羽丘の元囚人   作:火の車

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殴り込み

 妹の奇襲

 

 あれで事が動いてしまった

 

 一見して、妹を探す必要性はないように思える

 

 けど、それは間違いだ

 

 あれを本物の妹だとするなら、あの電話は恐怖以外の何物でもない

 

環那(なんで、俺の事を知ってるんだ。)

 

 妹(仮)の年齢を13,4歳としよう

 

 根拠は、俺が祖父母の家に預けられたのが4歳の時

 

 その時に母親の体に目に見えた変化はなかった

 

 けど、預けたって事は俺が邪魔だったってこと

 

 そして、俺がいる間に祖父母の家に子供が増えなかったって事は......十中八九、女の子が生まれたって事

 

環那(俺は両親が祖父母の家に来るときは離れの物置に監禁されてたんだ、俺の姿なんて、見るわけがない。)

 

 つまり、どこかから俺の情報を入手したことになる

 

 分かりやすく言えば、妹(仮)を放置すれば、俺のプライバシーが危ういってことだ

 

 しかも、向こうは会いたそうにしてるし

 

 だったら、探した方が得は多いでしょ

 

環那(......情報収集、してみようか。)

琴葉「__南宮君、朝ですよー......?」

環那「え、もう?」

琴葉「もうって、寝てないんですか?」

環那「少し考えないといけない事があってね。」

琴葉「?」

環那「少し待ってて、朝ごはん用意するから。」

 

 俺はそう言って椅子から立ち上がり

 

 琴ちゃんの朝ごはんを用意しに行った

 

 さて、今日は土曜日......

 

 だったら多分、空いてるかな

 

 まず当たるなら、あそこだ

__________________

 

 朝の生徒が登校する土曜授業の日の中学校

 

 ここは2年もいなかった俺の母校だ

 

 いやぁ、懐かしいなぁ

 

「だ、誰あの人?」

「なんか、怖い......」

「なんでずっと笑ってるんだ?」

 

 なんか色々なこと言われてるけど

 

 まぁ、気にしなくてもいいや

 

 それより、情報を集めるならどこだろう?

 

 取り合えず一番偉い奴のとこ行けばいいや

 

 って思って、来ました

 

環那「__おーい!クソ校長ー☆」

校長「な、何だお前は!?」

環那「あれ?覚えてないの?この学校最高の汚点の自覚あるんだけど。」

校長「み、南宮環那......!?」

 

 校長は幽霊でも見たような顔でそう言った

 

 まぁ、トップ3に入るくらいには嫌われてるし

 

 ていうか、すごい顔

 

校長「な、何の用だ!?」

環那「えー?出所したからお礼に来たんだよー。」

校長「っ!」

 

 俺はそう言いながら思いっきり校長の机に足を乗せ

 

 上から目線で睨みつけた

 

環那「面倒って理由で友希那へのイジメを放置し、挙句には隠蔽のため俺だけを犯罪者に仕立て上げた、超有能保身第一クソ校長先生☆可愛い可愛い教え子が卒業証書を受け取りに来たよ☆」

校長「偉そうにモノを言わないようにと少年院で習わなかったのかな?」

環那「あはは、知らないなぁ。でも、俺は模範囚だったんだ。」

 

 相変わらず、偉そうだなぁ

 

 今すぐ友希那の分も殺してもいいんだけど

 

 まぁ、目的はそこじゃないし

 

 こんなカス、ほっといても死ぬでしょ

 

校長「元生徒なんかが偉そうにするものじゃない。早く謝って帰りなさい。」

環那「ははっ、口を慎めよ、カス。」

校長「なに......!?」

環那「怒ることないだろ?俺はこれでも、腸煮えくりかえるの我慢してるんだよ。別に俺を犯罪者氏にしたことなんて些細な問題だけど......友希那放置を全教員に強制したこと、許してないから。」

校長「......!」

 

 このカス、いつまで偉いつもりなんだろう?

 

 ていうか、何をもって俺が下手に出ると思ったんだろ

 

環那「別に、俺はこの学校の教員を皆殺しにするなんてわけないんだよ?あの時、可哀想な友希那を無視した奴の名前も住所も家族構成も血液型も大切なものも何でも知ってるんだよ?......ははっ。」

校長「な、何なんだお前は......!?」

環那「今日は情報収集さ。簡潔に言うから答えろ。ここ数年の間に南宮って名字の生徒は来たか?」

校長「......知らん。」

環那「はい、ダウト。」

 

 ドン!っと机の音が鳴った

 

 分かりやすく焦ってるね

 

 分かりやすいカスだ

 

環那「遊びに来てんじゃないんだよ。」

校長「い、いや、わ、分からないんだ。」

環那「......なんだって?」

校長「確かに、南宮という名字を見た記憶はある、だが、この学校からは全てのデータが消えてるんだ!」

環那「なるほど。」

 

 向こうの方が何手も早いな

 

 少なくとも数年前には行動が始まってる

 

 中々、策士だね

 

環那「ここまでは想定内ってことか。じゃあ、いいや。もうここに用はない。」

 

 俺はそう言って机から脚を下ろし

 

 校長に背中を向けた

 

校長「......(い、今のうちに!)」

環那「余計なことは考えない事だよ。」

校長「!!?」

環那「あんたの不貞行為、もう握っちゃった☆」

 

 俺はある写真を校長に見せた

 

 見てないけど見える

 

 多分、ミカンみたいな顔面が梅干しになってるね

 

環那「俺の機嫌を損ねたら......分かるよね?おじーちゃん☆」

校長「ぐっ!く、クソ......!」

環那「(......殺しはしないよ。残りの人生、精々生き地獄を味わえばいい。)くふっ、あははははは!!」

 

 俺は笑いながら校長室を出た

 

 あー、情報収集ついでにスッキリした!

 

 ......また、校長辞める前に来てやろ

__________________

 

 と、スッキリしたところでまた中学の廊下

 

 折角だし、クソ恩師でもいないかなー

 

 あいつらに仕返しする方法も考えてるんだよね

 

 色んな証拠、あるんだけどなー

 

リサ「__あれ、環那?」

環那「リサ?なんでこんな所に?」

リサ「いやー、うちってさ、中高一貫じゃん?だから、手伝いでダンス部が駆り出されてんの。」

環那「へぇ、ダンス部ー。」

リサ「?」

「__ひっ!み、南宮、君......!?」

環那「あっ、やっぱりいたかー!新人教師......いやぁ、元新人か。今年で5年目、年齢は28歳。ババアって呼んだ方がいい?」

 

 俺は女教師に歩み寄った

 

 注目人物ナンバー5、春日春希

 

 着いてるねー......探す手間が省けた

 

春日「な、なんでここに......!?」

環那「おじいちゃんと話しに来たんだよ。まぁ、ついでにビビらせちゃった☆」

リサ(この喋り方、やばい......!)

 

 俺がこのババアを嫌いな理由

 

 色々あるけどー

 

 まぁ、こいつも保身に走ったからだね

 

 校長に体を差し出すのと引き換えに

 

環那「......おじいちゃんとの子供は出来たかい?ていうか、気持ちよかった?是非とも、友希那と引き換えにしたソレの感想をずーーーっと聞きたかったんだ。それで、どうだった?答えろよ、あばずれババア。」

春日「あ、あぁ......!!」

環那「おいおい、泣くなよ。まるで俺が悪いみたいじゃないか。」

「__おい、お前!」

環那「ん?」

 

 ちょっと遊びすぎたかな

 

 もう1限目の授業が終わってる

 

 仕方ない、か

 

環那「今日の遊びはここまでだ。」

男子生徒「おい!春日先生に何したんだよ!」

環那「遊びさ、遊び。」

男子生徒「!」

 

 俺はうら若き男の子の肩に手を置いた

 

 純粋そうな子だ

 

 正義感に満ちた、いい子だ

 

 さぞ、ババアは良い教師だったんだろうねぇ

 

 うん、実にいい子だ

 

環那「自分の信じたいものを信じればいいさ。そう言った絶望、後悔が君を少しずつ成長させてくれる。」

男子生徒「はぁ?」

リサ「ちょっと環那!?」

 

 いやぁ、良きことだね

 

 俺は1人の若者の成長に貢献した

 

 この子は将来、きっといい大人になる

 

 家族を持って子供を持って

 

 きっと、人を育てる時に間違いを起こさない

 

環那「クフフ......あはははは!!」

春日「!!」

環那「是非とも、あんたみたいな大人にしないでくれよ?これからのご活躍に期待します。春日春希大先生。」

 

 俺は笑いながら廊下を歩いて行った

 

 さて、ここにもう用はない

 

 有象無象に構うのはまた今度でもいい

 

環那「精々、楽しい生き地獄を。あははは!!」

リサ「ちょ、待ってよ環那ー!」

 

 取り合えず、それだけを言い残し

 

 校舎の中から出ることにした

 

 後ろからはリサが付いてきて

 

 なぜか、お説教された

 

 

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