“琴葉”
最近、同居人がおかしい
いや、元々異常な雰囲気を身に纏ってますが
それでも彼の普通から外れてる気がする
琴葉(一体、何なんでしょうか......)
ニヤケてて、性格悪くて
ご飯は美味しくて、部屋も綺麗にする
一見すれば、出会ったときと何も変化はない
でも、何かがおかしい
琴葉(一番おかしかったのは......あの日......)
あの、無理矢理お酒を飲ませた日
あれが彼の本心だとするなら
もしかしたら大きな悩みを抱えてるんじゃ......
彼にしては珍しい類の悩みですが
琴葉(それなら、年上の私が相談に乗らないといけないですね!)
あの南宮君が思春期らしい悩みを抱えてる
これは、年上らしい姿を見せるチャンス!
そして、あわよくば......!
琴葉(そうと決まれば!)
私はバッとソファから立ち上がり
彼の話を聞く準備を始めた
......まぁ、お酒とおつまみ買いに行くだけですが
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“環那”
環那「......」
今日も俺は会社で仕事をしてる
これから社内で導入するシステム作り
会社を管理するシステムも確立しないとだし
仕事の効率化、収入査定などのシステム
それのプログラミングにかかりきりだ
まぁ、もうすぐ終わるんだけど
哲司「__環那君......じゃなかった、社長。」
環那「ん?哲司君に瑛士君じゃん。どうしたの?」
瑛士「私達が社内調査した結果のご報告に参りました。」
環那「あぁ、もう集まったんだ。」
哲司「こちらをご確認ください。」
哲司君はそう言って資料を渡して来た
そこには2人に頼んで集めてもらった情報が載ってる
主に、人格に問題がある人間を調べてもらった
環那「うーん、自分の身内達が酷過ぎて感覚おかしくなってるよ。」
哲司「は、はははっ、キッパリ言いますね。」
環那「でも、そうでしょ?12人もコネ入社がいて使い物になるのが5人。残りの7人は性格最悪、仕事も微妙なゴミクズだよ?」
瑛士(は、ハッキリ言うな......その通りだが。)
まぁ、どっちにしても切れる社員はいない
あんまり無暗に切ると不当解雇って言われるし
流石に今は手出しできないか
環那「うん、もういいよ。2人は仕事に戻って。」
哲司「分かりました。」
瑛士「社長も、仕事は程々に。」
環那「分かってるよ。」
俺がそう答えると2人は社長室を出て行った
その後、俺はふぅっと息をついた
環那「はぁ......」
時計を見ると、もう夜の10時
朝の10時に出勤したから、12時間労働か
まぁまぁ働いたかも
環那(社員はもうほとんど残ってないし、俺もそろそろ帰ろ。)
俺はそう思って椅子から立ち上がり
もう家に帰ってしまう事にした
夏休みはあと4日あるし、間に合うでしょ
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家に帰って来る頃には10時45分になってた
会社から家まで結構時間かかるなぁ
しんど......
環那「ただいまー......ん?」
琴葉「あ、南宮君!おかえりなさい!」
環那「......なんで、お酒用意してるの?」
琴葉「飲むからです!」
また飲むのか......
最近、やけにお酒飲んでるな
そう言う気分なの?
環那「全く、また俺に飲ませたり悪酔いしたりしないでね?」
琴葉「分かってますよ!でも、付き合ってください!」
環那「はいはい、仕方ないなぁ......」
これは逃げられそうにない
仕方ないから付き合ってあげるかな
どうせ酔っぱらうだろうし
琴葉「じゃあ、そこに座ってください!」
環那「りょーかい。」
琴ちゃんにそう言われ
俺は琴ちゃんの隣に腰掛けた
てか、今日はソファなんだ
いつもはテーブルなのに
琴葉「と言うわけで、2人だけの飲み会を始めます!起立!」
環那「今座ったとこなのに?」
琴葉「冗談ですよ!いやですねー!」
環那「もう飲んでる?すっごいそのテンションウザいんだけど。」
琴葉「ひどい!?」
環那「冗談だよ。」
俺はそう言って琴ちゃんが用意してあった飲み物に口をつけた
何故か透明なコーラだけど
まぁ、飲めてお酒じゃないなら何でもいいや
琴葉「__ぷっはー!///この一杯のために生きてますねー!///」
環那「随分燃費がいいね。羨ましいよ。」
酒一杯だけで生きられる
うーん、羨ましい
琴葉「もー、そんな冷めた反応しちゃってー///若いのに枯れてるんじゃないですかー?///」
環那「若かいからって枯れない訳じゃないんだよ。」
って、俺って枯れてるのかな?
別にそんな風に思ったことはないけど
まだ緑の葉一枚くらいあるはず、多分
琴葉「澄ましちゃってー///もっと若さを出しましょうよー///」
環那「若さを出していい立場じゃないんだよ。」
琴葉「社長様も大変ですねー///」
ほんとに大変だよ
でも、そうも言ってられない
俺しか出来る人間がいないし
琴葉「でもー、もっと学生らしいことしましょうよー///」
環那「学生らしい事?」
琴葉「例えば、恋とかー///」
環那「ふっ。」
俺は小さく笑った
なんて言うか、26歳らしくない
どっちかと言うと中高生位の感じがする
環那「恋が学生らしいって......なんて言うか、浅はかだね。」
琴葉「酷い!///」
俺は大きなため息をついた
てか、そう言うのは自分の方が気にしたらいいのに
彼氏いない歴=年齢なんだし
琴葉「そ、そんな澄ました態度とってもー、まだ未経験のお子様ですしー?///そう言う意味では私と大差ありません!///」
環那「はいはい。(あるんだけど。)」
琴葉「そんなお子様な南宮君は思春期らしい悩みはないんですかー?///今なら、お・と・なの私が聞いてあげますよー?///」
環那「大人ってすごい強調するね。」
大人って自分で言うのが大人らしくない
まぁ、そこが面白いんだけどね
馬鹿っぽくて
環那「まぁ、いいや。」
琴葉「ほらほらー?///話してみてくださいよー///」
環那「仕方ないなぁ。じゃあ、話してあげるよ。どうせ忘れるだろうし。」
俺はまたため息をついた
酔っぱらいは素直に付き合うのに限る
どうせ、明日になったら忘れてるだろうし
お悩みサンドバックにでもしよう
そう思い、俺は話を始めた
“琴葉”
環那「最近、分からないんだよね。」
琴葉「分からない?」
南宮君が話し始めた
一応、酔いすぎないように控えめにしてて
彼の話をちゃんと聞ける理性は残ってます
環那「人を好きになるという事とはどういうことなのか。」
琴葉「!」
彼は神妙な面持ちでそう言った
端から聞けば思春期らしい悩みですけど
口調的にはもっと重く聞こえる
環那「利用価値の有無で人間を見て来た弊害か、人間を愛するとか、そう言う感覚が理解できないんだ。」
琴葉「そ、それは......」
ありそう......
彼の態度は人を人とも思わないようなもので
それこそ、まるでゴミを扱う時のような......
無感情で、躊躇がない
環那「......その理解できない感情に、自分を否定されてるから更にムカつく。」
琴葉「?」
環那「なんで、友希那を......!」
琴葉「南宮君!?」
南宮君は怒りを露にし
手に持ってるグラスを握りつぶした
あれ、相当頑丈な物なのに......おかしいですね?
琴葉「お、落ち着いてください!南宮君!」
環那「っ!琴ちゃん!?」
私は彼の名前を叫び
ソファに勢いよく押し倒した
琴葉「その、私にも、恋なんて分かりません......///」
環那「う、うん、知ってる。」
琴葉「けど、1つ、確かに言えることがあります///」
そう言って、大きく深呼吸する
私は教師で彼の担任
そんな立場でこんなことは許されない
けど、同居人として、1人の女としてなら
今から口にする気持ちも、許されますよね?
琴葉「私は、あなたが好きです///」
環那「えっ?」
私の言葉に彼は目を丸くした
でも、こっちの方が驚きですよ
こんなこと自分の口が言えるなんて
琴葉「最初は、あなたの事は苦手でした。けど、可哀想な境遇だと思って同居していました。」
環那「......」
琴葉「そんな中であなたと過ごすうちに、一緒にいるのが楽しくなって、好きになって、結婚したいと思いました......///」
環那「......付き合うとかじゃないんだ。」
彼は少し笑いながらそう言った
ですよね!?飛躍し過ぎですよね!?
私自身もそう思ってるんですよ!
琴葉「い、いいんです、あなたとなら結婚でも!///だから、その......///」
環那「?」
琴葉「......私の......処女を貰ってください///」
環那「へ?」
......どうしよう、言っちゃいました
もう引き返せません
このまま、彼と......
琴葉「今は一晩だけでいいので、私を愛してください///」
環那「......良いの?立場的に。」
琴葉「今は浪平琴葉と言う1人のあなたを愛する女です///」
環那「......」
彼は真顔で私を見ている
迷っているようにも見える
これは、どうなるのでしょうか......
環那「......じゃあ、1つお願い。」
琴葉「は、はい......?///」
環那「俺に、愛を教えて。琴ちゃんが抱く思いや感覚、その全てを。」
琴葉「っ!?///」
彼はそう言い切ると
押し倒してる私を押し返し
逆に私を押し倒した
環那「......教えてね。」
琴葉「きっと、見つかりますよ///私はあなたを愛してるんですから///」
環那「そっか。なら、始めよう。」
琴葉「ひぅ......///」
彼はそう言い、私の服に手をかけた
きっと、これは彼にとっては1つのステップ
愛を知るために必要な授業と何ら変わらないでしょう
でも、それでもいい
私は彼を愛してて、彼もそうしてる間だけは愛してくれる
そして、彼が愛を知って進む道の先には
もしかしたら、私がいるかもしれないんですから