羽丘の元囚人   作:火の車

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昼休み

 リサが俺に関する嘘の情報を流して

 

 クラスの俺への風当たりは大分緩和された

 

 昨日の今日なのに扱いは天と地の差

 

 いやぁ......リサ凄いって感じだね

 

リサ「__どうしたの、環那?」

環那「なんでもないよー。」

リサ「そう?」

 

 今は昼休み

 

 俺とリサは屋上の壁にもたれて

 

 前より近距離と言うか密着してる

 

 横からはリサらしい良い匂いがする

 

リサ「こんな感じで2人でいるの、久し振りだね。」

環那「そうだねー。」

 

 中学の時はずっとこんな感じだった

 

 後は休日にお互いの部屋に行ったりしてた

 

 まぁ、中学生だったからそういう事まではしてないけど

 

リサ「......ねぇ、環那?」

環那「んー?」

リサ「キス、しない?///久しぶりに......///」

環那「リサも好きだよねー。」

リサ「んぅ!///」

 

 俺はリサの顔を引き寄せキスをした

 

 リサは昔からされるのが好きだ

 

 俺も別にキスくらいなら慣れてるし、どうってことはない

 

 取り合えず、少しキスを続け

 

 5秒ほどして唇を離した

 

環那「これでいい?」

リサ「うん、ありがとう、環那......///」

環那「どうってことないよ。」

モカ「__おー、あつあつですねー。」

リサ「っ!?///」

環那「あ、モカちゃんー。」

モカ「やっほー。」

 

 キスを終えた瞬間

 

 モカちゃんがどこからか姿を現し

 

 他の4人もぞろぞろと歩いてきた

 

ひまり「あ、南宮さんにリサ先輩!」

巴「お疲れ様っす!」

蘭「どうも。」

つぐみ「こんにちは!」

環那「こんちゃーっす。」

リサ「や、やっほー///」

 

 この4人の態度を見る限りだけど

 

 モカちゃん以外はさっきのを見てないみたいだ

 

 ていうか、どこから現れたんだろう

 

 声をかけられるまで全く気付かなかった

 

モカ「......さっきの事は黙っててあげるよー。」

環那「ありがとー。まぁ、どっちでもいいけどー。」

モカ「あれれー?」

 

 モカちゃんは首を傾げた

 

 別にリサとの関係は隠してないし

 

 言いふらさない人間なのは分かってるし

 

ひまり「それにしても、2人の距離前より近い......って言うか密着してる!」

リサ「うん、私達付き合ってるから///」

蘭、巴、ひまり、つぐみ「えぇ!?」

環那「まぁ、そういう事。」

モカ「ほほー、なるほどー。」

 

 リサ、迷いなく言ったなー

 

 まぁ、隠しても仕方ないし

 

 むしろ隠さない方が動きやすいし

 

 別にいいかなー

 

ひまり「い、いつからですか!?」

リサ「一昨日からだよー。中学の時にも付き合ってたんだけど、あたしからやり直そうって。」

蘭「幼馴染なんですよね?それで。」

つぐみ「幼馴染同士で恋人なんて、憧れちゃうね!」

巴「あたしらは女しかいないしなー。」

環那(ともちゃんならこの4人の誰かと付き合ってても不思議じゃないけどね。)

巴「どうした?」

環那「いいや、なんでもー。」

 

 ともちゃんが不思議そうにこっちを見るので

 

 俺はゆっくり首を横に振った

 

 いやー、イケ女は首をかしげてもイケメンだね

 

巴「それにしても、環那さん唇赤くないか?」

環那「え、そう?」

蘭「ほんとだ。口紅でもつけたの?」

 

 俺は軽く自分の唇に触れた

 

 すると、手には赤い何かが付いて

 

 それを確認すると色が薄めの口紅だった

 

環那(あー。)

モカ「ほんとに逢引きしてたんだー。」

つぐみ「逢引きって......っ!?///」

環那「あはは、つぐちゃんは純情だねー。」

リサ「環那の余裕がありすぎるんだよ?///」

 

 何と言うか若さが眩しいねぇ

 

 今更キスを恥ずかしいと思わない

 

 俺はそんな感じの思考になってるのに

 

 つぐちゃんは自分がしたわけでもないのにこんな顔を真っ赤にして

 

 いやー、眩しい眩しい

 

環那「まぁ、これもまた一興ということで。」

蘭「いや、どういうこと?」

環那「......どういう事なんだろ?」

巴「いや、分かんないのかよ!」

 

 ともちゃんは俺にそうツッコんできた

 

 いやー、仲良くなったねー

 

 もう先輩後輩とか関係なくなってるし

 

ひまり「いいなーリサ先輩!優しそうな彼氏がいて!」

リサ「ひまりだってすぐにできるよ?人気あるんだし!」

モカ「あー、それがー。」

ひまり「男子、私の胸ばっかり見るんですよ......」

環那「まぁ、普通の男子なら凝視するだろうね。」

 

 俺も流石に初見は驚いた

 

 けどまぁ、もう全く気にならない

 

 と言うか、ひーちゃんの日頃の態度を見たらそう言う目で見れなくなる

 

リサ「......環那も興味あるの?」

環那「いーや、ないかな。あくまで一般論だよ。」

巴「まぁ、環那さんはあんまり興味なさそうだよな。」

環那「まぁ、そう言う目で見られるのはいい気分じゃないだろうし、ひーちゃんは無邪気そうだしね。」

ひまり「高校生なんですけど!?」

つぐみ「ま、まぁまぁ。変な目で見られてないんだし。」

 

 それにしても、2年生の男子は大変そうだね

 

 あのレベルになると本能で目が行くと思うし

 

 気にしないとなると俺くらい無神経にならないと

 

環那「まぁ、ひーちゃんならきっと素敵な人が現れるよ。」

ひまり「ほんとですか!?」

環那「きっと、ひーちゃんの心を見てくれる人がいるよ。いい子だからね。」

ひまり「やったー!」

環那(確証は微塵たりともないけど、まぁ、大丈夫......だよね?)

 

 俺はそんな事を考えながら立ち上がった

 

 もうすぐ昼休みが終わるし

 

 そろそろ教室に戻らないと

 

環那「そろそろ教室に戻ろっかー。」

リサ「そうだね。」

蘭「じゃあ、あたしたちも。」

モカ「もどろー。」

 

 そうして、俺達は全員屋上を出て

 

 それぞれの教室に戻って行った

__________________

 

 放課後、俺は1人で下校してる

 

 なんでも、リサはバンドの練習らしく

 

 友希那と一緒にライブハウスに行った

 

 それにしても、バンドかー

 

 青春してるねー

 

モカ「__やっほー、かーくんー。」

環那「モカちゃん?どうしたの?」

モカ「ちょっと気になることがあってねー。」

環那「?」

 

 モカちゃんはそう言いながらこっちに歩み寄ってくる

 

 気になること、か

 

 モカちゃんの観点は独特だし、何か面白い事かもしれない

 

環那「気になる事って?」

モカ「いやー、少し興味があるんだけど......」

 

 モカちゃんは俺の目を真っすぐ見た

 

 まるで綺麗な鏡のような目だ

 

 俺の姿を確かにとらえてる

 

 そんな事を考えてるとモカちゃんはゆっくり口を開いた

 

モカ「かーくん、リサさんのことに気付いてるよね?」

環那「ははっ、なんのことかな?」

モカ「それは気づいてる反応だねー。」

 

 モカちゃんはにやけながらそう言った

 

 いやー、この子は誤魔化せないなー

 

 友希那より頭も切れるし、利口だ

 

 あの5人を調和させる役割も担ってるし

 

モカ「かーくん、リサさんに何したのー?」

環那「う、うーん、ありすぎて分からないね。」

モカ「そっかー。」

 

 モカちゃんはそう言いながら

 

 俺に背中を向けた

 

モカ「まぁ、今は仲良さそうだし、いいんじゃないかなー。」

環那「そうだねー。俺もちょうどそう思ってた。」

モカ「ほほーう、相変わらず気が合いますなー。」

環那「喋り方も似てるしねー。」

 

 俺とモカちゃんは同時に笑い

 

 モカちゃんはのんびり歩いていった

 

 俺はその後姿を見届けた

 

環那(さてと、俺も帰ろうかなー。)

 

 俺は暢気に鼻歌を歌いながら歩きだし

 

 今日の夕飯のメニューを考えつつ

 

 別に遠くもない家に帰って行った

 

 

 

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