転入生イベント。質問が嫌なので不法侵入からの盗み聞きを選ぶオリ主。
玄野私室。
ついに入ってしまったよ計ちゃん部屋。…うん、フツ―の部屋だ。マンガの背景と同じ。
例の話はこれからなのだろうノーパソ前で放置されていたらしき長髪男がこっち(を歩く玄野)を見ている。無表情が怖ぇ。
えっ周波数変えてる私は視認されてないよね?ちょっと逃げたくなってきた。
玄野はそれを無視して座卓に箸をスタンバイ。
そんなに空腹なの?
「誰か来たのか?」
「ん?いや、出前、みたいな……?」
手に箸と開けたタッパーを持ち首を傾げる玄野。そーだね~鰻重の無料デリバリーです…
最後の。最後にするって今決めた。
「ふっ、何だそれ? それよりこれ…このサイト」
「?」モグモグ
「見てみろよ…」ニヤリ
「なンだ?コレ。妄想は含まれていないッて…小説か? ん?…ッ ごほッ ごふッ」
画面の文章を読んで咳き込む玄野。
そこには、あの部屋へ呼ばれた者しか知り得ない情報、「GANTZ」について書かれて…いるのだろう。キッチンの前、半開きの障子から部屋を覗いている私の位置からは見えない。
あれ?今の私、サダコみたい? いやいや、ストーカーじゃないって。そんなに暇じゃ…まぁ暇だけど。これは大切な情報収集です。
「平気か?」
「あッ あ、大丈夫…」
和泉の問いに上の空で答える玄野。箸を持った手で口元をおさえ画面に顔を近付ける。
“ミッションのことバラしたら爆死じゃねーの?”という疑問の答えは転入生の説明を聞けば出るから落ち着け。焦ってタッパーとか落とすなよ? 笑っちゃうから。
「そうか。
これは荒唐無稽なSF小説を載せてるサイトなんだけど日記っつうか、私小説風でな。
知ってる奴らの間では、実際に起こってる事なんじゃないかって言ってる奴もいる。
まぁ本当に管理人が中学生なら、よく出来てる話だとは思うけどな」
「!? むぐむぐ、…もぐ」
何言ってんのか分からんから食うか喋るかどっちかにしろ。あと立って食すなよ行儀が悪い。
おそらく「管理人が中学生」=西、と連想している玄野。
フツ―に考えてあいつしか居ない。
「最新はこれだ。あばれんぼう&おこりんぼう星人編」
へんな題名を滑らかに発音する転入生。
マンガでは田中ロボ編で西が退場したので、そのひとつ前のミッション内容であるネギ親子編で止まってたのに順調に生き残ってるぶん日記が続いているようだ。なんとなく検索せずにきたけど本当に在ったのね、このサイト。こういうので余所のチームメンバーが釣れたりするのかな? 釣れたところで大した情報持ってなさそーだし黒幕と目的がわかってもメンバーには無用の長物だろうけど。それか単に趣味?
「おい、くろの。くろのけい」
振り返り、玄野を見上げる転入生。
「ふァ…?あンだ…」モゴモゴ
「下の名前…けい…でいいんだよな?」ニヤリ
「あ…え?なンで…?」
「この、ねぎ星人のときから登場するキャラの名前。
一人だけスーツ着たのに何もしてない“役立たず”…同じ名前だな」
「…」
煽られても玄野は無言。
怒りは空想で発散…メンバーの本名をそのまま日記に載せている野郎を脳内でフルボッコにしてるのであろう。
登場人物の“くろのけい”を手掛かりにして居場所を探し転校までしたっぽいな、あのロン毛。行動力ありすぎるよ~迷惑な…。
なんとかして西に日記の人物名を変えさせていたら…いや、それだと冒頭の宣言に反するから人物名出すのを阻止していたら、あいつの襲来を無しに出来たのだろうか?
でもネギ親子襲撃時は夢だと思ってたからな~。
過去の私を抓りたい。
「管理人と…知り合いか…?」
「ア…あ~ッなンでだ?ぐ…偶然かァ?何だ~コレ~」
どこまでバレるとアウトなのか分からないからか玄野が挙動不審。
肯定して大丈夫だよ。装備使わなきゃたぶん(使ってもその場で目撃者を消せば)大丈夫だから、おそらく爆死しないから落ち着け。声出しちゃダメと思うと余計笑えてくる。
「“くろのけい”なんて。そうそうある名前じゃねーけどな」
たしかに。珍しい組み合わせかも。
そーいえば他のメンバーは珍しい苗字少ないな。ねぎ親子回以外で自己紹介やってないから(サイトの管理人に本名知られてない人のほうが多いので)関係無いけど。
つーかマンガの西日記には(珍しいから取扱注意な)主人公の名前しか出ていなかったらしいが、リアル(?)ねぎ星人ミッションで活躍しなかった“クロノ”について西は何故載せたんだ? 載せるとしたら加藤のほうじゃね?
「あ!!もしかしたら俺の弟か?弟の友達かなンかかなァ~」
こっちの玄野にも中学生の弟が居るらしい。真実を混ぜて嘘を吐くのはファインプレーだ。
でもちょっと棒読み。
「…ここの掲示板にいる奴らすげーんだぜ。本気でこの小説が実話だと思い込んでやがる」
「へ…へ~」
「ねぎ星人編に出てくる一ノ宮って場所探して写真撮って来たりしてる。
ほら…壁がこわれてるのが証拠だって。このクロノと連れのことを…
地下鉄のホームレス助けて消えた二人の高校生と結びつけてる奴らまでいる」
あ~電車のアレね。今では都市伝説や怪談噺みたくなってるけど目撃者が多かったものなぁ。
「…」プルプル
無駄にキョロキョロする玄野。“全部バレとるやンけ”の顔かな?それは。
ホント笑っちゃうからやめろ。
「あと板橋区のアパート半壊。そしてこれだ」
「!」
「羅鼎院のミステリーサークル。
田中星人の最後で手に入れた“より強力な武器”の痕跡じゃないかってことらしい。
テロとか言われてた建物の大穴はTVや新聞でも見ただろうけど、
これが出たことは一度も無い。…ってな今一番このネタで盛り上がってる」ニッコリ
そーいやミッション翌朝、じゃなくて昼(が本放送で私が観たのは夕方の再放送)のワイドショー“羅鼎院の崩壊”で前面の崩れた大仏殿が放映されていたのに、同じくらい異様で目立つ筈の100点武器ことZガンの痕や金堂・参道・照明の破損・大仏の足跡については詳しくなかったな。新聞も同じく。報道規制か?
「…」
「…」
「…」
「どうだ、おもしれーだろ。ウソくさくて」ニヤニヤ
「う…うん。うそ…ウソくせえ。は…はは…はは」
パタッ
ノ―パソを閉じる転校生。
マンガではガンツスーツを服の下に着ていると疑われた玄野だが、座卓に着く前にサクッと部屋着に着替えたし武闘派不良とのエンカウントも無かったので転校生からの「上着脱いでみせて」発言は無いようだ。予想外の危機を切り抜けたと安心したのか畳に座り寛ぐ彼はいつものホケ面に戻った。のんびりと茶を飲む。
……なんか違和感あるな。あ、今日は珍しく誘いが無いや、桜丘からの。
ミッション翌日から始まった猛アタックは凄かった、らしい。どんだけ玄野気に入ったんだ姐御。私としてはデート内容をいちいち報告してくる野郎がウザかった。どこ行って何食べたとか興味ねーよ。それに何だか恥ずかしい。桜丘に悪い気がする。
そーだ聞いて下さいよ信じられないことだが、あの2人未だチューもしてないそーですよ?
本当にお前はあの玄野か?彼女のどこが不満なの?
「そうだ、あのクラスに…さ」
「ぶッ な、なに?」
「…。…いや…何でも無い。邪魔したな…」ニヤリ
転校生は帰った、意味ありげに笑って。
玄野はウソ吐きとして大根だったから確信を持ったのでしょう。
私は入室時と同様に閉まるドアを滑り出た。
日没後、公園。
其処此処に植えられた樹木の枝葉が街灯を遮る薄暗い広場。
まだ18時をちょっとまわったくらいなのに寒いからかアベックも子供も居ない。
鞄を柵の隅に放り、独りブランコに揺られる学ランが視える。
座席キツくないのかな?児童用だろアレ。とか思ってたら奴は座面に足をかけ直立しグングン揺らしだした。うわ恐ぇ…。チェーンが地面と水平に振られてるし。梁かハンガーか分からんがギシギシと危険な音をさせている。
あ
予想通りに飛んだ、っつーか宙へ放り出された。
ザシュッ ザザザザ…
ドッ
ブランコから8m以上離れた砂場の真ん中に無事着地かと思ったら滑って仰向けにコケる。
ガッシャンッ
反動で一回転したチェーンが梁に引っ掛かり揺れる座席。チェーンの連結部が片方破損したらしく先端に重りがあるほうの鎖だけ、無い方よりも余分に梁に絡まって複雑なことになっている。数分間大の字で寝そべった後、両脚をあげてから勢いよく立ち上がる転校生。その場で跳ねる。砂を落としているのだろう直立した奴は鞄を取りに行かずそのまま。
よく見ると首を動かして…周囲を見回している。
何してんだ?コンタクトでも落とした?(笑)今探すのは無駄だろ暗いし。
それとも…
「誰か…居るのか…?」
白い息を吐きつつ転校生が呟いた。
あら、アホな行動を笑ったの聞こえた?
それともカマを掛けたのかな? まぁどっちでもいいか。
あのサイトを読んでいるなら「情報漏洩者への厳罰」と「不可視化出来る装備」を知っているだろーし、ミッションメンバーが接触に来ることを予期…というより期待しているのかも。あの部屋について調べてる人間に自ら会おうとするメンバーが(万が一にも)居るとしたら、その目的は「嗅ぎ回ってる一般人を口封じ」だろうに、良いのかな?
奴の居る砂場の大きさは8×4mほどで、隅に忘れ物らしき小さなスコップとそれが入ったバケツが置いてある。こんな狭い砂場じゃ相手の足音や足跡に気付いてもそいつが本気で危害を加えるつもりなら避ける暇が足りないと思うけど、無いよりマシってか? でもさぁ、スーツのステルス機能が不可視化なのか、それとも不可知化なのかは私でも検証したよ?姿が消えても発した音は消えないし足跡も残る事くらいガンツメンバーなら知ってると思わない?
それに砂場の外からでもガン類で充分狙える距離ですし。
やっぱり周囲より頭抜けている自覚があると油断が酷いものなのか?
“18:30”
そろそろかな。
私は誰かのスコップに触れる。持った端から消えてゆく小さな影。
思いのほか固い砂面に公園で拾った枝で溝を掘る。
“招待ヲ受ケルナラ座ッテ目ヲ閉ジロ”
奴がすぐ読めるように逆さ文字にしてみた。これ書くの中学生振りだ~懐かしい。
スコップをメッセージ横に突き刺して離れる。忽然と現れた影(とその本体)に転校生はすぐ気付いた。
「!?」キョロキョロ
さっさと座れって~。部屋に行きたくないなら帰ればよろしい。
あのサイトがどこまで詳細なのか知らないけどファンがついてることから面白いっぽいし、フツ―ならこんな怪しげな誘いに乗って安全な場所から高みの見物が出来る立場を放棄することはないだろう、そのフィクションが殺伐としたものなら尚更に。
サイト閲覧者で手をうつ筈だ。
ゾクゾクッ
はい寒気来ました~。もうすぐ呼ばれるな。
…で、どうする?
===◇○○===
「わわっ」
「…え?」
「アレ?」「あっ」
毎度の如くガンツ部屋。
現れた新顔を北条と山田がジロジロと見ている。
廊下側のスペースに始めから居たかの如く座る髪の長い男の服装は学ランだ、右脇に鞄。
今までと違い今日の新規メンバーはちょッとづつではなく丸ごと出てきたからか他のメンバー達も不思議そーな表情。ソレと…
俺は奥に居る奴へ視線を移す。
ソイツは今日もスーツの上に服を着ている。アレに何の意味があるンだ?1年以上ミッションに参加してンのに未だスーツが恥ずかしいとか?
俺の視線に気付きソイツもこッちを見た。最古参の中坊だ。
いま声がカブッたよな? 西も新しく呼ばれたアイツを知ッてる?
しッかし、どンな偶然だ。
何で和泉が此処に…
♪チャーチャーチャチャ~ラ チャ~チャラチャチャッ チャ・チャーララ♪
「オマエ、アイツのコト知ッてンのか?」
「…」
「おいッ!」
「あ…ああ、ちょっとな。そっちは?」
いつものコトだが、うるせー音だ
と思いながら西に近付き大きめの声で訊いてみる。が微妙な返答。
「ちょっと」ッて?全然分かンね―ンだけど。質問に質問を返すンじゃねーよ。
気になる言い方だが訊いても答えないときは絶対答えないからなァ。話を進めよう。
「今日クラスに来た転校生だ」
「それで?」
「…さッきまで俺ンちに居た。帰ッたあとは知らねーけど」
ウチに押しかけて変なサイトのコトを一頻り話した後さッさと帰ッた謎な奴。
「…ふ~ん」
ふ~んッて、オイッ、そッちの情報も出せよコノヤロー。あのサイトもどーにかしろ。
「クロノくん、このk
「なぁ計ちゃん、佐藤さん見なかった?」
桜丘の言葉に被さる加藤の問い。
「あ」「…」
そーいや居ねーなアイツ。ガンツの歌はじまッてるのに。
「100点ためるまで強制参加って話よね?呼ばれないこともあるの?」
「や、どーだろ…」
生きてる限り呼ばれンじゃね? 今までもチラホラと来てねー奴いたけど、
アレッて…
♪チャチャ~ララッ チャーラ チャッチャチャ~ラチャンッ♪
「廊下かな…」
歌が終わッた。フラフラと出口へ向かう加藤を見送る俺たち。
「は…ははは はははははは!!」
沈黙を破る大笑い。
呼ばれたときの姿勢のまま無言で部屋を見回していた新規メンバーこと和泉の奇行に視線が集まる。
「…」「何?こわ…」「どうしたんだ」
「…やった!マジだった!ここが……。すげぇ…!」
授業の試合で勝った時よりも瞳を輝かせると、胡坐から立ち上がり振り返る。
え?
「ぐっ」
片腕を伸ばした姿勢で止まる和泉、前傾した身体を横回転させ床に背中を打ち付けた。
「…」「…」
…コケかたまで派手な奴。
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黒球正面でロン毛が倒れている。
…やっぱり生贄なんて要らないじゃん。
まぁ、ガンツもこいつの行動力には驚いたかも知れないけど。
そんなにデスゲームしたいなら呼んであげよーじゃないのってことで実験してみたのだ。
マンガのガンツはこいつの参加を望んでいたし選ばれる可能性高いと思って。
座る和泉の首をソードでこう、ストン とね。
…。
冗句です(笑)
金縛り直前で、座るロン毛にかけたのはバックチョーク。
こいつと密着するのは嫌だが仕方ない。結構ギリなタイミングでした。
マンガで、呼ばれる寸前な硬直状態のメンバーに抱き付き黒球部屋に潜り込んだ奴らがいたからその真似だ。「奴ら」は星人だったのでメンバーと接触してれば見境なく呼ばれると思って。役割としては逆だと思うけどアレは抱き付いた人間がメンバーの服扱いされたんだろう。
何にしても実験が成功して一安心。マンガと同じことになるならこいつを放置は公害だもの。
しかしさっきのは焦ったなぁ。
無事に部屋へ転送され、離れて成り行きを眺めていたら肩を掴まれたのだ。
周波数変えたままだったのに何で分かんだよ?どーいう勘してんだ、って超ビビった。
悲鳴を上げなかった私スゴい、エラい。まだ鳥肌が立っているる。
奴の右手を外すとき手首がパキパキいってたのはいいとして、床へ叩きつけちゃった~。
…たぶん生きてる。
「おーい。何かよく分かんねーけど、見ろよ!ターゲット出てんぞ」
「ちび星人って何だよ。テキト―か?」
苫篠中坊とラッパー近藤の発言で周囲の意識が新規メンバーから黒球へ移る。
私はその隙にバイク部屋へ滑り込んだ。周波数変えるとき、っていうか消えるときは静かなのに解くときはうるさいからね。と、そんなことより「チビ星人」ってことは…
(“てめえ達は今からこの方をヤっつけに行って下ちい
チビ星人 (渦巻ほっぺで耳と毛の無い小人)
特徴 つよい 根にもつ
気にしてること 背の低さ
特技 人マネ 心を通わす” )※記憶補完
今回もマンガと同じターゲットか~。
呼び出し日が同じだから予定(?)通り。
マンガでは前回の仏像狩りで主人公以外退場&新規メンバー0で玄野単独ミッションになってた狩りだ。1対10だったのに最後の1体まで減らしてたっけ。ならこんだけ頭数居れば楽勝かな?なんやかんやで今はメンバーの数が星人を(マンガと数も同じなら)上回ってるし。
やっとラクできる。ミッションは危険がいっぱいだからね何もしなくてもクリアできるなら隠れつつ隅っこに居たい。
ちび星人ミッション参加メンバー:
犬1頭・小学生1人・中学生2人・高校生5人・教師1人・DJ1人・外国人1人・?3人
和泉を転ばせたオリ主の護身術は学生時講座で齧った痴漢撃退用。