少しだけ面倒なトラブルを捌いた
今回は誰も不幸になってないわけだし
まぁ、そこそこいい形に収まったかな
中々平和な解決も出来るじゃん、俺
環那(はぁ、やっと終わった。)
夜、俺はベランダに出て風に当たってる
今日の分の家事はすべて終え、時間は0時過ぎ
外は人も車も少なく
静かで、少し冷たい風が気持ちい
環那(......)
新太のことは残念だった
俺に似てる部分があると思ってたんだけど
やっぱり、人間関係は上手く行かない
環那「......新太の恨みも、愛故と言う事なのかな。」
それなら、俺は許すべきだったのかもしれない
愛ゆえに敵を徹底的に叩き潰そうとする
そう言う行動は本当に俺に似てるから
環那(これだから、新太には非情になりきれなかったのかな。)
もし立場が違えば、いい友達になれたかもしれない
本当に、残念だ......
『~♪』
環那「ん?」
1人で考え事をしてると
ポケットに入れてる携帯が鳴った
環那「イヴちゃん?」
電話の相手をすると、イヴちゃんからだった
だったら特に警戒することも無いし
俺は電話に出た
環那「はーい、もしもーし。」
イヴ『あ!カンナさん!こんばんは!』
電話の向こうではハイテンションなイヴちゃんの声が聞こえる
もう夜中なのに、元気だなぁ
ていうか、なんでこんな時間に?
イヴ『こんな時間にすみません。お仕事で帰りが遅くなってしまって......』
環那「別にいいよ。俺も起きてたし。」
イヴ『そうなんですか?いつも目の下にクマがあるので、もっと寝た方がいいですよ?』
環那「クマはデフォルト装備だから、大丈夫だよ。」
って、そんな俺の事情はどうでもいいんだ
イヴちゃんの用件を聞かないと
環那「それで、どうしたの?」
イヴ『日曜日のデートについての連絡です!』
環那「あー、なるほどね。」
そう言えば、もう3日後か
ギリギリになったら俺から連絡するつもりだったけど
ちゃんと覚えててくれたみたいだ
環那「待ち合わせはどうする?」
イヴ『10時に駅前でどうでしょうか?』
環那「りょーかい。どこ行く?」
イヴ『それはまだ秘密です!サプライズです!』
環那「あはは、そっか。」
それを言っちゃったらサプライズではないのでは?
まぁ、本人が楽しそうだしいいや
水を差すのは良くないよね
イヴ『それでは、楽しみにしていてください!』
環那「うん、楽しみにしてるよ。」
イヴ『あと......///』
環那「?」
少しだけ声が変わった
元気さが少しだけなくなって
恥ずかしがってる子供みたいな感じ、かな?
イヴ『......いえ、なんでもありません///』
環那「そう?」
って、そんなわけないよね
けど、これは聞かない方がいいかな
無理矢理聞き出すようなタイミングでもないし
イヴ『そ、それではまた!///日曜日に!///』
環那「うん。またね。」
俺がそう言うと、電話が切れた
短いながらも楽しい時間だった
電話越しでもあの子の空気感が伝わってきて
環那「......そろそろ、寝ようかな。」
そう呟いた後、俺は家の中に入り
歯磨きなどを済ませてから、部屋に戻った
なんだか、今日はよく眠れそうだ
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“友希那”
環那は今、何をしているのだろう
そんな事を考えたのは0時を回ったころだった
友希那(環那......)
私は、自分が環那が好きなのだと思ってた
けれど、それは違った
朝のリサの発言で、気付かされた
友希那「......」
環那は、私にとって都合のいい人間だった
常に私を優先してくれて、いつでも私の味方だった
それを私は優しさと思っていた
友希那(......私の気持ちは......)
都合のいい人間と離れたくない、手放したくない
その気持ちを好きだと錯覚していたのかもしれない
友希那「......ダメね、私は。」
気づいてる
環那はもう、私から解放されるべきだと
友希那(変わったのよ、環那は。)
今は環那の事をしっかり見てくれる人達がいる
18年間も生きて、今やっと、幸せを掴もうとしてる
幸せに見放されてきた環那がやっと......
友希那(......これ以上、環那の足手まといにはなれない。)
少し考えてみる
環那が未だに誰とも付き合わない理由
もしそれが、私なら
何かしらの形で私が枷になってるなら......
友希那(私がそれを、断ち切らないと。)
私はそう思って拳を握り締めた
今度は、私が環那を幸せにする番
その為に出来る事は何でもしよう
そう、心に誓った
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“環那”
日曜日
俺は待ち合わせ10分前に駅前に来た
この時間は遊びに行ったりする人間が多いからか結構人が多い
イヴ「__あ!カンナさん!」
環那「やっほー、イヴちゃん。」
って、こんな迂闊に名前呼んでもいいのかな?
イヴちゃん、がっつり変装してるし
やっぱり、正体がバレる訳にはいかないんだろうね
環那「今日はお忍びってことでいいのかな?」
イヴ「はい!カンナさんだけのトクベツです!」
環那「ははっ、それは嬉しいね。ファンになっちゃいそうだ。」
アイドル業界では推しって言うんだっけ?
俺はよく分からないけど
イヴ「是非とも応援してください!カンナさんに応援されると嬉しいですし!」
環那「そっか。じゃあ、考えておくよ。」
そろそろ、ちゃんとテレビチェックしよ
イヴちゃんの所属してるグループの名前、何だっけ?
確か、リサ達が言ってた気がするけど......
イヴ「それでは、参りましょう!デートに!」
環那「お供するよ、若宮殿。なんちゃって。」
イヴ「ふふっ、良い響きですね!武将みたいです!」
環那「あはは、そっか。」
そうして、俺とイヴちゃんはその場を離れ
イヴちゃんが設定した目的地に向かった
さて、現役アイドルとのデートか
......変に騒ぎ立てられないように九十九に頼んどこ