社内の視察も終わり、俺は外に出た
時間としては13時30分
予定よりも少しだけ時間がかかった
環那(__さてと、どうしたものか。)
視察の後、俺はショッピングモールに来た
目的はリサの誕生日プレゼントを選び
エマに言われたし、俺も何もしないのもどうかと思うしね
環那(友希那達は服を買うって言ってたし、服はナシか。ふーむ。)
......リサって、何が欲しいんだろう?
パッと思いつくのは服と化粧品だけど
服は言わずもがな
化粧品は肌に合わなかったりしたらダメだし
正直、結構行き詰ってる
環那(考えろ、考えろ、俺......日常的に使えて、どことなく高級感があって、あったら絶対に嬉しい物......)
思考を巡らせる
世の女の子の生活がどんなものか考え
総合的にあればいいものを考える
その結果......
環那「......下着?__っ!!」
こんな結論にたどり着いた
けど、口に出した瞬間に悪寒がした
ダメだ、仮にこれを送ったとしよう
紗夜ちゃん辺りに本気で殺される気がする
環那「てか、流石のリサも怒りそうだ。条件にデリカシーも付けよう。」
もう一度、更に深く考えてみる
さっきの条件にいくつかの条件を追加
何が最適解だ?
環那「......」
日菜「__あれー?環那君じゃーん。」
環那「ん?日菜ちゃん?」
しばらく考え込んでると
背後から日菜ちゃんの声が聞こえ、その方向を向いた
日菜「昨日ぶりー!こんな所で固まって何してるの?」
環那「俺はリサの誕生日プレゼントを買いに来たんだ。日菜ちゃんは......お友達と一緒かな?」
日菜「うん!イヴちゃんと彩ちゃん!」
彩「えっと、日菜ちゃんの友達?」
環那「どっちかと言うと、紗夜ちゃんの友達だったらいいなぁって人だよ。」
彩「どういうこと!?」
おぉ、中々いい反応をしてくれる
なんか雰囲気が面白い子だな
友達のグループの中では弄られ役と見た
イヴ「あれ?カンナさんではないですか!」
環那「あー、イヴちゃんじゃん。」
彩「え、2人って知り合いなの!?」
環那「うん、ちょっとね。あれは、春くらいに羽沢珈琲店に行った時の事......」
“回想”
イヴ『いらっしゃいませ!』
環那『あ、どうも。』
イヴ『お席にご案内します!』
そう言って、俺は窓際の席に案内され
座ってからメニューを確認する
この店の雰囲気はいいね
しかも、今はすいてる時間帯だし
環那『あのー、すいませーん。』
イヴ『はい!ご注文をお伺いします!』
声をかけると良い笑顔で駆け寄ってきて
手早く注文のメモを取ってくれる
落ち着いた店の雰囲気の中で天真爛漫な笑顔を振りまいてる
この子目的で通ってる人がいると見た
イヴ『ご注文は以上ですか?』
環那『はい。』
イヴ『それでは、少々お待ちください!』
環那『!』
注文を取って厨房の方に行こうとする時
俺はある事に気付いた
でも、これは言ってもいいのだろうか?
いや、この子の尊厳を守るためには言うべきか
今は幸い人がいないし
環那『ねぇ、ちょっと待って。』
イヴ『はい?』
環那『少し、耳を貸してくれない?』
イヴ『いいですよ!』
そう言って女の子はこっちに耳を向け
俺は出来るだけ小さな声で
気づいてしまった事実を教えることにした
環那『上と下、両方とも下着透けてるよ。何か服があるなら、着た方がいい。』
イヴ『えぇ!?///ほ、本当ですか!?///』
まぁ、エプロンの下は白い服で
生地が薄いようにも見えるし
流石にこういう事態も起きるだろう
イヴ『ど、どうしましょう......服なんて持ってないです///』
環那『ふむ。なら、これで良ければ着れば良いよ。』
俺はそう言って自分の上着を差し出した
この子の身長は163㎝って所だろう
この位なら、今着てる上着で透けてる下着を隠せるだろう
イヴ『い、良いんですか......?///』
環那『構わないよ。困ったときはお互い様だからね。』
イヴ『あ、ありがとうございます!あっ、お名前をお伺いしてもいいですか?』
環那『俺は南宮環那だよ。って、そんな事は良いから着替えておいで?誰かが来る前に。』
イヴ『はい!本当に、ありがとうございました!』
そう言ってその女の子は裏の方に下がって行った
俺はそれを見届けてからもう一度席に着き
ふぅ、っと息をついた
この出来事の後にイヴちゃんの名前を知って
羽沢珈琲店に行ったときによく話すようになった
.....何故か、ブシドーの師匠って言われてるけど
そこは気にしないでおこう
“回想終了”
環那「__と言う事があったんだよ。」
彩「へー、そんな事が。」
イヴちゃんとの馴れ初めを話し終えると
彩ちゃんと呼ばれた子はそんな声を上げた
日菜ちゃんも感心したような顔をしてる
イヴ「カンナさんはとてもブシドーです!」
彩「そうだね!上着を貸してくれるなんて、すっごくいい人だね!」
環那「そうでもないでしょー。」
日菜「あはは!これは良いことだね!」
可哀想と思ってしただけだから
あれは親切心と言うか同情心なんだよね
俺だって歯に青のりついてるの指摘されたら嫌だし
日菜「って、リサちーの誕生日プレゼント考えてたんだよね?」
環那「うん、そうだよ。」
彩「リサちゃん?どういうつながり?」
環那「幼馴染なんだよ。」
日菜「それと、元カレでしょー?」
彩、イヴ「え!?」
日菜ちゃんはサラッとそう言った
それを聞いた2人は驚いた表情をしてる
そんなに驚く事なのかな?
日菜「それで今、リサちーの誕生日プレゼント選んでるんだよー。」
彩「なんで!?元って事は別れたんじゃないの!?」
環那「い、色々事情があってね。」
日菜ちゃん、話をややこしくしないで......
彩ちゃんとイヴちゃん、すごく困惑してるし
環那「お互いに嫌いになって別れたわけじゃないからね。」
彩「ふ、複雑そうだね。」
環那「端から見ればそこまで複雑でもないよ。意外とね。」
日菜「あれー?燐子ちゃん好き__」
環那「日菜ちゃん、少しは紗夜ちゃんを見習って慎みを持とうか。」
日菜「ムグー!!」
危ない危ない
もう少しで俺が燐子ちゃんを好きになってリサと別れたみたいになるところだった
本当にこの子の口は活発だな
日菜「もー!なんで口塞ぐのー!」
環那「いらない事を口走りそうだからだよ。」
日菜「ひぇ。」
彩(な、なんか黒いオーラが見える......!)
イヴ(今、ヒナさんは何を言おうとしたのでしょうか?)
さて、そろそろ真剣にプレゼント選ばないと
3人も予定があるだろうし
そろそろ離れようか
環那「じゃあ、俺はそろそろ行くよ。」
日菜「ちょーっと待った!」
環那「ん?」
日菜「折角だし、プレゼント選び、手伝おっか?」
環那「!」
日菜ちゃんは明るい声でそう言った
あれ、3人で遊びに来てたんじゃないの?
日菜「さっき固まってたし、悩んでたんでしょ?」
環那「まぁ。」
日菜「なら、一緒に選ぼうよ!」
イヴ「それは楽しそうですね!」
彩「そもそも私達、なんで今日集まったんだっけ?」
えぇ......(困惑)
まさか、何の目的もなく集まってたの?
これ、絶対に事の発端は日菜ちゃんでしょ
環那「そ、そういう事ならお願いしようかな。」
イヴ「はい!任せてください!」
これは、かなり助かるな
同年代の女の子の意見を聞けるのは大きい
固まるくらい悩んでたしね
彩「それで、プレゼントの方向性とか決まってるの?」
環那「Roseliaの皆が服を買うらしいから、俺はそれに被らない物にしようかなって。」
日菜「あー、おねーちゃんが言ってた。」
彩「なるほどなるほど。」
イヴ「それでは、服はナシなんですね。」
何か浮かんできそうなんだけどなー
さっきうっすら見えたんだけど
日菜「予算とかはー?」
環那「大豪邸、広大な土地レベルじゃない限りは大丈夫。」
日菜「結構余裕あるね。」
環那「お金は無駄にあるから。」
ほんとに無駄にあるんだよね
今ならお金よりチロルチョコ......
もしくはポケットティッシュ貰う方が嬉しい
彩「うーん、リサちゃんが喜びそうなものかー。」
イヴ「ありますよ!」
環那「おっ、なになに?」
イヴ「アクセアリーです!リサさんはとってもオシャレなので、服と合わせやすいアクセサリーなどは喜ばれるかと!」
環那、日菜「て、天才......!?」
イヴちゃんは天才か
初っ端下着とか言ってた俺とは格が違うな
女の子ってすごい
環那「アクセサリーって、具体的に何がいいかな?」
日菜「それはもう、指輪じゃない?」
環那「指輪?」
日菜「こう、『リサ、この指輪を受け取って。』からの『はめる指は......言うまでもないよね?』って感じで左手の薬指にはめれば良いんだよ!」
環那、彩「うわぁ......」
き、キザ過ぎる......
俺がやったら即ビンタ制裁だよ
リサがしなくても俺自らするよ
イヴ「真剣に言うと、指輪はサイズが分からないならやめておいた方がいいですね。」
環那「確かに。」
イヴ「だから、ネックレス、ブレスレット、ピアスなどいかがでしょう!」
日菜「さっすがモデルのイヴちゃん!センスあるー!」
イヴ「いえいえ!それほどでも!」
イヴちゃん、モデルだったんだ
淹れは全く知らなかったけど
まぁ全く不思議じゃないね
日菜「環那君、イヴちゃんがモデルだなんて知らなかったでしょ?」
環那「うん、全然。」
日菜「じゃあ、あたし達の事も知らないんだー。」
環那「?」
日菜「あたし達、アイドルなんだよ?」
環那「へぇ、そうなんだ。」
日菜ちゃんの言葉にそう返答する
テレビとか見ないから全く知らなかった
もうちょっとテレビ見ようかな
彩「し、知らなかったんだ。」
環那「テレビ、見ないからね。今ちょっと興味出たから見てみるよ。」
日菜「環那君社長だから、今のうちに媚び売ってればお仕事貰えるかもよー?」
環那「芸能界の闇を出してこないで?」
この子、涼しい顔でとんでもないこと言ったよ
怖いから聞かなかかったことにしとこ
日菜「まぁ、冗談は置いといて、アクセサリーショップ行こっか!」
環那「あ、はい。」
イヴ「ここにお仕事でお世話になったお店があるので、そこに行きましょう!」
環那「イヴちゃん、有能ってよく言われない?」
俺はイヴちゃんの有能さに驚きつつ
お世話になったって言うお店に案内してもらう事にした
あの作戦の時のはネットで適当に買ったし
アクセサリーショップとか初めて行くなぁ
__________________
イヴちゃんに案内されたお店はすごかった
なんかすごい高級感のある空気が漂ってて
ショーケースに並んでるアクセサリーもすごい
あの時買ったのが安物に見えるなー
環那「おぉ、こりゃすごい。」
彩「わ、わぁ、見たことあるブランドがいっぱい......」
日菜「彩ちゃん、こういうブランド見てるのー?」
彩「そ、そりゃ、いつかは持ってみたいって思うし。」
イヴ「私、いくつか持ってるのであげましょうか?」
彩「ち、ちがうの!自分で買うから良いの......!」
種類はかなり多い
さっきイヴちゃんが言ってたので決まりだけど
そこまで絞っても相当種類がある
日菜「環那君ー、どれにするー?」
環那「うーん、難しいね。」
彩「だ、だだ大丈夫なの?」
環那「別に大丈夫だよ。」
これ、選びずらいなぁ
リサにどれが似合うかを考えた時
正直、どれも似合うような気がするんだよねぇ
リサ、ビジュアルエリートだから
彩「イヴちゃん、何かアドバイスあげないの?」
イヴ「リサさんの事はカンナさんの方がよく知っています。私が言えることは何もありません。」
環那「それが、ブシドー?」
イヴ「はい!ブシドーです!」
なるほど、これがブシドーか
って、そのことは一旦置いといて
今はこの中から何か選ばないと
環那(......さぁ、どうする。)
リサの肌の色、瞳の色
背丈、遠くから見た時の体のバランス
それらすべての要素の記憶を呼び覚ます
環那「......っ(頭、痛い。)」
日菜(すごい集中力。)
少し前に使った魅力指数を求める公式
それにさっきの記憶から出た数値を当てはめ
アクセサリー1つ1つで数値を測定していく
環那「__これだ。」
日菜「決まったのー?」
環那「うん、決めた。」
イヴ「どれにするんですか?」
環那「えっとねー、店員さーん。」
俺は計算を終え
痛む頭を軽く押さえてから店員さんを呼んだ
すると、すぐに近くにいた人が近づいて来た
店員「はい、どうされましたか?」
環那「このアクセサリー......」
彩(これかー!可愛い!良いと思うよ!)
環那「と、これと、あとこれ。あと、そこに並んでる3つもください。」
日菜、イヴ、彩、店員「え?」
環那「?」
俺が注文を終えると、皆が目を丸くした
彩ちゃんが一番すごい顔してるね
リアクションいいな
この子、芸能界でも逞しく生き残りそう
店員「あ、あの、合計400万円ほどになりますが......」
環那「カードで。」
店員「へ、は、はい。」
俺は店員にカードを渡し
その店員はレジの方に歩いて行った
いやぁ、カードって便利だね!
環那「ありがとう!おかげでプレゼントはスムーズに決まったよ!」
イヴ「い、いえ、お役に立てて良かったです!(???)」
彩(あれ?同い年、なんだよね?......あれ?)
日菜(環那君、こういうところあるよねー。)
店員「お、お待たせいたしました。」
環那「あ、どうもー。」
俺は店員さんからプレゼントを受け取って
3人と一緒にお店を出て
その後はお礼としてスイーツをご馳走した