凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前回のあらすじ:
ターゲットらしき暴徒たちにワイヤーをかけるオリ主。
ワイヤーを発射したYガン、を持つオリ主と同じ周波数に変わる暴徒たち。
淑女「人間が消えた。怪奇現象?」
紳士(視えないが存在している、それは確実だ。しかし暴くべきか…無視するべきか…)


野宿編③

マンガでいう次あたりのミッションもターゲットだけ一般人から隠されていなかったが誰もYガンを使用しなかったのでどのタイミングで消えるか不明だったのだが、

転送姿を晒すよりマシってこと?

気掛りは情報漏洩の罰則。一度なら目こぼしするって意味ならもう此処ではYガンを使えない。大丈夫な可能性が高いけど最初に試したくない。未だ残っているフリーなターゲットどうしよう。

マンガの田中星人はコンビニ店員から買い物していた。普段の星人は「周波数を変える」ことなんて出来ず、ミッションに邪魔が入らないようガンツが変えているのなら今回やらない理由は?

マンガのガンツメンバー達は一般周波数のターゲットでも通行人の眼前でばんばん(ぶつ切り含む)ミンチにしていた。自身と似た形の生物がSFチックに消えるより突然破裂するほうがショッキングだと思うけどなぁ。あのミッションではターゲットが擬態をやめてから破壊してたっけ。

 

カチッ

ジジジ ジジジ…

 

奥まった建物内でも複数転送可能っと。なんで前回は出来なかったんだ?大きかったから?

拘束した十数体のスライスが大腿にさしかかると加藤が物陰から出てきた。後ろに玄野たちも続く。

 

「佐藤さんっ」

 

キョロキョロしながらシャンデリアの真下まで走って来る。

 

「佐藤さんっ!」

「おい加t

「佐藤さんっ!!」

 

やかましい。

親友を無視し喚いていた彼は横から声を掛けるとぶつかりそうになった(笑)落ち付け。

何だよ?リーダー。ヒトっぽい生き物を彼方に送ったことへの苦情なら受け付けないぞ。

問答は採点後で頼む。クリアしてみなきゃ“野宿星人”狩りの難易度は判らないのだサクサク進めたい。一般人が襲われる状況だとしてもミッション中の最優先事項はターゲットの処理だ。メンバーが早く片付けるほど被害者が減ると考えてくれ。解ってると思うが露骨な救助活動は禁止な。

暇なら一般人をレストランから遠ざける方法考えてよ。警備員は不審者の排除が仕事だから仕方ないとしても客や船員は何故野次馬を続けるのか。サプライズイベントだとか思っている感じでもない。脅威が減ってちょっと落ち着いたのかほぼ全員が力いっぱい声を出し始めたので幼児の鳴き声くらいしか判別できん。

ターゲットを移動させるほうが現実的か?

転送済みを差し引いても数が減っている。出口方面に気を取られていた間に逃げられたっぽい。弱くて鈍い分逃げる決断は早いらしい。残ったターゲットは気絶(?)や起き上がれない程度の手負いがほとんど(…そこまでヤッたならとどめ刺してよ)。

担いだり或いは一部を持って引き摺ったとしても一般人の視界から不自然に消えるのはワイヤー巻いた場合と同じはず。あ、蹴って動かせばいいか?掴んで対象が消え始める前に投げるほうが手加減は簡単かな? 消えるよりは動けない筈の人体が飛び交うほうが有り得そう? 

そういう現象あったよね有名なヤツ。勝手に飛ぶのも壊れるのも爆ぜるのも斬れるのも消えるのも全部ポルターガイストと思ってくれないかな~。すべては未知の法則…悪霊の仕業です…

 

【――班は散歩道階へ向かえ。ああ、此処と同じ状況らしい。

 発砲を許可する。なるべく殺すな。残りを鎮圧したら我々も合流する。

 キャンプス嬢は暴動発生個所を告知。封鎖した区画もな。客室待機推奨。

 次にδ班!…? 応答しろδ班! ダニエル! おいっ聞いているのか?!

 は? 何だっt

 

パラララララ…

 

とりあえず異常体験は無かったことにしたらしい、

無線へがなりたてる警備隊長(仮)の台詞に被せ馴染みのない音が鳴り響く。かなりうるさい。

此処ではなく上階

あ。

天井を向くと複数の銃口が鈍く光った。

 

パラララララララララララララララララララララ…

ガガガガ ビシッビシッ ピュンッ バババババ ガシャンッ ガガガガガ ガガガガガガ

【あ”あ”あ”あ”あ”】【あっ】【ぃいああぁぁっやああぁぁあああ】【ぎゃっ】

 

パンッ

 

突如始まった斉射は一発の銃声で終わった。

思いのほか長かったな。何発撃てるんだろ?マシンガンって。

ギャラリーは未だ騒がしい。なんで逃げないの?

私が潜むのは柱の陰、狙撃手共の足元(から床?を二枚以上隔てた)あたり。

シャンデリアの真下を含む天井の高い空間を挟んだ向かいのでかい壺で身を隠すのは、

加藤か。

近くのテーブル下で伏せてやり過ごせたっぽい淑女&紳士と警備員たちへ視線を向けた彼は安堵の表情。顔を出すと危ないぞ、Xガンで確認しろ。たぶん狙いは私たちだ。

天井へ銃口を向けスキャンしてみる。真上に骨格無し。その上は4体。

柵のすぐ近くに倒れている。

 

「どこだ、加藤!」「リーダー!」

「計ちゃんっ 佐藤さんは?」

「や、俺が知るか。つか喰らッたなら出てくンじゃね?消えてンなら…

「佐藤さんっ!!」

 

吹き抜けの場所を駆けて来た2人に加藤が答える。というか聞いてる。

 

「…?」キョロキョロ

「撃った奴らはもう居ないみたい」

「それか…いや、どッちでも同じだな。…これからどーする?解散でいーか?

 ここに居ても、もーやるコト無ェし」

「え?」

「これ見て。これが此処よね?」

「なるほど。…まだたくさん居るな」

「ああ…」

「じゃあ計ちゃんは…」

「うん、で…」

 

怖々と頭上を伺う加藤に寄りコントローラーを示す桜丘。

3人の元へ集まっていくJJ・山田・亮太・老婦人・風・岡崎そして浦中。

 

スタート地点で虫が逃げたとき分かれた群れのうち特に大きな3つが其々ひとつ上の観客席奥・スタート地点の右ゲート・左ゲートに吸い込まれた。

上階へ直行した和泉以外のメンバーは玄野を先頭に右ゲートから船内へ侵入したと思う。

屑共と犬も途上のアベック(?)に引っ掛かった後は知らないけど、ここに居ない近藤たちと北条たちは左ゲートへ行ったのかな?

 

やっぱメンバーの位置情報も欲しいな~と思いながらマップを弄っていたら側面図が出た。

桜丘が加藤へ見せていたのはこれか?

なるほど、レストランは3層ともに残敵0だ。

 

指定すれば部屋ごとの側面図も出るじゃん。

前回のミッションまでは水平断面図こと平面図しか出なかったから新機能だ。

(この次くらいのミッションは駅ビル内も狩りエリアに含まれていたけど)マンガでは積層構造な建物内のみでミッションってシチュ無かったからかな、マップは一種類だった。

なので「その階へ行かないと確認できないのか?進捗状況、不便だなぁ」と思っていた。嬉しい変化だ。装備の適切化としてこれ以降も同じなら尚宜しい。うまく使えば私でも無双できよう。生き残るつもりなら星人の意識外から攻撃するべし、って最強のヒトも言ってた。

それにしても、星人の位置をリアルタイムで正確に教えてくれるマップとかチートだな。

そして不思議だ。これほど把握しているなら直接送ったり爆撃できそう、ヒトにヤらせる必要無くね? 

やっぱり観覧されてそーだなクリ―チャ―狩り。マンガの最終章ではそれっぽい描写があった(あの寛いだ雰囲気でライブ映像を観られているのならミッションは毎回予定通りに催されていることになるけど)。目的が黒球メーカーの製品テストや出資者へのお披露目だけなら非効率な作戦を何年も続けないだろう。“MEMORY”できるならメンバーを維持する必要も無い、要る時に複製し消せばいい。軍人ではなく一般人をランダムにメンバー化する意味も不明。

マジで賭博対象だとして何を予想するのか。勝敗と生き残りの数とか?

終了時間まで含むと難易度高そう。メンバーとターゲットの位置で対戦結果を予想し一回のミッションで数回賭けるのかも知れない。

 

増えたマップ機能で確認した状況は…

あんまり良くない。

食人鬼を初視認時チェックしたマップと比べターゲットが減ってない。もう15分も持ち時間を消費したのに。いや平面図の印象と変化無しなら減ってはいるのか?だとしても他チームが来てるわりに加藤チームのスタート地点から最も遠い船首側の空白が少ない、ように見える。食人鬼タイプ以外の強敵に苦戦中か? ターゲットマークが点滅してるからメンバーの誰かは居るっぽい。でも今のところ“野宿星人”は一般人に負けるようなスペックだから警備員や客の奮闘もありえる。地元チームは強敵またはサービスミッション後でメンバーが極端に少ないとか?

銃撃が星人の仕業だとして重火器を恃むターゲットは初めてだしエリアが広いのも地味に面倒だけど、今までと比べて難易度高いのかな?このミッション。外国チームを呼ぶほどに?

…。

ひょっとして来てない? 遠征ミッションなのに地元チームがひとつも呼ばれてないのかも。

昼間はメンバーを招集できないから夜時間の東京チーム呼んだとか?

日本で昼時間にクリ―チャ―が暴れた場合も外国チームが狩ってたりして。持ち主も立ち寄らない私有地みたいなところがエリアになってて破壊痕が一般人にバレてないとか、

ありえないこともない。星人全部が夜行性なほうが不自然だろう。狭い日本ですらヒトの立ち入らない場所などごまんとある。

ターゲットは同じ階の船首・ひとつ上階の中央・塔のある屋上以下5層に多い。3つ目の範囲には大きさの揃った空間が並んでいる、さっき船内放送していた避難先…客室区画か。

下層へいくほど少なく、加藤たちの居る此処レストラン1階より下の従業員以外立入禁止区画こと船倉は皆無。星人側もエンジンルームを刺激したくないのかな?

あれ?

船倉に動力は銀河共通?

 

…ブブブブブ…

 

ん?

 

…プィ~ゥ…ブブブブブ ブブブ ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ

 

えー…

これって……

予想と同時に跪くと強めな風が頭上を過ぎた。

照明を浴び輝く色彩はアカガネ、右手からコーラルピンク、上階からは黄土色。

そんな3色の煙が宙でうねり 混じる。それはマーブリング靄っつか雲のよう。

有機的に変化する模様はシュールな美しさだが圧倒的に青みが足りない、

とか思ってる場合じゃない発する音からしてあれは、

 

「ぅわぁ~…」「またかよッ」ガチャッ

「計ちゃんっ時間が惜しい!アレはほっとこう。さっきと同じだ!たぶん」

「そーだなッ」

「いや、出入り口向こう側じゃん。入っても平気なの?あれ」

「え~やだぁ~」

 

「ちッ」ダッ

 

マーブル雲に突貫する玄野、と桜丘。とり残される加藤たち。

雲は紳士たちがしゃがんでいたちょっと手前から出入り口側を覆っている様子。

端が視えないから扉ぎりぎりまでの奥行きなら横幅はそれ以上、っていうかフロアを横断する規模かも、玄野たちが侵入しても動かない。見通し利かないからって一般人を撥ねるなよ~とか言う間も無く2人は戻って来た。

スタート地点のヤツより派手だが均しく羽虫の群れとのこと。衝突音や悲鳴が聞こえなかったのは回避できたからか、羽音に負けたのか。小虫でもあれほど集うと喧しい。

 

再び玄野が雲へ潜り、それに倣うメンバー達。障害物の対処は銃器のモニターを参考にするらしい。

スムーズにレストランを出たのだろう二度目は誰も戻って来ない。

見た目は悪いが即効性の罠は無い様子。だとしても皆さんチャレンジャーね、と呆れつつ私は雲をジャンプで越えた。

 

クリ―チャ―由来とみられる虫に触りたくないってのもあるが狙撃星人(?)共の居た階に興味があって。

件のバルコニー付近にはスキャンした姿勢で人間が倒れていた。

手や床に銃器。見たカンジ他殺3体・自決1体。ざっと観察後、蟲雲が切れた場所へ着地。

思ったより奥行きは無かったが様子を確認したい個体は雲の中。どうしようかな。スキャンだと体表の様子がわからない。

ガンツメンバーが居なくなったのに蟲雲が散らないのは通せんぼが目的じゃないから?

スタート地点の蟲雲が加藤の攻撃性(?)に反応して散ったのだとしたらXガン乱射で退くのかな?ガン類を使ってもすぐに逃げなかったのは弾が出ないところが武器と認識されなかったのか、使役主の命令待ちだったとか?

それは穿ち過ぎだとしても、テーブルクロスとかで叩くほうが嫌がられそうではある。

 

にしても大きいなぁマーブル蟲雲。遠回りしても触れずに通れなかったかも

 

【伝染病かしら】

【衛生用品の効果に期待、だな】

【…】

 

お喋りしながらマーブル壁から浮き出るように登場するカジュアル紳士たち。

視えないって幸せだ。向かう先はエレベーター。

「伝染病」ってあれか?狂犬病的な?

細身淑女はマスクと手袋を着用している。

“星人”がヒトの病状とは考えたくないな。どうしても戻らないなら変異か…進化か…

 

【君は部屋へ戻っていいぞ。依頼どころじゃなさそうだ】

【…私も付き合うわ。っ?!】

【どうした?】

【今、何かが…】

【…】

 

不意に背中を気にした淑女を一瞥し、周りを睨む紳士。

 

あぶない危ない…

 

さすがに触れたら気付くよね。

進路から避けた私の真横を通る淑女の服に付いていたモノをついつい払ってしまったのだ。

白いカーディガンに模様をつくる

ちいさな虫(十数匹)を。

 

その色は脚から羽から全身ピンク。

捕まえた一匹の形状はチョウバエっぽい…ちょっと潰れたからビミョー…小さい蛾かも?

 

紳士たちを見送らず私もポイントへ向かった。

 

 

 

 

==○◇■○◇==

 

 

 

 

「虫いないね~」

 

ああ。

 

「星人もいないね~」

 

…。

 

「北条くんはぁ」

 

 

「いくつだっけぇ高2だから16?あと二年弱しか学ラン姿観れないなんて悲し~。 

 知ってる?カジノって年齢制限あるの。べガスとマカオとシンガポールは21歳でね、

 居るんだってぇ20歳以上なら入場出来ると思い込んでる日本人の門前払い。ふふっ

 恥ずかしいよね~。同じ国内でも店によって違ったり外国人観光客は18でOKなのに

 国民は21歳ってところもあるらしいよ~。依存性高そーには見えないけど」 

 

まぁ思ったより退屈そうではあるよな、カジノって。ゲーム機がスロットしかねーし。

虫を見失ったフロアは気取った雰囲気の娯楽施設だった。折角の海上なのに窓が無い。

臙脂色のフロアにカジノグリーンの天板が並ぶ本物の賭博場。客が飲んでるのはアルコールか?昼間だからソフトドリンク?

アクアシアターに居たような浮浪者っぽい奴は見当たらない。緩い服装の奴もこざっぱりとしている。ターゲット反応は、あれ?通り過ぎてた?いや一層下の部屋か。

賭け事の依存性って学生の俺には飲酒喫煙中毒よりもピンと来ないけど、

 

金が減ったり増えたりすんのが楽しーんじゃねーの?パチンコとか競馬みたいに。

 

「パチは過程も楽しいよ~、元ネタ知らなくても演出コンプしたくなる」

 

ふーん…ん?それって体験談?

 

「ネットで見たんだよ~。うるさいのきら~い」

 

あぁそう…

 

「おっ? …?誰と喋ってたんだ?」

 

メインゲートへ戻る途中カドから苫篠が現れた。不思議そうな顔でキョロつくもっさり頭。

その背景に近藤も見える。

 

「向こうは居なかったぜ~」

「そーそ、警戒して損しちまった~」

 

左手の親指で背後を指す近藤。苫篠は右肩を回し相槌を打つ。

損ってこた無いだろ未だミッション中だし。見回りごくろーさん。

…。

やばいぞ、雑談してて一般人の観察してないとか言い難い。




(傾いた卓や凹んだテーブルクロス・観葉植物の葉などが元に戻った)小さな変化で、視えなくなった暴徒に何かが起きたことを紳士は悟ったが黙秘を選択した。

今回のミッションはオニ星人ミッションと同様にガンツメンバーがミッション用周波数、ターゲットが一般人と同じ周波数。
すなわち加藤が振り付きでキャラソンを熱唱しても一般人には視えないし聞こえない。

積層構造のせいでいつもより探索範囲が広いため新機能が追加された(マップ)。

淑女と紳士はレストランの2層上から落下した要救助者に銃弾が当たらないよう努めたが、
呼吸と心肺が回復せず奇妙な症状が現れたので後を警備担当者に任せ仕事に戻った。

※北条たちのカジノ観は捏造※
苫篠→サダコ:喋らない生き物。
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