羽丘の元囚人   作:火の車

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転校生は妹

 俺はエマを家に連れて来た

 

 時間的にはもう夜だし

 

 多分、琴ちゃんも帰ってきてる

 

環那(うーん、どうしようかな。)

 

 俺はまぁ、自身の怒りに関しては許した

 

 けど、琴ちゃんは許すかな

 

 実害が出たのは俺じゃないし

 

環那「__琴ちゃーん、ただいまー。」

琴葉「あ、南宮君!」

環那「なにしてるの?」

 

 家に入るとテーブルの上には料理が置かれてた

 

 珍しい、作ったのかな?

 

 てゆうか、出来たんだ

 

琴葉「え、えっと、頑張って料理を始めたんです!流石に26ですからね!26!」

環那(そんな自分の年齢連呼しなくても。)

 

 ここでいらないこと言ったらヤバいね

 

 うん、ここは静かにしとこう

 

 勇気あるノーコメントってことで

 

琴葉「あなたはどうしたんですか?」

環那「あ、あー、ちょっと話を聞いてあげて欲しい子がいてさ。」

琴葉「話?」

エマ「......私。」

琴葉「!?」

 

 エマは俺の後ろからヒョコっと顔を出した

 

 琴ちゃんは驚いた表情を浮かべ

 

 エマを凝視してる

 

琴葉「み、南宮君、流石にロリコンはマズ__」

環那「いや、そうじゃないから。この子、妹。」

琴葉「妹ぉ!?」

エマ「南宮エマ。」

 

 琴ちゃん、騒がしいな

 

 いや、驚いてるし当たり前か

 

琴葉「それで、なんで私に?」

エマ「......あなたにあの文書を送りつけてたのは私。」

琴葉「え?」

エマ「あのスナイパーも、私が雇った......」

環那「......」

 

 エマは静かな声でそう言った

 

 琴ちゃんは突然の事で固まってる

 

 や、やばいかも

 

エマ「謝っても、仕方のない事......どんな報復でも受ける。」

琴葉「......あれは、本当にあなたが。」

 

 琴ちゃんはそう呟いた

 

 その様子を見て、俺は少し身構えた

 

 正直、琴ちゃんをどうにかするのは簡単だ

 

 けど、これはそういう問題じゃない

 

琴葉「......私は、南宮君を身勝手に傷つけました。だからあれは、報いなのだと思っています。」

環那、エマ「!」

琴葉「だから、私は貴女を責められません。」

 

 琴ちゃんは淡々とそう言葉を連ねる

 

 優しい声音に表情

 

 そのまま、琴ちゃんはエマの頭に手を乗せた

 

琴葉「結果的に南宮君が助けてくれて、関係も修復しましたし、結果的には感謝しています。ですが......」

環那「どうしたの?」

琴葉「少し、彼女には教育が必要ですね。」

エマ(......教育?)

環那「あぁ、そういう事。」

 

 大体、今の言いようで察した

 

 なるほど

 

 確かに、それはエマも足りてないかもしれない

 

 それに確か、エマの扱いは......

 

琴葉「あなたなら出来ますよね?どうせ。」

環那「ははっ、どこで気付いたんだか。まぁいいや。じゃあ、俺はちょっと出て来るよ。」

エマ「お兄ちゃん?」

琴葉「あなたは今日からここに住みなさい。小さな女の子を放っておけませんし。」

エマ「え、ちょっと__」

環那「じゃあ、行ってくるねー。」

 

 俺はそう言って家を出ていき

 

 後ろからは困惑したエマの声を聞こえた

 

 それにしても、こんなあっさり許すなんて

 

 人間って、やっぱり分からないね

__________________

 

 その翌朝、俺はいつも通り学校に来た

 

 昨晩は色々あって大変だったけど

 

 エマは琴ちゃんのと仲良くやっていけそうだし

 

 当面は安心って感じかな

 

環那「......クフフ。」

リサ「なーに笑ってんのー?」

友希那「随分うれしそうね?」

環那「山場1つ超えたからねー。」

友希那、リサ(山場?)

 

 もしかしたら7月までかかると思ったけど

 

 意外と早く終わって燐子ちゃんと祭りにも行ける

 

 いやー、よく頑張ったなぁ

 

リサ「なんかあったの?」

環那「そうだなぁ、今日のホームルームで分かるよ。」

友希那「ホームルーム?」

環那「うんうん!」

 

 きっと、2人は驚くだろうなぁ

 

 どうゆう意味かは別として

 

友希那「環那?」

環那「どうしたの?」

友希那「その、七夕祭りにリサと一緒に行きたいのだけれど......」

環那「あー、ごめん。その日は燐子ちゃんと行くことになってるんだ。」

リサ「!?」

 

 そっかー、友希那もお祭りに行くんだ

 

 昔はあんまり好きそうじゃなかったのに

 

 前向きになったんだねー

 

リサ「め、珍しいね?友希那の誘いを断るなんて。」

環那「まぁ、燐子ちゃんが先に誘ってくれたしね。」

リサ(ほ、ほんとうに環那......?)

 

 リサは信じられないといった目で俺を見てる

 

 いや、確かに酷かったと思うけど

 

 うーん、リサにも今までのお詫びした方がいいかな

 

 実際、蔑ろにしてたって言われたし

 

リサ「?」

環那(リサにはまだ何も出来てないし。)

リサ「どうしたの?」

環那「いや、なんでもないよ。」

 

 幸い、たくさん時間も出来た

 

 色々出来る事もあるだろう

 

 時間をかけて、何かしよう

 

環那「......リサって__」

琴葉「__皆さん!席に着いてください!」

環那「!(琴ちゃん......なんてタイミングで......)」

リサ「せ、席着かないとー。(環那、どうしたんだろ?)」

友希那(環那、色々考えてる時の顔をしてたわね。)

 

 友希那とリサは席に着き

 

 琴ちゃんは教壇に立った

 

琴葉「さて、今日はこのクラスに転校生が来ます。」

 

リサ「え?」

「転校生?」

「春に南宮来たばっかりなのに?」

「てか、高3で転校って珍しくね?」

リサ(ま、まさか。)

友希那(なるほど。)

 

 クラスは少し困惑してる

 

 けど、友希那とリサは俺をの方をちらっと見た

 

 流石は俺の幼馴染

 

 やることなすことお見通しだね

 

 そう、エマは俺と同じように飛び級扱いにし

 

 校長と理事長に言ってこのクラスに捻じ込んだんだ

 

琴葉「入ってきて!」

エマ「__うん。」

友希那、リサ「!?」

 

 琴ちゃんが廊下の方に呼びかけると

 

 羽丘の制服に身を包んだエマが入ってきた

 

 それを見て、2人は驚いた表情をしてる

 

 まぁ、そうだよね

 

エマ「南宮エマ。」

リサ(え、ど、どういうこと!?)

友希那(これは、流石に驚いたわね。)

 

「え、か、可愛い......」

「天使が降臨したぞ!!」

「えー!?お人形みたーい!」

「って、南宮って今......」

環那(うんうん、掴みはバッチリ。)

 

 男子の視線はエマに集中してる

 

 女子も可愛い女の子は大好きみたいだ

 

 いやー、見た目が良いのは得だねー

 

 俺の時とは態度が大違いだ

 

 笑えて来た

 

エマ「好きな人は環那お兄ちゃん......///」

環那、友希那、リサ「......ん?」

エマ「この世で一番、愛してる......///」

環那「......」

リサ「環那!?」

友希那「ど、どういうこと......?」

 

 あー、そう言えば言ってたなー

 

 昨日もずっとこの調子だったし

 

琴葉「え、エマちゃんの席は南宮君の隣なので、どうぞー。」

エマ「うん。」

 

 エマは軽く頷いてこっちに近づいて来た

 

 いやー、掴みバッチリだね

 

 自己紹介って覚えられたもの勝ちだし

 

エマ「お兄ちゃんの膝の上、座っていい?」

環那「いいけど、琴ちゃん以外の先生は許可とってね。」

エマ「分かった。」

琴葉「私にも取ってください!?しかもダメですよ!?」

エマ「えー......」

環那「郷に入れば郷に従え、だよ。」

 

 駄目なものは仕方ないね

 

 俺は別にどっちでもいいけど

 

エマ「それが人間社会の原理?実に窮屈、けど、効率的。」

環那「学校という小さな社会を統率するなら、これ以上の手段はないとさえ思えるね。制服も、それを象徴する物だよ。」

エマ「なるほど、制服にそんな意味が。」

環那「エマはこうことを学ぶんだよ。分かった?」

エマ「うん。」

 

 エマは深く頷いた

 

 いやー、お兄ちゃんらしい事してるねー

 

 俺、結構向いてたりする?

 

エマ「これからよろしくね、お兄ちゃん♡」

環那「はいはい、オッケー。」

エマ「......♡」

友希那(これは......)

リサ(先が思いやられるね......)

 

 こうして、エマがクラスメイトになった

 

 頭は凄くいい子で勉強は役に立たないだろうけど

 

 一般常識とかを学んでもらえれば

 

 まぁ、それでいいかな

 

 

 

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