前回のあらすじ:
ミッション開始。スタート地点で乱闘。ポロポロ落下するメンバーたち。
間違えてトリガーを上下とも引いちまった。ロックオンするなら上だけで良いのに。
焦って手元が狂うなんて練習不足だ。そんな場所と時間は無いけれど。
柵へ寄り恐る恐る下を覗くとコンクリに叩きつけられたターゲット(?)が見えた。形がかなり変わっている。破裂したゴミ袋じゃねーよな?
その横でこちらへ大きく手を振る山田さん。無事だったようだ(バイクにぶつかって一緒に落ちたのはあの人だったか)。
バイクは真下ではなく分離帯に横たわっていた。どんな軌道であんなとこへ?
一般人を巻き込んでなくて、ほっとした。
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ビルの屋上。
1体目のキュー■ーちゃん(耳無し)が居た建物を正面として、スタート地点の右隣。
移動する前にターゲットの位置を確認したら、はじめ拠点にしようと思った派手なビルにも反応があったのでここに落ち着いた。いや派手なビルだけじゃなく其処ら中に反応がね。
ガンツがあの場所をスタート地点に選んだ理由が分かりました。
右(拠点)・右斜め前・正面(チビ1号)・左斜め前・左・左斜め後ろ・後ろ(派手なビル)・右斜め後ろ、とその右と後ろに各1つづつ反応が。なんでスタート地点になった屋上だけ居ないの?って配置だ。屋上から屋上へ跳んで移動のが速いけど仏像編の教訓から「ターゲットの周囲10m以内に近付かない(なるべく)」と決めたので一度落下して拠点に居たチビをやり過ごした。と言っても地上に降りたと殆ど同時に左右と斜め前の4体がスタート地点に集合したからあんまりサボれてない。
非常階段を使い屋上に着くとバイクが宙を舞ってて吹いた。相当邪魔だったのね。誰か巻き込まれてるし(笑)山田だった。不運な奴が墜ちた同じ歩道に外国人とターゲット1体は居たが、近藤と苫篠は何処?
それにしてもターゲット共が近場に揃ってたことが意外だ。
近くに居たならなんであのとき瀕死の“同胞”を助けなかったんだろう?
千切れた身体を元通りにする術があるよーには見えなかったけど止血くらいなら出来たよね。
あ、でもあいつら裸族だった。縛る紐や覆う布が無い。
マンガでは1体目が失血多量か何かで息絶えてから残りのターゲット共が参戦したので遠くからSOS念話(?)を受信して駆け付けたと思ってたよ。玄野に両脚と片腕をふっ飛ばされたターゲットが数mを頑張って這ってから漸く到着していた。駆けつけるの遅くね?と。
あのターゲット共には1対1を見守る慣習でもあるのか?「片方が絶命する迄が死合いです」って。ただの放置じゃん“同胞、同胞”言って怒ってたのに敗者に厳しーのな。
マンガと違ってハンター側が複数だから玄野たちと並行して加藤たちもターゲットと交戦してるんだろう、たぶん。
マップから最初のターゲット反応が消え、残りが動き出した。
次々と跳ぶ白い影。狙いは玄野たち。
スタート地点に居るターゲット2体は助けなくて良いのか?1体負傷して倒れてるっぽいが。
未だ生きてる同胞を優先しないらしい。狭いから後回し、とかじゃないよね?
それとも先ず少数を叩くってこと?1・2…5体か。2対1で勝利した卑怯者には倍以上の数で対しても構わないって?
脳筋じゃなかったのねチビ・クリ―チャ―。
スタート地点の右斜め前、私が居るビルの向かい側にある建物の屋上を見るとシナリオ通り玄野たちが居た。2人は大きな看板の下、ではなく塔屋横に棒立ち。
マンガと同じ方法でターゲットを仕留めたのだろうか?
ぼっち玄野はチビの素早さを知ると工夫して倒していた。
先ずチビから逃げて跳び隣のビルへ、格闘中は後れをとるが逃げ足なら玄野が上らしい。
屋上に着いたら着地点近くの物陰で待つ、手も足も出なかった玄野を素直に追うチビ。
チビの踏み切り音を聴いたら物陰から飛び出し空中のターゲットを狙撃、という手順。
「空でも素早く動いてみろ」作戦だ。わーわかりやす~い(拍手)。
この方法で玄野は9体のターゲットを葬った。制限時間を半分使って3体(今スタート地点の反応も消えた)しか倒せていない現状と比べると鮮やか過ぎる。味方が居ない追いつめられた状況であんなハメ戦法を思いつく主人公凄い。って、待てよ?やっぱおかしくないか?1体目と玄野の攻防を見ていたら、方法を知っていたら騙し討ちに引っ掛からないよね?チビは目が悪いの?作戦にハマった奴は同胞に教えなかったってこと?念話の射程が短いとか?
…チビのほうが玄野より余程動揺していたらしい。
まぁ少数派だよね、自らが殺される直前や“同胞”が殺された直後に冷静な生物なんて。
最後の1体は空中で四散した8体の同胞を見て、やっと玄野の戦法を警戒し逆に追い回してたんだから。マンガでは近くで見ていなかったはず。ターゲットの数が増えたのか?
いやマップに他の反応は無い。それとも玄野は一度に1体しか狙撃出来ないと思ったとか?
いやいや、そんな思考の生物が居るワケ無いって1体は確実に死ぬじゃん。
この際どーでもいいことではあるけど気になる。
===◇○○===
白い星人が消え、ソレを送ッたレーザーも夜空へ上るように消えた。
…。
何処に送られてンだろう?宇宙空間とか?マジで刑務所的なトコだッたりして(笑)ねぎ星人のときに西が言ッてた「犯罪者宇宙人」やら「日本政府の秘密機関」やらは新規メンバーを囮にする為のウソだッた筈だ、無いか。
見かけによらず強かッたなチビ星人。動きが速すぎて銃が当たらないッてどンだk
「クロノくん!!」
ドンッ ドンッ
「!?」
ドンッ ドンッ ドンッ
屋上にチビ星人たちが現れた。
「…ちくしょうッ、やッぱ1匹じゃなかッたか…」
周りを見回す。見えるだけで5匹居る。
設備の上からこッちを見降ろす姿は送ッたチビ星人と全く同じだ。
単独でも持て余してたのに、この数はヤバい…
「むッ?」
【(ザザザッ)同胞を何処へやった!!許すまじ!!コイツが同胞を消した!!
(ザザッ)許すまじ!!かけがえのない同胞!!(ザザッ)我らから同胞を奪った!!
許すまじ!!(ザッ)許すまじ!!許すまじ!!】
頭の中に声が響く。脳の内側を擦られているような感覚…ノイズとともに、イラだち?冷水のような感情が流れ込ンでくる。
うぉッ、コレッてマンガとかでよくあるヤツだ。直接頭に声ッつうかなンだ…?考えッつうか
【(ザザッ)コイツを破壊しろ!!(ザッ)破壊しろ!!(ザザッ)解体せよ!!
四肢をもいでしまえ(ザザザ)首もだ!!(ザザッ)引き千切れ!!粉々にしろ!!】
サッ
スッ
星人の1匹が右腕を挙げ、俺の右側に居る1匹を指す。
スッ
リーダーらしき奴に指名されたソイツは左拳を胸に当てた後、俺に向かッて歩いて来た。
ペタッ ペタッ
と足音が大きく聞こえる。
【(ザッ)気をつけろ同胞を消したヤツだぞ!!(ザザザッ)潰せ!!潰せ!!解体せよ!!
(ザッ)首をもいでしまえ!!解体せよ!!】
【(ザザザッ)おまえを(ザザッ)解体する】
対峙したチビ星人の宣言。
星人との距離はかなり近い。もう奴の間合いだろう、俺を睨ンでいる。
…見れば見る程キモチワルイ生物だ…顔が人間ッポイからか?
ガンッ
ドッゴッ
「がぁッ はッ」
顎と腹に衝撃。ほぼ同時にきた。やッぱ見えねェ!!
たたらを踏み後方へ下がると、左拳を振ッた姿勢のチビが消える。
「あ」
ガガッ
ガンッ
今度は顔面。続いて背中・腹、最後にもう一度背中に衝撃。
全身にきた圧迫感から不意に解放される。
もう自分がドコを向いているのか分からない。
どうなッてンだ 俺……
==□◇□○□==
「ああっ!!」
ドンッ
あたしの目の前でチビ星人2匹に天高く蹴り上げられたクロノくんが屋上へ叩きつけられた。
ドサッ
一度バウンドして大の字に伸びた彼に駆け寄ると苦しそうな表情だが呼吸はしている。
形のよい眉が歪み汗で光る滑らかな肌。
…よかった。骨は?手脚に感覚ある?
彼の手を握ろうと腕を伸ばしたところで引き離される。脇腹を打たれたようで一瞬息が詰まった。
フェンスにぶつかり身を起こす。遠くに見えるクロノくんの両脇から彼に近付く星人2匹。
グッ グッ
両腕を掴まれ起こされる彼。片腕に1匹づつチビ星人がつき抱えている。
クロノくんの膝は床についたまま。刑を執行される罪人みたいに……
「やッ マジかよッ やめッろッ ハァッ ハァッ」
周りを見回し声を荒げるクロノくん。可哀相に凄く怯えている。
スーツでも振り払えないなんてマズイわっ。
あたしと拘束されている彼の間に星人が1匹、こちらに背を向けている。今気付いたけど設備の上に居る2匹がこっちを見てるわね。あたしが動いてもすぐに潰す気か…。
「やめッろッオマエらっ…!あぐッ ちッくしょうッ」
気が動転していたのかしら…拘束して攻撃するのが目的じゃなかったのね。
星人達はクロノくんの両腕を…引き抜こうとしている。
あたしを監視していた2匹も加わり引っ張る4匹。星人達の足指が床にめり込む。クロノくんのスーツが膨張しそれに抵抗している。
ブチッ ピュッピュッ ブチッブチッ
彼の呻き声が悲鳴に変わりスーツの繊維が断裂し始めた。
隙間から洩れでる液体。
ボタボタ ビチャ ビチャ
ブチッ ブチッブチッ
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
両腕の付け根が裂け噴出する中身。夜空に絶叫が響き渡った。
===◇○○===
ビクッビクッ
俺の右手に…痙攣する黒い物体を抱える2匹のバケモンが見える。興奮しているのか見開かれている目。黒い物体…腕の先端は銃を握ッたまま。その断面から液体が迸る。
ああ、ちくしょう俺の腕…。
死ぬのか?俺……さすがにこの出血じゃ……
ゴキンッ
正面から響いた音に目を向けるとチビ星人の顔が変だッた。
肉まんみたいな頭部にはのッぺらぼーのように何も無い。
…首が捻れている?
ソイツの向こうに桜丘。
!
一閃。桜丘の鋭い回し蹴りだ。
見えたワケじゃない…一瞬ブれて構えを戻した桜丘の手前、立ッていた肉まん頭が消失したから。自らの首が刈られたコトに気付かなかッたのか更にチビになッた星人は立ッたまま。
ゴッ コロコロ…
真上に飛ンでいたのだろう仁王立ちなチビ星人の足元に頭部が帰る。
その音と共に俺の右手にいたチビ星人が動く。2匹とも。
一瞬で桜丘に躍りかかる白い影。障害物を避け高くジャンプする1匹。
!!
更に跳んだ。
いや、蹴られたンだな。踊るように蹴り足を戻し桜丘が俺を見る……
「ぅぐっ」
苦しッ。残る1匹が俺の首を締め上げてきた。
バシバシ叩くがビクともしねェ!ナニで出来てんだコイツら!ッて……叩く?
?!
俺が驚いているうちに接近したのだろう視界を覆う黒い凶器。桜丘の引き締まッた脛だ。
しッかりハッキリ視認できてるのは、アレか?俺がもう死ぬから?
コレ避けないと死ンじゃうから?
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
==○◇■○◇==
暇だ。
転送された屋上に今は4人と…ああ、またサダコが背後に立っている、やめてくれねーかな?
びっくりするから。
あとは犬が1匹。狭い屋上をウロウロしつつ嗅ぎ回っているが星人の死体には興味が無いらしい。このミッションを仕組んでる奴は何を考えてんだ。犬に何が出来んだよ。自力でスーツも着れねーのに。こいつ加藤たちよりはやくからあの部屋にいるらしいのに未だ0点じゃねーか。生き残ってるだけで奇跡だぜ。
残り時間は10分程。未だ星人がいるようだが此処に来ねーってことは他のメンバーにじゃれてんだろう。加藤は落下した連中を見に行った。「ここを頼む」と言われたが見る限り屋上から落とされても殴られても平気そーだから杞憂だろ。唯一危ないのは新規メンバー…
あいつスーツ無しなのにかなり闘るな、脚を斬り落とした星人に止めを刺す姿は手慣れて見えた。こういう状況に慣れている?部屋に転送されて喜んでたのも腑に落ちねぇ。
「なんだ?」
見ているのに気付いたらしい。黒い刀を弄る手を止め俺を睨む男。
「おまえ疑問とか無いのか?」
「ん、そうだな…とくには、ない。…いや、ひとつ知りたい」
「だよな、こんな状況疑問しかねーy
「残り時間は?」
「おぅ、あと9分だ…って、それだけ?転送されるまで気絶してたよな。
いきなりこんなことになってて不思議じゃねーの?」
時間制限もなんで知ってる?
「ふっ、この狩りは有名だからな…一部では」
「はぁ?」
「それに、お前らに訊いても仕方ない…
「あっ あれ」
「おい!ちょっと」
トントン
小学生と岡崎の大声で会話が遮られる。サダコも背を叩いてきた。なんだよお前ら
ドンッ
「お」
男と俺の間にチビ星人が降り立った。
視点変更:加藤→オリ主→玄野→桜丘→玄野→北条