凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前回のあらすじ:
順調にターゲットをヤッつけていたら何か来た。



あば&おこ編⑤

羅鼎院、境内。

 

左側に伸びる参道を一団が歩いて来る。

 

現代日本にそぐわない唐甲冑姿の厳つい4人組と、その中心に半裸の1人という組み合わせ。

まぁ、境内でメカメカしい全身タイツ着て彷徨く私たちのが場違いだけども(笑)。

なんて考えてる場合じゃない。あの一団は金堂内に居た奴らだ。 

まだ出番じゃないでしょ君たち(笑…えない)。

何故、建物内で待ち伏せではなく外を闊歩してんだ……

分からないが、何をしに来たかは明白。

 

メンバー全員……玄野がボスの視界に入っている。

 

 

 

===■■====

 

 

 

「あいつらか?さっき見てたのって」

「…」

 

俺の質問に答えずターゲット共を見つめる佐藤。無表情でガン見だ。

…。

あの5匹が建物から出て来たのだとして驚くようなことか?

営業終了後の境内が騒がしければ様子を見にも来るだろう。

初期位置から動かない、決められた行動しかしないTVゲームのモンスターではないのだから。

住処を荒らされた星人の反応としては普通。

 

「おいっ」

「……く…ない」

「は?」

 

仏像達を見つめたまま佐藤は何か呟き一歩踏み出す。

正面から突っ掛かるつもりなら無謀だ。5体1だぞ、正気か?

 

「…は死なせない。今のあたしなら…」

 

ガチャッ

佐藤は歩きながら、ホルスターに吊った武器を…何度かボタンに指を滑らせながら抜き構える。頼りない動作。考えと行動が一致していないような…

 

小柄な背中を見送る。

 

…あいつ 死ぬつもりか?

 

 

 

=========

 

 

 

Yガンの射程は約10m。

もっと近付かないと捕捉できない。

…最初に思いついて却下した方法を試すことになるとは、わからないな~人生って。

 

つーか、どーなってんの?

 

ボスと玄野たちの位置を確認しヤバいと思ったとこまでは覚えている。

気付いたら既に一団との距離が12mほどになっていた。

何これ瞬間移動?なんで私はボスに近付いてんの?接近戦とかバカなの?

でも今さら退れない、やるしかない、逃げられない。って、あれ?なんでXショットガン持ってんだ。私は周波数を変え狙撃武器をポイした手でYガンを抜く。

レーザーと4体の手数を避けながら捕獲なんて絶対ムリ。

 

私(?)は玄野たちが居る場所の反対側からボス共に近付いていた。

急ぎ周波数変えたけど周りの厳ついSPに気付かれ、てるよね~さすがに。

小島の目立たないスキル(笑)が効いてればあるいは?

…いや無い無い。ジリジリと進む。

 

そろそろYガンの射程内だ。SPで死角が増えて狙い難い。一団の歩みが止まった。

 

げっ

 

 

 

===■■====

 

 

 

ピカッ

 

全ての衆生を漏れなく救済するとかいう複数の腕を背負い、頭部にも複数の頭を載せた特徴的な仏像、千手観音…に似た星人の背に並ぶ腕のうち左側の掌のひとつが、いや掌に載った何かが短く光る。

 

ジッ

 

境内に敷き詰められた砂利を溶かし裂くのは光の帯。石の断面から気体が浮かび、すぐに消える。

レーザーか!!

あいつ…佐藤は倒れない。レーザーの狙いが甘かったのか或いは…

 

ジッジッジッ

 

連続で仏像の間をレーザーが通る。

千手を守るように囲む仏像はそれぞれ顔の色が違い、レーザーは赤顔と肌色顔の間を4回。緑顔と赤顔の間を2回走った。

 

ザザザザッ 

ダンッ

ザザッ

 

砂利が地面を離れ 石畳が割れる。仏像共は音がする度に視線を向けるがその場を動かない。

千手のレーザーは動き続ける不可視の敵を追う。周波数を変えても千手から隠れられないらしい。厄介だn

 

ジュンッッ

 

目前をレーザーが過り門柱から煙が

……

少し離れよう。

 

 

 

=========

 

 

 

ジッジッ ジッジッ

「はっ はぁっ はぁっ ほっ」

 

予想通り、偽四天王が邪魔で横薙ぎレーザーが封印されている。

でもそれが何だっ。

全く楽じゃないっつの。全然見えないってのっ。運の所有量があるんなら、そろそろ使い切っちゃうよっ。

ゴルゴは何でこんなの避けれたんだ? なんで退場してんだっ。ここのゴルゴは生きてるけどっ。マンガではこんなに連続使用してなかったのにっ。

エネルギー切れ とか冷却時間 とか無 いのかい あのレーザー

 

「佐藤さんっ」

 

ババンッ

 

は?

 

 

私から見て偽千手ことボスの後方で暇そーにしていた偽多聞天の左肩が爆散した。

かろうじて胴と繋がっている頭部が背中側へ下がり、

 

バタッ

 

倒れる。誰かが助力に来たようだ。

 

加藤だった。

 

 

 

参戦した加藤を見つめる仏像は4体(ボス含む)。

彼はYガンを構えボスを睨む。Yガンってことはさっき偽多聞天を仕留めたのは別人か…

 

「佐藤さん?佐藤さん!?」

 

解ってると思うけど、それ佐藤さん(偽名)じゃないからね?千手さん(仮名)ですから。

って私のこと視えてないのか?…そーだよね未だ周波数戻してない。視えていたらおかしい。

でもそれなら何故来たんだ?どうしてこの事態に気付いたの?そして他人の名前連呼? 

プシュッ

 

…ま、いいか何でも。助かったし。私はトリガ―を引いた。

 

 

 

『きょ―――――っ きょ―――――っ きょ―――――っ きょ―――――っ』

 

ワイヤーで拘束されたボスが啼く。

偽千手の真手(フツ―に肩から生えている腕)も脇手(背負ってる複数の腕)もワイヤーでコンパクトにまとめられ胴にピッタリくっついている。

脳ミソ食ってないボスの言葉は理解できないな~。

やっぱ「離せ―」とかかな?言ってんの、ステルスを解いた私に向かって。

 

「少し黙ってくださーい」チャッ

『ぬぬ”』

 

再びYガンを構えると唸り(?)声で驚愕を表すボス。

再度トリガ―引くとどうなるか知って、るわけないよね。

…こいつの手足を全部引き抜いて頭上から酸をかけたい…そんな衝動が湧いてくる。

何故だろう?すごく憎らしい、仏像は嫌いじゃないんだけどなぁ。

ボスの凶悪な宝具は無傷だから宮殿(=レーザー出す装置)が使えないことも無い。隣接する他の宝具や胴部・大腿部を諦めれば。

運悪く逆行装置が壊れたらそのまま死にそうだし先ずやらないだろうけど。マンガでも拘束中はレーザーを使わなかった。

あのときはクリ―チャ―の精神が変質していたから同じように考えるべきではないが…

 

SP四天王は全滅し周りに倒れている。

それぞれ身切れていたり首が変なところで曲がっていたり。

 

「ハァッ ハァッ 桜丘ッて…何かやッてンの?」

「うふ」

 

明りの横でしゃがむ玄野に美女が笑いかける。

桜丘の技術はキックボクシングだったか「試合にも出てる」とマンガで言ってたが初段以上?

だから胸に話しかけるなら相応の覚悟が必要よ?玄野くん。

そんなんだからモテないんだよお前。いやモテなかったんだよ、か正しくは。

茶髪の無遠慮な視線を彼女は気にしてなさそう。

あのあと加藤を追って来た2人に四天王の残り3体は瞬殺されてた。

 

さて、折檻しようにも道具ないし、そろそろ潰しても~らお。

 

「にーしくーん」

 

……

返事が無い、ただの屍のようだ(笑)って、あれ?おかしーな。

 

「西くーん?! おーい!! 西丈一郎さーん!! 居ないんですか~!?」

 

「声でかっ。誰だよ?西?」

「さぁ?死んだ奴じゃね?」

 

かわりに聴こえるのは新規中坊とラッパーの会話。

なんとっ あいつ退場したの?いつの間に?まさか……流れレーザーで?

 

バチバチッ バチッ

「ぅお!?」

「…」

 

3mほど離れ千手を観察していた加藤の後方に西が現れた。こっちを見ている。

いや周波数は戻さなくていいよ返事をもらえれば。

あと加藤を盾にしてもレーザー防げないと思ふ。マンガ通りなら余裕で貫通するし1ターンでバラせる出力。

盾(笑)は驚いて西から距離をとる。

うん100点武器持って来てるね、よしよし。

 

「…なに?」

 

こっちを見てお返事するセンパイ。

声低いな~怒ってる? 大声で名前呼んだから機嫌わるいの?

仕方ないっしょ~どこに居るのか視えんのだから。周波数変えて探すのメンドい☆

何にしても、そう怒らないで。良い話があるんスよ。

私は偽千手を指す。

 

「それに100点武器撃ってください」

「…」

「なンで?捕獲銃で送ればイイじゃん」

「ああ、さっきの…。送るって、どこに送ってるの?」

「さァ?ドコだろ。アイツは『上』ッて言ッてたけど」

「上かぁ」

 

西が答える前に玄野と桜丘が割り込む。

茶髪はこっちを目線で指してから彼女と空を見上げた。今夜も星は視えない。

 

「強力な武器の威力、みてみたいな―と思いまして。

 それにそいつ、ボスっぽいし配点高いと思いますよ? ね、お願いします」

 

100点武器がマンガと同じ性能か確かめたい。拘束成功したからYガンで充分だけどな。

転送途中にマンガと同じ事態になっても再度拘束すれば済むだろうし宝具を使えないならどーとでもなる。

 

「…別に、いいけど」

 

わーい。

 

「は?コイツがボスなの?門番やッてたのより小せーのに?」

 

千手にちょっと近付き目を細める玄野。

大きさは点数と無関係みたいよ?偽仁王より偽四天王のほうが手強く、なかったのかな?

 

「見物するなら10m以上離れてくださ~い!ほら、玄野くんも」

 

お前だと13歩以上な。さっさと離れろ。

100点武器の一撃でスーツ壊れると思ったほうがいい。それ以上の威力もありえる。

 

大仏殿の階段横と塀際へ分かれスタンバるメンバー達。

デスクトップパソコンの本体を2つくっつけたようなゴッツイ武器、Zガンを千手へ向ける西。スーツアシストがあるから片手でラクラクです。そのままターゲットから5mの位置まで下がり背後をゆっくり移動する。

ZガンってXガンの豪華版かな?射程短いのに効果範囲広いとか扱い難い武器だ。試し撃ちで自爆したヒト居たりしてね。西がガンツに呼ばれ1年の間Zガンとった人って東京チームに居たことあるのかな?100点武器と一緒に取説とか貰え、ないか。そこまで親切じゃない。他チームとの情報交換で性能を知ってるの?

 

(とむゆ ぬぬすゆぐん ずぶつくるす)

 

「?」

 

立ち止まる西。

何だって?今なんつった?仏像語(?)か。

 

『きょ―――――っ きょ―――――っ きょ―――――っ きょ―――――っ』

 

再び啼く千手。なんとなくさっきより本気っぽい声だ。

 

「佐藤さん、やっぱり転送に…」

 

困ったような表情でこっちを見る加藤。彼は偽千手の扱いに不満な様子。

ですよねー。きみならそー言うよねー。拘束しといて実験台にするなんて悪者の所業だわ

 

バキッ 

カラ カラ

 

あ。

 

(!?)(今度は何だ)(うおっ)

 

音の発生源は大仏殿。建物を見る玄野たち。

 

ベキベキベキベキ ベキベキベキ

 

大仏殿入口から巨体が上半身を出した。

 

 

 

バキ バキバキ ガラガラ ガラ

 

惜しげも無く大仏殿の貫・柱・梁を破壊し、かなりデ…固太りな超大型仏像こと偽大仏が直立する。もう入口は見る影もない。

 

ガラガラン パキッ ゴンッ パキッ ガラ ガラガラ

 

支えを失い屋根が撓む様に崩れる。瓦が雪崩れていく。あ~ぁ勿体ない。

大仏は顔が約5mで座高が15mだから直立したら25mくらいだろうか。

門番をしていた偽仁王の3倍以上だな。

 

(!?なんっ…じゃ…ありゃあ)

 

大仏殿正面の参道に新規中坊と2mの人影。妙に頭が大きく変なポーズをとっている。

ザコ仏像も出たのか…

彼は抗戦中(?)のターゲットに背を向け、ありえない巨体を見上げる。

ミッション中に余所見とか危ないよ―?

 

大仏殿ひだり階段横に玄野・桜丘・メガネ・北条…サダコはどこだ?

塀寄りに加藤・山田・私。

閉まってる門際に子供が座り込み老婦人はカンヌキへ手を。足手纏いが入ってくるから止せ。

新規中坊の向こう側でチラついてるのはラッパーか。

上着の裾を翻す彼は長柄持ちのザコ仏像相手にがんばってる様子。

迷彩服と空手着は見えない。他のザコ仏像とじゃれているのだろう。

 

想像よりデカイよぅ偽大仏~。踏まれないうちにアレ何とかしないと…

 

ギギギギギ

中層(←高層は31m以上かららしい)建築のような巨体が地上の虫…メンバー達を睥睨する。

虫は言いすぎた。人間とハムスターくらいの差かな?

あ 止まった。

…西と偽千手を見ている?

 

「…うそ…でしょ…」

「あんなの…どーやって…」

 

雲をつくような、とはこーゆうことか。山田と加藤が偽大仏を見上げプルプルしている。

気持ちは解るが諦めるな、あいつ実は5点のターゲットだぞ。田中ロボと同じだ。

…配点低くないかって? 私もそう思うよ。




視点変更:オリ主→西くん→オリ主→西くん→オリ主
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