緩くなる
Roseliaの威圧感はやっぱりすごい
リサ「あ~!疲れた~!」
友希那「環那!」
環那「お疲れ様、友希那、リサ。」
紗夜(また始まった......)
練習が終わると2人がこっちに駆け寄ってきた
なんだか、妹か娘みたいだね
2人とも、すごく可愛い
紗夜「南宮さん、もう少し場をわきまえてください。」
環那「これ、俺が悪いの?」
紗夜「......ろ、6割......前後。」
環那「び、微妙だね。」
俺が練習に来るようになって、紗夜ちゃんの気苦労は絶えないみたいだ
まぁ、友希那とリサがこれで、あこちゃんも似た感じ
まともなのは紗夜ちゃんと......
燐子「......」
紗夜「白金さん、どうかしましたか?」
燐子「あ、なんでも......ないです......」
燐子ちゃんだけ、かな
ていうか、燐子ちゃんとはあまり喋らない
何と言うか、避けられてる感じ
まぁ、色々やっちゃったし、仕方ないかな
リサ「燐子って環那と全然喋らないよね~。」
燐子「え......そ、そうですか......?」
あこ「確かに、あこ、一回も見たことないかも。」
友希那「私もよ。」
燐子「え、あ、そ、その......」
燐子ちゃんの目がグルグルしてる
まぁ、興味ない男子と話してないよね~とか、そうゆうこと言われると困るよね
環那「まぁまぁ、いいんじゃないかな。別に燐子ちゃんが困ることなんて無いんだから。」
紗夜「そうですね。白金さんは男性が得意ではありませんし、話さないのも何ら不思議ではないです。特に、南宮さんは変な人ですし。」
環那「そうそう、って、さりげなくひどくないかな!?」
リサ「まぁ、環那が変なのは認めるよ。」
あこ「環那兄、変人だもんね~。」
環那「変かな?普通ではないと思うけど......」
俺は肩を落としながらそう言った
自分の事をまともと思ったことはないけど、そんなに変なのかな?
獄中ならもっと変な人いたけど
友希那「環那は変だけれど優しいのよ?燐子にも良さが分かればいいのだけれど。」
環那「無理強いすることでもないよ。別に、関わって得する人間でもないしね。」
燐子「そ、そう言うのではなくて......」
まぁ、俺は言ったとおりの事を思ってるけど
避けられてる理由は何なんだろ?
心当たりはたくさんあるけど
その中のどれなんだろう?
紗夜「お喋りはここまでにして、片付けましょう。利用時間が終わりますよ。」
環那「そうだね。俺も出来る事は手伝うよ。」
紗夜「片手でしょう......まぁ、強いて言うなら湊さんのおもりをお願いします。」
友希那(子ども扱いされてるわ。)
環那(紗夜ちゃん、段々俺達の扱いに慣れてきてる。)
紗夜ちゃんに言われ、俺は友希那と話して
楽器組はそれぞれの楽器を片付け
利用時間ギリギリくらいで俺達はライブハウスを出た
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外はもう陽が落ちて、街灯が薄暗い道を照らしてる
Roseliaの練習時間ってすごいんだね
でも、女の子だけでこんな時間までは危ないね
誘拐とか、ちょっと怖い
リサ「ねぇ、環那ー。明日って数学小テストだよねー?」
環那「確か、そんな事言ってたね。」
友希那「小、テスト......?」
環那、リサ、紗夜、あこ「あっ(察し)」
燐子(友希那さん......)
友希那の小テストは、俺が助けないとかな?
まぁ、数学は得意だし大丈夫だけど
そろそろ、勉強の方も真面目に見ないといけない
......前のテストを見た感じね
エマ「__かーな。」
Roselia「!?」
環那「エマ?」
ノア「ほう、女5人を侍らせるとは、見上げたやつだ。」
環那「ちょっとどころじゃない語弊があるね。」
建物を出てすぐ
エマとノア君が電柱の陰から出て来た
全く気付かなかったけど、どうやって隠れてるんだろう?
俺はそんな事を考えてると、リサが話しかけて来た
リサ「環那?この2人、誰?」
環那「お友達だよ。」
ノア「誰がだ。」
環那「まぁまぁ。」
俺はノア君をなだめるように手を動かした
あんまり素を出し過ぎると怖がっちゃうし
ここは上手く話しを進めないと
環那「2人は何の用でここに?」
エマ「報酬の準備が出来た。」
友希那「......報酬?」
紗夜「何かしてたんですか?」
環那「うーん、まぁ、色々?」
それにしても、報酬か
気になるのは準備って部分
用意じゃなくて準備
つまり、何かするつもりって事?
環那「その報酬って、何?」
エマ「それは、私の研究室に来れば分かる。けど、少しだけ時間がいる。」
環那(エマでも、時間がかかるの?)
余計に分からないな
キーワードは研究室、時間がかかるの2つのみ
エマ「きっと、損する事じゃない。今から研究室に来て。」
環那「え、いや、あの、明日学校。」
ノア「四の五の言わずついて来い。エマの命令だ。」
リサ、友希那「環那!?」
環那「乱暴だなー。あ、心配いらないよ!悪い......人たちではないと思うから!多分!」
リサ「多分!?」
俺はそうしてノア君に連行された
エマの言う、報酬
果たしてこれは何なのか
この後すぐ、俺はそれを知らされることになる