初投稿です。
原作通りのアニメを観たい(願望)。
事実は虚構よりも不思議。
…違うな
事実は虚構くらい不思議?
気付いたら地下鉄のプラットホームで突っ立ってた。
……どこ駅よ?ここ。んん?首が動かない、ってゆーか眉から足指までピクリとも動かせん。
どーしたことだ。金縛りか?鼻がつまったら死んでしまふ。あら、まばたきは出来るな。
パチパチパチ…やべっ痒くなってきた。とりあえず眼球の水分は守れそーだ。
私の首筋は顔面に2時の方角を向かせて固まっている。なんで正面じゃないの?
動かせない視線の先には学ラン男子が居た。
こちらに背を向けているので彼の容貌は判らない。だがスラッとしたバランスの良い体型に見える。彼は電車を待っているようだ。プラットホームに居るんだから当たり前か。雑誌を立ち読みしている。本編へ読み進まず巻頭グラビアを熱心に視ているようだ。あ、老婦人が話しかけた。学ランは老婦人の顔を視ずに答え、老婦人は会釈して去る。…既視感。
これ、あのマンガの1話目じゃね?
な~んだ、夢か~。
今日の夢はマンガのキャラなりきりってか痛々しーな。誰の視点だ?
1話目に主人公と幼馴染以外の主要キャラ出ない筈だが。
老婦人再来。今度は老婦人の顔を見て話す学ラン。老婦人は悲しそうな顔で去った。
何これ?いつまでこの調子なんだ?この夢。こんなに動きが無くて良いと思ってるのかっ。
私は退屈しているぞ。さっさとアクションシーンにとびたまへ。
どーゆーつもりでこんな夢を見せてるんだ?私は。
このマンガの夢は何十回と見ている。そして毎回空気視点(?)。内容はおもに山場エピソードの再現。モブ視点で1話目を冒頭から、とか新鮮だわぁ(←嬉しくない)。
学ランこと主人公は雑誌を鞄に仕舞い暫く右方向を見てから正面へ向き直った。
もしかして本当にこのまま漫画どおりに進むわけ?この夢。
だとしたらこの後アレを視ることになるの? やだなぁ。
カッ
靴裏を鳴らし、主人公の横に長身のヤンキーが立った。襟足長いオールバックのあいつである。あっちゃ~来ちゃったよ幼馴染~。これはもう確定でしょう。ですよね?
…気弱な人間は退避せよ。
ドサッ
主人公と幼馴染が横並び(この時点で幼馴染側は主人公に気付いていないため会話は無い)になって暫く、なにか重くてでかいモノがそれなりの段差から落ちた音が聞こえた。
「…!!なんだなんだっ?あのおっさんどーしたんだ?」
「ふらふら~って勝手に自分で落ちたんだよっ」
「おじさーん大丈夫ぅ~?」「駅員来ねーのかよっ」
「え~マジィ?」「おいっおっさーん!!」
驚いて騒ぐモブ共。ありそーでなかなか無い状況だから当然だな。
就職するまで電車を毎日利用していた私もフィクションでしか観たこと無いし。
「おし、決めた」
幼馴染が呟く。
決ーめーるーなー。
動けない。声出ない。ボケに対してツッコメないのがこんなに苦痛だなんて。
折角、モブといえどもキャラになって無謀な奴の近くに居るのに未だ私は金縛り状態。
これならいつも通り空気視点(?)で良いじゃん。キャラになってる意味無くね?
…もしかして止めよーとしちゃうから動けない設定?
「主人公…とめろよ(笑)」って読み返す度に思ったもの。
マンガのキャラだから仕方ないがこの幼馴染マジ不可解。
最初の話じゃ出ないけど弟(小学生)が居候先で待ってんだから我慢しろって~。
止めなかった主人公に非があるとは思わない。記憶の中で幼馴染は気の小さい子供だったし、そいつが見知らぬおっさんの為に線路へ降りるなんて想定外。
タンッ
鞄をプラットホームに置き線路へ降りる幼馴染。
落ちたおっさんを助けに走って行った。視界から消える。
常識的なみんなはあいつのように危険な線路へ降りたりせず駅員を呼ぶか非常停止ボタンを押そーね☆こんな状況で上手くいくのはフィクションの中だけですから。
あ、このマンガでは上手くいかなかったよ?知っての通り。
ザワザワザワ
「お~い何やってんだぁ?あいつ…死ぬぞ」「危ねーぞ。おいっ上がれ!すぐ!」
(おいっ!!おっさん起きろ!!)
おっさんを起こそうと呼びかける幼馴染の大声。
(… おい!!誰か!!降りて一緒に手伝ってくれ!!)
意識の無い成人男性を1人で運べない様子。やる前に気付いてっ。
想定外なことをするヤンキーを見てザワザワしていたギャラリーが静かになる。
誰も手伝いたくないってさ。
結果、泥酔で線路落ちて起きないおっさんのせいで主人公までかりだされた。
不本意な人助けである。彼はこのとき幼馴染を非常識と認定している。ならあっさり降りるなよ。幼馴染が主人公を名指しして助けを求めたとき周囲の人間共がきみを見たが、普段はそんなの気にしないでしょ?蚊に刺される程度の煩わしさだよね?常日頃から「他人なんてどーでもいい」と思っている設定だ。なのに手伝ってあげるなんて、主人公って絶対幼馴染スキだよ~これだからツンデレは~。いや、クーデレか?
うぅ…夢なのに、お腹痛くなってきた。
『まもなく2番線に電車がまいります。白線の内側におさがり下さい』
「おい…」「やべーぞ、おいっ」
(早くしろっ!!行け行け!立てっ早くっ!!)
プァァアアアン
(行け行け行け行け!!)
落ちたオッサンを肩車した主人公 それを幼馴染が押しているところだろう。
私の位置からじゃモブが邪魔で視えないが。このリーマンっぽいおじさん派手な鞄だな~。
ゴオオオオオッッ
(おいっ!早くっおまえ達も上がれっ早くっ!!)
「おいおいっ!!」「きゃあぁあっ」
プラットホームに上がらず線路を走る学ラン2人。
幼馴染の提案で走って逃げることになったのだが、彼らは勘違いしていた。
ゴオオオオオッッ
「通過列車だぞ!!バカ野郎!!」
哀れな2人に向かって誰かが怒鳴る。
先頭車両の停車位置とか関係なかった。通過する列車の前をいつまでも走っていられない。
「きゃ―――――っ」
ザワザワ
キキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ
「すき間っすき間っ!すき間探せっ!!…どっか!すき間っ!!」
「ねーよ!!ンなの!!」
此処の線路には退避スペースが無いようだ。
電車が私の視界を通過した。
バキャッッ
…っ
… … … … …
視界が 揺れる
あっれ~?金縛りが解けたのだろーか?私は走っているよーだが走っている実感が 無い。
世界が。とつぜん白黒映画になった。そして流れる景色がスローモーション。それに、なーんかボヤケてんな。…? ジックリ見たいのか見たくないのかどっちなの?私は。
電車と衝突しバラバラになった人体が 宙を 舞う。
クルクルクルクルクルクルクルリと。
私の夢はいつも総天然色である。カラ―動画だ。なので大和撫子の髪がピンク色だったりしたのだが…自然な配色の追求に失敗して妥協したのか?わかんねーから白黒でいいやってな感じで。新鮮な内臓の色とか知らんし仕方ないね。
ふと 間合いに入る頭髪。
掌に衝撃。
私はソレをキャッチした。
随分と小さくなってしまった彼は思いのほかズッシリしている。
…。
…は?
「…△■■▢☓…」
目と口を限界まで開く女子高生。
同様な形相の大学生。
跪きプラットホームを胃液で汚すサラリーマン。
高校生2人分のひき肉を見て浮き足立つギャラリー。
どこの部位だか判らんもんが散乱したプラットホームに私は膝をつく。プチプチッと。なんか潰した。掌に生温かい頭髪の感触。人差し指と中指でその頬を撫でる。
私は彼の瞼を閉じ…蹲った。
「□た出△■たぞ…」
…?
旋毛への視線を感じる、いつの間にか瞑っていた目を開けた。
視えたのはプラットホームのザラザラとした表面、ではなくツルツルとした床。
年季の入ったコンクリ、じゃないフローリング?木目が視える。色彩も戻ったようだ。
上体を起こし声がした方を向くと眼鏡の男性が立っていた。
眩しーな。蛍光灯? 何故かチカチカする目の調子も気になるが、それより重要なモノが視える。6体の人間と犬一匹に囲まれたオブジェ。
ヒト1人入れそーな黒い球だ。
…まだ続くのか、この夢。
その部屋は右手が窓、左手が壁で、段差で二分された床の低い方こと奥手に黒い球が鎮座している。黒球をとりまく6人と1匹の配置は、左手前から時計回りに犬・眼鏡・おっさんB・おっさんA・少年・金髪・じーさんだ。黒球の手前、私の右斜め前で学ランの2人が草臥れたカンジで立って呼吸を整えている。私は2人に続いて現れたのだろーか?
死んだ覚えが無いんだが。
…。
眉間を揉みつつさっき起きたことを思い返す。
私(が担当してる誰か)はなんで黒球部屋に呼ばれてんの?死んだの?いつのまに?心臓麻痺とか?あれって即死するの?つーか人死に見ただけで心臓止まるとかありえないでしょ。
まぁ夢だから多少辻褄合わなくたって問題無いし、鉄道事故という「日常」の危険と、これから起こる「非日常」の危険をキャラとして対比するのも面白いけれど、
どんだけ死に易い設定なんだ?私(が装う人間)は。
「何か知んね―けどな!!助かったろ!ほら…」
「ほらッて…ハァ…オマエなァ…」
学ラン2人、幼馴染と主人公はプルプルして床に膝をつく。
「助かって ない…」
「ちっ。うっぜえ…」
「ここが天国だよ…死んだんだ。私達は」
「勝手にてめーだけ死んでろよ」
「はは…とりあえず。仮説の一つ、ですよね…」
「私はついさっきまで病院で癌と闘っていた。今は痛みも全く無くなっている…
これをどう説明できる?」
じーさん・金髪・眼鏡の会話を黙って聞く主人公と幼馴染。
主人公は自身の胸部に手を当て、口に掌をかざす。鼓動と呼吸の確認だ。
幽霊なら地に足をつけて移動したり座る必要無くね?つーか脳も心臓も胃腸も無いのにどーやってモノ考えんの?
「おい…待て。待てよ、おい、あれ!!あれ東京タワーじゃねーか?」
右手全面に広がる窓の外、夜景を指す幼馴染。開けたいのか窓へ寄りクネクネする(笑)。
錠部分がツルツル滑ってつまめないのだ。
思わず吹き出したら幼馴染がこっちをチラ見した。あのキャラが現実に居たらこうなるってカンジの顔……か?今までの夢と何か違う、生え際が何となく……いや、あんなもんか。
主人公も錠開けに挑戦しようと窓へ張り付き、こけた。
暇だなぁ、
廊下へ続くドア横の壁に凭れ正座する(座り難いので靴は玄関へ置いてきた)。
私(が憑依するモブ)は膝上丈(短かっ)のプリーツスカートを穿いている。女装子でなければ女性だろう。主人公の初ミッションメンバーで女子って、ひとりしか該当キャラが居ない。
私(が動かす娘)服着てるし、登場するタイミング違うし、胸が……慎ましい。
うん。彼女ではない筈だ。
彼女ことヒロイン1号は2~4号と違って幼馴染スキだっけ。
主人公を全く(恋愛対象として)みて無かったのが切なかった(笑)。
「みんな!注目~っ!」
立って左手を挙げる眼鏡。
「今から、みんなで自己紹介しましょう!!
先ず名前と職業…どーやって死んだか。最初は…僕で…ゴホンッ山田雅史ですっ。
練馬東小で1年生を受けもってます。教師ですっ。
スクーターに乗ってて事故っちゃいました。
じゃ…じゃあ君から」
…ん?キョロキョロ…目が合った主人公に視線で促される。
主人公の髪、艶々だ。触るとツルツルなのよね羨まし~…じゃない。
私から?私も自己紹介するの?しなきゃダメ?
いやいや「はい、きみからお願いします」じゃねーよ?山田くん。
なんでだよ~夢の中っしょ?これ~。自分に自分を紹介するよーなもんじゃない、アホらし。
キャラで参加するとこんな弊害があるのねぇメンドくさ。
自己紹介か、どーしよっかな。私(が憑依してる女子)の名前知らない。
ってゆーか電車事故に居合わせた連中その①なモブだし設定されてないよね。テキト―でいいか。
「あー コホッ えー、佐藤ユウ…コです。えーと。たぶん私も交通事故…かなー」
坐したまま答える。
日本で一番多い苗字だってね~“佐藤”。“ユウコ”って読む名前も多いらしい。
都民に多いかは知らん。
「たぶん?」って誰かが呟く。よくある明言を避ける言いまわしとしてスル―しとくれ。
「じゃあ次」
「…玄野…計…高1…死にかたは…コイツの巻き添えで」
ちょっと小さめな声で自己紹介する主人公・玄野。キレイな茶髪の学ラン姿。今はホケッとしていない、はず。身長は同年代男子の平均より少~し小柄って設定。
「コイツの」のところで幼馴染へ顔を向ける。
「…。
…そっか…。そっか…計ちゃん、ごめん。俺…喜んで手伝ってくれてるとばっかり」
「…」
「…はぁ…」
「あの…自己紹介…」
「あ…加藤勝。電車にアタック…」
(笑)奇抜な自己紹介をする幼馴染・加藤。襟足がモジャッとしているオールバックで眼光鋭いヤンキーみたいな外見の中身は作者いちおしの好青年。髪型に拘りがありそーだが学ランはノーマル。190cm超の長身。
「電車にアタック」のところで玄野に睨まれても気付かない天然…。
山田はじーさんを見る。
病床で永眠した老年男性は裸足にパジャマ姿。寝起きみたいな恰好でも威厳がある(笑)。
「鈴木五郎…。みんな知らないかな…」
「じゃあ次…」
「ああ?俺いーから。次行って。…ねえ誰かタバコ!!タバコ持ってない?」
死因はさっき言ったから名前だけの鈴木じーさん。金髪は自己紹介拒否。
「未成年の喫煙は、よくないよ~」
金髪に注意(?)する学ランヤンキー。
よく言った加藤。もっと言うと成人の喫煙も、よくないよ~(笑)周りの被害考えろ☆
ってか何で私の夢に喫煙者が居るのさ?削除していーのに。
「ばーか。俺ぁハタチだよ。誰かタバコねーの?」
どんだけ喫煙したいのか、立ち上がり部屋を見回し無視される金髪。
「西丈一郎、中2…。転落死…」
隅に座る少年がモソモソと自己紹介する。やはりアレがそーなのか。
元気少ないのは演技だろーから置くとして目つきと顔色わる。
「マジ誰もタバコ持ってねーの?」
金髪しつけー。
「じゃあ次…。」
「…」「…」
奥の壁に凭れて座るおっさん2人は静かに山田を見ている。強面だ。
「あの~次…お願いします…」
「こいつと俺は…ヤ・ク・ザ。…はい終わり」「…」
し―――――ん
「あ…。後…やってない人…」
チャッチャッチャッ ハッ ブンブンッ
「…終わりです」
♪チャーチャーチャチャ~ラ チャ~チャラチャチャッ チャ・チャーララ♪
うるせえっ。
室内なんだからもっと音量へらせ。嫌がらせか?ケンカ売ってんのか?
…。
黒球の歌に起こされた。
暇すぎてウトウトしてしまったょ。しかも正座したまま。痺れてるって足~。夢の中で居眠りするとか(笑)マジ疲れてるわ私。
夏休みを思い出す例の曲は未だ流れている。やっぱり音量でかすぎ。なんで?
加藤が玄歴史を掘り起こしたり憧憬を告白したりで玄野を困らせた後、バラエティ番組の関与を決めつけた山田の音頭で隠しカメラを探して時間が経過した、んじゃない?たぶん。
自己紹介後の記憶が無い。
立ってウロウロしてたっぽいメンバー達の視線が黒球に引き寄せられる。
「? ラジオ体操?」
「ほらっ、やっぱりバラエティ番組だよ!」
♪チャチャ~ララッ チャーラ チャッチャチャ~ラチャンッ♪
「なんだぁ?この玉から出てんの?」
“てめえ達の命は、無くなりました。
新しい命を どう使おうと私の自由です。
という理屈なわけだす。”
「なんか文字出てるぞ…てめえ…らの…」
黒球に近付き表面をのぞきこむメンバー達。
「なんだこれ?何言ってんだ。ふっざけてんな~。
ウケねらってんじゃん。やっぱ電波少年かもな…。
箱男って今やってるヤツの後の企画か、違う局のパクリ企画か…」
「この文章ってさ…なんか超バカバカしーけどさぁ。
真面目に受けとるとすんげー怖い文章じゃねー?」
金髪と中学生が感想を述べると先の文章が消え、指令が表れた。
…わかっててもドキドキするなぁ。
“てめえ達は今から この方をヤッつけに行って下ちい
ねぎ星人(ネギっぽい子供)
特徴 つよい くさい
好きなもの ねぎ 友情
口ぐせ ネギだけで、じゅうぶんですよ”
「なんじゃこいつ…気色悪~」
「ねぎ星人~?弱そ~」
わーい、ねぎ星人だ~。
ずっとオリ主視点。
ねぎ星人話はお察しな展開です(読みとばし可)。