お久しぶりですね。
今回は少し短いかと思いますが、それでも楽しんでいただけたら、幸いです。
では、本編へどうぞ。
私は、ベッドで寝ている彼を見ていた。
あの日から目覚めない、記憶のない彼を見つめていた。
私は弱い。
こうして、貴方を失うのが怖い。
好きにならなきゃ知らなかった。
この痛みも、辛さも、虚しさも、
だって、私は貴方が好きだから。
だって、笑う貴方が好きだから。
だから、嘘をついてもいいよね?
私の、朝霧くん♡
今日は、朝から彼とデートだ!
私はウキウキで、家を出て、電車に乗ろうと改札の前に来たところで、ICカードを家に忘れたことに気づき、私は急いで、切符を買った。
彼の家への道は、何度も通っているから、いくら迷子になりやすい私でも流石に迷子にならないで、彼の家へと着くことが出来た。
彼は、私の到着を待たずに先に家を出て目的の場所へ歩みを進めていた。
私は、読者モデルをやっているから、彼と一緒に歩くのはまずいと思い、彼の一歩後ろを歩き、彼の後をついて行った。
途中何度か彼が振り返ってキョロキョロと探していたが、そんなに探さなくてもしっかり後ろをついて行くのに、かわいいなと思いながら、彼の行動を見ていた。
それは、突然起きた。
交差点に、1人の少年。
少年はボールを追いかけている。
交差点には一台のトラック。
トラックは少年には気づいていない。
彼は、この状況を見てすぐに交差点に飛び出していった。持っていた荷物を私の方に投げて、走り少年を押し出し、歩道に避難させた。
だが、代わりに彼がトラックにはねられた。
わたしのあたまはまっしろになった。
気がついた時には、誰かが呼んだ救急車が来ていた。私はなんの迷いもなく、彼の彼女として、乗って病院へ向かった。
彼はすぐに、手術室へ連れて行かれた。
彼の無事を祈りながら、待っていると、彼の保護者だと思われる大人が来た。
彼らに、彼女と言うことを伝えていると、手術室の手術中のライトが消え、彼と医者が出てきた。
医者が言うには、彼は、生きてはいるけど、記憶喪失になってしまったらしい。
この時の私はどんな顔をしていただろう。
きっと、満面の笑みを浮かべていただろう。
彼らは、私に、彼を彼女の私に預けることにした。
私は、彼のことを思い出していた。
彼、
朝霧くんと私が出会ったのは、虹ヶ咲学園に入学してからのことだ。私が校舎内で迷子になっているところを助けてくれたのが彼だった。そのころから、私は彼を好きになっていた。優しい彼を。
私は、笑う彼が好きだ。彼はよく笑う。私といても、私といなくても。
そんな彼に私は告白した。
「朝霧くん、私は貴方のことが好きよ。よければ付き合わない?」
彼の返事はとても短いものだった。
そして、よく覚えている。
「ごめんない」
と、言ったことを。
この時私は、自分の思いが、一方的なもの、片道切符なのだと知った……
果林side out
虹樹side in
僕は目覚める。
初めて見る、天井。
初めて見る、カーテン。
初めて見る、パジャマ。
初めて見る、ベッド。
僕はどうしてここに?
ガチャ
部屋のドアが開いた。
そこには、藍色の髪の女の子が立っていた。
「あら、起きたの虹樹くん。自分が誰だかわかる? 私が誰かもわかる?」
僕は彼女の問いに応えるために、口を開いた。
「僕の名前は、朝霧虹樹。貴女はええっと、すみません。覚えていません」
そう正直に答えた。
すると彼女は優しく自己紹介を始めた。
「私の名前は、朝香果林よ。よろしくね。呼び方は果林でいいわよ」
一つ疑問が浮かんだ。単純なものだ。
「果林さん。僕たちは」
僕が聞こうとした質問に果林さんは気付き、その答えを先に言った。
「そうよ、私たちは、恋人よ」
そう彼女は告げた。
虹樹side out
果林side in
私は嘘をつく。
誰も傷つけない、嘘を。
だって、貴方は私しか頼れないもの。
だから、今のうちに、縛っておこう。
恋人になって、他の誰のものにもならないように……
彼が、迷子にならないように……
ここまで読んでいただきありがとうございました。
久々の投稿ということで、短いですし、かなり話がわけわからない感じになっていたら申し訳ございません。
次回も不定期に、いつ更新できるのかわからないので、首を長くして待ってくださると嬉しいです。