人生はそう上手く行かない
望まなくても不幸は平等に与えられ
幸福を得るにはそれ相応の努力が必要で
努力しないものは地の底まで落ちていき
おまけにスタート地点は極めて不平等
まるで、改悪された資本主義だ
それを創った神ってのはクソ野郎......
環那「__マジか。」
燐子「もう、見つかった......?」
と、今まで思ってた
けど、そこまで悪いものでもないかもしれない
偶にはいい事もしてくれるみたいだ
環那「いい深さの洞窟だね。一晩過ごすには申し分ない。」
燐子「こ、こんなに都合よく行くんだね......」
環那「俺も想定外だよ。」
燐子ちゃんの安全を守れるのに越したことはないし
ここは有難く神に甘えておこうか
まぁ、今までの所業は許さないけど
環那「よし、火を起こして山菜を食べよっか!」
燐子「え、出来るの?」
環那「クフフ、いつかあの家を全焼させてやろうと思って練習してたんだよね!」
燐子(わ、笑えない......)
半分冗談は置いといて
取り合えず、俺は火を起こすことにした
と言っても、火種を集める物と石でかまどを作る
火きり板、火床を用意し、出来るだけ頑丈な棒を用意する
そして、火きり板を圧をかけるイメージで擦って
煙が上がった木くずを火床に落とし
息を吹きかけ、火を強くし
後はかまどに薪を詰めて火を燃え移らせ
火を大きくしたら......
環那「__はい、完成!」
燐子「す、すごい......!」
環那「まぁ、普通に生きてればこんなことしないよね。」
さて、山菜を焼こうかな
まさか、この年になってこんなサバイバルをするなんてね
こんな状況だけど、すごく楽しい
こんな楽しい野宿、初めてだ
環那「~♪」
燐子(す、すごく余裕そう。鼻歌歌ってるし......)
環那「山菜は美味しいよ~。魚が取れたら最高だったけど、我が儘は言えないね。」
燐子「食べたことあるの?」
環那「いや、雑草とか木の枝食べてた時期もあったから、山菜は美味しいだろうなーって。」
雑草は苦くて敵わなかった
木の枝も硬くて口の中切れるし
それに比べたら何でもおいしいでしょ
環那「はい、焼けたよ!食べられる?」
燐子「う、うん。」
燐子ちゃんは神妙な表情で焼けた山菜を受け取った
焼いたし、菌は大丈夫だと思うけど
女の子は少しためらうよね
燐子(さ、山菜だから......食べても平気、だけど......)
環那「あはは、やっぱり食べずらいよね~。」
燐子「え?あ、ご、ごめんね......」
環那「仕方ないよ。都会に住んでちゃ、自分で摘んだ山菜は食べるの躊躇うよ。」
でも、何も食べないのもなー
そんな事を考えてると、ポケットに違和感があった
俺はそれを手に取り、ピンときた
環那「良いものあった。これ、食べなよ。」
燐子「これ、チョコレート?」
環那「そうそう!俺、頭回すために甘いもの常備してたんだけど、それが偶々3つ残ってた。いらないから食べて。」
燐子「あ、ありがとう......!」
燐子ちゃんは嬉しそうにチョコレートを受け取った
うんうん、女の子は笑顔に限るね
て言うか、山菜が思った以上に美味しいんだけど
普通に感動した
燐子「甘い......♪」
環那「あはは、良かった。(さて......)」
今晩はここで眠るとして
明日は取り合えず、川を遡って滝に向かう
あそこからなら帰れるだろうし
何より、確実な道しるべがあるからね
環那(後、ノア君がエマと接触してればその辺にいるかもしれない。拾ってもらえれば、ラッキーかな。)
燐子(って、南宮君に頼ってばかりになってる......!)
環那(山菜食べたし、少しでも体力回復しとこっと。)
俺はそう思い目を閉じ
この後、燐子ちゃんが寝てる間の見張りの事を考え、仮眠をすることにした
__________________
「__や__く」
環那(......?)
なんだか、遠くで声が聞こえる
......って、燐子ちゃんしかいないじゃん
やば、何かあったのかも
環那「......どうかした?」
燐子「あ、ご、ごめん......寝てた......?」
環那「大丈夫。すぐ起きれるようにしてたつもりだから。」
どれくらい寝てたのだろうか
火が消えてないし、そんなに長くはないのかな
けど、体力は十分ある
一晩くらいなら起きてられるかな
環那「それで、何かあった?」
燐子「えっと、その......」
環那「?」
燐子ちゃんは申し訳なさそうに
だけど、どこか嬉しそうに川の方を指さしてたから
俺はそれに従い視線を向けた
環那「......これは、蛍かな?」
燐子「う、うん......!すごく綺麗だから、南宮君にも見て欲しくて......!」
環那「......」
ほんとに可愛いな、この子
俺がこんな風に思う女の子は珍しい
基本的に今まで女の子に魅力を感じなかったし
環那「蛍が光るのは求愛行動らしいね。」
燐子「あ、それ聞いたことあるかも......」
環那「恋多き生物だね。」
寿命なんて1~2週間しかないのに
その間に恋を知って求愛して子作りか
中々、波乱万丈な人生だなぁ
環那、燐子「......」
そんな会話の後、場が静寂に支配された
聞こえるのは川の流れる音、風で葉が揺れる音だけ
けど、こう言った時間も悪くない
燐子ちゃんが放つ雰囲気が心地良いからかな
燐子「......ごめんね。」
環那「え?」
しばらくの沈黙の後
燐子ちゃんが小さな声でそう言った
何のことか分からない
なにについて謝ってるんだろう?
燐子「怪我、してるよね......」
環那「!(気付かれてた?)」
燐子「私を庇ったせいで......ごめんね......」
燐子ちゃんは涙目のままそう言って来る
別に、この子が謝る必要はない
俺には見捨てるって言う選択肢があって
それを選ばなかったのは自分自身だし
環那「別に謝る必要はないと思うけど。」
燐子「でも......」
環那「あはは!燐子ちゃん、性格良すぎ!」
燐子「そ、そんなこと......」
今時こんなに性格いい子は珍しい
南宮の人間見てたら女神に見えるよ
俺を筆頭に性格最悪だしね
エマとか一部は除くけど
環那「俺はそんな燐子ちゃん、結構好きだよ。」
燐子「!?///」
環那「優しいし、可愛いし、理想的な女の子だね。」
って、なんで口説いてるんだろ
初心な子にこんな事したらダメでしょ
犯罪認定されるよ
燐子「え、えっと......///」
環那「あはは、ごめんね。ちょっとテンション上がってるみたい。」
俺は笑いながら謝った
全く、困ったものだよ
ちょっと落ち着かないt__
燐子「......南宮君は、私のこと、好き......?///」
環那「え?」
っと、今、この子はなんて言った?
俺が燐子ちゃんを好きかって?
え、どういう事?
環那「えーっと、それはどういう意味で?」
燐子「恋愛、だよ......?///」
環那「恋、愛......?」
あれ、どうなってるの?
燐子ちゃんの表情は色っぽいし
なんだか距離も近くなってる気がする
それに、息も荒れてる?
燐子「もし、私が告白したら、付き合ってくれる......?///」
環那「燐子ちゃんとそうなるのも悪くないとは思うよ。なるかならないかは別問題だけど。」
燐子「じ、じゃあ......!///」
環那「!!」
燐子ちゃんはバッ!と立ち上がり
俺の手を引き、洞窟に入った
洞窟の中には灯りなんて無くて
外で燃えてる炎の光だけが光源になっていて
どこか、妖しい雰囲気を醸し出してる
燐子「__ここで......私と、1つになって......?///」
環那「へ......?」
そんな状況で、彼女はそう言った
その表情はいつもの可愛らしい感じとは違って
妖艶な、色気のある表情をしてる
これが、あの燐子ちゃんなのか
そう思ってしまうほど、普段とギャップがある
燐子「覚悟は......出来てるから!///」
環那「燐子ちゃん!?」
俺の左手が、燐子ちゃんの方へ誘導され
そのまま、あの豊満な胸に触れた
形容できない、柔らかい、フワフワした感触
そして、少し遠くに心臓の鼓動を感じる
燐子「好き、だよ......///」
環那「っ!」
燐子「南宮君が、大好きです......///だから、ここで......」
これ以上、聞いちゃいけない
流されるのが目に見えてる
そう分かってるのに、動けない
阻止することを俺の本能が望んでない
このままの流れに身を任せたい
ダメなのに、そう思ってしまう
環那「り、燐子ちゃ__」
燐子「__一生消えない思い出、欲しいな......?///」
環那「っ!!」
その時、俺の中で何かが切れたのを感じた
一気に欲望に支配され、目の前の少女に迫って行き
彼女の甘い声が漏れたと同時に、
岩壁にある2つの影が1つに重なった