“燐子”
燐子父「__き、聞いてくれ!」
朝、突然お父さんの声が響いた
会社をクビになってからずっと暗かったけど
今日はなんだか、声音が明るい
父「前の会社の、ほ、本社に採用された!」
燐子、母「え、えぇ!?」
父「急に電話が来て、面接に行ったら......!」
母「と、通ったの!?」
父「さっきな!い、今から社長が合格通知と今後の話に来るらしい!も、もてなしの用意を!」
母「今から!?そ、それなら、すぐに準備を__」
お母さんが口を開いた瞬間
ピンポーンと家のチャイムが鳴った
え、もう社長さん来たの?
どんな人なんだろう......
思い切りのいい人そうなのは何となく分かるけど
母「と、取り合えず出るわね。__い、今行きます!」
お母さんはそう言って
玄関の方に走って行った
わ、私はどうすればいいんだろう......?
父「な、なんか、燐子にもいて欲しいらしいんだ。恩人だとかで。」
燐子「え......?」
父「確か、最近、社長が変わったとか......」
環那「__おー、ここに来るのも久し振りだなー。」
燐子「え?」
ドアを開ける音の後
優しくて、少しだけ呑気な
聞くだけでドキドキする声が聞こえて
私はリビングのドアの方に顔を向けた
環那「palace株式会社の代表取締役兼会長に就任いたしました、南宮環那と申します。この度は突然のオファーを受けてくださり、誠にありがとうございます。」
燐子「か、環那君......!?」
父「え、知り合いなのか?」
燐子「知り合いも何も、同い年で......その......///」
父、母(あ、あぁ、この人があの。)
え、なんで環那君が?
社長が来るって言ってたような......
って、さっき代表取締役って言ってた?
環那「さて、お話を始めましょうか。」
環那君は笑いながらそう言って
私の方を見て微笑んでいた
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“環那”
燐子ちゃんの家族と色々と話をした
今回のオファーをした経緯とか
今後の活動方針についてとか
そう言う面倒な話をさっさと済ませた
環那「__ざっと、こんな感じです。」
父「あ、あの、この年収の欄......」
環那「え?何かおかしな点でも?」
父「多すぎるん気が......」
環那「?」
そう言われ、俺は書類を確認した
年収の欄には1500万
あの会社の中ではありふれた年収だ
何か不思議なのかな?
環那「こんなものじゃないですか?妻子もいますが、これ位あればちょっとは贅沢も出来るでしょう。」
父「ちょ、ちょっとって......」
母「前の年収の、倍くらいに......」
燐子(そ、そんなに......?)
正直、この程度が限界だったんだよね
会社の費用と言うか
他の社員が納得するかしないかの問題で
環那「俺は燐子ちゃんに返しきれない程の恩があるんでね。」
燐子「......!」
環那「彼女を不幸にしないためなら、俺は自分の首を切ることもいとわない。」
母「!!」
父(これが、まだ高校生の少年が放つオーラか......?)
さて、話はこの辺でいいや
今日は他の目的があるんだよ
てか、こっちが俺にとっては本命
環那「話はこの辺で......ねぇ、燐子ちゃん?」
燐子「は、はい......!」
環那「これから、デート行かない?(なんで敬語?)」
燐子「で、デート......!?///」
ちょっと言ってみたかったんだよね
今までは誘われるだけだったし
こんな風に誘うのは友希那だけと思ってたけど
人生何があるか分からないね
燐子「で、デートって......あのデートのこと......?///」
環那「どのデートかは分からないけど、多分あってる。」
燐子「な、なんで......?///そう言うのは、友希那さんや今井さんが......///」
環那「俺が燐子ちゃんとしたいだけだよ。」
燐子「そ、そう......なんだ......///」
なんだろ、これ
燐子ちゃんを見てると、変な感覚に襲われる
まるで、友希那を見てるような
リサと一緒にいる時のような
そんな、今まであった感覚が組み合わさって
今までにない感覚が形成された
燐子「い、行きたい......///けど、その、準備してきてもいい......?///」
環那「いいよ。ゆっくり待ってるから。」
燐子「じゃ、じゃあ......行ってくるね......!///」
燐子ちゃんはそう言って慌ただしく走って行った
何と言うか、可愛いなぁ
父「あの、うちの燐子とはどういったご関係で......?」
環那「不思議な女の子と、その子を研究する研究者ってところでしょうか。」
母「は、はぁ......?」
環那「感謝しますよ。燐子ちゃんを、この世に誕生させてくれたことを。」
俺は笑いながらそう言い
用意してもらった紅茶を美味しくいただいた
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“燐子”
環那君にデートに誘われた
いつか出来ればいいとは思ってたけど
まさか、環那君から誘ってくれるなんて
燐子(ど、どんな服着て行こうかな......?///)
クローゼットを前に悩んでしまう
環那君の好みがわからない
どんな服を着れば、喜んでくれるのかな......
燐子(えっと、いつもの服は......流石に新鮮味がないし......あっ。)
その時、ある物が目に飛び込んできた
クローゼットにかけられた真新しい服
この間、今井さんと買いに行った服だ......
燐子(こ、これで行こう......!これなら......!)
私はバッとその服を手に取り
今着てる服を脱ぎ捨てた
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“環那”
燐子ちゃんを待つ事10分ほど
ご両親に小さい頃の写真を見せてもらったり
少しだけその写真を携帯のカメラで撮らせて貰ったり
なんとも有意義な時間を過ごせた
燐子「__お、お待たせ......!」
環那「そんなに待ってない......よ?」
燐子「......///」
リビングに現れた燐子ちゃんを見て言葉を失った
白いミモレ丈の半袖ワンピース
ウエストギャザーの効果かスタイルの良さも強調されてる
燐子「ど、どうかな......?///」
環那「すごく似合ってるよ。可愛い。」
燐子「あ、ありがとう......///」
やばい
友希那に感じた以来の高揚感だ
綺麗な黒髪に白いワンピースが良く映える
素材があまりにも完璧すぎるよね
環那「それでは、燐子ちゃんは貰っていきますね。」
父「は、はい、どうぞ(?)」
母「ごゆっくり(?)」
燐子「......っ!///」
俺はそう言って燐子ちゃんの手を握り
デートに行くために家を出た
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外に出て、俺と燐子ちゃんは足を止めた
空から太陽の光が降り注いできて
流石の俺も少しだけ暑い
環那「__ふぅ、仕事の話疲れたー!」
俺は空に向かって叫んだ
ほんと、仕事って面倒くさいよね
真面目な雰囲気だしとかないといけないし
燐子「あ、あの......本当に、私でいいの......?///」
環那「さっきも言ったでしょ?燐子ちゃんとデートしたいって。だからいいんだよー。」
リサ以外とする初めてのデートだ
今回は真面目に考えて
燐子ちゃんが喜ぶプログラムを作成してきた
ほんと、この前のお遊びより頭使ったよ
環那「さぁ、行こっか。燐子ちゃんが喜んでくれそうな場所、目星をつけてるから。」
燐子「う、うん......!///あの、手は......このまま......?///」
環那「俺はそれでもいいけど、燐子ちゃんは?」
燐子「私も......このままがいい......///」
環那「じゃあ、そうしようか。」
燐子「うん......!///」
燐子ちゃんが頷いた後、俺は軽く手を引き
デートするため、町に繰り出した
......さて、俺はこのデートで掴めるのかな