凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前編のあらすじ:
ゆびわ星人ミッションクリア(マンガと同じ新規メンバー)。
一度目の(吸血鬼っぽい星人による)襲撃、撃退。幹部?斎藤は逃亡(生存)。



野宿編①

5月5日日曜、夜。

小島宅リビングで映画鑑賞中。

隣でポップコーン(シナモン味)をモグモグしているのは小島母。

夕食後に間食すんなダイエッター。私は食べないってば、だから多くないか訊いたのに。

就寝直前に歯磨きメンドい。映画脳のまま眠りたい。

 

広い地下研究所、通路と部屋を隔てる透明な壁越しに見える影。

完全に密閉された部屋の天井付近まで水分が満たしているのだろう濁った空間に佇むかの如く浮かぶのは白衣の女性。力を失った筈の瞼がパチリと開く…

 

朝食後に記念碑的(?)ゾンビ映画(のリメイク1号)、昼食後はコメディ風ゾンビ映画。

夕食後(歯磨きほか外見整備含む)入浴と翌日の準備を終え現在観ているのはゲーム風ゾンビ映画。

数日前から疲れるとわかっていたので今日はのんびり過ごすと決めていた。

 

連休まえ遊びに誘われたのだ、クラスメイトに。

 

小島に話し掛けてるとは思わなくて何度も無視したのに誘ってくれた女子はにこやかだった。

男女6人で夢の国観光ですか~ほほう…

女性陣は鈴木(リア充企画幹事。メガネ級長)・篠崎・小島。

野郎は杉原(同じクラス。話したことない)・上田(杉原と同じ)・和泉。

…うん、やめとくわ。

しかし篠崎にスケジュール(ノ―プラン)がバレていたので「GWはおばあちゃんちに行くのん」作戦を使えず、小島母を急病と偽ろうかちょっと真剣に悩んだ。

なんで合コン的企画に成立済みカップルが参加すんの?クラスの置き物に話が来たのは苦肉の策かしら。出遅れた皺寄せを持ってくるんじゃない(笑)誰が目当てか言ってみろ。

埃っぽくて狭いわりにぼったくりなのはテーマパークの宿命だから置いとくとして態々人混み見に行く趣味ねーし。しかも危険人物まで付いてくるって……何の罰?

 

結局、野口さん数枚をドブに捨ててきた。

喧しい場所で長時間待たされた&着グルミやコスプレイヤーより一般客との記念撮影を望む不思議な人のが多かったって感想しかない(篠崎含む序盤で逸れた4人は怒ってなかった)。

お土産を見て加藤弟が羨ましがっていた(口を窄めた顔が可愛かった)から「あんまり期待すると奈落へ突きおとされるよ」と言っておいた、冗句ではない。

落下を選ぶのは個人の自由だけど~

 

 

ゾクゾクッ

 

世のなか選択できないことも多いよね。

映画の山場を残し私は転送された。

 

 

 

… … …

 

 

 

ちょっとガンツ~前回のミッションから未だ一週間も経ってないよ、どーなってんの?

(マンガと同じなら)地球上の何処でも転送可能だろ、他のチームに回せよ。私知ってるんだからね、ガンツ(?)チームはたくさんあるって。この世界はマンガと違い日本の東京都にしか星人が移住せず加藤がリーダーを務めるチームしか存在しないなら仕方ないが、そんなわけない。

 

頭痛と偽ってゾンビ鑑賞を中止し小島部屋でスライス始まったので小島宅に戻るとき面倒なんだけど(怒)玄関使えないから。足場になるベランダが無いので窓から入り難い、壁とか傷付けそーだから極力避けたかったのに。小島母に部屋の中見られてたら無断外出の言い訳も要る。

そろそろネタが無い。

 

そーいや「東京チーム」って複数なのかな?

東京ひとつに23チームあるとは思わないけど人口多いぶん他都道府県より星人多そう。

なのに加藤チームを指名ということは数日前に遭遇した吸血鬼連が張り切っちゃって人手不足とか?あの時は確認出来なかったがマンガではガンツスーツの壊し方まで研究済みだったので数人は略取されてそう。そこから所在がバレ全滅か、こわ~い。転出したい。

 

騎兵狩り翌日の襲撃後、念のため加藤弟を小島宅に匿い(小島母が大喜びだった)加藤宅玄関に張り紙したが何も掛からなかったよ、残念。

“ゴキブリへ 明朝4時、光□丘公園にて待つ 清掃員より”

って解り難かったかな?

狙いが見え透きすぎで警戒された可能性もあるけど、あのリーダーが人間相手に芋引くことはあるまい。吸血鬼は張り紙を見ていない=加藤宅を特定されていないと判断。避難(小島母が乗り気だったからそのまま面倒見ようとしたら加藤に固辞されたので玄野の下宿が狭くなった)は3日で解除した。

もっとも利用路線が知られているので住所バレは時間の問題だろう。どうしたもんか…

ああ、加藤は変装も嫌だって。我儘言うな(笑)べつに特殊メイクまで求めてないよ?髪型変えて眼鏡かけるとかさぁ。(襲撃に対し)常に警戒することと比べたら簡単だろうに、何が不満だ

 

「佐藤さん」

 

オールバック至上主義者(笑)が話しかけてきた。

そーいや小島宅でもこの呼び方だったなぁ、なのに小島母はスル―だった、謎だ。

 

「今日のターゲット、もしかしt

「うっわ マジかよ~!!」

 

加藤の言葉を遮るように大声が響く。

 

最後に現れたのは男4人。恒例の新規さん、ではなく仲良し屑共だ。

「マジかよ」発言は元ポッチャリ帽子、今日は只のポチャ。どーでもいいな。

未だムショ暮らしではないらしい、4人とも私服姿。

いつまで娑婆に居る気だよ犯罪グループ~警察は何やってんだ。

マンガでも捕まってなかったから疑われても揉消すコネがあるのかな?それとも訴える被害者が0なのか?敵を数年ブチ込むのと引き換えに風評被害を受けるくらいなら完全犯罪を画策する、って考えなら納得ではある。

 

屑共は和泉からいちばん遠いキッチン前を陣取りヒソヒソしている、きも~い。

北条とサダコは廊下前へ移動。2人の後ろへ隠れる浦中。

 

 

“てめえ達は今から この方をヤッつけに行って下ちい 

 

 野宿星人(収まりの悪い頭髪で隈の濃い草臥れたおっさん)

 特徴      くろい しなない

 気にしてること 無宿 無職

 特技      のっとり なかマをふやす”

 

 

「え…?コレッて」

 

「何だよこれ人間じゃんデブの」

「殺すの?デブを?」

「なんだこの汚いデブ」

「…これも宇宙人?」

「まじかよ、どうみても只のデブじゃん」

 

玄野が呟き、“野宿星人”の首が2重顎に埋もれているからか屑共は偏った感想を言い合う。

 

「くろい…」

 

襲撃してきた連中を思い出しているのだろう顔を顰める加藤。

 

「野宿ってもしかしてホームレス?」

「仲間を増やすって…ははは」

「あいつら星人だったのかよ~上野か、山谷か?」

「なんだよ、前のでかいのに比べたら楽勝じゃねぇ?これ」

「銃で撃っちゃえばいいんでしょ。俺にまかせてよー。やっちゃうよ俺~」

 

エリアを予想する坊主頭、エア鉄砲で狙うポッチャリ。

 

「人間…みたいな星人?」

「どうみてもそこらのおっさんだ」

「これって…加藤くんが遭ったっていう…」

「あァ、ヴァンパイア」

 

苫篠たちも似たような感想、山田の呟きに玄野が答える。

 

「スーツの弱点まで知ッてるらしーぞアイツら、気ィつけろ」ガチャガチャ

「じゃくてん~?攻撃喰らいすぎると壊れるってフツ―じゃね~?」ガチャ パチン

「それがあるんだよ。ピンポイントなやつが」

「このボタン4箇所を同時に割ると機能停止するンだ」

 

両腿のホルスターにガンツソードとYガンをセットしてから自らの顎下と耳横を指す玄野。

ボタンを指先(の爪?)で割る方法でガンツスーツを壊されたキャラは鈴木(マンガのかっぺ狩りから海外遠征まで参加)と和泉だったか、マンガでは背後から顎を抱えるようにして割られていたけど一ヶ所づつ割ることも可能かな?例えば拳打でHit & Away。吸血鬼は「スーツとタメ張る怪力」だからか刀と銃(拳銃やサブマシンガン)を手から生成できるのに素手攻撃を選ぶ個体も居た。

たぶん一ヶ所ずつ狙われると本来の防御力が弾くんだろうが……弱点丸出しはどうかと思う。

 

「まじで?!」

「試したのか?」

「ンなワケねーだろ、スーツ無しは前で懲りたッつの」

「ヴァンパイア情報だ。メンバーを…捕まえて調べたらしい」

「僕たちのこと知ってて正体を見つける程たくさん居るってことは一度や二度のミッションで狩り尽くせない勢力ってことだよね…」

「かもな…」

「ってことは高得点狙えちゃう?100点越え目指そーぜ」

「…」

「んだよ~ノリ悪ぅ」

「楽観的だなぁ、中身まで一般人並みだなんて言ってないよ?」

「逃げても引き離せなかったしワイヤーに反応してた。

 メンバーとやり合うようなもんだぞ。それだけなら未だしも正面対決じゃ多勢に無勢だ。

 和泉も苦戦してたし…」

「加藤ッ」

 

玄野に遮られロン毛を見る加藤、ちょっとむくれてる。

斎藤を倒しきれなかったことを指摘し室内乱闘に成りかけたことを思い出したのだろう。

奥の壁に凭れる奴はソードを眺め薄笑い。加藤たちの会話に興味が無い様子。

 

「…」「…」「…」

「…アイツは放ッとけ」

 

 

 

===□○◇===

 

 

 

先ず視界に入ったのは黒いマーク。

王冠?の下に矢印がついたような…

内側へ歪曲し向かい合う柱の間に掲げられ俺たちを見おろしている。背景は碧。

今回もどこかのイベント会場だろうか?

真っ青な半円型のステージ、じゃなくプール?へ向かい緩く下ってゆく観客席の丁度中間辺りに転送されたようで扇状に並んだ席は見えるだけで百以上。柱横のでかい板はモニターか?

どこからか浮かれたBGMが流れている。

 

「ぅお…」

 

振り返って2度驚く。

会場の規模は百席ではなく五百以上だった。3層構造でそれぞれ両端にゲートがあり階段で繋がっている。その先にテント付きの回転木馬、音源の一部はあれか。

会場へ落ちる日差しを遮るのはそれ自体にもいくつかの施設が詰まっていそうな厚みがある純白の屋根。支えるのは回転木馬が陣取る広い通りを境に対面する2棟の7階建てで、手前のでこぼこした壁には何故か軽装の人間が複数張り付いている。…クライミング?

芥子粒のような飛行機が空に軌跡を描いてゆく…

 

「…船?」

 

誰かの呟き。

ふね?船なのかこれ。どっかの水族館じゃなく?

言われてみれば空気が生臭い。

 

…いや、生ゴミ臭い?

っつか◇ンコくさi

 

「ほえ~…ゴーカ客船ってやつかぁ」

「日本にこんなんあんの?」

「いや外国だろここ。カリブ海かどっか…」

 

近藤の独り言に空を仰ぎつつ答える北条。国内ですらないらしい、なるほど…

 

「そーだね、昼間になってるし」

「なんで外国…」

「一匹近くに居るっぽいけd

 

「きゃああぁぁぁーっ!!」

 

報告を遮る悲鳴。

クライマーから視線を移す岡崎。注目するメンバー達。

 

ドンッ

…バタバタバタ…

ゴッ

 

重いモノが倒れ床材を叩くような音。視界の隅に何かが落下、座席の間を転がりおちる。

叫んだのは前回から加わった女性か。

風とJJが壁になって見えねぇ…

 

?!

 

2人の向こうで会場が消え、世界が黒に染まった。

 

 

 

===■◇■===

 

 

 

スタート地点を暢気に見回す凡夫共。

そこに加わる異物に気付いたのは俺が最初だ。けれど先手を打ったのは女。

けたたましい声。

耳障りに思ったのか、後ずさる音源へ顔を向けるソレ。

2歩目を踏む前に黒刃がうなじとあごを抜ける。

 

軽い。

勢い余って少々姿勢を崩す程に。

宙を舞う頭から帽子が外れ長めの髪が露わになる。

何日も放置したような白髪交じりの癖毛と体型しか資料と一致していないが問題無い。

ミッション中のメンバーを視認するのは同類以外ならターゲットのみ。

 

加え決定的な証明もある。

 

仰向けの姿勢で出鱈目に床を叩く四肢から最初の勢いがなくなり漸く事態を理解したのか俺に向けられる視線複数。それらはすぐターゲットへ戻る。奴らも気付いたらしい。アクアシアターの観客席に転がる首無し星人の周りにあるべきもの、その不足に。

答えは血液。脳と心臓をつなぐパイプが全開したにも関わらず一滴も流れていない。座席や通路を伝い落ち塗装するはずの液体は皆無。青白く発光していない断面が何色か、なんて興味無かったが想像より黒ずんで見える。燻製肉よりも硬質な印象だ。血液が無いのに人体構造を模倣する意味は? どうせ真似るなら猛獣のほうが愉しめた。…動物じゃ多寡が知れてるか。

 

図らずも奴は指令の個体らしい、船に潜り込むための変装か空色の作業服が肌蹴、色褪せたジャケットが見える。こんな酷い匂いが紛れ込める船には乗りたくないな。

…匂い?

疑問が形を成す前に死骸の脈孔から黒いナニカが噴き出した。




ガンツスーツの弱点は捕虜吸血鬼(嘘)から抜いた情報と偽ってオリ主がバラした。

記念碑(?)らしいゾンビ映画は未鑑賞。コメディはオチがコメディだと思った。

乗員乗客数千人規模のクルーズ客船を舞台にしたパニック映画を観てみたい。ゾンビ出なくても可。
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