羽丘の元囚人   作:火の車

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告白

 抑えられない......

 

 カンナさんと一緒にいるとおかしくなってしまいます

 

 一緒に歩いてるだけで嬉しくなって

 

 姿を見ただけで、胸が温かくなります

 

イヴ(大好きです、カンナさん......///)

 

 もう、自分の気持ちが抑えられません

 

 隣にいてくれるだけで幸せで、ドキドキして

 

 触れると私が私じゃなくなりそうになります

 

環那「おっと、イヴちゃん。足元危ないよ?」

イヴ「っ!///」

 

 足元を見ると、一歩先に段差がありました

 

 カンナさんばかり見てて気づきませんでした

 

イヴ「ありがとう、ございます///」

環那「大丈夫だよ。でも、疲れてるなら言いなよ?」

イヴ「も、問題ありません!///」

環那「そっか。」

イブ(カンナさん......!///)

 

 すごく紳士です

 

 今、止める時も優しく、変な所も触らなかったですし

 

環那「てか、どうする?もう結構、暗いけど。」

イヴ「あ、え、えっと......最後に、プレゼントを渡します///」

環那「そうだった。気になってたんだよね。」

 

 正直、私もいつ渡そうか迷っていました

 

 恐らく、これを渡す時が告白の時

 

 そんな予感がしていたからです

 

イヴ「2人に場所に移動しませんか?///ここでは、人目もあるので///」

環那「そうだね。この辺りの地図を見た感じ、公園があるし、この時間なら人も少ないんじゃないかな?」

イヴ「でしたら、そこに行きましょう!///」

環那「オッケー。(顔、紅いな。)」

イヴ(......ここが、ショウブです。)

 

 心臓が締め付けられそうです

 

 けど、もう引き返せません

 

 ここまで来たら、やり切るのみです......!

 

 そう、心の準備を始めました

__________________

 

 “環那”

 

 5分くらい歩いて、俺とイヴちゃんは公園に来た

 

 街灯が少ないからか薄暗い

 

 けど、少しだけ落ち着く

 

イヴ「あ、あの、カンナさん......///」

環那(顔赤いなー。)

イヴ「そ、その、プレゼントを渡しますが、お話を聞いて欲しいんです///」

環那「......うん。」

 

 イヴちゃん、視線が安定してない

 

 それに挙動がおかしい

 

イヴ「......私は、カンナさんの事が......大好きです///」

環那「うん、知ってる。」

イヴ「えぇ!?///」

 

 予想外の反応だったのか

 

 イヴちゃんは驚いたような声をあげた

 

 うん、まぁ、分かるよね

 

イヴ「い、いつから分かってたんですか!?///」

環那「結構前から気付いてたよ。イヴちゃん、分かりやすいから。」

イヴ「そ、そうですか///」

 

 本当は、嫌われるつもりだった

 

 けど、腕が飛んだりとか色々あって出来なかった

 

 ......それがまさか、こんな事になるなんて

 

イヴ「......それで、ど、どうでしょうか?///」

環那「どう、って?」

イヴ「私と、お付き合いしていただけますか......?///私、すごく尽くしますよ......?///」

環那「......いや、それは止めた方がいい。」

イヴ「え?」

 

 イヴちゃんの言葉を、俺は止めた

 

 正直、俺が彼女をどう思ってるか分からない

 

 けど、1つだけ

 

 今のイヴちゃんの言葉について言えることがある

 

環那「仮に、誰かと恋人になったりしても、尽くすのは止めた方がいい。」

イヴ「そ、そうなんですか?男の人はそう言う女性の方がいいと......」

環那「......まぁ、そう言う人は多いかもね。」

 

 日本の悪い風習の1つ

 

 尽くすことを日本人は美徳にしがちだ

 

環那「でもさ、人に尽くすのって、辛い事だから。」

イヴ「!」

 

 尽くすことは辛い

 

 どんなに愛していても、心は疲弊していく

 

 そして、行きつく末路は......

 

環那「何より、俺みたいなのは尽くし甲斐がないよ。イヴちゃんには、もっと素敵な人がいる。」

イヴ「......それは。」

環那「......」

 

 『遠回しに断ってるのか』

 

 そう言わんばかりの目を、イヴちゃんが向けてくる

 

 まさしくその通りなんだけど

 

環那「......俺にはきっと、好きな人がいる。」

イヴ「......っ」

環那「イヴちゃんも似たような雰囲気は感じる。けど、違うんだ。」

イヴ「......」

 

 そう言うと、イヴちゃんは俯いてしまった

 

 本当に、申し訳ない

 

 イヴちゃんは、何も悪くないのに

 

イヴ「......そう、ですか。」

環那「......ごめん。」

イヴ「いえ、告白したのは私なので、フラれても何も言えません......ですが......」

 

 イヴちゃんは俯いてた顔を上げ

 

 涙で潤んだ瞳で俺を見つめた

 

 大きくてきれいな瞳に俺の姿が写ってる

 

 ......ひっどい顔をしてる

 

イヴ「そう簡単に、諦められません......っ!」

環那「っ!」

イヴ「なんで、なんでですか......!?」

環那「......」

イヴ「なんで......優しく、したんですか......」

 

 なんで、と言われると

 

 それは彼女が昔のリサに似ていたからだ

 

 だから、放っておけなかった

 

イヴ「あんなに、優しくされれば、好きになってしまいます......」

環那「......ごめん。」

イヴ「謝られても、困ります......」

 

 それはそうだ

 

 俺がいくら謝っても、心の傷は言えない

 

 むしろ、抉る可能性もある

 

イヴ「本気で、好きなんです......どうしようもないくらい......」

環那「......」

イヴ「......本当に、ダメなんですか......?」

環那「......うん。」

 

 惜しい事をしてる自覚はある

 

 こんなにかわいい子の告白を断るなんて、普通はありえない

 

 けど、そう思っても断ってしまうんだから、今の気持ちは分からないんだ

 

イヴ「......そうですか。それなら、仕方ありません。」

環那「__っ!!」

イヴ「ん......ちゅっ///」

 

 目の前が、真っ白になった

 

 それと同時に優しい、花の様な香りが入って来て

 

 唇には柔らかい感触がある

 

環那「__イヴちゃん、これは......」

イヴ「......近くに、ホテルがあります。」

環那「......?」

 

 イヴちゃんの言葉に困惑した

 

 チラッと向こうを見ると、どこかで見たようなピンク色のホテルがある

 

 いや、えっと、どういう事だ?

 

イヴ「......そこで、私を抱いて下さい。」

環那「!?」

 

 驚きで目を見開いてしまう

 

 いや、ダメだ、これは良くない

 

 イヴちゃんの立場を考えると

 

 特定の男となんて......

 

イヴ「......諦めさせて欲しいんです。二度と、立ち上がれないくらい。」

環那「......っ。」

イヴ「嫌いにさせてください......こんなに好きにさせたカンナさんなら、出来ますよね......?」

環那「それは......」

 

 出来ない......

 

 そんな言葉は、俺の口からは出せなかった

 

 だって、イヴちゃんの声がひどく震えてたから

 

 そんな女の子に、弱音なんてはけない

 

イヴ「カンナさん......」

環那「......出来るよ。」

イヴ「なら......お願いします。」

 

 ......重い

 

 この気持ちは、俺には重すぎる

 

 これを断ち切るなんて、そう簡単じゃない

 

 俺も、身を切る覚悟が必要だ

 

環那(......ごめんね、イヴちゃん。)

 

 全部、俺の責任だ

 

 俺が失敗しなければ、こうはならなかった

 

 この罪は潔く償おう

 

 彼女の幸せを壊さないように

 

 彼女が追う傷も全部、俺が引き受けよう

 

 

 

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