遅くなって申し訳ありません( ノ;_ _)ノ
あまり良いできではないと思いますが、暖かい目で見てください。
今日のおつかいは...玉ねぎ、生姜に鰹か...
どうやら今夜はかつおのたたきのようですね。
そんなことを思いながら私は軽い足どりで、魚屋「雪魚」へ向かった。
「雪魚」には、私が想いをよせている、海斗さんがいる。海斗さんは「雪魚」の、雪村家の長男の背が高く、筋肉質な同級生。彼は休日は店を手伝ったり、平日では、中学生の弟さんの宿題を見てあげたり、年長さんの双子の兄妹の面倒を見たりしている。
彼について考えていると、時間は直ぐに過ぎ去り、気がついたら私は目的の「雪魚」についていた。外から中を覗いていると、会計の方から、
「いらっしゃい!」
と、元気な男の人の声が聞こえた。そこに立っていたのは、言うまでもないだろう。彼だった。
「あぁ、鹿角さん! いらっしゃい! 今日は何買っていきます?」
あぁ、かっこかわいい... 見た目は威圧感のある感じたけどとても優しい...
って、見とれててはダメですね。買い物をしなくては。
「えっと、今日は鰹をかいにきました」
「オッケー。ちょっと待っててね、今用意しちゃうから」
それから数分後彼は、小さいクーラーバッグを用意して会計のところに帰ってきた。
「はい、どうぞ。じゃあ、鹿角さんスクールアイドルも頑張ってね!」
そう、私はスクールアイドル「Saint Snow」。
だから、恋人同士になるのはダメなのです。けれど、私は彼の言った、「頑張ってね!」という誰にでも言いそうな応援の言葉を「信じて」明日も練習を頑張ろうと思うのです。まあ、学校に行けば彼を見ることができますし。モチベーションは、毎日マックスです。まあ、今「Saint Snow」の人気はそこまで高くないんですけどね...
そんな嬉しいことがあったら、神様というのは、公平を望むから、良いことのあとには悪いことがある。よく言う話だ。そして、もちろんそれは、私とて例外ではないらしい。
そう、私の「日常」は、突然足元から崩れていったのだった。
良いことのあった次の日、学校に行き、いつものホームルームが始まり、先生が言った。
「雪村くんはお父さんが身体を壊してしまったから、しばらくの間休校することになりました」
その言葉を私は理解できなかった。私の「日常」がなくなったからだ。今までもこれからも当たり前にあると思っていた物がなくなったのだから、普通に理解することが難しかった。
けれど、私は学校に行き続けた。
授業もあるし、スクールアイドルの練習もあるし、何より、彼に言われた「頑張ってね!」という応援の言葉を「信じて」、授業も練習も頑張った。
ただ、それらは何一つ私の身体の一部ににならず、どこかえ消えていった。
そんな風に、「日常」をこなしていたある日、母から「おつかい」を頼まれた。
そのメモには、旬のイワシの名前があった。
彼に会いに行こうと思わなかったことは、もちろんない。ただ、何にも理由がないのに行って良いのかと思ってしまって、「雪魚」には行けなかった。
けど、たった今理由が出来た!
私は、先走る心を抑えつつ、出来る限りの速度で「雪魚」へ向かった。
店の脇に着いた時に、風に乗ってこんな、言葉が聴こえてきた。
「Aqoursって、スクールアイドル凄いですよ! 最近出来たばかりなんですけど、人気がスゴくて!」
信じたくない。信じられない。彼が私たち以外のスクールアイドルの名前を口にしたことが。
私は、たまらずその場から駆け出してしまった。
「雪魚」でイワシは買うことが出来なかったが幸い、家の近くのスーパーでイワシは買うことが出来た。おつかいを完了して帰ろうと家に向かっていると。
「ハアハア、やっと見つかった」
そこにいたのは、雪村くんだった。
「店から逃げるように走ってたから、気になって探してたんだよ」
うそ、いくら彼が優しくてもただのクラスメイトの私にそこまでしてくれるわけない。
ズキッ
この胸の痛みは?
彼に全部、全部打ち明けたら、楽になるのかな?
もし、もしそうなら
そう思い、私は私の中にある言葉を全部ぶちまけることにした。
「私は! 貴方が好き。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。大好き。狂う程に貴方のことが好き。どんな姿の貴方も好き。でも、貴方のことがね、私、信じられなくなっちゃったの。貴方は私に『頑張ってね!』と言ってくれた。それはもう、死んじゃうほどに嬉しかった。ああ、やっぱりこの人のことが好きだな私って、思った。けど、けどね。貴方はさっき、他のスクールアイドル、Aqoursさんのことを誉めてた。それを私は許せなかった。私はこんなにも貴方のことが好きなのに、貴方は答えてくれないんだって。自分勝手なことだってのは分かってる。私の立場も分かってる。でも、それでも私は貴方が」
そこで私が真っ直ぐ前を向こうと顔を上げたら
ガバッ
彼に抱きつかれた。
その体制のまま、彼は口を開き、私の思いに答えるように話し始めた。
「鹿角さん。実は、俺めっちゃスクールアイドルが好きなんだ! だからな、さっきの話も良く買い物に来る近所の人に、おすすめのスクールアイドルを教えてたんだよ。あ、SaintSnowは毎回話てるよ! だって、SaintSnowは、俺がスクールアイドルを好きになったきっかけだから。鹿角さんの気持ちはわかった。俺も、鹿角さんが好きだ。だけど、スクールアイドルでいる間は、恋人にはなれない。だって、SaintSnowの『鹿角聖良』は、ファン皆のアイドルだろ? だから、1ファンとして、恋人にはなれない。けど、鹿角さんが、アイドルをやりきった時に、もし気持ちが変わらなければ、俺と付き合って欲しい。この気持ちは絶対に変わらない。『信じて』欲しい」
そんなの、そんなの...
「うん、『信じる』。私の気持ちも絶対に変わらないよ。だって、貴方が大好きだから!」
私と彼は、こうして気持ちをたしかめ合った。
これが正解なのか、間違ってるかなんて、私は知らないし、きっと誰も知らない。
ただ、私は、『信じる』
彼を『再び信じる』
きっとこれが私の再スタートだから!
ここまで読んでいただきありがとうございました。
一応、この話はSaintSnowが東京のライブに行く前ぐらいの時系列です。
最後に雪村海斗くんについてちょっと設定でもおいときますね。
雪村海斗(18)
身長180cm 体重70kg
4兄妹の長男。面倒見が良く、兄妹の世話もしつつ店番などもやる。
見た目は筋肉もりもりのゴツい感じ。
性格は優しい。頭はちょっと悪く、スクールアイドルが好き。