夜ご飯を食べた後、俺は皆と海辺に出た
夜の海には大きな満月が映ってて、良い眺めだ
昔、天窓から見てたのと同じものとは思えない
あこ「__これが漆黒の炎......!」
リサ「わっ!あこ、2本も持っちゃダメだって!」
紗夜「湊さん、花火が逆ですよ。」
友希那「あら、そうなの?」
紗夜「説明書にそう書いてます。」
そんな場所で俺達は花火をしてる
花火なんて小学校の林間以来かな
あの時は俺と友希那とリサの3人だったけど
今となっては7人だもん
人生何が起きるか分からないね
エマ「お兄ちゃん、嬉しそう。」
環那「ん?そう見える?」
エマ「見える。」
環那「あはは、まぁ、そうだよね。」
今の状況は死ぬほど嬉しい
俺は友達出来にくいし
親しい人間が増えたのは喜ばしいことだ
エマ「......」
環那「......」
シャァァァとシャワーみたいに火花が散ってる
赤、紫、橙、黄、黄緑など様々な色があり
炎色反応を感じてるとエマが話しかけて来た
エマ「燐子と何かあった?」
環那「さぁね。」
エマ「一線、超えた?」
環那「......」
あれ、エマって相手の心読めるの?
出来ないことも無さそうだけど
流石にできないでしょ
環那「......まぁ。」
そう思うけど、エマに隠し事は出来ない
だから、正直に答える事にした
口に出すと昨晩の事を思い出す
エマ「燐子のこと、好きになった?」
環那「元から結構好きだよ。」
エマ「でも、よく分かってない。」
環那「......正解。」
なんでこんなに俺のこと分かるんだろ
似た者兄妹だからかな
以心伝心率が高い気がする
環那「どうしても、恋愛とかになると第三者視点で見ちゃうんだよね。」
エマ「それはお兄ちゃんが悪いわけじゃない。そう言う障害は長い治療で治ることがあるけど、生きてきた環境が悪すぎた。」
環那「そうなのかもね。けど、そうしなかったのも俺だから。」
エマ「!」
俺は自分で人の心はいらないと切り捨てた
けど、結局それが今は枷になってる
後悔先に立たずってまさにこのことだね
エマ「......私は、どんなお兄ちゃんでも愛してるよ。」
環那「知ってる。」
エマ「世が世なら結婚したいくらい。」
環那「ははっ、世が世ならOKしてたかも。」
俺は笑いながら返答した
エマの冗談は面白いなー
燐子「__み、南宮君......!」
環那「あ、燐子ちゃん。」
燐子「あの、その......線香花火......///」
環那「おっと、そうだった。」
燐子「ふ、二人でも良い......?///」
環那「2人?」
俺はエマと目線を合わせた
エマはコクッと軽く頷き
許可が出たので、燐子ちゃんの方に歩いた
環那「じゃあ、ちょっと離れたところに行こっか。」
燐子「うん......!///」
そう言って、俺と燐子ちゃんは歩きだし
どこに行けばいいか分からなかったので
取り合えず、少し離れた岩陰の方に向かった
__________________
“燐子”
私達は少し離れた岩陰に来た
ここは周りは岩しかなくて、海が近くて
向こうの皆からも隠れてる
環那「__ここ、結構いい場所だね。静かで。」
燐子「う、うん......///」
南宮君は花火とバケツを地面に置いて
地面に腰を下ろした
それを見て私も隣にしゃがみこんだ
環那「こうしてると、昨晩のこと思い出すねー。」
燐子「そ、そうだね。」
昨晩のこと......
そう言われると色んな記憶が蘇ってくる
洞窟の中で寝泊まりしたこと
南宮君に告白したこと
......1つに、なったこと
環那「っと、こういう話もいいけど、線香花火しよっか。」
燐子「う、うん、そうだね......!///」
環那「はい、これ。」
私は南宮君から線香花火を受け取り
その後、同時に火をつけ
花火はボッと勢いよく燃え始めた
燐子「すごく綺麗......」
環那「いいよね、線香花火。」
花火はまだ勢いよく燃えて
私達の間では沈黙が流れてる
けど、それが辛いという事はなくて
むしろ、すごく心地いい
燐子(南宮君......)
花火が燃えてる途中、チラッと横を見た
そこでは、笑みを浮かべながら花火をしてる南宮君
相変わらず笑顔が下手だけど
すごく楽しそうというのは伝わってくる
環那「ん?どうしたの?」
燐子「!///ご、ごめん......///」
環那「何か謝る事あった?」
キョトンとした顔でそう尋ねられる
白い肌と黒い髪が月の光で映えてて綺麗で
心臓が飛び跳ねるようにドキッとした
環那「花火の燃え方、変わったね。」
燐子「え、あ、そうだね////」
南宮君の言う通り
線香花火はパチパチと音を立て始めた
まるで、空に打ち上げられる花火が小さくなったみたい
環那「......燐子ちゃんは。」
燐子「?」
環那「人を好きになるって、どんな感じ?」
燐子「!」
人を好きになる感覚......
南宮君、学ぼうとしてるのかな
さっき、あこちゃんに聞いた話
あれ、本当だったんだ......
燐子「その、胸がドキドキして、こうして一緒にいると嬉しくて、好きだなって感じる......よ?///」
環那「ほう。」
燐子「えっと、南宮君にこんな説明じゃ駄目だよね......」
環那「いや、大丈夫。研究の始まりは常に勘と思いつきだから。」
南宮君は優しい声でそう言ってくれた
こんな態度を取られると
もしかしたら私の事好きなんじゃって勘違いしちゃう
環那「俺は燐子ちゃんのこと結構好きって言ったよね。」
燐子「う、うん......っ///」
環那「ごめん、あれ間違いだった。」
燐子「え......?」
そう言われた瞬間
サッと私の顔から血の気が引いた
え、間違い?
じゃあ、つまり......
環那「結構じゃなくて、すごく好き。」
燐子「ふぇ......?///」
環那「リサや......友希那と同じくらい。」
燐子「そ、それって......///」
友希那さんと同じくらい
それは南宮君の仲で最高の評価だと思う
そう思うと、すごく嬉しくなってきた
環那「けど、付き合うとかの返事はちょっと待って。」
燐子「付き合う......!?///」
環那「まだ、ケジメをつけないといけない事があるし、俺自身、分からないことがあるから。」
燐子「そ、そういうなら、いいです......全然待ちます......///」
環那「う、うん(なんで敬語?)」
テンパってつい敬語になっちゃった
けど、私、今すごくいい位置にいる?
付き合える確率、すごく高いんじゃ......
環那「っと、線香花火も大詰めかな。」
燐子「あっ。」
南宮君がそう言ったと同時に花火の火が落ちて
地面で少しの間赤かった火はスッと真っ黒になった
環那「結構長持ちしたね。」
そう言いながら誇らしげな表情を浮かべてる
それが何だか子供っぽくて
いつもと違くてすごく可愛い
環那「さて、そろそろ戻ろっか。」
燐子「......!」
南宮君は立ち上がり
水が入ったバケツを持ち上げた
それを見て、私は慌てて立ち上がった
燐子「ちょ、ちょっと待って......!///」
環那「え__っ!」
燐子「んぅ......!///」
歩いて帰ろうとする南宮君を呼び止め
私は少し背伸びをして唇を合わせた
昨晩ぶりのキス
だけど、昨晩とは少しだけ違って
ミントの歯磨き粉の味がする
燐子「__大好きだよ、南宮く......いや、環那君///」
環那「っ!」
燐子「えっと、ダメだった......?」
環那「い、いや、嬉しいよ。あ、あはは。」
私は動揺してる南宮君の左手を握って
横にいる彼に上目遣いで笑いかけた
燐子「迎えに来てくれるの、待ってるからね......?///」
環那「......うん。」
私は南宮君にそう言い
手を繋いだまま歩きだした
まだ、私は南宮君の彼女じゃないけど
今くらい、夢を見てもいいよね?