凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

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前回のあらすじ:
火オニの置き土産に対処する前に加藤は黒球部屋へ転送された。



オニ編⑥

 

===◇○○===

 

 

 

「うッ」

 

何なンだよ…今回のボスは…。

俺の意識は暫くとンでいたのだろう、ビルの壁面に光るドーム(?)ができたトコまでは覚えている。

路上の隅で気付き聖ちゃんの被害を確かめた後みえた光景に言葉が出ない。

俺たちの上に細かい瓦礫が積もッていたのはこのためか。

さッきまで火の海だッた階段一帯が消失していた。

…いや橋梁と周辺のビルを巻き込むクレーターは直径100m以上ありそう。

 

よく無事だッたなァ俺たち。スーツは壊れたけど。

転送が始まらないので聖ちゃんを負ぶう。駅方面へ暫く歩くと轟音が響き土埃に追い越された。

バランスの悪くなッていた高層ビルが倒壊したのだろう。

 

…コレで終わり、だよな?

(たぶんメンバーの誰かに)狙撃されて自爆した奴と闘う前に結構時間はギリギリだッた。

気絶してた時間引かなくてもミッションは終わッているはず。スーツ同様故障したレーダーの画面は真ッ黒で確認できない。

くッそ、何でもいいから早く転送してくれッ!

エリア内の病院を探すべきか…

 

「クロノ…」

 

進行方向右隅で立ち上がる人影。北条か。汗でてかる表情は苦しそう。横からしがみ付くサダコは介添えらしい。

 

「オニ星人は…」

「たぶん倒したと思う。全部」

「たぶん?」

「レーダーやッちまッて。北条のは」

「俺のも同じだ。サダコのレーダーも暫く前に映らなくなった」

「…」

 

スーツが壊れていないサダコのレーダーまで使えなくなッているなら爆発が原因の故障とは違うのか?いつものミッションとは違う展開?次のミッションが始まッている?

アイツの言い分が正しいなら延長戦は有り得る、無事だろうか…加藤。

今、戦力になるメンバーッて何人残ッてンだ?

武器はサダコのXガン一丁のみ…

 

「あ」

 

北条の辛気臭い顔を睨ンでいると高い声が聞こえた。

聖ちゃんではない、が待ッていた状況に苛立ちが収まり嬉しさがこみ上げる。

あぁダメだ…温かいモノでぼやける視界を手の甲で拭う。

いつもはグロく見える転送が美しいと思える。彼女の青く光る断面を見守ッていると

 

…ゥゥゥゥゥン

ドガァアンッッ

 

上空を飛んでいたヘリが右手の建物に墜落した。

 

 

 

=========

 

 

 

♪ち――――――――――――――――――ん♪ 

 

 

“それぢわ ちいてんを はじぬる 00:00:00”

 

 

恒例のチャイム(?)を聴き表示をみて生還を実感する。 

一時はどうなるかと思ったょ…

最後の大爆発で拠点が倒壊したから。

ジャンプ中の転送とか奇抜~。

あんな高さから落下してみたことが無いので大分肝が冷えた。二度とやりたくない。

 

「ちいてん?」

 

名前不明の男性が呟く。どこに居たのか新規メンバー4名は全員戻った。

 

“メガネ……10てんTotaL16てん あと84てんでおわり”

 

「ターゲットをやっつけるとね…点数がつくんだよ」

「へー…」「…」

 

犬・小学生・老婦人・幼児のあと自分たちの0点が表示され、次に採点された山田に疑問の答えを貰う新規メンバーたち。

浦中・苫篠・北条・サダコ・桜丘・近藤・岡崎の採点が続く。

 

“西くん……43てんTotaL73てん あと27てんでおわり”

 

「…」

とくに何の感想も無く定位置へ戻るセンパイ。

今日の得点は丸ごと雷オニ1体分の点数かな?いや幹部じゃない奴を3体潰したか。

あの後ずっと火事場に居たならモブオニをヤッつける機会が無かった筈。火オニの加勢が来ていたとしても西が攻撃する前に熱か煙にヤられてそうだし。千手もどき2体分かぁ、ふーん。

 

“和泉くん……51てんTotaL73てん あと27てんでおわり”

 

「ちっ」

不服そうに舌打ちする和泉。予想より点数が低いって?

(前回のターゲット数ほどではなかったけど)多かったのに100点分狩れなかったのは不満かも。マジで幹部以外の強い星人が出たのかな?それとも吸血鬼に邪魔された?

外国人に続き玄野の採点が消え次が表れる。

 

“佐藤(?)……62てんTotaL90てん あと10てんでおわり”

 

おぉ惜しい。

幹部込みで十数体分の点数ならこんなもんか? 雷オニ1体が40点なら水オニと岩オニの点数は20~30点くらい? 火オニはもう少し上かも。

本当に上位スーツの耐火性能高くて助かった。

特典スーツを誰も持っていなかったら東京チーム全滅コースだったよね今回のミッション。

超能力以外で防げない攻撃をしてくる遠距離狙撃不可のターゲットを足止めするツール無しで倒す方法はあったのだろうか?

回避に熱心&幻影(?)らしきもので空蝉の術っぽいことまでしていたから例え全員で特攻しても効果無かったと思う。

 

“きんにくらいだー…106てんTotaL106てん 1O0てんめにゅ~から選nで下さい”

 

「おおっ」

「さすが風くん!」

 

やっと100点超えが出て嬉しそうな苫篠と山田。部屋の雰囲気が明るくなって喜ばしい。

しかしターゲット数に対してクリア者が少ないな。殆どのモブオニが1点だった?

風は2番を選ぶ。

 

“かとうちゃ(笑)……116てんTotaL116てん 1O0てんめにゅ~から選nで下さい”

 

「すっげぇリーダー!100匹近くヤッたんじゃねーのぉ?」

加藤をよいしょする苫篠。

前回までの累計20点だから96体だな、オニ星人の幹部以外が一律1点なら。

 

「火の中に居た奴の点数も入ってんだろ」

「あ、そっか」

「いや違う。火を出す奴を潰したのは俺じゃない」

 

近藤の指摘を否定する加藤。あれ?彼が火オニを倒したと思われてるってことは…

 

「目の前で潰れたけど俺じゃない。特典武器持ってなかったs

「嘘を吐くなっ!!」

「?!」「わっ」「なに?」

 

加藤の証言を大声が遮る。何故かプルプルしている犯人は…

 

「和泉くん、どうしたn

「あの装備は3回目の特典だ お前が持っている筈がないっ」

 

山田を見もせずツカツカと前進しビシィッと音がなりそうな動作で加藤を指すロン毛。

メンバー達は口を挟まない。(西といつも通りな犬以外)総じてポカンとした表情。

えっと「3回目の特典」=上位スーツだよね。それを加藤が持つ、いや着てたんなら…

2人目の上位スーツ氏は加藤だったのか。

 

「装備って…ああ、あれって特典武器なのか」

「…」

「…知らねーよ。レーダーにのってたから使ってみただけで…」

 

加藤の言い訳(?)を険しい表情で聞く和泉。歯ぎしりするな(笑)。

クリア回数と装備が一致しないのは変だけどお前には関係ないだろ。

加藤に先を越されて悔しいのは解るけどあんまり怒ると皆に劣等感がバレちゃう(笑)後で恥ずかしいぞ。

寧ろラッキーと思え。加藤と(たぶん1人目の上位スーツ氏=)西が火オニを抑えていなかったら標準スーツしか着ていないメンバーが燃やされていただろうから。

どうしても理由が要るなら、リーダー特典か贔屓ってことで納得しとけ。

ガンツや主催者の思惑なんて考える時間が無駄だし、足りないコストは貰った(加藤)本人が払わされる筈だ。

て言うか重要なのは結果だろ。特典武器の所有数じゃない。

いい武器をいくつ持っていようと強キャラを倒せなきゃ意味が無い。それに、お前がミッションに参加する目的はクリ―チャ―と闘うことと本番で「日本人の優秀さを見せ」ることだろ?

なら標準装備以上の武器を持っていない方が楽しめるし証明できて好都合じゃん、加藤を羨むこと無くね?

 

火オニ潰したのお前だし。

 

奴が潰れる直前、飛行ユニットで火事場に突っ込んだの見てたよ。

篠崎に無断で自殺行動したのは褒められないが決断した勇気は称えてもいい。

火事場上空、は煙いから他の高所で機会を伺ってたんだよね?火オニへ急降下するまで気付かなかったわ。あの時2体に分裂、というより2箇所に存在(?)していた火オニのどちらも迎撃する素振りさえ見せなかったのは加藤(入り上位スーツ)に集中していたからか和泉が(飛行ユニットごと)周波数を変えていたのか…

当たりを引けたのは運だったの?

片方の火オニ、のちょっと離れた背後を潰したんだから偶然かな?

ハズレでカウンターをひとつでもくらってたら退場だったね。

でも待てよ?

ふたつ目の特典が「本番」で使ってた飛行ユニットと同じスペックなら少なからず耐火性あったのか?(搭乗者の片方は生身で)大気圏突入していたような…

思い違いかな?

 

「もうよせッて和泉~。よくわかンないけど今度でいーだろ、俺は帰るゾ疲れたし。

 皆も解散でいーよな?」

 

私が(あんまり意味の無い)考察している間に加藤は選択したらしく〆にかかる玄野。

メンバー増えてないから武器か。…ちょっと楽しみ。

 

「…」

「いいと思うよ。話し合っても想像の域出ないでしょ、

 ガンツが答えてくれるなら訊くほうが早いし」

「えっ やっぱり喋らねーんだこいつ…。簡単に出てこれそーなのになぁ」

 

特典武器誤配問題について和泉は主張し続けていた様子。ガンツに没収を促すのは損だぞ。

玄野と山田の結論は「考えるだけ無駄」他の口から改めて聞くと身も蓋も無い(笑)メンバーの殆どが同意っぽい。

興味無さ過ぎる議論だったのか黒球の中身へ目を向ける苫篠。暇潰しなら黙っとけ。

 

加藤の上位スーツ使用がガンツの誤配じゃないなら怪しいのは前回のミッション。

野宿星人狩りエリアに彼だけが長く留められたのは明らかに不審、野宿星人狩りとその残党狩りが別のミッションとカウントされていたなら妥当な給与だ。正常ではないが。

(マンガと同じ設定なら)通常は100点以上得られない筈の点数が一種類(?)の星人に関わるミッションで倍得られたのだろう。

“野宿星人”で100点(以上?)。

“巨虫(仮)”で100点(の倍以上オーバーしたくさい。加藤の証言では)。

それでも2回目のミッション前に上位スーツを支給されたのは異常だが特典武器を強制的に前借りさせられたから採点が0扱いだったのなら辻褄は合う。

やっぱり巨虫はヤバかったのか、前例を無視してでも野放しを防ぎたかったんだろう。

 

…話題に出ないからあの懸念は杞憂かな。

誰かに理由を訊かれる前に使い捨てマスクをポッケに仕舞った。

 

 

 

===???===

 

 

 

薄暗い部屋。カップを持ったまま画面へ観入る。

 

『今は沈静化しているようです。警察によって…えー…この…。何なんでしょーか、

 このハリウッド映画に出てくる…』

 

駅前に点々と転がる異形のパーツ。それを避けながら歩く少数と撮影する多数。

 

“池袋 謎の大量虐殺 死者負傷者多数!!爆破テロか?!”

 

『これがサンシャイン前です!!

 ご覧頂いている通りサンシャイン60の姿はありません!!周辺施設も見当たりません!!

 代わりに、おお~きな穴が開いています!!クレーターです!!

 信じられません!!何なんでしょうか!!』

 

息を切らせたキャスターがつっかえながら言葉を並べる。

演技ではなく本物の驚きと興奮だろう。居合わせたのなら羨ましいことだ。

ランドマークタワーの消失は、まぁどうでもいいだろう。

見ないうちに増えたメールの添付画像を拡大する。

不思議な生き物の死骸だ…分割した顎から飛び出した糸が顔全体に絡まった角付きの首…肉でできた管の、先端は指のようだ。

席を外している間に世界は一変したらしい。

いや一般人の認識が、というべきか。

眼鏡を外し椅子へ体重をかけると見上げた暗い天井に今まで集めた画像が次々と蘇る…

 

「隣人」を訊ねるときが待ち遠しい。




採点詳細:
メガネ     10てんTotaL16てん 
浦ちゃん    13てんTotaL23てん 
とましの    18てんTotaL34てん 
北条      21てんTotaL31てん 
サダコ     22てんTotaL25てん 
あねご     24てんTotaL53てん 
コンタ     24てんTotaL57てん 
ミリオタ    31てんTotaL31てん 
西くん     43てんTotaL73てん(モブオニ3体+雷オニ)
和泉くん    51てんTotaL73てん(モブオニ9点分+火オニ)
空手家     51てんTotaL51てん 
くろの     57てんTotaL92てん 
佐藤(?)    62てんTotaL90てん(モブオニ18点分+岩オニ)
きんにくらいだー106てんTotaL106てん(モブオニ57点分)
かとうちゃ(笑) 116てんTotaL116てん(モブオニ96点分)

Zガン(特典武器1個目)以外の特典武器はコントローラーで呼び出す仕様(捏造)。

墜ちたのは報道ヘリ。

加藤が次に入手する特典武器は4個目のアレ。

(一部のメンバーが)ミッションに行くたび置き忘れているっぽいZガンはガンツが(回収するのは当然として)補充している(捏造?)。
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