羽丘の元囚人   作:火の車

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放課後の対面

 あれから数分が経った

 

 俺はリサを人気の少ない校舎裏に連れて行き

 

 なんとか、怒りを収めた後

 

 俺とリサは教室に戻った

 

環那「ふぁ~ぁ......」

 

 それからはいつも通り

 

 普通に授業を受けて、お昼ご飯食べて

 

 いつも通りの日常を過ごした

 

琴葉「これで帰りのホームルームは終わりですね!もう受験も近づいて来てるので、頑張って勉強してくださいね!」

環那(今日の晩御飯は角煮でも作ろうかな~。)

琴葉「南宮君は放課後、会議室に来てください。」

環那「!」

琴葉(面倒な事態になりました。)

 

 琴ちゃんからアイコンタクトが送られてきた

 

 なるほど、このタイミングで来たか

 

 ......ちょっと、悪すぎるな

 

環那(これ、リサにばれたら怒り狂うし......何より、友希那には絶対に鉢合わせられない。)

 

 取り合えず、エマは連れて行きたい

 

 そうすると2人の護衛がいなくなるけど

 

 今からノア君にお願いするか......

 

エマ「お兄ちゃん。」

環那「エマ、ノア君に連絡して。今日はRoseliaの練習があるから、出来れば、付いててもらいたい。」

エマ「了解。私は?」

環那「エマは俺と来て。」

エマ「うん。」

 

琴葉「__連絡は以上ですね。それでは、また明日!」

 

 琴ちゃんのそんな言葉の後

 

 委員長の『起立、礼』という声が聞こえ

 

 それが終わると、他の生徒はゾロゾロと出て行った

 

環那「あーあ、進路の事かなー。」

リサ「進路ー?あー、環那、全く書いてないもんねー。」

友希那「進路の事なら、進路指導室ではないの?」

環那「まぁ、ここの理事長やら校長やらとは関係が深いからね......あはは。」

友希那(そうだったわ。)

リサ(この学校、実質環那に支配されてるんだった。)

 

 よし、意外と簡単に誤魔化せた

 

 ここの上の奴ら脅しててよかった~

 

環那「と言うわけで、行ってくるよー。2人は練習、頑張ってねー。」

リサ「うん!またね!環那!」

友希那「また明日。」

エマ「また。」

 

 手を振りながら2人を見送り

 

 2人の気配が遠くに行くと、ふぅと息をついた

 

環那「......さて、行こうか。」

エマ「全く、低能な人間ごときがお兄ちゃんの手を煩わせるなんて。身の程を弁えて欲しい。」

環那「まぁまぁ。暇つぶしくらいに遊んであげよう。」

エマ「お兄ちゃんがそう言うなら、私は従う。」

環那「ありがと。もう少しだけついて来てね。」

エマ「どこまでもついて行くよ。ずっと。」

 

 なんでこんなに好かれてるんだか

 

 未だに俺には理解できないよ

 

 まぁ、兄冥利に尽きるんだろうね

 

環那「行こうか。今日の晩御飯は角煮だよ。」

エマ「楽しみ。」

環那「ははっ、そっか。」

 

 そんな会話をしつつ、エマと一緒に教室を出た

 

 さてと、買い出しも行かないといけないし

 

 出来る事なら、1時間くらいで終わらせたいな

__________________

 

 廊下を歩いて2階の職員室の近くにある教室

 

 ここが、羽丘の会議室だ

 

 日夜ここで教師たちは会議をしてる......訳ではなく

 

 どっちかと言うと運動部のミーティングで使われる事の方が多い

 

 と、日菜ちゃんが言ってた

 

環那「しっつれいしまーす。」

エマ「......」

 

 そんな教室のドアを開け、中に入ると

 

 そこには多くの不満顔の保護者がズラリと並んでいて

 

 一番奥には見知った顔がある

 

環那「どうも皆さんお集りで。」

新太「......久しぶりだな、南宮環那。」

環那「あはは、2週間ぶりだね。新太。」

 

 一番奥に仏頂面で座ってる新太に声をかける

 

 相変わらず、俺の事は嫌いみたいだ

 

 一緒に頑張ったのに、ちょっと悲しい

 

新太「妹も一緒か。」

環那「別にいいでしょ?エマは普通の少女なんだから。」

新太「......いいだろう。」

 

 ここで先手を打たせてもらった

 

 エマは新太や一部の人間以外が見れば、普通の小柄な少女

 

 そんな子にビビるのは警視総監のプライドが許さないはず

 

 なんて言う、猿でも出来る簡単な予想だね

 

環那「さて。」

 

 ドンっと大きな音を鳴らしながら椅子に座り

 

 馬鹿みたいに偉そうに足を組んだ

 

環那「君たちの顔は覚えてるよ。その上で聞くけど__」

 

 ここにいる人間の顔は覚えてる

 

 5年前に全員覚えた、あまりに許せなくて

 

 正確には、こいつらの子供の方だけどね

 

環那「どの面下げて、俺の前に来たの?」

「__っ!!!」

新太「......っ」

 

 正直、少しだけ怒ってるのかもしれない

 

 もうそろそろ、演技もいらないか

 

 こいつらに優しくする必要性はない

 

「わ、私達は、子供のためにあなたに慰謝料請求に来たのよ。」

環那「......(今さらか。)」

 

 大方の予想はこうだ

 

 俺が社長になったとニュースで見る

 

 ここぞとばかりに5年前を思い出す

 

 そのタイミングで新太に声を掛けられる

 

 警視総監を味方に付けたとつけあがり、ここに来た

 

 こんなもんでしょ

 

「うちの子はあの出来事がトラウマになって引きこもりになったわ!」

「うちは大怪我をしてしばらく部活に出られなかった!」

「息子は腕と足を粉砕骨折だ!」

「こっちはあばらが折れたのよ!?」

「こちらは1か月も昏睡した!」

「私の子は__」

 

 1人の声を皮切りに、数々の恨みの声が上がった

 

 さぞ、俺がボコった奴らは大変だったんだろうね

 

 ほとんどは死なない程度に死ぬほどいたぶったし

 

 でも、そんな恨みの声を聞いたところで......

 

環那「で?」

「__はっ?」

 

 こんな感想しか出てこない

 

 だから何?って感じ

 

 死んだとかならともかく

 

 たかが怪我しただけで文句言われても、ねぇ?

 

環那「あんたらのところのクソガキは友希那をイジメて、その報復を受けた。その癖に自分たちだけが被害者とでも?」

「で、でも、流石にあれはやりすぎで......」

「教師に相談したり、話し合いをすれば......」

環那「それは、まともな学校とまともに反省する人間があってこそでしょ?」

 

 こいつら、分かってないな

 

 俺は知らないから仕方ないなんて許さない

 

 無知は罪だ

 

「うちの子が、まともじゃないって言うの!?」

環那「人をイジメるような奴がまともな訳ないでしょ。なに分り切ったこと言ってんの?」

保護者達「っ!!」

環那「まぁ、お前達みたいな金魚の糞の親なんてどうでもいいんだよ。一番解せないのは、主犯の()が涼しい顔してることだよ。」

新太「......」

 

 そう、俺は一番遠くにいる新太に声をかける

 

 ......一番許せないのは、こいつの妹だ

 

環那「こいつらじゃ話にならない。まともな話しようよ。」

新太「いいだろう。」

 

 俺が出所したらしたい事ランキング3位

 

 こんなに時間がかかるとは思わなかったよ

 

 まぁ、いい

 

環那(......さぁ、始めよう。)

 

 今度こそ、こいつらを粉砕し

 

 あいつらに真の意味で報いを受けさせる

 

 ......ノウノウと生きさせはしないよ

 

 

 

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