お風呂からあがって、俺は部屋に戻った
2人は先ほどと同じ衣装を着て、正座してる
な、なんだろう、この光景......
なんだか、俺がそう言う趣味の人みたいだ
環那「な、なんで2人は正座を?」
リサ、燐子「反省......」
環那「あ、うん。」
こ、これはどうしよう
2人は恩を感じてこういう行動に出たんだろう
けど、この2人にそんな売女ような真似はして欲しくない
そもそも、全然気にしなくてよかったのに
リサ「ごめん、環那......」
燐子「こんなの......困るよね......」
環那「大丈夫大丈夫。お風呂入って頭の中、整理してきたから。」
俺はそう言って、椅子に座り、一つ息をついた
大丈夫だ、今の2人を前にしても冷静でいられる
環那「それで、2人は何らかの恩を感じて、それを返すためにこういう行動に出たって解釈で良い?」
燐子「うん......」
環那「別に、そんなに気にしなくてよかったんだけどね。」
燐子「そんなわけにはいかないよ......お父さんのお仕事も紹介してくれて、その上、お仕事がない期間の生活費も全部出してくれたのに......」
環那「そのくらい気にしなくていいんだけどね。」
適当に3000万入ってる通帳渡しただけだし
そもそも、そんなに使われてなかったし
全部使っても構わなかったのに
環那(さーて、これはどうしようか......)
この2人を無理やり帰すと傷を残しそうだ
けど、この状態の2人がずっと部屋にいると
それはそれで、俺の理性の方もヤバい
冷静でいられる時間も限られてるし
環那「それで、2人はどうしたいの?」
リサ「え、えーっとー......///」
燐子「実は......あんまり考えてなくて......///」
環那「み、見切り発車だったんだね。」
この位思い切らないと、こんな事出来ないか
......こっちとしては少し勘弁して欲しいけど
環那「まぁ、もう夜も遅いし、俺は寝るけど。」
リサ「じゃ、じゃあ、添い寝する!///」
環那「!?///」
燐子「わ、私も......!///」
環那「なっ!?」
なんでそうなるの!?
明日、学校じゃなかったっけ?
あれ、俺がおかしいのかな?
リサ「だ、ダメ......?///」
燐子「迷惑、かな......?///」
環那「......」
二人は潤んだ眼でこっちを見ている
なんか『一緒に寝ますか?』って声が聞こえて来た
ま、マジかー......
環那「......仕方ない。添い寝位ならいいでしょ。」
リサ「じゃ、じゃあ///」
環那「一緒に寝ようか。(2人と寝るのはリサは8年ぶり、燐子ちゃんは二か月ぶりくらいかな。)」
燐子「う、うん///」
それから、俺は少しだけ日課の部屋に片付けをし
ある程度準備が整ってから部屋に電気を消し
2人と一緒にベッドに入った
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ベッドに入ってから1時間が経った
2人は横で穏やかな寝息を立て始め
俺の両腕はガッチリホールドされてる
燐子ちゃんは義手の方に抱き着いてるけど、いいの?
固くないのかな?
環那(......2人は寝たかな。)
いつもはここまで早く寝ないけど
今日は2人もいるし、寝かしつけるためにこうした
何とか、上手く行ったみたいだ......
環那(取り合えず、一旦ベッドを出よう。)
2人に気付かれないように腕を抜いて
取り合えず、ベッドのわきにある椅子に座る
これで、なんとかなったかな......
環那(......この2人、ほんとに俺の事好きなんだ。)
ベッドで眠る2人を見て、ふとそう思う
リサと燐子ちゃんの気持ちはもう知ってる
むしろ、言われてなくても、ここまでされたら気付く
環那(......好き、か。)
ふぅ、と息を吐き
机に置いてあるロケットペンダントを見る
中にある楽し気な写真
その中に写ってる、俺の止まりかけた心臓を激しく動かす3人
環那(......もう、分かったよ。)
きっと、俺はこの3人が好きなんだろう
その事はもう、確信に変わった
そう思うと、頭の中で色んな音声が流れてくる
リサ「んん......っ。」
燐子「すぅ......」
環那「......っ。(ダメだダメだ!)」
今の2人の格好は目に毒過ぎる
このままじゃ、俺の理性と言う理性が崩壊する
俺はそう思い、部屋から出ることにした
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リビングに来て、ソファに腰を下ろす
シーンとして、少し薄暗い部屋
そんな場所にいると、一気に冷静になる
環那「......友希那。」
小さな声で、名前を呼ぶ
俺の人生に光を与えてくれた神
世界で一番、大切な女の子......の、はずだった
環那「......」
心の中では気付いてたのかもしれない
羽丘に戻って来てからだろうか
いや、退院した後、キスをしてからか
あの日から、自分の中で迷いが生じ始めた
環那「......っ。」
自分の中で、あの3人と友希那の分類は違う
そう思い始めた最初の原因
それは、リサだ
環那(リサ......)
病院でリサの気持ちをぶつけられ
リサに対する見方に変化が現れた
今までにない反応に戸惑ってたけど
あれが、始まりだった
環那(燐子ちゃん......)
そして、燐子ちゃんと出会った
俺の心の綻んだ部分を易々と破壊してきた
友希那以外に初めて、命を懸けてもいいと思った
日に日に俺の中で大きな存在になって行く、不思議な女の子
今でも、燐子ちゃんは未知だ
環那(そして、琴ちゃんか。)
出所してから、ずっと一緒にいた
ズボラで家事スキルの無い、所謂ダメな大人
けど、心優しくて、危険極まりない俺を受け入れてくれて
なんだかんだで、立場関係なく交わった
環那(全員、勿体ないよ。俺みたいな犯罪者に身を捧げるなんて、世界の損失だよ。)
皆、可愛くて、性格も良くて
彼女たちを好きになる男はたくさんいる
そんな子達が俺だけに集中するなんて......
うん、なんか色々間違ってるね
リサ「__環那......?」
環那「あ、リサ。」
リサ「どーしたの......?」
環那「......目が冴えてね。」
リサ「隣、行っていい......?」
環那「うん、いいよ。(様子がおかしいな。)」
1人でリビングにいると、リサが入って来た
その様子はまるで、怖い夢を見た子供みたいで
目には涙が溜まってて、スカートをギュッと握ってる
環那「怖い夢でも見た?」
リサ「......うんっ。」
環那「そっか。」
リサ「ん......っ」
隣に座ってるリサの頭を撫でる
相変わらず、撫で心地が良い
環那「どんな夢だった?」
リサ「......環那が、いなくなる夢。」
環那「!」
俺がいなくなる夢、か
割と現実味あるのが怖いね
まぁ、今の所そんな予定はないけど
リサ「それで、起きたら環那いなくて、怖くなって......」
環那「ごめんごめん。」
リサ「......もっと撫でて。」
環那「はいはい、仰せのままに。」
また、リサの頭を撫でる
こうしてると、昔の事を思い出す
リサが泣いた時はいつもこうしてたっけ
偶に抱きしめたりもしてたか
環那「リサは甘えん坊だね。」
リサ「......環那の前だけだもん。」
環那「ははっ、そうだね。いつもはお姉さんぶってるもんね。」
成長しても、根っこは変わらないか
甘えん坊で涙もろい、幼い女の子だ
リサ「こんな女の子、嫌い......?」
環那「嫌いじゃないよ。」
リサ「......好き。」
環那「......ふいにそういうこと言うのは止めていただきたい。」
流石にちょっと、ドキッとした
結構ちゃんと仕事してるじゃん、俺の心臓
リサ「好きなものは好きなんだもん。」
環那「知ってるよ。昔から。」
リサ「でも環那、モテるじゃん。」
環那「モテてるかは微妙だけど......」
リサ「燐子に浪平先生いるんだけど......?」
環那「3人に好かれて、モテる人間にカテゴライズされるなら、俺はモテるね。」
リサ「じゃあ、十分モテモテ。」
俺はモテモテだったのか(驚愕)
まぁ、普通は3人にいっぺんに告白されたりしないか
リサ「環那の事を好きになるのは、あたしと友希那だけだと思ってたのに......」
環那「......俺も、そう思ってたし。俺が好きになるのも、友希那だけだと思ってた。」
リサ「......?」
リサには、話していいかもしれない
俺の心内を数少ない人間だし
話すタイミングも今しかない
環那「俺、3人の女の子が好きなんだと思う......いや、好きなんだ。」
リサ「っ!そ、それって......あたしも?」
環那「うん。」
リサ「あとは、燐子?」
環那「正解。」
リサ「じゃあ、最後は......友希那?」
環那「......」
リサ「え?」
言葉に詰まる
リサも今の俺の様子を見て戸惑ってる
まぁ、そうだよね
リサからすれば、因縁の恋敵だっただろうし
けど......
環那「......リサだけに、話すね。」
リサ「な、何を......?」
環那「実は、俺__」
リサ「__っ!」
俺は、自分の中で出た答えをリサに伝えた
その瞬間、リサは驚いて体をこわばらせて
まるで時間が止まったかのように、俺達の会話は無くなった