凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

40 / 62
前回のあらすじ:
加藤の号令でゆびわ星人ミッション開始。(帽子と坊主以外の)新規メンバー逃走。



ゆびわ編②

「ありえねーっ ありえねーって これっ」

ビュゴッ

「あ

 あ? あ”っ!」

 

騎兵の振るう長柄斧が直撃し景気よく吹っ飛ぶ坊主頭。

いち早く気付いたのか帽子男は回避成功。

石畳へ背中から墜ちた坊主頭は俺が駆け寄る前に上体を起こした。

不思議そうに首をひねる。

 

「あれっ痛くねー。なんだよ、これ夢かぁ?」

キュゥゥゥウン ドロッ

 

使用者へのダメージは完全に防いだようだが代わりにスーツが壊れている。ボタンから液漏れだ。かけていた眼鏡は衝撃で粉々に?

 

「夢じゃない 現実だ! 今の攻撃でその服は壊れた さがってろ」

「うっそ。まじ?まじ?ヤバくね?」

「ホントかよ~。じゃあ勝てねーじゃん。あんなん勝てるわけねー」

 

わかったから早く退がれって。

まさか一撃でスーツを壊す奴らとは思って無かったけど動きは遅いほうだぞ“ゆびわ星人”。

見える攻撃を避けられないようじゃミッションは厳しいぞ。

人間サイズの星人相手ならスパッと動けんのかな?あの二人、じゃないと本当に詰み

 

ブォンッ

 

来た!長柄斧の薙ぎ払い。馬の足元へはもうちょっと。上半身狙いの斬撃を避けダッシュ。

次に注意すべきはでっかい蹄。

 

ドンッ

 

横っ跳びし更に前方へ跳ね後ろ脚へ到着する。

メキメキ メキッ

スーツの膨張を感じながら一抱えある足首に体当たり。

 

ベキンッ

…カッ ダカダカダカ

 

「おっわっ!!」「わぁあああああ!!」

 

坊主頭と帽子男のものだろう悲鳴が響く。

せっかく敵の注意を俺へ移したんだから静かにしてろ。

右後ろ脚のふんばりを失って暴れる馬から跳び箱のように降りた地味騎士は踵を返し柄物を構える

 

ドオォン

 

振り降ろされる長柄斧、に震える地面。

左へ避けた俺の横を掠める床材。

何度目かの薙ぎ払いを避け振り抜いた恰好で止まった騎士の脇腹目がけワイヤー発射、転送する。

あとは…

馬は横に倒れた姿勢で動かない。

新規メンバー2人がヤった…わけではないらしい。

おい、もう蹲らなくていい終わったぞ。

 

初心者と俺が手こずっているうちに他3騎は倒された。

左肘と脇腹・延髄を断ち割られた奴、胴体がグズグズになった奴、斜めに分割された奴が既に横たわっていた。馬の傷は1頭の首に破裂痕がひとつ。他2頭は無傷に見える。

山田さん曰く騎士に止めを刺したら「糸が切れたように」倒れたそうだ。動力が同じとか、そーいう生態のヤツなのか? 何でもアリだな星人は

 

「おいっ」

 

声のほうを見ると新規2人の片割れ、スーツが故障したほうの背丈が減っていた。

顎まで消え断面を晒す坊主頭。

ガンツ部屋へ帰還する転送だ。

 

終わりか。

 

未だ開始から15分ちょっとしか経ってない。

今回は楽勝だったな

うわっ

騒ぎに気付き振り向くと人が並んでいた。

めっちゃ撮られてる。すごい数の野次馬(?)だ。総じてケータイを構えている。

まぁこれだけ破壊されてたら撮りたくもなるだろう。足場のタイルは殆ど剥がれて割れてるしテーブルセットもバラバラかぺっちゃんこに踏み潰されて…

原因不明だとすぐに直せないだろうなぁ、謝れないし、つらい。

 

 

 

=========

 

 

 

黒球部屋。

さっきまで和気藹々としていたクウキが今は悪い。換気しなきゃーってムリだった~(笑)。

 

「…意味分っかんねーっ、ふざけんなっ」

「ふざけてねーし、落ち着いてくれ」

「チッ、誰かに視られたのかッて聞いてンだよ」

 

帰還早々加藤へ怒りをぶつけるグラサンへ冷たい視線を送る玄野。

 

「いわもっちゃん、どったの」

「知らないけど、視られるとマズイんだってぇ」

「視られるってどうやって?俺たちみんな消えてたんだろ」

「いや何か機械いじって消えたり出たりしてたら。頭がバーンって、上田死んじまって」

「えぇ~何それ~…」

「よくわかんねーな、それ機械関係あんの? なんでそー思うんだ。

 さっきのデカイ奴らの仕業じゃねーの?」

「…

 そーかなぁ、でもあんとき俺ら隠れてたし」

 

私物を散らかしたスペース、黒球と窓の間で話し合う4人。マンガ通り1人退場した様子。

それを見てる振りでアイコンタクトする加藤と玄野、

(どーいうこと?)(いいから。勘違いさせとけ)って感じか?仲いいねお前ら。

自動で不可知化しているミッション時にも情報漏洩の罰則が関わってくる、と玄野は予想していたようだがグラサンの発言で確信したらしい、ステルス機能の落とし穴を。

マンガでも同じ奴が一般人の周波数へ変わったところで小島に撮影されてからデスペナをくらってた。なのに彼女が一般人として居なくても退場するとは。絶対に視えないと油断して不可視化&可視化を何度も試し小島以外の一般人に撮られたってことなのか…

いや案外マンガでの退場理由と同じかもしれない。

 

小島が新規メンバーを撮影しているコマはマンガに無かったから。

 

①小島はミッション中にエリア内の風景を撮っていた。

②頭の爆弾を使われた新規メンバーは周波数を何度も変えていた。

③全身タイツの不審人物が居たことを小島は玄野の指摘で思い出していた。

④新規メンバーが映っている(であろう)フィルムを潰してもミッションが終わらなかった。

 

これらの情報から「小島は爆死メンバーの出没を目撃し且つ撮影したことでガンツミッションのターゲットにされた。ヒロイン4号がフィルムを処分する前に玄野が小島へガンツミッションについてペラペラ喋ったから或いは一度始まったミッションはターゲットをやっつけるか時間切れまで終わらないからガンツメンバーの物証を消しても意味が無かった」と私は解釈していたが小島のターゲット化には別の理由があったのかも。

“ゆびわ星人”に斬られそうになったあと視えない玄野を認識したことでターゲットにされたのなら辻褄が合う。

何をしようとマンガの小島は死ぬ運命だったのか。騎兵に首を刈られるかクラスメイトに背を斬られるかの違い。

ターゲットとして退場したから再生される機会を得たのなら、2人の選択は正しかった。

 

それはともかく加藤たちが罰則や脳の爆弾について説明しなかったとしても、コントローラーで遊んで問題ないとも(多分)言ってないんだから関係無いでしょ。

丁寧に教える義務無いしミッションの法則だと認識されている事柄は経験からの推測だ、ガンツは明言していないし予告無しで変わることもある。

盲信と油断で生じた不利益の責任をとるべきは本人

 

♪ち――――――――――――――――――ん♪ 

 

採点が始まった。

黒球へ注目するメンバー達。

0点は犬・山田・私・北条・サダコ・老婦人・桜丘・岡崎・苫篠・JJ・風

そして屑共。

 

「なんだよぉ俺たち全員0点じゃ~ん」

「ぎゃははは だっせーっ」

「おめーが何もしねーで逃げてっからだろぉ」

「ばぁ~っか」

「おまえもビビってたじゃんかー」

「へっへっへっ」

さっきまでの剣幕は幻だったのか笑うグラサン、と他3人。

 

“浦ちゃん……10てんTotaL10てん あと90てんでおわり”

 

「あ…」

「やったね!」「…」コクコク

姐御とサダコに褒められこっちを見る元バスローブ女子、浦中。

ひとつのYガンを複数で使いターゲットを捕まえた場合、拘束したメンバーではなく転送したメンバーに加点されると証明できた。

誰もマークしてない2体を拘束しといたのに1体分ということは、ミッション中の転送は一体づつしかできないってこと?ミッション中とそれ以外では送られる場所も違うのかな? 

機能検証時一遍に送れた家庭ゴミはどこへ?

 

“和泉くん……10てんTotaL22てん あと78てんでおわり”

 

「ふん…」

球面を一瞥した和泉が鼻をならす。

北条とサダコがステルスしてXガン向けてるターゲットの首をしれっと刈っていたなあのロン毛。右手のお荷物が気になった。

ソードがメインならZガン要らなくね?持ち運びに片手が塞がるのも不便だ。

某トンカチみたく呼んだら来るように出来ないのかな?特典武器だし。マンガで他人の拾パクした奴いたから狩りエリアに忘れた場合は没収扱いだろ。盗られても新品を用意されるなら100点ためずに増やせてしまう。

 

“コンタ……10てんTotaL33てん あと67てんでおわり”

 

「おおっ」

「おーっ」

高得点を喜ぶ近藤と苫篠。

 

マンガの“ゆびわ星人”は明らかに星人が視えていない一般人まで狙って刈り取っていたから六本木には今日来たばかりだったのかな?

何もないのに通行人が真っ二つになっていたら『怪奇現象だ』って騒がれる筈だし通行禁止だろう、そんな報道を見聞きした覚えは無い。

今までに狩った星人も移住したばかりだったのかも。田中星人は居付いて長そうだったか、ロボを着て何度かコンビニで買い物したと解釈できる描写があった。

 

“ガキ……10てんTotaL10てん あと90てんでおわり”

 

「やったぁ!10って~ん!」

「亮太…」

「なぁに?おばあちゃん」

「あんなこと亮太がしなくても…」

「なにが?」

「…」

彼は山田たちと組んでデカブツを蜂の巣にしたのかな?老婦人は狙撃できたのだろうか?

小学生は100点ためれるかも。

 

“くろの……10てんTotaL35てん あと65てんでおわり”

 

「クロノさん!さすがっす」

「ハハハ…。切れ味良すぎだッてこの刀」

ミリオタに尊敬の眼差しを向けられ後ずさる玄野。

玄桜ペアにくっついていたなんて、姐御に蹴られなくて良かったな岡崎。

 

“かとうちゃ(笑)……10てんTotaL20てん あと80てんでおわり”

 

「この点数ってさぁ。なんなの?」

「自由を買うためのポイント、かな。

 100点ためると特典メニューを選択出来て、その中に解放が含まれるんだ。

 つまり100点ぶん星人を倒さない限りミッションに呼ばれ続けるってこと」

「ふーん。きびしーねー」

「そーだね」

「っていうか意味分かんねー。なんなんだ、ここ」

「うーん…こーいうものだってことしかわかんないなぁ。僕たちにも」

「そっかぁ」「ちっ…」

 

色黒が加藤へ訊いた質問に山田が答える。奴は何考えてるのか判らんが坊主頭は不服顔。

何度も呼ばれるのがダルいならボスキャラ狙えばあと1回で終わるよ☆オツカレ~。

 

“西くん……20てんTotaL30てん あと70てんでおわり”

 

数秒表示された文面が消え採点終了。

 

「終わった。外に出られるはずだ」

 

「帰れるってー」

「ひょーっ」

「あっ ちょっと待った ほら!!」

「電話番号聞け!!」

「はぁ?」

「聞けってほら!」

「すっげー あれ 本物?!」

 

はしゃぐ屑共。アイドル不在なのに何を騒いでんのかと思ったら視線の先は桜丘だった、その胸部をガン見している。

気付くの遅~っつか無礼者。姐御が凄いのはそれを含めた全身だから~、あと内面。

声掛けたいなら顔面と素行リセットして出直せ。

 

「あれ?」

コートをさぐっていたポッチャリ帽子の手が止まる。

 

「何?」

「あっれぇ~マジかよぉ~…」ゴソゴソ

「だから何だよ」

「ケータイが…」

「え」「無いの?」

「う~ん…」

 

上着をひっくり返すポッチャリを放置し私物を漁りだす屑共。全員ケータイが無いのだ。

あらあら…

 

「落としてきたんじゃねーの?居たとこに」

「だよねぇ。そーいや君たちどーやって死んだの?」

 

「は?」

「部屋に来る前、あっミッション行く前だよ、覚えてるでしょ」

「あー…」「なんだっけ?」「…事故?」

 

北条と山田の問いに3人はへどもど。犯罪者の自覚はあるようす。

 

「知り合いみたいだし、まとめて交通事故かな? だったら僕と彼も同じだよ。

 事故直前に身に着けていたものしか転送後は持ち合わせてなかった。

 ケータイはバイクと一緒に置いて来たんじゃない?」

 

奴らの場合はバンみたいな普通車だな。

 

「マジかよー」「あ~ぁ」「ちぇ~高かったのにぃ」

 

事故時に紛失した、で納得しそーな屑共…

 

「そんなわけねぇ…俺のはポケットに入ってた。外に出る前は確かにあった…盗られたんだ!  お前か?!」チャッ

 

グラサンが目つきの悪い少年へXショットガンを向ける。やだ死亡フラグ(笑)。

彼には万引き犯設定があったけどお前の私物に興味無いと思ふ。

 

「何言ってんだ…殺すぞ」ガチャッ

 

Zガンを構える少年、西。…わりかし怒っている…

 

「ん だそれっ 俺に 向けるんじゃねぇっ!!」

「…」

 

「落ち着け お前ら!」

「やめろ西ッ ここでそンなもン使うな!…そーだッ ガンツに当たるぞ!いいのかッ」

「…」「…」

「くだらねぇ、たかがケータイ紛失で殺し合いって…。お前」

「ああっ?!」

 

狭い部屋でいきり立つ2人を制止する加藤と玄野。

奥側メンバーは壁に張り付き、廊下側メンバーは部屋から退避。

和泉に指され訊き返すグラサン。

 

「周りへ咬みつく前によく考えろ、

 この限られた空間で誰にも気付かれずに窃盗なんて可能か?

 こいつらの誰かが盗ったとしたら全員の共謀か黙認を疑うべきだ。

 それを迂闊に指摘するなんてありえない。

 わかるだろ? お前たちは新参者で、この部屋の住人に法は無い」

「…」

 

ロン毛の変な脅しに目を伏せる3人。色黒はやっぱり無表情。

いや無法者は少数だよ~銃刀法は違反してるけども。

 

「証拠が無いのに他人を疑ったこと、悪いと思ってんなら誠意を見せるべきだが

 動揺して口が滑ったんだよな? 大事なデータが入っていた、とか」

「いや、そんな…」キョトキョト

 

追い打ちを掛けられ挙動不審になるグラサン。図星かしら。

人間の顔面ってあんなに蒼くなるもんなのね~。和泉が仲間思いなのも意外、西の弁護だよね?

 

「あれ?みんなで協力なんてしなくても最初に帰って来た人なら可能でしょ。

 今日はえっと…4人目からラストまで10分くらいかかってたし」

 

クウキ読め山田~っ。

 

「僕より前に居たのは…新しいコと岡崎くんと、佐藤さんは何番目だった?」

「!」「…」

「ひっ」

 

屑共に視線を向けられ後ずさる浦中、スタスタと接近する色黒。

きゃーエンガチョ~

か弱い乙女へ伸ばされた手首を押して脛を払う。

 

「?!」「ム」

「ふげっ」

ドタッ

 

色黒は着地点に居たJJの足蹴で窓を滑り顔面から床へ落ちた。結構とんだなー…

 

「富!このやろっ」

 

(おそらく)色黒を心配しJJへ掴みかかるポッチャリ帽子。

スーツ着てんだからダメージ無いっての、大袈裟ねぇ。

壁の様な筋肉へ無謀な突撃をかましたポチャは顔面に突きをもらい尻餅ひとつ、黒球部屋なので床は揺れない。

キッチンへの扉枠近くで行われたそんな攻防(?)を北条は不思議そうに見ている。

 

「わっわわっ わっ」

 

声へ視線を向けると坊主頭が迫って来た。浦中と避けたら奴はそのまま廊下へ。帰るの?

 

「人殺し~!」「覚えてろぉ」「信じらんねっ」

 

つまんない捨てゼリフを残し、坊主頭に続く3人。殿の色黒は四つん這い(笑)。

何故かガンツソードを抜いた和泉の背景、(欠伸する)センパイ以外のメンバーは顔色が悪い。

 

「服まで忘れてっちゃったよ、あの人たち~」

 

ロン毛が帰るまで山田以外は無言だった。




和泉→今回の新規メンバー:
(ミッション主催者と繋がっているかも知れない小島に行動を否定されたので)要らないメンバーであり「ポッと出の無能のくせに小島に投げられるとか癪に障る」から斬って良いよね?

今回の新規メンバー→和泉:敵
※(ゆびわ星人こと)巨人を斬り倒していた武器を狭い部屋で振り回そうとした奴の印象で、
 (Zガンこと)謎の武器を向けてきた中学生へのヘイトは消えた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。