凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前回のあらすじ:
暇を持て余し色々やったオリ主(たぶん意味無い)。
玄野(佐藤とエンカウント率高いような…監視とか?…寧ろお世話されてる気分) 
  ※ねぎミッション時のオリ主の失言を覚えているが放置。




あば&おこ編②

===◇○○===

 

 

 

ガンツ部屋。

 

「まぁた出て来たぜ~」

 

転送されたマンションの一室には先客が居た。

男7人女1人。

便座に腰をおろした体勢で呼ばれた俺は下着とズボンを穿き直す。

拭く前に金縛りが来て正直焦ッたが幸いなことに違和感は無い。

 

「ちょっと待ってろよ。俺たちが先だから」

 

一方的に宣言する男。

…誰だ?

「先」ッて何が? ッつかなンだよアイツら。知ッた顔一人も居ねェぞ。

 

「では、なんなりと質問するがいい。俺がわかる範囲で答えよう」

「どこスか?ここ…誰ん家?」

 

別の男の質問に住職みたいな格好したオッサンが答えている。

…何やッてンだアイツ、どーゆーコト?前回居なかッたよな?あンなオッサン。

 

「わかりやすく言うと極楽浄土に往生する前の、ためしの場所…とでも言おうか」

「…。…。わかりやすくって…わかりにきーんだけど」

「極楽に往生する者。無間地獄に堕ちる者。死者が集い…いずれかにふりわけられる場所だ」

 

「プッ」

 

我慢できず笑ッてしまッた。俺に視線が集まる。

口を押さえ窓へ顔を向けるといつもの位置で光るシンボルタワーが視えた。

質問募集するから経験者かと思ッたぜ。なンなの「ためしの場所」ッて(笑)仏教用語?

あの坊主ここがどこだか知らないで嘯いているらしい。

ッてコトはアイツら全部新規メンバーか。

 

「!?

 おまえ…何がおかしい?…いや後で聞いてやる大人しくしていろ」

 

俺を見る坊主。生温かい視線がキモチわりィ。

俺が妄想に浸ッてニヤニヤしてると思ッたのだろうか?妄想してンのはオマエだ。

でも真剣なヤツらを見てると怒る気がしない。

坊主の出任せを信じた連中はこれから何を始めるンだろう?

こンな面白い茶番、止めるのは惜しい。

 

「俺も死んじゃってるわけ?死んだ感じしねーんだけど」

「たった今死んだ記憶があるだろう。死を認めぬ者は極楽への往生はできんぞ」

「…」

 

最初に俺へ話し掛けた男も質問するが坊主の答えに不満顔。

やッと思い出した、あの坊主テレビで見た奴だ。死ンだンだアイツ…ふーん。

それにしても、今回のメンバー豪華じゃねーか?格闘家や軍人ッぽいのまで居るぞ。

点数取り合うライバルだけど強いのが出た場合頼りになりそー…

 

ジジ ジジジ…

おッ 黒球からレーザーがのびて誰か転送されてる。あのデコは…

 

「加藤ッ」

「…」

 

声をかけたのに返事が無い。棒立ちで新規メンバーを見ている。聞こえなかッたのか?

 

「なんだ、まだいるのか。質問なんでも受けるぞ」

「……は?

 …計ちゃん、どーなってんだこれ?」

 

加藤を見て質問を促す坊主。

それに答えず不思議そ―に俺を見おろす加藤。知らないメンバーがたくさン居るからだろう。

しかもその1人はこッちに変な状況を訊くのではなく説明しようとしている。

今までと違う部屋に呼ばれたッてコトは無いと思うぜ?夜景が同じだから。

 

「何か分かンねーけど説明してくれるらしーぜ。この部屋のコト」

「はぁ!?あの人が? あ」

 

次は北条だ。

 

「おっ。ホ…。…」

 

腹の位置まで現れたイケメンになンか言おうとしてやめる加藤。

おま(笑)いきなり何言う気だ。

 

「…今、ホモって言おうとしたな」

 

加藤に近付く北条。怒ッている。未遂!未遂だから許してやれよ~。

コイツ天然だからさァ、いちいち怒ッてたら身がもたないッて。

 

「えっいや、べつに…」

 

一歩下がッて目を逸らす加藤。ウソをつくな(笑)。

チャッ チャッ チャッ チャッ ハッ

玄関へ続く廊下から犬、登場。

もしかして俺より先に転送されてた?

犬はキョロキョロしてからガンツ…の向こうに立ッている女を見て尾を振る。

女好きだよな~コイツ。サダコにも纏わりついてたし何でも良いのか?女なら。

 

「お~おまえも居たのかぁ。よしよし」

「これ全部新メンバーか…」

「みたいだな…」

 

犬を撫でる加藤。黒球の周りに座る連中を見る北条。その呟きを肯定する俺。

よく見たら加藤たちの背景…窓を背に西が座ッている。いつのまに。

 

北条の背後にサダコが転送された。

 

「わあああああああああああああ!!」ドタタッ

 

悪寒を感じたのか振り向かず前進しコケる北条。

床へ思いッきりぶつけた両膝や掌を気にせず、形振り構わず床を這う。

スッササッ

サダコは急いでキッチンへ隠れた……いや見ている。北条を……

 

一連の騒ぎを静観する坊主その他。

…?

ハァ…、

今までの新規メンバーよりよッぽど動きがねーよアイツら。期待外れだ。

俺以降に転送された奴らがお互いに顔見知りと判ッて少しは自分の仮説のおかしさに気付いたのかもな、あの坊主。

 

おかしい、か。

死後の世界とか信じてるワケじゃないけど俺が、俺たちが体験した現実のがオカシーよなァ。

あと5人で前回の生き残りが揃う。

…今日はどンな星人が出るンだろう?

ちょッとドキドキしてきた。

 

 

 

=========

 

 

 

黒球部屋。

 

「…。まだ…。来てない…のか…。あ」

 

ん?誰?転送途中だと首動かせないからなぁ。視界にギリギリ入らない。

明りの乏しい路上で金縛りになったのは、ちょっとビビったが無事に転送されたらしい。

声がした方向を見上げると目が合う、なぜか眠る時もオールバックな人と。

 

「こんばんわ~」

 

とりあえず挨拶。

 

「! お…おう」

「年賀状届きましたか?加藤くん」

「ああ。あっ、そうだ。今度住所変わるんだ俺」

 

満面の笑みで報告する加藤。

やっと居候生活をやめられるって話か。がんばったね~。

 

「引越しですか。大変ですね…手伝えることありますか?

 連絡いただければ、お手伝いしますよ」

「え…!」

「…お手伝い、しますよ?」

「いや、そんな…わるいって」

 

遠慮すんな苦学生。寧ろ引っ越し作業全て任せてくれて構わんよ?暇だし。

スーツあれば小島でも家具を1人で運べるしマンガで見た広さなら掃除込みで半日かからんだろう。弟くんとスーパー銭湯にでも行っといで、おねーさんがタダ券あげるから(笑)。

あっテーマパークチケットのが良い?

小島家は出不精と潔癖症しか居ないようで余ってるから快く貰ってくれ。

 

「オマエら緊張感ねーなァ。もうすぐミッションだぞ」

 

なんだよ玄野~。まだ指令出てないんだから雑談してても良いじゃん。

死刑宣告の前に甘い夢を語ったって良いじゃないか。こういう明日への希望ってヤツが逆境を生き残る力になったりするのだ。

…その力が足りるとは限らないけども。

つーか欠伸してる奴が「緊張感」言うな。きみの決意は外から判り難いって知ってるけどその顔はナイって(笑)口からタマシイ出ちゃうよ?

そうだ、こんな奴の相手してる場合じゃない。今のうちに検証しないと~。

 

 

廊下へ出て荷物から鏡を取り出し靴箱に設置。

ををっ映ってない…。やっぱり呼び出し後は素で透明人間らしい。

でも星人からはフツ―に視えているからターゲットである星人と周波数を合わせているのだろう。星人が始めから一般人と同じ周波数のときは違うようだが。

一般人から隠れるときに星人達がよく使う共通周波数みたいなものがあるのだろうか?もしくは省エネで維持し易い周波数があって、それを使っている?

ま、どっちでもいいか。待機中から消えているのは予想通り。問題は…。

コントローラーを操作する。バチッバチと震える空気。

あ、映った。青い上着の小柄女子が立って手を振っている。

ミッション中にタクシー止めて運転手と会話したアイドルはこの周波数を使ったのか。日常っつかミッション外の状態になっている。これを間違えて使わないようにしたかったのだ。

一般人に装備の機能を視られると厳罰対象になるので、マンガ設定なら。

即ち一般人の視界で周波数が変わる…消えたり現れてもアウト。周りに一般人が居る状況でステルス迷彩を試していて頭破裂した奴いたし。ステルス中スーツにダメージがあると一瞬現れたりするヤツはセーフとしても、コントローラーが嫌なタイミングで故障することはありそう。

マンガでステルス機能を使うキャラが少なかったのはこうゆう欠点があったからかな?

星人から隠れられているのかいまいち判り難いし。

 

よし。あんまり参考にならなかったけど検証は済んだ。

部屋へ戻って周囲を観察し…

フミッ

ん?何か踏んだ。廊下には何も落ちてないように視える、つか静かだな…あれ?

部屋を覗くと空っぽだった。誰も居ない…黒球も無いぞ、この部屋。別の部屋?…って、あー

そうか。

 

「…が…うかした?どうしたの?加藤くん」

 

うわっ。 

目の前に突然山田が現れた。壁を背に座る老婦人と子供がこっちを見上げている。

周波数を戻すの忘れてた。一般人と同じ周波数にするとミッション中のメンバーが視えなくなるようだ(笑)あたりまえか。正確にいうとメンバーが原因で発生した音全ても聞こえなくなる状態。不可知化ってヤツ?ミッション中のオートステルスって凄い。

 

「いや、えっと」

 

後ろで加藤が困ったように呟く。彼の足指か?私がさっき踏んだ物体。

 

「加藤くん、何か言いましたか?」

「いや、なんでもないでス」

 

ふーん?

私に何か話しかけてたっぽいが要件ではないらしい。私が今やってたこと説明し難いな~。

理解してないことを他人に説ける筈は無く…ま、いっか。

こいつらステルス使わないし言わなくても。

 

部屋へ振り返り今回のメンバー達を見る。

玄野の服装はパジャマ代わりのスウェット、裸足だ。生き残りメンバーは西センパイ以外全員眠る用の服装。布団入ってから呼ばれてるよねコレは。

でも新規メンバーは外出着に土足。昼間か帰宅途中に何かあって複製されたような出で立ち…

全員夜遊びまたは残業・深夜業務か?ネギ親子襲撃(初ミッション)のときは各々がガンツメンバーになるまでの描写が無く鳥型クリ―チャ―狩り(2回目)のときは事故直後に複製ってカンジだったが、新規メンバーはミッションの開始予定時間近くに事故った人がスカウトされることのほうが特殊で通常はミッション当日の朝から開始までの間いつ死体回収してもミッションの少し前に黒球部屋で複製されるのかな?

毎回ミッション開始一時間前に死んだ人しか呼ばれないのなら新規メンバー足りなくなりそーだし。とすると日の出直後に死んだ人は夜景見て驚くだろーね。

どちらにしても閉じ込めるならトイレくらい使用可にしてくれないと困っちゃうよ、ガンツ。

 

前回も玄野はスーツ(と武器)を持ち帰らなかったので忘れ物の心配は無い。

なぜ玄野は装備を持ち帰らないんだ? 必要無いのか、やる気が無いのか…

もしかして装備はミッション中しか使えないと思ってる?

マンガと違って初ミッションの採点後に西センパイがステルスしてみせなかったからな~。

玄野に限ったことじゃないけどスーツ故障イベントもトばしたからスーツの防御力を過信してそう。

 

新規メンバーは僧侶・ラッパー(?)・ふけた中坊・空手着・ゴルゴ(仮)・迷彩服・美女・リーマン・中分けメガネの9人。

前回ミッションでマンガより4人多く生還したのに変化無し。

 

新規メンバーは部屋の奥側半分で正面を避けて黒球の周囲に座り、反対に生き残りメンバーは廊下側の半分に固まっている。壁際の奥から老婦人・子供・山田。窓側の奥から加藤・北条・西(キッチンから覗いているサダコは普段のストーキングで見られない北条の寝間着姿に喜んでいることだろう。その足元に犬)。黒球正面の壁に玄野。そこには廊下へ続く扉の他にキッチンへの出入り口があって凭れかかれる壁の面積が少ない、でも窓際は落ち着かない。

…どこに座ろう。

転送は私で終わりっぽいな、足りない2人は多分もう来ない。

メンバー多いと座る場所に困る。

 

 

 

「あの坊主がスンゲー知ッたかでさァ。見てろよウケるから」ニヤニヤ

 

廊下への出入り口斜め前、玄野の隣に正座したら奴がスゴい愉しそーに耳うちしてきた。

勘違い僧侶なんかどーでもいいっての、そんなことよりサダコが背後に転送されて慌てる北条を見たかったよ~マンガ通りに驚きすぎてたかね?

 

「お前たち何か質問はあるか?俺が答えてやるぞ」

 

玄野の声が聞こえなかったのか聞いたうえでの判断なのかこっちへ話し掛ける僧侶。

 

「さっきから何なんだ、あのオッサン。前回いなかったよな」

「ああ。西は?知ってる?」

「知らねー、あんな奴」

「知らないの?あのお坊さんテレビに出てる人だよ!…サイン欲しい」

「いや、そーゆー意味じゃなくて…」

 

能天気な声は山田だ。こちらに話しかける僧侶を見て瞳を輝かせている。

サイン貰うなら日付も入れてもらうと価値上がるんじゃね?時間まで入れると偽物扱いされると思うけど。つーか小学校教諭という激務後なのに元気ね。やっぱり呼ばれると疲労もリセットされるのかな? 前回呼ばれるまでの筋肉痛は、いまいち違いが分からなかった。

 

「己の死を、どう捉えてよいか混乱しておるだろう」

「…」「…」「…」ゴソゴソ

「…。どこだ?ここは…」

 

他の生き残りメンバーが返事しないので加藤が僧侶に応対する。

パジャマの上に羽織ったドテラのポッケを調べて山田はガックリした。色紙はともかく油性ペンも持って無いらしい。

 

「解り易く言うと極楽浄土に往生する前の試しの場所、とでも言おうか」

「ためしの…場所?」

「死者を振り分ける場所だ。極楽か地獄かに」

「なるほど…。どーやったら極楽に行ける?」

「念仏を唱えるのだ。南無阿弥陀仏と…ひたすら唱えるがよい。

 唱える者は極楽浄土に行き、唱えぬ者は無間地獄に堕ちる」

 

「念仏って…」「…」「地獄…」

 

僧侶の説明を聴き終えて顔を見合わせる生き残りメンバー達。

さすがに納得した奴は1人も居ない。

みなさん「どうしようアイツ…」って表情。

 

「加藤、真面目に答えなくていーぞ。あの坊主部屋に来た奴全部にああ言ッてンだ。

 聞く耳もたねーから」

「…」

「あれマジなの?本気で言ってる?」

「さぁ…」

 

「…あんた、なんでそこまで断言すんのかよくわかんねーけど念仏なんか唱えても無駄だぜ?

 ここはそんな極楽浄土なんか関係ない場所だ。

 これから…地獄みたいな体験はするだろうけど。ここにいる人間はまだ死んでない。

 生きてんだ…全員…」

 

「!?」「!!」

 

加藤の「全員生きてる」発言に色めき立つ新規メンバー達。

やっぱり死者って言われるより生者と言われるほうが嬉しいし納得出来るよね感覚的に。

僧侶は無表情。

 

「ここにいる全員…あるハンティングをするために集められた。

 今は全員生きてるけど協力してやってかないと生き残れない」

 

「信じられないと思うけど本当なんです。僕らは経験者で、今はこんなカッコだけど。

 戦うための装備はこれから支給されます」

 

「…?」「…」

 

張り詰めた空気が弛緩した。

 

「…気が変になってもしょーがない。この状況ならな」

 

加藤と山田から視線を外し気の毒そうに呟いて俯く僧侶。

玄野は噴き出した。




玄野視点→オリ主視点。
ゾクAはゾクDと共にポカした模様。
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