凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

18 / 62
前回のあらすじ:
偽千手の中身は美形エイリアン(頭髪無し)だった…!
オリ主は死にそう。
北条は埋まったまま。



あば&おこ編⑦

===◇○○===

 

 

 

アイツが啖呵きッた数秒後。

 

捕獲銃を落としッつーかはね飛ばされ多腕星人と素手で対峙する加藤を遠巻きに見る俺たち。

組み付こうと狙ッているのかアイツは腰を屈めギャラリーを見向きもしない。

動きを止めた星人を狙うべきかも知れねーが、さッきみたく軽く避けられそーだ。

加藤の邪魔になる。

 

「…」ゴクリ

「…」「…」「…」「…ヘ」

 

へっぷしゅっ

…ダンッ

 

両者が動く。一瞬で縮まる距離。

 

「っ…しっ!」

 

ヒトの3倍ある手数を掻い潜り左腿にとり付く加藤。傾く多腕星人、だが倒れない。

俺も行くぜ!

 

「うぐっ」

 

踏み切ると同時に加藤が殴られた。

いや、あの間合いだ肘を食らッたンだろう。

勢いよく振られる首。腿から片腕が離れ、両足を踏みしめた星人の尾が加藤の胴を強か打つ。

 

「加藤ッ!」

 

飛び蹴り2回目。さッきより上手くいッた!…が今度は倒れない多腕星人。なンだと?!

首を捩ッた星人と目が合う。…!!

戦慄しながら着地。攻撃は来ない。目を泳がせる星人の視線を辿ると加藤が居た。

今度は尾にとり付いている。

ん?…アイツあンなムキムキだッたッけ?…ッて、え?

 

ギリッギギギギギギギギギギギギ

 

「おらぁっ!!」

 

ブチッブチブチィッ ゴキンッッ

 

うわぁぁぁああ~!尾を捻じ切りやがッた!!

プッシャアアアァァァ…

噴出する体液を頭から被る加藤。バランスが崩れたのか尻餅をつく多腕星人。

腕だけで身体を引き摺り星人が後ずさる。

 

許すワケねーだろ!

 

「ちくしょうッ」

ガンッ 

 

「クソ野郎ッ」

ガシッ 

 

「死ねッ!!」

ズドンッッ 

 

右頬、左頬、次に腹を殴ッたら、尾を失ッた尻で後方へ滑ッて行ッた。

寝てンじゃねーぞ!コノ野郎!!

 

「計ちゃん!もういいよ はぁ …俺達の勝ちだ… はぁっ はぁ」

 

加藤が仰向けに転がる。立っているのが辛くなるほど草臥れたらしい。無茶しやがッて。

ビタンッビタンッ

放り捨てられた尾が未だ地をはねている。

ッと、急がないとヤバい。

 

鈍くなッた星人へ俺は捕獲銃を向けた。

 

 

 

=========

 

 

 

屋根の上でユラリと立ち上がった影が3対の腕を広げ、消えた。

おいおい…

 

「みんなっ…」

 

2mほど前方に着地した異形がこちらを見る。暫しキョロついた灰色の瞳と目が合う。

 

「もう1体…」

 

身体が重い。右手のYガンを握り直し肘を曲げる動作が、なんとも遅い。

 

「タ…」

 

屈んだ奴の尾が高く上がり頭上で緩く大きく回る。

1周…

2周…

3周…

 

「…ん?」

視界が 歪んだ

 

 

 

「佐藤…。うう…」

 

覚悟した衝撃は無く目前に瞳をウルウルさせた玄野が 居た。

その隣に笑顔の桜丘。明るい室内でこっちを見るメンバー達。

私は黒球部屋に立っている。

 

…え~と、これは

 

ポンと両肩を叩かれる。背後にも誰か……

 

「…」ボロボロ

 

うわっ。

泣きすぎだ~しかも、すんごい顔で~。どこの梅干しかと思ったよ加藤くん。

全員が生き残れなかったことがそんなに悔しいの? きみは理想が高すぎる。

ミッションは殺し合いだからね、こっちだけ無傷とか無理だって。運要素が大きすぎる。

 

「何で盾になッてンだ、びッくりしたろ!誰も頼ンでねーよ!」

 

玄野が喚く。「盾」って何だ?何のこと?

ガンツメンバーに矛役と盾役がいるならば(小島と)私は守られる役でしょう。

 

「あッ そッか!」

「どうしたの?」「クロノくん?」

 

声を上げた茶髪へ注目するメンバー達。

玄野は桜丘と山田の問いに答えず数回頷いてからこっちを見る。

 

「ドコまで覚えてる?」

「えっと、大仏のあと韋駄天が倒されて仏像っぽくないターゲットが出て…

 あとはさっぱり」

「さっぱりって…覚えてないの?倒れたきみを加藤くんが運んだことも全部?」

「や 山田さんっ!!」

「はい。最後に見たターゲットがラストだったんですよね?誰が倒したんですか?」

「それは西くんが…」

「…」「…」

「か…加藤くんとクロノ君も頑張ったよっ。うん。ほとんど2人で倒してたっ」

「ああ、すっげかったぜ。人間の動きじゃねーって。あれもスーツの力なん?」

「…! そーだな。そーかも」

「おまえ素手で化物のシッポ千切ってたもんな」

 

千切る?

どーいう状況だ?ちょっと見たかったかも。

私の質問に山田が答え、新規中坊・加藤・北条が加わる。

 

“00:15:02”

 

殆ど移動しなかったからか時間が余っている。

あの後すぐ私は重傷を負った…ってことか?腑に落ちないが事実なのだろう。

だから転送までの記憶が無い。

今回は予想外の事態がいくつかあった。でも、その考察は後にしよう。とりあえず、

生きてて、よかった…

 

♪チ―――――――――ン♪

 

残り時間を待たず、採点が始まった。

 

 

 

“さぼり……はしゃぎすぎ 0てん”

 

「もー なんなんだよこれ~!」

画面に向かって新規中坊が喚く。

他に0点だったのは、犬・子供・サダコ・山田・北条・私。

子供は隅で丸くなって、サダコはいつも通りで採点画面に関心が無い様子。

山田と北条(何故かホモ表記じゃなかった)は連続で0点なのにヘラヘラしていた。

 

致命傷を受けた(らしい)のに死んでなくてホッとしたが、小島が死ぬことで私はひと月前までの生活に戻れたのだろうか?

…。

すごく気になるけれど、それは慌てて試すことじゃない。違っていたら取り返しがつかない。

生き残ることがドンドン難しくなっていくミッションにこれからも参加し続けるのだ。

失敗すれば勝手にそうなる。

 

「どンまい」

玄野の良い笑顔頂きました。他人の0点がそんなに嬉しいのか?ん?

ガンツも“暗躍乙”じゃねーし(怒)。皆が誤解するでしょ。

 

“コンタ……1てんtotal1てん あと99てんでおわり”

 

「1点って…ぶぷっ」

「ちっ。おいリーダー。なんなんだ?これ」

新規中坊を睨み、舌打ちしたラッパーが加藤を見る。

 

「リーダー?」

「オマエのコトだろ」

「は?」

「いいじゃん。このままリーダーやれよ」ニヤニヤ

「え~っ、リーダーなら計ちゃんのほうが…」

「ムリムリ。俺そーいうキャラじゃねーし。ほらッリーダー仕事だぞ。説明しろ」

「…

 あ~、この点数はな、ミッションで星人をやっつけると入るんだ。

 俺たちはこれを100点ためなきゃなんない」

「なるへそ。俺は1匹もやっつけてないから0点か…

 ってことはあの仏像1匹で1点かよっ しょぼ~!…あれ?でもそれだと…」

「おい、ちょっと黙れ。…ふ~ん。あと99点ためると何が起きんだ?」

 

会話に割り込んだ新規中坊を押し戻し更に質問するラッパー。

 

「100点とれば3種類から特典を選べる。解放・強い武器・死者の再生…」

 

指折り説明する加藤。“解放”以外も覚えたんだね。

100点メニューを見たほうが解り易いけど今回は100点達成者がいないはず。

 

「解放…。…死者の…再生…って…マジ?」

「解放は、この部屋からっていうか…この部屋に呼ばれなくなることだと思ってる」

「まだ、解放を選んだ人いないんだよ」

「前回アイツが、強い武器を選択して…。あの大仏と最後のヤツをヤッた武器がソレらしい」

「死者の再生も…出来ると思うけど、試してはいない」

「そうか」

 

ラッパーは誰かを生き返らせたいのか?「解放」より「再生」に食いついてるように見える。

誰か言ってあげて“MEMORY”に無い人は無理って。…誰も覚えてないの?

 

“ミリオタ……1てんtotal1てん あと99てんでおわり”

 

「…」

迷彩服は点数に落胆せず…Xショットガンを撫でながらニマニマしだした。

ミッションを気に入ったらしい。

 

“空手家……2てんtotal2てん あと98てんでおわり”

 

「ねぇっ。あんた何匹倒した?」

「…」

新規中坊の質問に無言で人指し指と中指を立てる空手着外国人。

 

「1匹1点なの?やっぱり。100点とるのに何年かかんだよ~」

「いや!星人の配点は1匹づつで違うはず…」

「え、そーなの?」

 

“かとうちゃ(笑)……3てんtotal3てん あと97てんでおわり”

 

「俺は、おこりんぼう星人だったか?あれを1匹送っただけだ。なっ?配点が違うんだよ」

「かとうちゃ…」

「かとうちゃ…かっこわらい…って…ぶっ」プルプル

「…」

 

“くろの……8てんtotal8てん あと92てんでおわり”

 

「ク…クロノさん、あの…。すごかったです…」

「は?」

「門番を倒したときの…」ポッ

「…は、はァ…どーも」

顔を赤らめ見つめてくる男ことミリオタ迷彩服に主人公はドン引きだ。

 

“あねご……12てんtotal12てん あと88てんでおわり”

 

「スゲーよ。初めてでこの点数は」

「そーなの?」

桜丘は有能だなぁ。完璧超人か?

 

“西くん……25てんtotal40てん あと60てんでおわり”

 

大仏が5点だから千手は20点か。序盤にしては多いのかな?この配点。

リスクに対して少ないよ(笑)ホントに居るの?初見でアレに勝てるメンバー。

もちろん相討ち以外で。

仏像姿からレーザー攻撃を予想し光った瞬間避けるってどんな勘だ。

 

「…オマエは次も武器を選ぶのか?」

「ああ、そのつもりだ」

「…」

「言っとくけど、とどめは早い者勝ちだぜ?」ニヤリ

「…そーかよ」

 

何故か西を睨み分かりきったことを訊く主人公。

加藤はともかく玄野はラストミッション前に100点ためるだろう。

できれば解放を選ばないでほしいけど。…居なくてもなんとかなるかなぁ?

 

「あ…雨」

子供の呟きに、メンバー達は窓の外を眺めた。

 

… … …

 

予想通り、傘・靴・財布の無いメンバー、とくにパジャマで呼ばれた人達は帰宅方法に困って呆然と外を見ていた。ミッション2回目の北条・サダコ・子供はともかく、3回目で呼ばれる予兆を知ってるのに着の身着の儘来ちゃったお前ら(玄野・加藤・山田)は迂闊だーっ。

とは言わなかったが、なにか察したらしくこっちを見て情けない表情をしていた。

 

結局スーツ着て走りました。

 

夜中のテンションなのか何なのか、建物の上とかショートカットしたりと5人は楽しそーだった。周波数を変えず笑い声とか抑えることもなく。

聞いちゃった人はビビったろーなぁ、自宅の屋根を通路にされた人も。

…私は周りの行動にビクビクしていた。

 

子供は桜丘が交番へ届けたらしい。




視点変更:玄野→オリ主
偽千手の中身が金堂からメンバー達の前に降り立ったとき玄野はオリ主の後ろに居た。
新規メガネ(宮藤)と老婦人は左右。
改変点:
犬・岡崎(ミリオタ)・JJ(空手家)・近藤(コンタ)・苫篠(さぼり)・桜丘(あねご)・加藤生存。
次回からはちび星人編。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。