凡キャラでGANTZ   作:フランディーニ

9 / 62
前回のあらすじ:
時間切れヤバい。
田中星人一号をくだし、マップに表示されたポイントへ向かう(ねぎミッション時の)メンバーたち(犬は除く)。




田中編⑤

夜の住宅地。

マップのターゲットを示すポイントに着いた。

普通車が通り過ぎる。その運転手はコスプレする歩行者に気付いてない、はず。

移動の最中山田が「僕も上に何か着ればよかった…」と何度か呟いていたけれど周波数変えない限りメンバーとターゲット以外に視認されないから平気だよ。

笑われるキケンも頭破裂する危険も無い。

 

「近いぞ」

「アパートは…無い…ね。このうちのどれか?いや、歩いて来るのか。さっきみたく」

 

周囲を警戒する西と山田。

クリーチャーの巣は玄野たちに押し付けたので私達はストリートファイトです。

今ごろ私達をギョロちゃんが見ているのだろうか。う~ん暗くて分からん。

 

「どうする?一度バラけて探す?」

「…」スタスタスタ

「あ…ちょっ…」

「じゃ、私はあっちを」トコトコトコ

 

道路の半ばに山田を残し、センパイは南、私は北へ歩き出す。

よーし忍ぶぞ―。山田から充分距離をとった地点で他人の庭へ飛び込んだ。

 

 

 

勢いでやっちゃったけど着地点に何にも無くて幸運だった。池とか鉢植えとか。

一般人に聞こえなくてもターゲットには破壊音でバレるからね。

不可視化…周波数を変えると一般人のほうに見つかるかも知れないのでそのまま物陰に体育座りする。フードを被り袖でスーツ下半分の光るボタン&その他を隠して、と。

虫の少ない季節で助かった。

 

ギョーンギョーン

 

(あっ。あっ来たっ)

タッタッタッ

 

暫く待っていたらXガンの特徴的な射撃音と山田の声が聞こえた。

ターゲットと接触した西を山田が加勢しに行ったっぽい。

 

路の両側から時間差で2体づつ、屋根の上から1体が合流して計5体がこのポイントのエネミー全戦力。

マンガと同じなら今私が隠れている民家の前を2体が通り過ぎるはず。

 

… …

ゥー ゥー

 

ぅごっ

マジで来たっ?

 

ウィィィイイン ウィィィイイン

 

もう、はっきり聞こえる。これってロボの動作音だよね?心臓が口から出そうだ。

 

ウィィィイイン ウィィィイイン

 

結構デカイ音だな……はやく行けよ。こういう焦らすような演出が一番イヤ。

 

ウィィィイイン ウィィィイイン

 

ゾンビ映画は大好物だがホラー映画は苦手なのよ。心臓に悪いって、あのテの演出は。

 

ウィィィイイン ウィィィイイン

 

あの塀の上に田中ロボの顔が覗いたら……

 

ゥー ゥー

… …

 

 

 

===□□□===

 

 

 

「速いっ このっ」

 

ザザザッ ズザッ 

田中星人と戦う西くんに合流しターゲットに銃を向ける僕。ドンッと塀が粉砕され視界が薄く煙る。またヨソの家壊しちゃった…。なかなか難しい。当たらない。僕らも相手も休まず動き続けているから、僕らが相手の鳴き声(?)を警戒するように向こうもこちらの射線に入らないよう立ち回っているのだから当然か。

 

「えっ2匹目!?うっわ あっちからも」

 

1匹に翻弄されているうちに2匹増え形勢逆転された。散らばって戦うのは不利だ。

 

「!!」

 

西くんの視線を辿ると更に2匹の増援が。2対5なんて絶望的じゃないか!

 

「はぁっ はぁっ はぁっ ちょっと!聞いてないよっ」

「黙って撃てっ」

 

ギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーンギョーン

 

僕と背中合わせになって銃を乱射する西くん。僕の泣き言に短く返す。

こんなピンチを何度も潜りぬけて来たのだろうか?スゴイな~この子。

僕も田中星人たちに近付かれないよう銃を連射する。でも、このままじゃ勝てないよ!

どうしたら…

 

って何あれ

 

頭上から光るナニカが飛来し…僕に絡み付いた。

 

 

 

=========

 

 

 

ちょっと、どーしちゃったの?西センパイ。共闘とか出来たんスね。

まぁ、ステルス機能壊れたから仕方なく、だろーけど。

拘束された5体(と1人)を私はいま屋根の上から見下ろしている。

あいつらって丈夫そうな四肢のあるヒト型ロボット(みたいな防護服?)なのにパンチもキックも体当たりもしてこないのは山田の言う通り衝撃に弱い機械を着ているからなのか、それとも中身のトリに腕部分が無いから、殴ったり捕まえたり投げたりの発想が無いのか?

買い物袋は持つのにね~。

駄目元でチャージショットを試したら成功して驚いた(笑)これYガンなのに出来るとはねぇ。

「チャージショット」とは複数の対象をまとめてロックオン…捕まえる標的を(この場合は)Yガン(もしくは弾?)に記憶させておき後で誘導弾を当てる方法だ。Xガン類の場合ねらいが外れないし何体も同じタイミングで処理出来る。マンガで数回成功したXショットガンでのチャージショットは弾が見えないので複数のターゲットが同時に破裂することしか分からなかったがYガンのソレは面白かった。ロックオンしておいたターゲット共を様々な軌道で追うアンカー達。どんなに素早いターゲットも捕捉さえ出来れば捕まえられそーだ。マンガの加藤はYガンでロックオンを成功させてたっけ、逃げられたけど。標準装備の性能良すぎだよ(笑)黒球メーカー。

この状態でトリガ―引いたら一度に送れるのかな?

田中ロボがワイヤーを千切る予兆は無い。

私は地上に居るであろうギョロちゃん達の目を避けるため屋根に伏せていた身体を起こし、フードをとった。

 

「!?」

 

動けなくなったターゲットを見回した西はXガンを構える。

 

ギョーンギョーン

 

「ええ!?何これ!ちょっとー!?」

 

田中ロボ共と同じく立ったまま拘束された山田が喚く。眼鏡がズレて落ちそう。

スーツ着たメンバーも普通に拘束できるのね、味方は無視されるかと思った。

いや態とじゃないよ?実験でもない。単に誤射です、練習出来なかったので。

動いてるマトに合わせるの難いわ。西は山田の向こう側に居たから外れた。

ウイッウィッ ウィイッ

拘束されたロボ共は首をクイクイしている。あ

 

『ギョブッ』

 

バキャッッ バキャンッッ 

ガッ ビチャッ ビチャッ パラパラ…

「うわわわっ」

 

ロボ2体が爆砕し破片と中身が山田へ降り掛かる。

 

タッタッタッタッ

驚く山田を回り込んで西は反対側のロボへXガンを向ける。

 

ギョーンギョーンギョーン

 

バカッ 

プシーッ 

 

『ギョエエエエエエエエエエエエエ!!』

 

拘束されている1体の頭パーツと首パーツの間から蒸気?が噴出。髪パーツと顔パーツの間が開く。ドバッと中身が飛び出し悲鳴を上げる。

 

「おわぁぁぁあああ!?」

 

飛び出した中身…鳥っぽいクリ―チャ―を見て叫ぶ山田。

雛同様、眼が血走っている鳥(成人サイズ)の嘴は短めで咽喉から大きめの突起が生えている。

細長い羽毛で覆われていて謎の液体でぐっしょり濡れていなければもっと大きく見えるだろう。足の指爪は前に3本、踵に1本。前述どおり肩はあっても腕が無い。

 

バキャッッ バキャンッッ バギンッバンッ 

ワイヤーで固定された田中ロボを西が全部破壊する。さすがセンパイ、遠慮無し。

ロボを脱いで逃げようとした奴は、ロボの頭パーツ・頭部の順に破裂した。

 

 

 

 

「大丈夫ですか~?」

 

「あ!佐藤さんっ。どこまで行ってたのっ!?じゃなかった良い処にっ これ取れないっ?」

 

どこって…きみらの真横、民家の屋根ですが? 

Yガンの射程は8m以上あるみたい。

拘束の解除はマンガで説明されなかったけど出来そーだよね、Yガンのどこかを操作すれば。でも今、検証するのはちょっと、失敗すると山田がターゲットの収容所(?)へ送られちゃうかも。完全に狩りエリア外だろ。爆死するわ。

山田のスーツはノーダメージみたいだから力入れればワイヤー千切れるんじゃね?ほら頑張れ。

でも自力でワイヤー切ったターゲットって田中ロボの14倍以上の点数だったしスーツの本気でも切れないかもなぁ。つーかスーツの筋力強化って元あるものをベースにしてるのか一律に怪力化してるのか、どっちなの? 

たぶん前者だと思うけどそれだと私、小学生男子についで非力ってことに…

 

「残り12分か。向こうは…まだやってんな」スタスタスタ

「えっ ちょ ちょっと!」

 

コントローラーを一瞥し歩き出す西を慌てて止める山田。

 

「なに?」

「このまま放置しないよね?」

「平気だろ。部屋に戻ればソレもとれるだろーし」

「冗談は止めて?!」

 

「あの~、力入れても動けませんか?」

 

本気出せ山田。

 

「え?えっ!?」

 

眼鏡の奥で瞬きする瞳。見た感じ血流が滞るほどキツく縛られてはいない。

拘束しただけでターゲットを壊しちゃったら捕獲銃とは言えないもんね。ターゲットの腕力と耐久を測って死なない程度に締め付けるのだろう、たぶん。

 

「え~と。ちょっと。足を揃えられますか?…そうそう、そのまま」

 

ギョーン ギョーン ギョーン

Xショットガンでアンカーを撃つ。足吹っ飛ばしたら、ごめ~ん。

 

路上に丼ぶりサイズの窪みをのこし、山田は解放された。

 

 

 

… … …

 

 

 

ターゲットの巣、最寄りの路上。

引き戸2階建ての古そうなアパートだ。

時間無いので走ったよ。アシストあっても疲れた。並走した山田が隣で呼吸を整える。

 

「あっ」「!?」

 

子供が立ち上がって声を上げる。老婦人もこちらに気付く。

2人は外の暗がりに座っていた様子。

 

「よかったっ無事だったんですねっ!他の人は…?」キョロキョロ

「あの中に」

 

山田の問いに、不安そうな顔でアパートの出入り口を見る老婦人。戸は開けっ放し。

玄野たち・高校生と背後霊・ゾッキーズ…の8人で入ったの?中狭そーなのに正気?

半数ほどスーツ着てない筈だが。加藤なら止めるだろーからゾッキー共の勇み足か。川で仕留めた田中ロボはそんなに弱そーに見えたかな~?ロボの中では一番積極的で素早かったのに。

 

「…」

 

コントローラーをチェックする山田。

 

「あと…8分か…」

 

残り時間を呟く。

アパートを眺めるだけで誰も動かない。建物内へ踏み込みたくない様子。

巣にはターゲットの親玉的ボス…田中ロボより確実に強いターゲットが居るって予感だね。

タイムアップが現実的になってきた

 

ガシャーンッ

 

ガラスの割れる音。ををっ、がんばってる…のか?

階を下りる足音が聞こえて来た。

終わったの?

 

ドタドタドタドタ

タンッ

ゾクD・Aの順で出て来る。…あれ?2人だけ?

折角、戸の横でスタンバってたのに~。

私が向けるYガンの銃口を見てゾクAがギョッとしたがゾクDに置いて行かれまいと通り過ぎる。

 

「あ…出て来た。あの」

「はぁっ はぁっ はぁっ」

 

タッタッタッタッタッ

ゾッキー共は山田を無視して道向かいの駐車場まで走って行った。

まだ終わってないみたい。顔面蒼白でちょっと口元が震えていたが……何ヲ見タノダロウ。




途中入ったのは山田視点。
捏造点:
Yガン(捕獲銃)で複数拘束。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。