羽丘の元囚人   作:火の車

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悪酔い

環那「ただいまー、琴......ちゃん?」

琴葉「な......っ!?///」

 

 皆を家に送り届け、俺とエマも帰ってきた

 

 までは良いんだけど

 

 家に入ると、また一糸まとわぬ姿の琴ちゃんがいた

 

 それを見て、俺は眼を背けた

 

琴葉(あ、あれ......?)

環那「全く......着替えくらい脱衣所でしなよ。」

琴葉「は、はい。(め、珍しい反応ですね。)」

 

 もう少し気を付けて欲しい

 

 俺じゃない他の人間だったらどうするんだか

 

 ヤバい奴が来たらぶっ潰しに行かないといけなくなるじゃん

 

 そんな事を考えてるうちに琴ちゃんは自分の部屋に入った

 

エマ「琴葉、あれでよく生活できてたね。」

環那「全くだよ。あんな格好で歩き回るなんて......」

エマ「女って自覚ないんじゃないかな。」

 

 辛辣な言葉を吐くエマ

 

 だけど、強く否定できない

 

 それくらいだらしないんだ......

 

環那「(気を取り直して。)エマはどうする?」

エマ「研究室に行って最終調整する。」

環那「元気だね。俺はもうクタクタだよ。」

エマ「お兄ちゃんも燐子たちに使った薬を使えばよかった。あれには疲労回復の効果もあったから。」

環那「ちょっと後悔してるよ、あはは......」

 

 あの薬、そんな効果もあったんだ

 

 まぁ、そうだよね

 

 元はエマが徹夜した時に使ってたのだって聞いたし

 

エマ「お兄ちゃんはこれからどうする?」

環那「俺は寝るよ。こっちの最終確認は明日する。」

エマ「うん、それでいいと思う。」

 

 車の移動の後の疲労感てすごいな

 

 乗り慣れてないのもあるのかな?

 

 なんだか異常に疲れてる気がする

 

エマ「じゃあ、研究室に行く......あっ。」

環那「?」

エマ「冷蔵庫の中に入ってる瓶の中身、飲んじゃ駄目だよ?」

環那「瓶......あぁ、あの栄養ドリンクみたいなの?」

エマ「そう。あれは危険ではないけど、試作段階のものだから。」

環那「了解。」

エマ「行ってくるね。」

 

 エマはそう言って荷物を置いて家を出て行った

 

 1人で外歩いて大丈夫かって思ったけど

 

 多分、その辺にノア君も忍んでるだろうし、無問題

 

環那「さて、水飲んでから寝よ......」

 

 俺はそう呟いて歩きだし

 

 水を飲むためにキッチンに向かった

__________________

 

 キッチンは意外と散らかってなかった

 

 その代わりにコンビニ弁当のゴミがたくさんある

 

 まぁ、大体予想通り......

 

 いや、予想より大分マシかな

 

環那(4時間くらい寝てから夕飯の用意して、掃除しよっと。)

 

 ぷらゴミの回収までは結構日があるな

 

 一応、合宿の期間中に一回あったけど

 

 まー、琴ちゃんがそんなの知ってるわけないよね

 

 そこはもう仕方ない

 

環那「......はぁ。」

 

 起きた後の予定を考えながら水を飲んだ

 

 水道水だから美味しいとは思わないけど

 

 家の蛇口から水が出るだけでもありがたい

 

 昔はいちいち公園行かないといけなかったし

 

琴葉「__あれ、エマさんは?」

環那「研究室に行ったよ。」

琴葉「そうなんですか?」

 

 コップを流しに置いた時

 

 着替えを終えた琴ちゃんがリビングに入ってきた

 

 いつものジャージ、すっぴん、伊達メガネ

 

 絵に描いたようなダメ女子の格好だ

 

 てか、あのジャージって高校時代のじゃ......

 

環那「琴ちゃんは今日休み?」

琴葉「はい。久しぶりの休みですよ、本当に!」

環那「大変そうだね。」

琴葉「そうですよ!何で国語で補修になる生徒がいるんですか!」

 

 琴ちゃんは嘆くようにそう言った

 

 まぁ、国語難しいし

 

 俺とか補修にならなかったの奇跡だし

 

琴葉「こんなの飲まなきゃやってられません!付き合ってください!」

環那「えぇ......寝ようと思ってたのに。」

琴葉「ダメです!これも同居人の務めです!」

環那「もしかして、もう酔ってる?」

 

 そう言いつつ、俺はもう諦めてる

 

 こうなったら言うこと聞かないしね

 

 そんな事を考えながら、俺は冷蔵庫を開けた

 

琴葉「ふっふふ~♪なーにから飲みましょうかね~♪」

環那「何からって、ビールしかないでしょ。」

琴葉「あ、そうでしたね!」

環那「全く。」

 

 俺はそう言ってビールとグラスを出して

 

 軽くおつまみを用意してから席に着き

 

 用意したグラスにビールをついだ

 

琴葉「いっただきまーす!」

 

 琴ちゃんは元気にそう言って

 

 勢いよくグラスに口をつけた

 

 入ってるビールがどんどん無くなって行く

 

琴葉「__ぷはーっ!///美味しいです!///」

環那「そう。」

琴葉「あなたも飲んだらいいじゃないですか!///」

環那「教師が未成年に飲酒勧めちゃダメでしょ。」

琴葉「教師である前に1人の人間ですぅ!///」

 

 1人の人間としてもダメでしょ

 

 もう酔いが回ってるのかな?

 

 お酒好きなくせに弱いんだから

 

環那(まっ、仕事頑張ってるし、今日くらい付き合ってあげようか。)

琴葉「むぅ///なにすました顔してるんですかぁ~?///」

環那「言いがかりも良い所だね。」

琴葉「うるさーい!///お酒をつぎなさーい!///」

環那「はいはい。」

 

 溜息を付きながら俺はまたお酒をついだ

 

 ここは俺がうまくコントロールしないと

 

 放っておくとあるだけ全部飲みそうだし

 

環那「この調子じゃ、結婚はまだまだ先だね。」

琴葉「......(ピクッ)」

環那「まっ、家事は少しだけ改善されたし、前ほど遠くはないだろうけどね。今でざっと......確率は27.9%くらいかな。」

琴葉「言いましたね......言ってはいけない事をー!!///」

 

 そう言って琴ちゃんはこっちに怒鳴って......

 

 いや、喚いてきた

 

 結婚の事に触れるといつもこんな感じだけど

 

 酔ってる分、いつもより勢いが凄い

 

琴葉「私だってねぇ!///好きで今まで彼氏できなかったわけじゃないんですよ!///ただ、出会いが、26年間無かったんです......っ」

環那「そ、それは災難で。」

琴葉「それに追い打ちをかけるように目の前の同居人の男子は家事上手で頭も良くてかっこよくて......チャンスだと思ったらあまりにも年下すぎるしぃぃぃ!!///」

環那「......ん?」

 

 なんだか、妙な言葉が聞こえたな

 

 俺、今シレっと告白された?

 

 まっ、酔ってるだけだろうけど

 

琴葉「そもそも、あなたはハイスペック過ぎるんですよ!///なんですか!?26年彼氏ナシの私への当てつけですか!?///」

環那「と言われても、琴ちゃんの家からの命令だし。」

琴葉「そうですよ!あの家!///あの家が全部悪いんですよぉ!///」

環那「あーはいはい、そうだね。」

 

 琴ちゃんの家は暗殺者の家系

 

 表向きはヤクザって事になってる

 

 表裏作ってる意味、ないね

 

 どっちにしてもやばいし

 

 ちなみに何で琴ちゃんに家から命令出てるかはまぁ、色々事情がある

 

琴葉「んぐっ、んぐっ///」

 

 琴ちゃんはついに缶のままビールを飲み始めた

 

 1本、2本、3本......

 

 次々に空の缶がテーブルの上に並んでいく

 

 俺がコントロール出来る範囲は超えてる感じだ

 

琴葉「はぁ......///」

環那「あーあ。」

琴葉「もっろつきあいなはい///まらまらのみましゅよー!///」

環那(これは、大変そうだ......)

 

 俺は内心溜息をつき

 

 目の前の酒浸りモンスターになりつつある琴ちゃんの相手をすることにした

__________________

 

 琴ちゃんが飲み始めてから3時間

 

 この間、かなり大変だった

 

 琴ちゃんはお酒と愚痴が止まらないし

 

 熱いとか言って服を脱ぎ始めるし......

 

 等々、色々あったけど、今は......

 

琴葉「__えへへ~///きもひ~///」

環那「なんかキメちゃいけないものキメたみたいになってる。」

 

 こうなった

 

 アルコール中毒にならないか心配だけど

 

 まぁ、なってもエマが治してくれるでしょ

 

環那「琴ちゃん、そろそろ部屋行って寝よう?明日は二日酔いだよ。」

琴葉「まらのめしゅ~///」

環那「ダメだよー。」

琴葉「おかあしゃん~///」

 

 誰がお母さんなのかな......

 

 性別が違うでしょ、全く

 

 流石に酔いすぎだな、これ

 

環那「ほら、行くよ。」

琴葉「!///」

 

 俺は酔ってる琴ちゃんを抱き上げた

 

 そろそろ寝かせよ

 

 もう充分でしょ(眠い)

 

 そう思い、俺は琴ちゃんを部屋に運んだ

 

環那「......うわぁ。」

 

 琴ちゃんの部屋を見て絶句した

 

 だって、あまりにも部屋が汚いんだもん

 

 服とか本は散らかりっぱなし

 

 いつ脱いだか分からない下着も落ちてる

 

 言葉を失うってこういう事なんだ

 

環那「これは片付けしないと......」

 

 溜息を付きながら琴ちゃんをベッドに寝かせたが

 

 その時、急に体が重くなり

 

 部屋の中で唯一綺麗なベッドの上に手をついた

 

琴葉「んふふ~///」

環那「何してるの......」

琴葉「残念れしたぁ///ここに入った時点であなたの負けれす~///」

環那「???」

 

 よく意味が分からない

 

 俺は一体、何に負けたんだ?

 

琴葉「あなたはわらひと結婚するんれす~///だから、ここで襲うんですよぉ~///」

環那「はい?」

 

 何言ってるんだ?

 

 酔ってるにしても冗談が酷いな

 

 全く、これが悪酔いってやつか

 

環那「そう言う事は本当に好きな人に言いなよ~。」

琴葉「言っれます~///」

環那「えぇ?」

琴葉「あなたのこと、好きれすよ......だから......///」

 

 琴ちゃんはそう言って顔を近づけて来た

 

 26にしては童顔で可愛い顔が近くにある

 

 けど、それ以上お酒の匂いがツンと鼻に付く

 

環那「こ、琴ちゃ__」

琴葉「......すぅ、すぅ......」

環那「......ん?」

 

 そう思ってると

 

 バサッという音共に琴ちゃんの頭はベッドに落ちた

 

 どうやら眠ったみたいだ

 

環那「全く......」

 

 今日何度目か分からない溜息を付き

 

 琴ちゃんの上から退いて、静かに布団をかけた

 

琴葉『あなたのこと、好きれすよ......だから......///』

 

環那「......変なこと言わないでよ、はぁ......」

 

 俺はそう言って部屋を見渡し

 

 取り合えず、掃除をすることにした

 

 結局、寝れなかったなぁ......

 

 

 

 

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