夜、俺はあの後結局学校をサボり
色々な準備を進めていた
今はその事で琴ちゃんに正座させられてる
琴葉「__なんで、学校をサボったんですか!」
環那「い、いやー、色々あって。」
琴葉「色々って何ですか!?」
琴ちゃんはそれはもう大激怒だ
教師って立場もあるし
俺が燐子ちゃんの家にいたこともバレてるし
さっきもリサ達にSNSで弁明してきた
そっちは燐子ちゃんも否定してくれて終わった
けど、こっちは簡単に終わらないらしい
環那「まぁ、それはこれから分かるよ。」
エマ「お兄ちゃん......寂しかった。」
環那「ごめんごめん。」
ピンポーン
俺が苦笑いで謝ってる途中
部屋のインターフォンが鳴り響いた
琴ちゃんとエマは首を傾げてドアの方を向き
その間に俺は2人の横を通り過ぎた
琴葉「南宮君のお客さんですか?」
環那「うん、待ってたんだよ。俺が今日、学校に行かなかった理由。」
そう言いながら、ドアを開けた
部屋の前には結実さん
それともう2人、気弱そうな女性社員がいた
結実「こんばんは、環那さん。」
?「こ、こんばんは。」
??「夜分遅くに申し訳ありません......」
環那「どうぞ、上がってください。同居人には許してもらいます。」
俺は3人を家に上げて
そして、リビングまで通した
すると琴ちゃんは驚いたような顔をして
エマは何かを察したような顔をした
琴葉「あの、その方たちは?」
環那「うーん、そうだなぁ......」
結実「?」
結実さんの方を俺はチラッと見た
彼女は不思議そうに首を傾げている
環那「朝に車に轢かれそうになったから、示談の話でもしようと思って。」
結実「え?」
環那(ふむ、なるほど。)
結実「っ!!」
俺は結実さんのスカートについてるピンを取った
彼女は驚いた顔をしてたけど
流石にこれを見逃すと後々面倒臭い
環那(盗聴器か。セクハラのついでの取り付けたんだろ。)
琴葉「南宮君?」
俺は盗聴器を破壊した
疑り深く見ててよかった
昼にはついてなかったものだったし
環那(あと、盗聴機器になりそうなものは......)
3人の姿を観察した
小物、荷物の中、全てのポケットの中、服の布と布の間
その全てを確認したが、何もなかった
環那「うん、大丈夫だね。すいませんね、マジマジと見てしまって。」
結実「い、いえ、盗聴器に気付くなんて、すごいですね。」
環那「昼にあなたの観察は済んでましてね。違和感があったので、検査させていただきました。」
そう言いながら椅子を引き
3人に座ってもらった
俺はその向かいに座り、エマも隣に座ってきた
琴ちゃんは困惑しながらも静かにしてる
さて、話し合いの開始だ
環那「まず、自己紹介をお願いします。」
保奈「入江
麗「波
保奈さんと麗さんね
2人とも黒髪の真面目そうなキャリアウーマン
でもまぁ、気弱って感じが見たらわかって
セクハラとかするのにはうってつけだろうなぁ
環那「それでは、お二人の事情を聞かせてください。」
保奈「お話、します......」
そうして、2人は事情を話し始めた
どうやら2人はジジイと言うより南宮家のコネ入社社員の被害者みたいだ
俺より6つは上の男らしく
仕事しないわ、ハラスメント連発するわ、でも学歴だけは良いからあの会社では反論できないわで、好き勝手らしい
うーん、我が親戚ながらクズだな
エマですらドン引きしてるぞ
環那「__な、なるほど。」
流石に俺もドン引いた
あの家、俺を超えるクズっぷりだな
いやぁ......大変だなぁ
保奈「お願いです、革命を達成した暁には、あいつらを解雇してください......」
麗「このままじゃ、あたし達は.....」
環那「それは別に構いません。ですが......1つ、質問に答えてください。」
保奈、麗「......?」
別にそいつらを消すことはやぶさかではない
ただ必要なのは覚悟ある同士
生半可でいざというときに怖気ずく人間はいらない
だから、あえて質問しよう
環那「もし、結実さんのように関係を持ちたくなければ俺を車で轢き殺せと言われたとして、あなた達は俺を轢き殺しに来ますか?」
保奈「え......?」
麗「そ、そんな......」
2人とも、うつ向いて難しい顔をしてる
横を見なかったことは良い
さぁ、後は回答次第だ
保奈「......私は、します。」
琴葉「!!」
麗「あたしも、絶対に何があっても実行します。あんなのとするくらいなら......」
環那「......なるほど。」
エマ「......」
2人は控えめにそう答えた
2人とも、プルプルと震えてる
環那「くふふ......!」
保奈、麗「!!」
環那「良い、それで良い!素晴らしい!イカれてる!あははは!!」
琴葉「南宮君......」
エマ「うん、中々いい覚悟。」
俺は大笑いした
うんうん、素晴らしい
こういう人材はいざって時に役立つ
環那「いいねぇ、あなた達なら俺の計画について来れる。そして、俺もあなた達に協力する甲斐もある。」
琴葉「あのー、計画とかなんとか、何事ですか?」
環那「あはは、すっごく楽しい事だよ。」
人材の量は足りないように思われる
けど、質はこれ以上ない
この条件さえ揃えば俺の計画は実行できる
むしろ、元々1人いればできたんだ
数が増えればそれだけ効率が上がる
環那「さぁ、作戦の概要を説明しようか。」
結実、保奈、麗「!」
そう言って俺はいくつかアクセサリーをだした
指輪、ピアス、ネックレス
これは1つの要素を除いては一般的なアクセサリー
けど、その1つの要素が重要なんだ
環那「これには全部、超小型マイクを内蔵しています。そして、その音声は全部、この録音機器に繋がる。」
琴葉「そんなの用意してたんですか!?」
環那「作っちゃった☆」
エマ「お兄ちゃん、流石......///」
念のためにスペアを作っててよかった
実験も成功して、性能も十分
この計画なら問題ないだろう
環那「あなた達はそれを身に着け、普通に生活してくれればいい。ついでに賛同者も集めてくれれば、なお良し。」
結実「え、それだけでいいんですか?」
麗「しかも、アクセまで貰えるし......」
環那「まぁ、1つたかが10万程度ですよ。折角なので、計画が終わればマイクを外して差し上げます。」
保奈「えぇ!?」
これは別に美人さんだからとかじゃない
ただ、説得力を持たせたいだけだ
セクハラの抑止力になればいいけど
うーん、今度はモラハラが過激になりそうだな
環那「このアクセサリーは恋人に買ってもらったという事にしておいてください。」
エマ「そうすれば違和感はない。」
麗「こ、高校生なんですよね?そんなお金、どこから?」
環那「それならもうすぐ分かりますよ。今度、○○大学から発表される論文......とかね。」
結実(な、何者......?)
ただ、俺が考えた論文を売っただけだ
個人的に考えたものなのに犬みたいに食いついて
交渉なんて必要なく大量のお金を手に入れた
エマ「お兄ちゃん、もう一個の方も交渉が付いてる。いつでも実行可能。」
環那「もう連絡ついてたんだ。じゃあ、こっちに連絡回してくれる?」
エマ「もう渡してある。近いうちに準備して、連絡が来るはず。」
環那「素晴らしいね。」
なんだ、もう準備が整った
これなら実行は遠い話じゃないな
もう少し、この停滞状態を楽しみたかったなぁ
長い方が面白いし
環那「これで話は終わりです。何か質問は?」
そう尋ねると、3人とも首を横に振った
よし、じゃあ、これで終わりだな
環那「じゃあ、本日は解散。あなた達の活躍に期待しています。」
結実「はい、よろしくお願いします!」
保奈「精一杯、務めさせていただきます。」
麗「環那さんのお役に立てるように頑張ります!」
3人そろって「それでは。」と言い、家を出て行った
いやー、いい感じに話が進んだなぁ
琴葉「......南宮君?何をする気ですか?」
環那「くふふ......なーんにも悪い事じゃないよ。ただの、革命さ。」
琴葉「危険は、ないんですよね......?」
環那「どうだろうねー。9割ないって感じ。」
俺はそう言って立ち上がり
エマの方をチラッと見た
見た感じ、もう全部整ってる
環那「さーて、ご飯食べて寝よっかー。」
琴葉「もう!またスルー!」
環那「今日のご飯はー、ビーフシチューにしよー。」
そう言って俺はキッチンに立ち
昼の空いた時間に作ったビーフシチューを温めた
その間、俺は笑いが止まらなくなって
いつも以上に琴ちゃんが苦笑いを浮かべてた
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1週間後、俺はとうとうテスト期間に入った
まぁ、普通に忘れてて国語だけ全力で詰め込んだ
苦手なんだよねぇ......やっぱり
リサ「__環那ー!」
環那「んー?」
リサ「一緒に帰ろ!」
あこ「あこもあこもー!」
エマ「私も。」
友希那「さ、3人とも早いわ......」
帰ろうとしてると4人が後ろから走ってきた
やばい、考え事して無意識で歩いてた
俺、こういうところあるよねぇ
友希那「珍しいわね。私達より早く教室を出るなんて。」
環那「い、いやー、考え事をしてて__!」
笑いながらそう言ってる途中
ポケットに入れてる携帯が鳴った
俺は携帯を出し、画面を見た
リサ「誰?」
環那「ちょっと、ね。」
エマ(なるほど。)
友希那、リサ、あこ「?」
環那「ごめん、出るね。」
俺はそう言って電話に出た
電話の向こうからは車の音が聞こえ
数秒して女の声が聞こえた
?『もしも~し、久し振りだね、環那~。』
環那「言っても数か月ぶりでしょ。にしても、すまないね。いきなり仕事を頼んで。」
?『いやいや~、こんなに美味しい仕事、中々ないでしょ!』
電話の向こうの人物は陽気にそう話してる
この人物は獄中にいた時の俺の知り合い
この計画における2番目に重要な人物だ
?『もう、準備は完全に整ってるよ~。3週間くらいでいい?』
環那「あぁ、いいよ。後は君に任せる。」
?『りょうか~い!報酬の話、忘れないでね!』
環那「勿論。出来高の方も多くなるのを期待してるよ。」
?『ふっふっふ~、お任せ!』
そんな声の後、電話が切れた
その後、俺は小さく笑い
待ってくれてる3人の方にゆっくり歩いた
リサ「環那ー?何ニヤニヤしてるのー?」
友希那「何かいい事でもあったの?」
あこ「テスト、そんなに良かったの?」
環那「普通だよ、あはは。」
リサ「まぁ、いいけど、帰ろっか!友希那は勉強だし!」
それから、俺は4人と家に帰り
琴ちゃんの家で友希那の勉強会をした
テストが終われば夏祭りと合宿だ
こっちの事はもう安心だし
俺は俺で、ゆっくり楽しむとしようか