放課後、俺は友希那とリサに呼び止められた
2人はかなり難しい顔をしてたし
何かあったのかと思い教室に残り
3人で1つの机を囲んでる
リサ「__って、訳なんだけど。」
環那「なるほど。」
2人の話を聞くと
俺がノア君と接触した同時刻にエマと接触していたらしい
多分、俺が正体に気付いたから動いたんだろう
これは別に何ら不思議なことじゃない
でも、話してた内容が良く分からない
環那(うーん......嫌いか。)
エマは2人の事が嫌いらしい
なんか、俺の事も言ってたらしいけど
どこまでほんとでどこまで嘘かが分からない
実際にこの目で見たわけでもないし
どういう感情か分からない
友希那「あの子は環那の腕を直したこのなんでしょう?」
環那「そうだよ。」
リサ「じ、実はヤバい子だったりしない?」
環那「ヤバい、かもね。」
エマは実際、かなりヤバい
頭も良いし、武力もノア君でカバーできる
けど、解せない事がいくつある
環那(......今回の動き、理解し難いな。)
兄弟喧嘩に勝利条件があるとして
俺はエマのもとにたどり着けば勝ち
けど、エマの場合は勝ち方がよく分からない
環那(......けど。)
向こうが手っ取り早く勝つ方法がある
それは、友希那とリサを人質に取ること
そう考えると、今日の動きは解せない
俺だったら、2人の方にノア君を送り
そして、人質に取り、立場を優位にする
でも、そうしなかった
環那(勝つ気がない?)
この義手だってそうだ
向こうは明らかに俺を警戒してた
元からここまで計画してるなら、腕なんか治さない
動き的に勝つ気があるとは思えない
環那(分からないな。)
リサ「環那?なんか、難しい顔してるよ?」
友希那「何か、考え事よね?」
環那「まぁね。」
分からない事を考えても仕方がない
取り合えず、身の回り
友希那にリサ、燐子ちゃんに琴ちゃん
この辺りの人たちの安全は確保しておきたい
俺のわがままなんだけどね
環那「まっ、2人には手を出させないから大丈夫。安心して。」
友希那「それはいいのだけれど......」
リサ「環那は大丈夫なの?」
環那「大丈夫大丈夫。なんとかなるよ。」
どっちにしろ、正体以上の謎を解かないと
難儀なものだよ
環那「取り合えず、2人は気を付けてね。変な人に襲われそうになったら助けを呼ぶんだよ?」
友希那「えぇ、分かったわ。」
リサ「環那はどうするの?」
環那「燐子ちゃんの家にいるよ。もう少しいてみたいからね。」
リサ(やばい、燐子に環那持っていかれる!!)
友希那(本当に仲良しになったのね。)
それから、俺達は学校を出て
2人はそれぞれ家に
俺も燐子ちゃんの家に帰って行った
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”燐子”
学校が終わって、私は急いで家に帰ってきた
今日の練習はお休みだし
南宮君が帰って来るかもしれないから、鍵を開けておかないと
そう思って、早く帰ってきた
環那「__ただいまー、燐子ちゃんー。」
燐子「おかえりなさい......南宮君。」
私が帰ってきた30分ほど後、南宮君が帰ってきた
このやり取り、なんだか夫婦みたいって思っちゃう
こんなこと考えてると、嫌がれるかな?
燐子「今日は、どうだった......?」
環那「そうだねー、解決と新たな問題が提示された日かな。」
燐子「?」
環那「まぁ、琴ちゃん......あの同居人と仲直りしてね。」
燐子「そ、そうなんですか......!」
よ、よかった
南宮君、嬉しそうにしてる
やっぱり、その人が大切だったんだ
燐子(あ、でも......)
それじゃ、南宮君、帰っちゃうのかな......?
それは、寂しいな......
折角、仲良くなれたのに......
燐子「じゃ、じゃあ、南宮君は帰るんだね......」
環那「そうかもしれないね。」
燐子(やっぱり......)
少しは距離を縮められたと思う
けど、友希那さんや今井さんには届かない
もっと、お話したかった
環那「少し、問題があってね。それに燐子ちゃんを巻き込みたくないんだ。」
燐子「え......?」
環那「俺はもっと、ここにいたいんだけどね。」
燐子「!?」
南宮君、もっといたいって言った!?
友希那さんにしか興味ないと思ってたのに
私のこと、気に入ってくれたのかな?
燐子「......私も、もっといて欲しいですよ///」
環那「え?」
燐子「い、いえ、なんでも......///」
つい、口走っちゃった
どうせ、1週間で終るはずのことだったし
結局、終わるときは来てたんだもんね
環那「ねぇ、燐子ちゃん?」
燐子「はい?」
環那「今の問題が解決したらさ、どこか一緒に行かない?」
燐子「え......?///」
環那「お世話になったし、そのお礼もしたいからね。」
南宮君は優しい笑みを浮かべながらそう言った
つ、つまり、デートに行くって事ですか?
あの、南宮君が?
私は信じられなくて、一瞬思考が停止した
燐子「......出来る事なら、7月7日の七夕祭りに///」
環那「あー!あのお祭りかー!いいね!」
燐子「ふ、2人で、ですよね......?」
環那「もちろん!」
夢みたい......
南宮君にデートに誘われた
これって、もしかしなくても、脈ありなのでは?
燐子「なんで、私とその......お出かけを?///」
環那「個人的に、燐子ちゃんに興味がある。」
燐子「!!///」
環那「それだけじゃ、不十分かな?」
ど、どうしよう
本当に勘違いしちゃいそう
もしかして、私にもチャンスがあるのかな?
き、奇跡が起きてる?
燐子「じゅ、十分です......///」
環那「よかった。」
燐子「あ、お夕飯、作りますね......///」
環那「ありがとう。」
私はそう言って立ち上がり
お夕飯を要するためにキッチンに立った
料理をしてる時、嬉しさで浮足立って
ちょっと失敗しそうになったのは、秘密です
__________________
”環那”
夜、俺は燐子ちゃんと同じベッドに入ってる
なんだか、学生同士の距離感じゃないね
まぁ、今さらなんだけど
燐子「__ん......っ」
環那(かわいい。)
横で寝てる燐子ちゃんを見る
この子は本当に綺麗だ
容姿もだけど、心が本当に綺麗だ
汚れなんて一切ない
俺とは真逆だ
環那(運命の人、か。)
この子は埋めてくれる
俺が持ってないものを何でも持ってる
そして、それを教えてくれる
この子がいれば、俺は人間になれる
環那「......ありがとう。」
燐子「んぅ......?」
俺は燐子ちゃんの頭を撫でた
そして、静かにベッドから出た
そろそろ行かないとね
周りに被害が出ないように、早く片付けないと
環那「本当はもっと燐子ちゃんといたいんだけどね、そう上手くはいかないみたいだ。」
そう呟いて、俺は机の方に歩き
付箋とペンを拝借し
お世話になりましたと出かけてきますという旨の文章を書いた
環那「......さっ、行こうか。」
俺は自分の荷物を持ち
静かにドアを開け部屋を出て
家の鍵を拝借し、玄関に歩いて行った
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外に出て、家の鍵を閉め
その鍵をポストに入れた
そして、俺は歩きだした
環那(__夜の街は静かだねー。)
深夜1時30分の住宅街
どの家も電灯はついてなくて
まるで死んだように静かだ
環那(......さてと。)
しばらく歩き、俺はあの河川敷に来た
多分、ここくらいでいいかな?
燐子ちゃんの家からは十分離れたし
環那「__ノーア君。ついて来てるのは分かってるよー。」
ノア「......ちっ、お見通しってわけか。」
俺が名前を呼ぶと
やっぱり電柱の後ろから姿を現した
何と言うか、芸がないよね
環那「俺がエマなら、0時を回ったら行動に移すからね。昨日は終わったって。」
ノア「......」
環那「それで、命令はなに?俺を倒して来いって?」
ノア「行ってこい以外の命令は受けてない。」
環那「!(ほう......)」
なるほど、そういう事か
命令によるリミッターをはずし
ノア君に俺をぶつけたのか
中々、悪くない案だと思う
まっ、関係ないけど
ノア「だから、これは俺の独断だ。」
環那「で、なに?俺とやり合う気?喧嘩のダブルブッキングは勘弁なんだけど。」
ノア「俺はお前に質問に来ただけだ。」
環那「......」
そう来たか
まぁ、内容は大体わかる
どうせ......
ノア「お前は、エマを......妹を殺す気か?」
環那(だと思った。)
回答次第では......ってのも考えられる
けど、この状況で一番の愚策は嘘をつく事
後々になって暴走されるのが1番面倒だし
何より、俺の周囲に被害を出したくない
だったら、正直に言った方がいい
環那「俺も、色々考えたんだけどさー。」
ノア「......っ!(この目は......!)」
環那「殺そうと思うんだー。そうする必要があると思って。」
ノア「......」
ノア君は無表情のままたたずんでる
顔、怖いなー
これだけで人殺せるんじゃない?
環那「じゃ、俺はエマの所に行くね。」
ノア「......なぜ。」
環那「?」
ノア「なぜ、お前はそんな簡単に選択できた?」
ノア君はそう問いかけて来た
この子、マジか
まぁ、普通なら悩んで悩んで悩みぬくんだろうね
でも、俺はそういうとこ欠落してるし
なにより......
環那「それは、君が命を絶つことしか出来ないからだよ。」
ノア「っ!!」
環那「まっ、見ててよ。」
俺はそう言って歩きだした
さて、行こうかな
......『天才』エマを殺しに