“リサ”
驚いた
会見の場で丁寧だった口調とか
結局、態度自体は変わらなかった事とか
そんなちょっとしたことじゃない
もっと、驚くべきこと
リサ(あの環那が、人前で頭を下げた......!?)
環那は絶対に頭を下げない
それこそ、例え誰かを半殺しにしても
相手によってはむしろ鼻で笑ってバカにする
そんな環那があんな大衆の面前で......
友希那「意外だったわね、あの環那が......」
紗夜「すごい猫かぶりでしたね。」
燐子「いえ、雰囲気自体はいつもと変わりませんでした......けど、最初の......」
リサ「頭を下げるなんて、環那らしくない。」
結構時間が経ったのに理解できない
最初の行動だけはどうしても環那らしくない
一体、何の目的が......
エマ「お兄ちゃんの目的は誰にも分からない。この私でさえ。」
あこ「エマも!?」
エマ「むしろ、お兄ちゃんはその本質をひた隠しにしている。」
リサ「!」
エマは静かな声でそう言った
環那の本質?
そんなの、もう分かり切ってるんじゃ......
エマ「でも1つ、確かに言えることはある。」
燐子「そ、それは......?」
エマ「それは......」
Roselia「......」
少しの沈黙
エマは瞳を閉じて口をつぐんでいる
1つ、確かに言える事......
それって......
エマ「__私の、お兄ちゃんである事!」
友希那「え?」
リサ「へ?」
紗夜「......(あー......)」
あこ「えぇ!?」
燐子「そ、そう言う......」
エマ(ドヤァ)
エマは凄いドヤ顔を浮かべてる
あぁ、そういう事かー
まさか、ここでエマがボケるなんて
エマ「今は今井リサの誕生を祝う事が本題。楽しむことこそ、お兄ちゃんの願い。」
紗夜「まぁ、そうですね。」
あこ「折角のカラオケだし、盛り上がって行こー!」
リサ「そだね!エマ、何か歌ってよ!」
エマ「なんで私が。」
リサ「誕生日権限だよー!」
エマ「......独裁者。」
エマはそう言ってスッと立ち上がり
テーブルに置いてあるマイクを手に取った
あっ、歌ってくれるんだ
友希那「何を歌うの?」
エマ「しゅわりん☆どり~みん」
友希那、リサ、紗夜、あこ「ブフッ......!?」
燐子「い、意外な選曲......」
エマ「あのグループは中々いい。」
ここで意外な一面出て来たんだけど
驚いて飲み物吹き出しそうになったって
エマってアイドルとか見るんだ
エマ「私には生まれつき絶対音感も備わっていた。」
あこ「なにそれかっこいい。」
エマ「心して聞くと良い、私の歌を。」
リサ(なにこのラスボス感。)
そんな事を思ってる内にイントロが流れ出し
エマが静かに息を吸い込んだ
明るい音と落ち着いてるエマのギャップが面白いけど
これ、どうなるんだろう
あたしは怖いもの見たさみたいな感情を抱きながら、エマが歌うのを見た
__________________
あれから3時間
あたし達はカラオケで盛り上がった
基本的にうちのメンバーは歌上手いんだけど
エマの歌には驚かされた
上手いと言うか本人そのものだったし
あれが天才か......
リサ「__ふぅー、楽しかったー。」
家に帰って来て、あたしはベッドにダイブした
すごい疲労感だけど心地いい
本当に今日は楽しかった
リサ(皆からのプレゼントでコーデの幅広がったし、秋が楽しみだなー。)
部屋でボーっとそんな事を考える
まだ買おうと思ってる服もいっぱいあるし
どんなのと合わせようかな
リサ「......んっ。」
なんだか、少しだけ眠たい
流石に疲れたのかな?
リサ(ちょっと、仮眠しよ。アラームセットして、っと。)
あたしは携帯のアラームをセットし
ゆっくり目を閉じると
意識が段々と落ちていった
__________________
リサ「__ん?」
目を開けると何故かあたしは椅子に座っていた
華やかな装飾に美味しそうな料理
しかも、あたし、綺麗なドレス着てるし
これなに?超困惑って感じ~(?)
リサ(ん?)
環那「おーい、リサー。」
リサ「環那?え、何してるの?」
環那「何って、覚えてないの?」
え、知らないけど?
今、すっごい困惑してるんだけど
何が起きてるの?
環那「今日は結婚式だよ?」
リサ「えぇ!?///」
環那「?」
け、結婚式?誰の?
もしかして、あたしと環那......?
リサ「えっと、誰と誰の......?///」
環那「寝ぼけてるのー?もちろん......」
リサ「も、もちろん......!///」
環那「会社の社員とその彼女さんだけど。」
リサ「......」
あーはいはい、そんな事だと思ったよ
何回あたしが空振り食らってきたと思う?
野球で言うと軽く100打席は三振してるよ?
リサ(って、待って待って?)
なんであたし、環那と社員さんの結婚式に来てんの?
おかしくない?
......ん?
リサ「えっと、なんであたしは環那とここに来てるの?」
環那「え、そりゃ、社員君が奥様もどうぞって招待状出してくれたから。」
リサ「......?」
環那「?」
あれ、あたし、耳遠くなった?
今、奥様って聞こえたんだけど?
......あっ、奥沢って言ったのかな?(?)
あたしって美咲だったんだ~(?)
リサ「えーっと、今、奥沢って言った?」
環那「奥沢?美咲ちゃん?いや、俺は言ってないけど。」
リサ「......」
つまり、奥様って言ったって事だね
状況的に言われたのはあたし......
つまり、奥様=あたし?
リサ(えっとー......?)
あたしは鞄に入ってる携帯を見た
待ち受け画面に映ってるのはあたしと環那と......そこそこ大きな子供
子供は大体、5,6歳くらい
リサ「えっと、今、子供何歳だっけ。」
環那「6歳だよ。4月7日生まれ。」
リサ「今、あたし何歳?」
環那「24歳だけど。」
えっとつまり?
あたしは18歳で結婚して子供産んで
結婚相手は環那だと?
リサ「あれ、おかしいな。」
環那「?」
リサ「あの環那があたしと結婚?何かのドッキリ......?」
環那「そんなに不思議かな?」
いやだって、あの環那だよ?
天上天下友希那独尊
自分の命より友希那を優先するような環那が?
環那「それにしても懐かしいね。結婚式。」
リサ「え?」
環那「俺達は高校卒業してすぐに結婚して、高校在学中から準備してたっけ。」
待って、あたし、その記憶ない
あれー?環那はなんで懐かしんでるの?
リサ「あの、環那__」
環那「あ、そろそろ俺が余興をする番だ。」
リサ「え、余興?」
環那は「よし。」と言って立ち上がり
新郎新婦の横にある舞台に歩いて行った
え、余興って?環那がするの?
環那『えー、それでは余興として、歌を歌わせていただきます』
リサ「え?」
環那『曲名は、今を時めく大人気アイドルPastel*Palettesnoのデビュー曲「しゅわりん☆どり~みん」です。』
「お~、いいぞ~社長~。」
「頑張れ~。」
リサ「いや、ちょ、ま......っ。」
待って、色々とおかしいけど
すごい重大な問題ある
環那「スゥ......」
リサ(待って待って待って。)
環那に、歌は......
歌だけは......
リサ「環那は......!」
__________________
リサ「__歌だけは下手くそなのー!!!って、は!?」
そう叫ぶのと同時に目が覚めた
あ、夢だったんだ
まぁ、当然だよね、環那だし(冷静)
リサ「はぁ......いい夢かと思ったら酷い夢だった......」
危なかった......
もうちょっとで環那の歌を夢で聴かないといけなくなる所だった
致命的に下手くそだからなぁ......
リサ「って、もう11時50分!?寝過ごしちゃったか~。」
アラームに全然気づかなかった
相当熟睡してたんだなー
いやー、参った参った!
リサ「って、あれ?あたし、電気けしたっけ?お母さんが消したのかな?」
『ドンドンドン!』
リサ「っ!!」
あたしが部屋を見渡してると
部屋の窓が勢いよく叩かれた
あれ、ここ2階なんだけどなー?
『ドンドンドンドンドン!!』
リサ「ひぃ!な、なにぃ......」
怖い怖い怖い
これ、どうしよう
開けた方がいいの?それとも無視?
いやでも、もし不審者だったらあれだし
チラッとチラッとだけ見てみよ
リサ「......えっ、と......誰もいない......?」
カーテンを開けて外を見ると、誰もいなかった
いつも見てる景色だ
気のせいか風の音だったのかな?
だってここ、2階だし?
そう思って、あたしは換気のために窓を開けた
リサ「もう全くー、驚かさないでよねー。おばけかと思った__」
「__おばけより人間の方が怖くない?」
リサ「そうかなー。この状況じゃ、おばけも人間も、こ......わ......!」
「やぁ。」
リサ「き、きゃぁぁぁぁぁああ!!!」
「ヘブシッ!!!」
上から出て来る謎の影
あたしは驚きとか恐怖が一気に押し寄せて来て
その影の顔っぽい部分をひっぱたいた
リサ「なになになに!?誰か__」
環那「俺なんだけど......」
リサ「あっ、環那。」
環那「おはよう、随分長い仮眠だったね。」
上から出てきた影の正体は環那だった
いや、何してんの?
なんであたしんちの屋根にぶら下がってるの?
リサ「えっと、何してんの?」
環那「いやー、仕事が終わってリサに誕生日プレゼント持ってきたんだけど、寝てたから、4時間くらいリビングにいて、起きるタイミングを見計らって驚かせに来たんだ。」
リサ「最後の過程、いらなくない?」
環那「どうせ何かするなら面白い方が良くない?」
何言ってるのかなー?この環那はー?
あたし、ちょー怖かったんだけど
心臓止まるかと思ったんだけど
環那「まぁ、冗談は置いといて、っと。」
環那はそう言いながら部屋に入って来た
すごい回転しながら入って来たけど
相変わらず、どんな運動神経してんの?
環那「と言うわけで、プレゼントをお届けに参りました、南宮環那でーす。」
リサ「普通に来てよ(切実)」
環那「いや、久し振りにリサで遊びたくなって。」
急にドS発動してきた
あたしからしたら冗談じゃないんだけど
......もう一回ひっぱたきたい
環那「それで本題なんだけど。」
リサ「あ、うん。」
環那「プレゼント持ってきたんだ。」
リサ「えっと、それのこと?」
環那「そう、これだよ。」
環那が手に持ってるのは箱
どこか高級感のある、立方体の箱
なんか、アクセサリーケースっぽい?
環那「これ、何だと思う?」
リサ「えーっと、アクセとか?」
環那「おぉ、やるね。流石はリサ。」
か、環那っぽくない
今まではあたしに欲しい物聞いて来たのに
今年は自分で選んで、しかもそれがアクセ?
環那「と言うわけで、ハッピーバースデーイ!」
リサ「あ、ありがと。って、あれ、このマーク......あのブランドのやつ!?」
環那「リサも知ってるの?一緒に選んでくれた彩ちゃんも知ってたけど。」
リサ「い、いや、超高級ブランドで女の子なら一度は夢見るアクセだよ!?」
環那「そうなんだ。(大方、彩ちゃんの言ってた通りか。)」
え、らしくない
あたしにこんなの買うなんて
友希那になら分かるけど......
リサ「あ、開けて良い?」
環那「いいよー。」
リサ「えっと、じゃあ、失礼して......」
環那「?(なんでかしこまってるんだろ。)」
あたしは恐る恐るケースを開けた
なかにはいくつかの綺麗なアクセ
1つ1つに宝石が付いてる気がするけどー
気のせいじゃないね、うん
リサ「えっ、すご。」
環那「俺にはあんまり分かんないや。リサに似合うのを買っただけだし。」
リサ「似合うと思うって言わないのは環那らしいね。」
環那「数字は嘘をつかないからね。」
あー、あの、どれだけ似合うかの計算か
マジでなんでも計算できんじゃん
むしろ、出来ないのある?
環那「まぁ、気に入ってくれたみたいでよかった。じゃあ、俺はそろそろお暇するよ。」
リサ「え、もう帰るの?」
環那「もう日付変わるしね。」
環那はそう言って窓の外に身を乗り出した
そこから帰るの?玄関あるのに?
環那「あっ、そうだ。」
リサ「なに?」
環那「俺、『しゅわりん☆どり~みん』歌えないよ?歌うのは苦手だから。」
リサ「へ?__っ!?///」
環那「じゃ、またね!」
リサ「え、ちょ、まっ__」
あたしが引き留めるより早く
環那は窓の外に飛んで行ってしまった
てか、あたしの夢の内容知って......
いや、寝言聞かれた......!?
リサ(ど、どこまで聞いたの......?///環那ー!!///)
あたしは心の中でそう叫び、しばらく悶え
落ち着けたのは10分くらい経ってからで
その後はお風呂に入ってから、
現実逃避するように無理やり眠りについた