凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

41 / 62
前回のあらすじ:
ゆびわ星人ミッションクリア。
(周りの被害を無視するなら)主要キャラ単独でクリアできそうなミッションだけど、流れ的に開催。原作チームでも過剰戦力だったし。
※ゆびわ星人と騎馬の相関関係は捏造※



ゆびわ編③

「で、何だったんだ?」

 

翌日、午後。

クイズ番組の出題傾向について愚痴っていたロン毛が話題を変える。唐突だな、おい。

 

「何の話ですか?」

「昨夜のあいつらだよ、大学生くらいの」

「…どーでもいい人達?」

「いや、そーじゃなくて…。…お前だろ、昨日の紛失騒g

「違います」

 

何でもかんでも私の仕業と考えないでよね、こちとらそんなに暇じゃねーし。

私は暗躍より貯金がスキだ。

…なんてな。

 

「本当に?」

「ケータイが消えた理由に心当たりはありますけど、私の口からはちょっと…

 どうしても知りたいなら被害者面の彼らに訊いて下さい、部屋に来るまえ何をしていたか。

 和泉くんならそれで顚末を察する筈です。でもガッカリすると思うなぁ、

 聞いて楽しい内容ではないしゲームとは無関係ですから」

 

処分するなら証拠は消して下さいねぇ。大騒ぎになってこっちへ飛び火したら迷惑。

Yガンを持ってないならやめておけ。

 

いま私たちは石垣沿いの歩道を歩いている。駅を出たのはついさっき。

目的地は篠崎邸、風邪で休んだ彼女のお見舞いだ。

帰ろうとしてたら和泉に誘われ、玄野に逃げられたので1対1。

スキップで去った茶髪は桜丘と待ち合わせかな? やっと気付いたのね姐御の素晴らしさに。

 

「…それは本当みたいだな」

 

聞き捨てならないセリフを吐いて黙る和泉。

それは私の嘘が下手ってことか?どこで判断したんだよ~、気になる。

奴の睨んだ通り屑共のケータイを没収したのは私だ。転送トップだったのでガンツ以外は知らないはず。

目的は強請りの防止と厭がらせ(笑)いつ捕まるかと怯えて暮らすがよい。

ああいう奴らは暴行画像をネタに被害者を搾取するらしい、ケータイ紛失は精神攻撃なはず。

部屋から解放される予定の浦中にとっては邪魔な経歴だし。

マンガで解放を選択した主人公は「電車にアタック」をさっぱり忘れていた(どころか居眠りの途中ぐらいにしか認識しなかったらしく学ラン着て自室で目覚めたことを全く気にしていなかった)ので、死亡原因を忘却する&クローンな彼女には不要と独断した。

あ、パソコンとかにバックアップがあったり大人しくしないなら桜丘の提案を採用するかも。

そういう面では次のミッションが待ち遠しい。

 

「?」

 

隣のロン毛が足を止め後方を振り向く。

私も確認すると結構遠くに人集りが見えた。ひとり以外は走っているような動き、マラソン大会か?

学ランではやらないか。

 

(おらっ とまれぇ!)

(ぎゃっ)ガチャンッ

 

学ランに赤いシャツを合わせている奴が乗り物ごと倒れた。その隣を走る長ひょろい男は一瞬気にしたのちスピードアップ。よく見ると後列の奴らは学ランではなく黒い上下。

追われているのは、加藤?

 

「何だ…?」

 

呟きつつ横道へ入る和泉。避けてやり過ごすつもりだろう。それで済むならラクだなぁ。

 

「あいつら人間に見えるけど違いますよ。星人です」

「は?」

「危険なクリ―チャ―です」

「…えっと……いや………マジで?」

 

私の言葉に驚く和泉。あんまり見ない表情で吃っている。

…嘘判断は勘なのか?

 

 

 

===■◇■===

 

 

 

「ヒトの血液が栄養源で弱点は太陽光、掌から銃器や刃物を出します。

 周波数を変えてもコンタクトやサングラスを着用した連中には看破されるから注意して」

 

早口で説明しながら俺を押し出す小島。

それが本当ならヴァンパイアみたいだな、しかし今は昼間だ。

 

「素早いからソードでやることを勧めます」

 

鞄を奪われ黒い柄を手渡される。勝手に漁るな!

成程、ケンカにしては黒服たちの得物がおかしい、日本刀に見える。

それだけで星人の証明にはならないが嘘を吐く理由が思いつかない。

本当なら由々しき事態だ。

 

「私も援護しますけど独りで充分ですよね? 頼りにしてますよ」スゥ…

タンッ

 

言うだけ言って風景にとける小島。周波数を変え手近な屋根へ登ったのだろう。

ここで殲滅するから手を貸せってことか。

ミッション外で狩るのは勿体ない気もするが「頼り」にされちゃ仕方ない。

 

周波数を変え路へ戻ると困惑した加藤の顔面が数mの距離にあった。

足を前後へ開き腰を捻る。

学ランを内から圧迫するスーツ。

 

俺の力を魅せてやろう。

 

 

 

=========

 

 

 

「がぁうっ!」「あがっ あ」「うおーっ?!」

 

鮮血を撒き散らし暴れる者・傷口を呆然と見る者・苦しい体勢や小さくなった身体でピクリとも動かない者、それを倒れた姿勢から無言で見回す加藤。

マンガで度々見せた和泉の大技(笑)…十字路まで引きつけくり出した横薙ぎは追跡者たちの半数以上を無力化した。

事切れた者は顔・首・胸・腹のいずれかで輪切り状態。走っていた位置で様々だ。

加藤(のスーツ)に引っ掛からなきゃもっと倒せたかも。

…電柱が折れてる~

 

「何だぁ?!おいっ」「やべぇんじゃねーの?」「やべぇっ」「何が起こった、まさか…」

「狼狽えんなっ!!周波数を変えた奴だっ コンタクトをしろ!!」

「あ、はい ぎっ」

 

刃を通常サイズに戻し敵陣へ突っ込む和泉。

新たに(ポッケからケースを取り出し装着しようとする)1体が倒れた時点で進路に割り込んだブレザー男へ狙いを変える。素肌にブレザーを羽織るオシャレさん(笑)はマンガのあいつか。

 

アホな速度で斬り合う両者。傷を負うのは周りのモブ共。刀って危ないなぁ。

ポッケを漁りながら痛がるモブを盾に距離をとる和泉。

 

「サングラスしてる奴は位置確認しろ!!」「落ち着けっ」「位置は!?位置教えろ!!」

「そっち行ったぞっ そっちだ!!」

 

なにその子供みたいな方向指示。

マンガでガンツメンバーと戦争してると言ってたわりに色々とお粗末だ、訓練が足りないよ吸血鬼。

 

「こいつも一味か」「それっきゃねーだろ」「斎藤さんと互角だとっ」

「!…あいつを逃がすなっ」

 

見えない脅威に慌てる者・観戦モードになりすっかり目的を見失った者共へ命令するドレッド。そいつを含めアフロ・茶髪ロン毛・帽子・ガン黒以外が加藤を追う。

彼は石垣を登って柵を伝い赤シャツ男を救助しに戻った様子。

背を見せて遠ざかる長身。それにサブマシンガンを向ける茶髪モブ&数体

 

…にワイヤーが巻き付いた。

 

 

 

===■◇■===

 

 

 

「なっ」「んだよこれっ」「おいっ これって」「まずいぞっ」

「わ”あ”っ」

「うっそ」「ちょ まt」ジジジジジ…

 

他にも各々喚きながら消えてゆく黒服たち。

昼間のワイヤーは見え難いのだろう、飛来するアンカーを殆どの敵は迎撃できず簡単に拘束された。張られていないワイヤー部分は刃に強いらしく斬ろうと反応した奴も失敗。

捕まった体勢がよかったのか新たに出した刃でワイヤーを斬り間一髪で転送を免れた男と、冷静に追跡を避け正確にアンカー部分を破壊した男だけが路上に残る。

ドレッド頭と手練れだ。

 

「くっそ。罠か」「…ちっ…めんどくせぇ」

 

高い位置を見回すドレッド、俺を睨む「斎藤」某。

何か勘違いしているようだが似たようなものか。

ドレッドはサングラスをしている、狙撃手を探しているということはこっちの装備が星人勢力にわれている?

 

…なら捕獲銃以外も警戒するべきだったな。

 

「ぶっ?!」

 

ひとりの頭部が破裂した。

 

「…」バサッ ガシガシ

 

無表情で上着を脱ぎ捨て、空いた左手で後頭部を掻きむしる斎藤。

倒れたドレッド頭を見るとそのドレッド部分は鼻から上ごと消えていた。

残りは一人

 

「和泉ぃ!!」

 

加藤?

…!

一秒の何分の一か、失念した星人へ振り返る。

奴は強い。

俺の動きについてくる、歯応えのある相手。

そいつに隙を見せてしまった。

 

奴は どこだ

 

 

 

=========

 

 

 

「和泉ぃ!!」

「!!」「?!」

 

大声へと振り向く和泉、動く斎藤。

ロン毛がサイドステップし迎え撃つ体勢になった頃、吸血鬼(?)は豆粒ほどになっていた。

逃げ足はっえ~っ

和泉の位置からは見えないだろう民家の上を飛ぶように遠ざかっていく。

あ、消えた。

スーツアシスト超えてない?あの脚力。

 

ガンッ

「はぁっ はぁっ お前 はぁっ なんってことを…!!どーすんだ、これっ

 ぐっ!」ズザッ

 

騒々しい路上を見るとスプラッターの中心で尻餅をつく加藤が居た。

その正面に拳を突き出すのは和泉。煩いからって暴力はいかんぞ(笑)。

 

「このっ」

「…」チャキ

 

加藤も周波数を変えたらしい。険しい目付きで睨む彼を和泉は見下ろしソードを構える。

あれ?やばい雰囲気だ。

 

「大丈夫ですかー?」

 

「あっ …え?」

「落ち着いて下さい、大丈夫ですから」

「だいじょう…ぶ…?」

「和泉くんが斬ったのは星人です、人間じゃありません。殺人事件ではありません」

 

生きてなくても転送できるから、他殺体が無ければ大丈夫、立件されない。

って加藤はそんなこと気にしてないか。

尊い人(間に見える星人の)命が目の前で奪われたことに混乱しているのだろう。

彼は人間以外の喪失にも心を痛めるタイプだが最優先は人命だ。

「人間」の定義って個人で違うらしいけど加藤の場合はどうなのか。

マンガと同じ過程で「変わった」吸血鬼なら戸籍があるはず、でも倫理観と主食(人間の食事でも生きられるが血液を摂取しないと頭痛に悩まされるらしいから栄養剤に近い?)が違う。

人間を広義で「捕食」する人間はいるけど愉しそうに解体ショー&飲血パーティーする人間はいないだろ、たぶん。

 

「どこが星人だっ どう見ても人間だ!」

「うるせぇなぁ…、よく見ろ。歯がおかしい」

「歯…」

 

ロン毛に向かって疑問を吼える加藤。面倒そうに答える和泉。

大口開けた胸像の犬歯は不自然に尖っている。

そんな小さな違いより判り易い証拠があるよ。

 

「彼らは吸血鬼みたいなもので太陽光を浴びると灰になります」

「…」「…」

「夕方の今、形を保っているのは薬の作用だそうです」

「…」「…」

「薬の効果が消えるまで試せないから今は証明できませんけど

 太陽光っぽい人工灯でも効いてましたから、

 夜遭遇した個体に当てたら砕け散りました。どういう作用なんですかねぇ」

「「遭遇? いつ?!」」

 

長身共の台詞が被る、あれ?じつは仲良し(笑)?

マンガの玄野が騎兵狩りから2つ後の招集直前に襲撃されてたよ。

今日遭遇したのは玄小和篠ダブルデート時、拉致しに来たグループだね。

東京チームのツートップを倒した奴が混ざってなくてラッキーだった。

来たら私は逃げます。

 

「…ちょっと前に」

 

帰宅途中って言えば自然かな?

「斎藤さん」グループの独断だとしてもリーダー逃がしちゃったしマンガ同様ほかの幹部が出て来なかったから2回目以降は必然&大勢が来そう、恐い。

 

「どうして…」

「ふーん、妙に詳しいと思ったら捕まえた奴が吐いた情報か。

 一味がどうとか言ってたし俺たちを敵と知ったうえで襲ってきたんだよな?

 …いつバレたんだ」

「私の場合は偶然だったみたいです。

 空を見上げたら半透明の人間が屋上を飛び跳ねていたから。あ、ハンターだ、って。

 奴らは私たちメンバーのことをハンターやゴキブリと呼んでいます」

「ゴキ…」

「はっ、害虫は向こうだろ」

 

私の出任せに気付かない(ように見える)2人。

つるっつると嘘が出てくるなぁ、わりと動揺してるのに。

本来なら40日以上前に終わってる筈のイベントが前触れ無く起きるとは、びびった。

まぁ平静に戻る時間が短いほうが都合はいい、イベント直後にイベントが来ない保証は無い。

 

「勝くんの心当たりは?」

 

最近は加藤弟を歩くん(ちゃん付けで呼んだら無視された)、加藤を勝くんと呼んでいる。

ちょっと言い難い。

 

「う~ん」「…」

「どこから追跡されたんですか?」

「駅前で待ち伏せされて… ! 車内で通話してた奴がこっち見てた。

 …あいつどっかで…どこだったか…。そうだ! あ~…あんとき気付いてりゃぁ…」

「どういうことだ」

「昨夜のミッションで部屋に帰る前…六本木で見た野次馬のひとり…だと思う。

 黒服じゃなかったけど仲間だったのか…」

「!」「もしかして写真を撮られた、とか」

「っ ああ、こっちにケータイ向けてた でも…」

 

不可知化モードを撮影可能かって疑問ならミッション翌日に追跡されたことが答えだが、フツ―のカメラじゃ無理だと思う。ステルスを看破する装備を作っちゃう彼らの技術で改造したケータイだから可能なのだろう、マンガでも幹部吸血鬼が撮影した画像で捜されていたのにすっかりと忘れていたよ。マトが和泉だったから?

吸血鬼の(たぶん)リーダー以外、人ごみに溶け込んでいるモブっつーか諜報員?にまで周波数の違う物体を撮影できるツールが行き渡っているとはねぇ。いやそういう役割にこそ必要か。

とにかくミッション中に周波数変えたメンバーが無頓着に街中歩いても監視カメラにひっかかったことは(妙な爆死が無かったことから多分)無い。

…2人は気にしてなさそ―ね。

 

「星人っていうくらいだ、視えないものを撮影する技術があるんだろ。

 サングラスやコンタクトでステルスを見破るらしいぞ」

「マジかよ」

「ああ、こいつに聞いた。でもラッキーだったなぁ」

「…は? どこが」

「殆ど雑魚だったが手練れが混ざってた。俺たちが通りかからなきゃ死んでたぜ、お前」

「…感謝しろとでも言う気か」

「べつにぃ」ニヤニヤ

 

何だか棘がある会話。

星人はメンバー共通の敵だしミッション外で点数つかないんだから誰が倒してもいいじゃん。

和泉は強敵と闘えて、加藤は危険生物に自宅を知られなくて幸運…

 

「あの人、大丈夫でした? 勝くんと一緒に逃げていた赤い服の」

「ん? あぁ気絶してるだけだったから向こうの角に置いてある。気付けば勝手に帰るだろ」

「知り合いじゃないのか?」

「学校のセンパイ。なんかしつこいんだ。付き纏われてたとこを囲まれて…ああなった」

 

♪タッタタータタタ・タター タッタタータタタ 

ピッ

 

ケータイを確認し情けない顔になる加藤。時間切れらしい。バイト大変だね苦学生。

片付けなら私がやるから早く行け、(第3ボタンあたりが裂けて返り血と埃まみれの学ランを)着替える時間も要る。ロン毛と睨めっこしたって一銭にもならん。

こんなこともあろうかと大判のポリ袋含む掃除セットは常備してるけど、フツ―サイズの箒とか落ちてないか。携帯用チリ取りと箒じゃ時間かなり掛かりそう。Xショットガン使うんじゃなかった(マンガの一回目の襲撃で和泉が散らかした分は誰が片付けたんだろう?)。

片付けきれない体液や爪とか髪が「肌を(日光に)強くする」薬の効果が消えて灰化する前に警察や何かに調べられても問題は無いと思う。吸血鬼由来だから謎生物の欠片、或いは造りもの判定されそう(玄野弟の友人たちは下っ端吸血鬼が片付けたのかな?)。

 

私が清掃中、和泉にメンバーの生存確認を頼んだら西しか応答しなかったらしい(笑)。

乱闘から清掃終了まで野次馬がひとりも来なかったのはちょっと不気味だったけど、そんなもんなのかな?君子危うきに近寄らず。

(冷静に考えたら迷惑にしかならないと気付いた篠崎邸アポ無し訪問は中止とし)夜、玄野部屋に集合し吸血鬼話で盛り上がった。近藤たちと祖母孫、外国人と社会人以外が集まりおもしろい光景に。

5分おきにメール出来るなら参加できたんじゃね?山田。

 

翌、登校直前に小島部屋で行った灰化実験は成功。

瓶詰&二重袋で灰は漏れなかったはず……吸血鬼はどうやって感染るんだろう?




ゆびわ(星人ミッションの野次馬に擬態していた吸血鬼が報告した結果)編。

動画撮って袋瓶詰め灰は彼方へ送った。

GANTZのスピンオフなら吸血鬼漫画を読みたい。
武闘派と慎重派(セミナー催したり皮膚強化薬つくる係?)の実態とか。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。