終業式の前日
俺はある地下にある会員制のバーにいる
ここに集まってるのは俺とエマを含めた5人
今回の作戦の要となる人物達だ
環那「今日は集まってくれてありがとう。九十九、人見、新太。」
九十九「いやいや~、環那ちゃんの招集だからね~。」
人見「依頼主の意向は絶対。それが仕事の基本ですわ。」
新太「俺はあくまで協力関係だ。お前が役立つうちは従っておく。」
環那「ははっ、ありがとう。」
エマ(お兄ちゃん、とんでもない人材を集めたね。)
ここにいるのは間違いなく有用なメンバー
九十九、人見は所属する業界でのスペシャリスト
新太は今回の作戦の最終兵器
そう、この5人が今回のトップチームだ
環那「人見、経過は順調?」
人見「ええ、もちろん。順調そのものですわ。」
九十九「いや~、人見ちゃんが手際良いからすーぐに情報も集まっちゃうよ~。」
環那「じゃあ、引き続きお願いするよ。」
人見「前から思っていましたが、予定を早めないのですわね?今の状態でも十分に潰せると思いますが。」
環那「潰せる材料は多い方がいい。新太の立場も考えて......ね。」
新太の立場なら、証拠が大いに越したことはない
動きやすさも変わって来るしね
新太「俺は俺の正義に基づいて悪を罰する......それは南宮環那、お前も含まれる。」
エマ「加持新太、口を慎んで。お兄ちゃんは何年もあれに手出しできなかった無能なあなたに手を貸してあげてるの。これ以上の失言は、無能をさらに露呈するだけ。」
新太「......なんだと?」
エマ「何を怒ってるの?事実でしょ?」
新太「......」
わ、わぁ、空気が険悪ぅ......
エマ、やっぱり新太と相性悪いなぁ
まぁ別に、エマと新太の協力はいらないし
作戦を進行するうえでは何の影響もないかな
人見「どうしますの?リーダーさん?」
環那「別に馴れ合いは求めてないし、仲が悪いならそれはそれでいい。」
人見「あらあら、案外冷めてますわね。」
環那「それは皆、分かってるでしょ?あくまでみんな、駒なんだから。」
九十九「おぉ~!言うねぇ~!」
新太「悪人らしい思考だ。」
エマ「お兄ちゃん、素敵......///お兄ちゃんのためなら、駒でも売女にでもなんでもなる......///」
環那「後者は勘弁してほしいな。」
エマは本気か冗談か分かりずらいんだよね
流石の俺も中学生の年齢の子を売女にしないよ
するにしても、自分の身近な人間なんて選ばないし
環那「まぁ、皆はそれぞれ自分の仕事を遂行して欲しい。期待してるよ。」
エマ「お兄ちゃんの期待を裏切らないようにすることだね。」
人見「お任せください。」
九十九「任せておいて~!」
新太「......ふんっ。」
このメンバーなら大丈夫でしょ
相性はともかく、能力は折り紙付きだ
自動で動く駒ほど便利なものはない
環那「今日は解散。飲みたかったら好きに飲めばいいよ。」
九十九「ありがと~!」
人見「私も、加持さんには興味がありましてよ?」
新太「酒は飲まん。下戸なんだ。」
環那(そうなんだ。)
エマ「帰ろう、お兄ちゃん。」
環那「うん、そうだね。」
そう言って、俺とエマは店を出た
仕上げまで着々と進んでる
決着も、そうは遠くないかな
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翌日、俺は終業式で学校に来た
これから、久しぶりの夏休みを迎える
今年は友希那達の合宿に引っ付いて行くし
いや~、楽しみだね~
環那「~♪」
友希那「嬉しそうね、環那。」
リサ「そんな風になってるのも珍しいね?」
環那「まぁね~。」
エマ「お兄ちゃんが嬉しそうで、私は幸せ。」
だって、海だもんね~
友希那の水着をビーチで見られるんだよ?
それはもう楽しみでスケベ心を踊るってものだよ
リサ「環那?鼻の舌伸びてるよ?」
環那「俺の鼻の下は伸びるためにあるんだよ。」
リサ「いや、どういう事!?」
リサはそうツッコんできた
まぁ、半分は冗談だよ?
流石に年がら年中伸びてるわけじゃないし
友希那「あ、言いそびれたことがあるのだけれど。」
環那「?」
友希那「エマも、合宿に来るわ。」
環那「え、そうなの?」
エマ「燐子に確認を取った。」
環那「え......」
いつの間に連絡先を交換したの?
いや、仲良くしてるなら良いんだけどさ
環那(エマは知らないうちに行動してるな......)
リサ「準備終ってんの?」
エマ「終わってる。元々、荷物が多い方じゃない。」
リサ(女の子として、それはどうなんだろう。)
環那「さて。」
終業式も終わってるし
後はもう家に帰るだけかな
環那「そろそろ帰ろう、エマ。」
エマ「うん、そうだね。」
リサ「あたし達は練習だよね?」
友希那「そうね。このあとすぐよ。」
じゃあ、今日はここでお別れか
俺は家事をしないといけないし
これから少し忙しいな
環那「じゃあね、友希那、リサ。」
友希那「えぇ。」
リサ「うん!また合宿でね!」
環那「うん、また。」
俺達は一緒に教室を出て
校門を出た後、俺とエマは2人と別れた
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家に帰ってきたら家事だ
料理を始めたけど琴ちゃんはまだ生活力低いし
エマは出来るだろうけど、中学生だからね
あんまり家事で拘束したくない
だから、俺がするわけ
『~♪』
環那「ん?」
洗濯物を干してる途中、リビングに置いてある俺の携帯が鳴った
俺は一旦洗濯を干すのをやめ
リビングに戻って電話を取った
人見『南宮さん?』
環那「どうしたの?何か動きに変化があった?」
人見『えぇ、耳寄りな情報が。』
環那「?」
人見が耳よりって言う事は本気だね
何か重要な情報を引き出したのかな?
人見『あれが、南宮さんの名前を出しましたわ。あの男は潰さないといけない、と。』
環那「なるほど。」
人見『完璧ですわね。恐れ入ります。』
環那「なんてことないよ。」
オッケーオッケー
あれがバカなお陰で仕事が楽だな~
これはもう、人見に任せておけば大丈夫でしょ
人見『あれもあなたに直接手を出せるとは思っていないでしょう。だとすれば......』
環那「俺以外で、確実に俺にダメージを与えようとする、でしょ?」
人見『そう考えるのが自然ですわね。あなたの場合、弱点がそこですもの。』
環那「あはは、あれも頭使ってるんだね~。」
人見『それでも所詮、ミジンコ程度ですわ。』
環那「間違いない。」
我ながら酷い言いようだな
まぁ、事実だから仕方ない事だけど
それにしても、ネズミ捕りより簡単だな
人見『それに、九十九さんからの報告が。』
環那「なに?」
人見『あの女性社員3名の活躍により、あの会社の8割を掌握したと。』
環那「へぇ、偶然の産物だったけど、頑張ってるね。」
8割ってすごいなぁ
俺の集めたデータから考えると......
まぁ、良い感じに動いてくれてるのが分かる
もう十分じゃないかな?
人見『報告は以上ですわ。』
環那「お疲れ。引き続きお願い。」
人見『えぇ、もちろん。南宮さんも、伴侶探しに精を出されれば。』
環那「九十九も言ってるけど、そんなのじゃないから。」
人見『ふふっ、それでは。』
そう言って、人見は電話を切った
全く、女の子は何で恋愛話が好きなのかな?
リサも好きだって言ってたし、そういう生き物なの?
環那「......エマ。」
エマ「どうしたの?」
環那「俺とエマが行動を起こす日取りを決めた。それによって、プランはBにする。」
エマ「了解。じゃあ、私が動くのは8月8日だね。」
環那「そう。これが多分、一番効率がいい。」
まぁ、どっちにしても合宿を楽しむ時間はある
まずはそっちを楽しもう
環那「まずは合宿。後の事は九十九と人見に任せよう。」
エマ「そうだね。」
それから、俺は洗濯物を再開し
エマは部屋に戻って行った
さぁ、合宿までもうすぐだ