凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前回のあらすじ:
続恐竜戦。サダコと苫篠のスーツ死す。
恐竜(3頭)と勝負する風(生身)。




かっぺ編⑤

===□○◇===

 

 

 

ザザザザザ… ダンッ

 

飛ぶように過ぎてゆく見慣れない植物群。まぁ暗いから色や細部は分かんねーんだけど。

今、俺たちは撤退中だ…山みたいな動物(?)から。

さっき2つ目の川を飛び越えた。行きもこうするべきだったよなぁ、スーツが防水でよかったぜ。スーツが壊れた2人…苫篠は自力で走り(川を通過したときは近藤が手を貸した)、サダコは北条が運んでいる。

横抱きで。

彼女は恐竜の口内から生還、というか落下した時のまま未だ気絶している。

後で教えてやろう。

 

 

「おーい やべーぞ 振り回してるー!」

 

苫篠の大声。

ああ、分かってる。さっきからビュゴビュゴ聞こえてっからな!

だから少しでも引き離す為、遠くへ逃げる為に返事はできない。そんな余裕は無い。

つーかお前は後が無ぇんだから走るのに集中しろよ!「うるせえっ」って相手すんな近藤。

 

俺たちを追う山のようなシルエットは首の長い恐竜と添い寝していたアレだろう。

あのときは全体像が見えなかったが脚の形が似てたし、おそらく同じ種類っつか親子…奴の拡大版…

 

音が変わった…!

 

「伏せろぉ!!」

 

ドォンッッ

 

前方へヘッドスライディング。その頭上を薙ぐ強風。

…ひぇ~…

見える一帯の植物が地上から1mくらいで切り揃えられていた。ズズズ…と崩れ降ちる壁…

 

「みんな無事かーっ!?」

 

メンバー達を見回しつつ背後をチラリ。…また振り回している。今度は歩みを止めて。

 

「逃げろ!!」

 

俺が言う前に走り出した北条を追って撤退再開。

 

「もう少しで出口だ!止まるなーっぁぁあああ!!」

 

ドドドンッッ

 

縦に引き裂かれる曲がり角。その砕けた粉塵の中、声が聞こえた気がした。

 

…計ちゃん?

 

 

 

===◇○○===

 

 

 

「加藤!!」

 

俺たちに最も近い…いや近付いて来るターゲットをマップで確認しポイントへ向かうと轟音と共に壁が崩壊した。直前に聞こえた大声の主に呼びかける。

返事が無いから交戦中か。

粉塵から飛び出し続々と目の前を通過する人影。逃走かよ!

別行動していたメンバー達だ。

先頭のヤツ無視すンな!

 

残ッた壁の背景に違和感が…

妙な音も…。風切り音?

 

「みんな伏せろーっ!!」

 

ドォンッッ

 

なンか居る!…トリケラマンやティラノとは比べ物にならない大きさのターゲット。ボスか。

ソイツの仕業だろう薙ぎ払われた内装が邪魔で動き難い。

今の攻撃は何だ?シッポ?はえーな…

 

「みんな逃げろ!!」

 

加藤が立ち止まッてこッちへ呼びかける。俺たちの背後に居るボス・ターゲットを気にしているのだろう忙しなく交互に見ながら。北条たちはそのままダッシュ。

…アレそンなにヤバいの?

 

「ふ… 逃げたい奴は逃げろ。俺ひとりで充分だからな」ザッ

 

ターゲットに向かッて歩きながら宣言する和泉。

そう?ンじゃ足止めヨロ~…ッてワケにはいかない。

流石にひとりは無理だと思う。最前線も先手も譲るけど。

俺たちが其々の進退を決心する間も、たぶン何かの恐竜だろうボスは長いモノを振り回している。

 

「あの大きさってことは…ディプロドクスかブラキオサウルス?」

「あ…あ…あ…」

 

ブラキオサウルスなら知ッてるぜ!超有名!…なンて言ッてる場合じゃない。

アレもトランスフォームしたり大砲撃ッてくるかも。

隣で震えてる小学生連れて撤退しろよ山田。

 

!!

 

「和泉!」

 

本当にボス恐竜と一騎打ちし暴走重機みたいな薙ぎ払いをくらッた命知らずを追いかける。

和泉は高い位置の壁をブチ抜いてロビー側に落ちたらしい。

やッぱ無理じゃん!

さッきより近付いたターゲットの向きからして尾ではなく首を攻撃に使ッてるッポイ。

和泉が2度目に受け流し(?)たとき金属がぶつかッて火花を散らすように明るくなり刃と接触する斧のようなものが一瞬だけ見えた。たぶんあそこ以外なら刃が立ッただろうに残念だッたな…アレで首を落とせたら終わッていたのに。

 

ロビーへ出る。

今まで暗かッたからかロビーがかなり明るく感じる。

他のメンバー達は外へ逃げたようだ。和泉は、未だ倒れている。起き上がれないのか?

もう一度囮出来ね―かな?アイツ。横取りみたいだからヤめといたけど和泉が薙ぎ払いを止めているうちに胴体の下へ駆け込ンで銃を撃ちまくるべきだッた。

アレが全力でないとしたら…住処を壊さないようボスは手加減をしていたとしたら奴を外に出すのは悪手だ。俺は加藤みたいに他人を心配するキャラじゃねーけど、あンな怪獣を街に放つのはマズイと思う。俺たちと星人は一般人から視えない仕様でも破壊は世界に反映されるようだから。

そーいやティラノを押し潰したアノ攻撃が無かッたな。

逃げたのかよアイツ。それとも100点武器は射程が短いとか?

あ、桜丘は残ッてる。逃げようッて?

ちょッと待ッて。

 

「生きてるか?!」

 

引き返してきたのか加藤が先に声を掛ける。

返事を待たず和泉のプラプラになッた左腕を肩にまわし、ゲートをチラ見。

怪獣の欠点は移動速度だな。スーツ着た俺たちのほうが断然速い。

 

「立てるか?オイ」

「…ぐ…。お…俺は…」

「なンだ?」

 

俺が呼びかけると返事があった。

和泉の状態は両腕骨折か…戦うのはもう無理だな、ッて変だぞ。

今日のコイツはこの前と違いガンツスーツを着ている。なのになンで怪我を…

違和感あると思ッたらスーツのボタンが光ッてない、かわりに表面が割れ何か出てる…液体?

 

「俺は…100点をとった男だ」

 

いや、ソレは知ッてる。

 

 

 

=========

 

 

 

頭に食いつこうとした1体の牙はかわしたものの右脚に食いつかれ引き摺られる超人。

超痛そう。それに奴が退場すると悲しむキャラが2人ほどいる(予定な)のでトリガ―を引いた。

数秒後、半数ほどのザコ恐竜が倒れたことで残りが恐怖から逃げ散る、なんてことは無く、超人ピンチ継続。神は彼を見捨てたか(寒)そーいやマンガでも逃げる奴居なかったな、いや玄野がチャージショットで殆どヤッたから不利に気付く前に全滅したのだろうけど。

脅威の正体がわからないまま留まる理由は謎だが駆除し回る手間が増えるよりは都合がいい。

あ、かっぺ星人が居るからかも。呼んだ奴が命令しないから逃げられない?

新たな目標を掲げてみよう。

周波数を戻し足場を蹴ってアピール、すると無事なトカゲ頭が一斉にこちらを向いた。

ここまで来れるものなら来てごらんなさーい(笑)。ペンペン

とバカにするような動きをしてみる。が、これもトカゲに通じず、私に近い(それでも数m下の)数体とかっぺ星人の周りに居る奴らを残し、結局は手の届く餌に殺到した。

 

うーん、焼け石に水…

 

ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン ギョーン…

 

獲物より負傷しつつも超人の脚を放さない前列(一回目のチャージショットくらって機動力0な奴)を無理矢理どかし筋肉にありつこうと逸る後発をフツ―に狙撃。威嚇効果は?

猛獣が爆ぜるまで防ぎきれ超人。

彼に近付いた奴から次々狙撃、もう狙いはテキトーだ。胴への噛み付きを防いでいた超人の四肢は一般人と鍛えかたが違うお蔭か、錐の集合体みたいな牙の盾として使ったわりに原形を留めている。

正視が辛いレベルでボロボロだけど。

喰われる恐怖のなかでそんなに動けるとはメンタルも相当だな、ちょっと知りたいよ秘訣。

結果、ザコ恐竜は頭がヨワいと確認した。いや食欲が生存本能を上回っているだけか?

ゾンビじゃあるまいし…あっちは死人か。

とりあえず運が良いね超人。1発も誤射が当たらないなんて。

 

作業終了後、動かなくなった超人を眺め迷っていたら小島をマーク或いはかっぺを護衛(しつつ餌をチラ見)するザコ恐竜共が私たちから視線を外した。

 

(あ”あ”!!)

 

声がしたほうを向くと出入り口にメンバーが。もうそんな時間か。

先ずは北条だ。

颯爽と誰かを抱えてる…って、ををっ。やったねサダコ。吊り橋効果スゲー。

他の連中も慌てて出て来る。外国人がこけた。助け起こす山田+α。後方確認する岡崎。それを追い越す近藤&苫篠。走ってるってことはやっぱり……

止まった北条を訝しんでからザコ恐竜共に気付いたのか橋の半ばで詰まるメンバー達。

餌の争奪戦に参加しなかったトカゲ頭共と見合う。

…長いな。

館内にはもっと大きいの居たでしょ?警戒しずぎじゃね?

トレインしてきたターゲットと比べたら雑魚だから、さっさと走り抜けることを勧めるよ。

ほら、桜丘を先頭に残りのメンバーも出てきたし階段まで退避しないと踏まれるとおm

 

バ―――――ンッッ

 

あ、来た…ってチラノサンじゃない~。いきなりボスだわわ わ。

 

ズズズズン

 

博物館正面を縦に裂き、怪獣が地響きを立てながら進み出た。

館内に居たターゲットはアイツで最後らしい。

キラキラと街灯を弾くガラスの破片を纏い優雅に首を伸ばす巨体…親ブラキオ。

頭部の上下に生えている刃は肉厚で幅が広く横から見ると欠けた月に似ている。

かっぺ星人狩りのボス・ターゲットだ。モデルと同じなら全長は30mくらい。

読者のときは連想しなかったがデカいクリ―チャ―を協力(?)して狩るってアレだよなぁ、

まさにリアル・モン□ン。

…悪いけど、そこで止まってもらおうか。

 

ギョーン

 

2回目のチャージショット。

音を聞いてやることを思い出したのか、はじかれたように動きだすメンバー達。Xガンを構える桜丘を先頭にザコ恐竜共の間を走り抜ける。あ、かっぺの護衛が牙をむいた…前蹴りで吹っ飛ぶ。倒れていたトカゲが脚に喰い付こうと…走るついでに顎を粉砕。

…素敵っス姐御。

 

「あ”っ!」

「早くっあ”あ”っ!!」

 

無駄に急かす役立t…後続。

最後尾は3人…調子悪そーなロン毛の両脇にオールバックと茶髪が付き添っている。

新しい餌に喰いつこうと仲間にぶつかったり駆ける途中で転がり倒れるザコ恐竜共。それぞれ脚や尾が弾け飛んだのだ。

主人公が高い位置を見回し、こっちを見る。

…周波数変えるの忘れてた。

 

『ギャアァアァアァアァアァ…!!』

 

建物から完全に露出し天へ向かって吼える怪獣。

橋に踏み出してからは進むたび黒い(赤い?)跡が石畳に印されたので歩幅がよくわかる。

足裏の頑丈さに自信があるようで歩くとき足元を気にしない方針らしい。

…進路にザコ恐竜敷きつめても無駄だったか。

 

『許すまじ…』

 

『許すまじ小さき者ども』

 

呟くような大声、っていうと矛盾しているが、そんな声が響き渡る。

 

(アレ…しゃべッてるぞ。オイ…)

(喋った…)

 

玄野と山田が日本語を発する恐竜に驚いて振り返る。

悠長に見てんじゃねーよ。階段まで逃げることに集中しろ。

 

『我が子を殺めた者ども…この身亡びるまで滅してくれよう。覚悟せよ小さき者ども』

 

物騒な宣言をする怪獣。

をを怖。誰が仔ブラキオ仕留めたのか知らんがマンガと同じくお怒りじゃ~。

マンガではカミングアウトした玄野ひとりを追い駆けていたから『小さき者ども』の区別はつくんだろーけど報復に伴う破壊で邪魔が増えてもそれを全部捻り潰すと言いたいのか復讐をしても怒りが収まらないと言ってるのか…。リーチ長いぶん偽大仏より脅威かも。エリアを出ればターゲットの不可知化がとけるとして日本の武力が圧勝だと思うが爆撃可能な地域に奴が入るまで何百人犠牲になるだろう?

…ま、そんなもしもは無いが

 

ドドンッッ

 

巨大な胴が地面へ吸い込まれるように潰れ前後へ分かれる怪獣。

石畳に直径6mほどの池が一部重なるように2つ出来、尻側は橋へ頭側は階段へ倒れ沈黙。

踏まれなかった数匹のザコ恐竜も池の一部になった。

 

 

 

===◇○○===

 

 

 

(あっあれ変じゃね~?)(え?)(割れてない?やっぱ割れてるって)(はぁ?どこが)

 

階段の下を通る帰宅途中らしき歩行者たちが博物館を見上げ会話している。

階段の中腹でターゲットに紛れ倒れるズタボロになッた新規メンバーの横で「救急車!救急車呼んでくれ!!」と叫ンだ加藤は無視された。

今回も視えてないらしい、俺たちと“星人”は。

博物館前の広場から階段にかけて無数に倒れている(トリケラマンやティラノと比べたら随分と)小さい恐竜を眺める。

…コレ全部、佐藤がひとりで? ずッと外に居たのか。加藤たちと行動してると思ッてた。

ッて動いたか!?今。

…なンだ、落ち着いてよく見たら起き上がれないだけで生きてる奴のが多いじゃん。

 

ドンッッ

 

再びおちる不可視の円柱。

橋から垂れるデカイ尾の一部ごと小型恐竜が圧殺される。隠れてる奴…西は端から順に処理するつもりなのだろう。

未だ数十匹残ッてるターゲット全部の転送あるいは息の根を止めないとミッションが終わらないのだから仕方ない。

俺もXガンを構えなおした。




(透明人間)西くんは玄野チームに同行していた。
博物館内で踏みとどまったミッション狂い(+玄野)に構わず加藤チームに付いて博物館を出たがオリ主はターゲットと同じ周波数を変え忘れていたので西くんの脱出姿を見逃した。
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