かつて彼女は英雄だった   作:初月

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性能的には格上のへ級に肉薄する。

 

数発の砲弾がシールドに当たり消えていった。

 

飛んでくる砲弾は正直怖い。

でも訓練学校での演習で突撃時には怖気づいたら駄目だと身をもってしらされていた。

 

だから私は突き進んだ。

 

射点まであと少し。

HMDにもカウントダウンが出た。

 

直後カウントダウンが1になると同時に噴進弾2発をセットする。

とにかく威力を求めたために今ではとても珍しい無誘導兵器だ。

ただ、その代わりといってはなんだがトーチカを一発で消すことが出来るらしい。

 

味方への誤射を気をつけなければいけないが、幸いというか生憎というか射程距離はせいぜい15kmの代物だ。

 

遠慮なく撃ち出した。

 

間も無く飛来していく噴進弾1発が容赦なくヘ級の半分を消し飛ばす。

半分残ったとはいえそんな状態で無事でいられるわけも無く、残った射撃装置らしきものが爆発して海中へと没していった。

 

『へ級1を撃沈しました。噴進弾1発が迷走中のため注意してください』

『こちらはロ級2撃沈にハ級2を撃破。こっちは半分大破してたわ』

 

ほぼ同時に二人の無線が入った。

 

一応先行部隊は撃破したようだ。

 

『もう深追いはやめましょう』

敗走する敵の姿も見えたが残念なことに追撃を行えるほどの戦力は無い。

味方艦隊から離される前に指示を送る。

 

ついでに旗艦にも帰還の旨を伝えた。

 

もう離脱を始めていた味方との距離は10kmぐらいにはなっていた。

比較的安全とはいっても通商破壊部隊が船団を消滅させたりするくらには危険なんだ。

さすがに二人での強行進軍は怖い。

 

HMDにも帰還ルートが表示された。

 

「じゃあ、帰ろうか」

 

そんな私の一言をきっかけに味方艦隊へと足を進めた。

 

 ◇

 

 

デブリーフィングが終わり、食堂にて軽く休憩していた。

海風にあたるのもいいが、今日は既に浴びすぎた。

正直なところ、今日はもう浴びる気にはなれない。

 

それで休み方に困った結果やってきたのが食堂というわけだ。

別になにかあるわけではないが、食事中以外は基本的に静かで広いから休むのには最適だった。

あと、先ほども使った直通通路があるという点でも便利なのだ。

 

出来れば自室に戻って眠りたいのだが、アーマーの損傷が少なかったためにまだ任務を解かれてはいない。

 

春風と旗風のアーマー。一応出撃できるようにはしたらしいのだが、まだ一部システム系の修復が終わっていないようだ。

特に春風のほうは深刻で、無理に出撃できるようにしたためかまだ整備に時間がかかるとのこと。

 

・・・早くバトンタッチしたいです。本当に。

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