シンフォギアにゲッター系女子をinさせてみたかった   作:ぱんそうこう

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しないシンフォギア風味、ほぼギャグ回です。
新章へと繋がるのは次回からになります。






キャラ崩壊あったらごめんなさい(小声)


戦いの後、そして新たな日常へ

月の破片はシャイン・スパークによって跡形もなく消え去り、四人は無事に帰ってきた。一連の事件はルナアタックとして人々の記憶に残り、人類史上前代未聞の大事件としてひっきりなしに特集が組まれる事になったのである。

そしてその日を境に世界は大きく変わった。シンフォギアシステムの露見による国内外からの非難、そして強くなり続ける米国政府の圧力と、世界各国が観測した「未知の宇宙放射線」に関する問い合わせ。日本政府はそれらの対応でてんてこ舞いになるわけなのだが……それはあくまで大人の仕事。実際に世界を救った彼女らは別に知ったこっちゃないのである。

だからこれはただの閑話。大事な大事な、ありふれた時間のお話である。

 

 

 

◆みんな仲良く

 

無事に月の破片を破壊して帰ってきた四人。しかし四人を待っていたのは残業代でも、大量の飯でもなく病院送りという過酷な現実だったッ!!!

 

 

「…………!………………!!!」

 

「まさか帰って早々入院なんて、はぁ〜早く未来に会いたいよぉ」

 

「流石に無理しすぎたな、あたしら。そうしなきゃいけないのは分かってるけどさ」

 

ベッドの上で愚痴をこぼす響とクリス。しかし二人の視線は意図的に翼の隣のベッドから外されている。

 

「………!!!!………………!!!!!」

 

「でも、お蔭で私たちは明日を掴むことが出来た。そう思えばこれも名誉の負傷ではないかしら」

 

「えへへ。そうですね!」

 

翼も自分の隣のベッドを見ていないし、見ようともしない。というか、頑張って視界に入れないようにしている。

しかし天性のツッコミ気質を持つクリスは耐え切れず、ついにソレに触れてしまった。

 

「……で、何でコイツはこんなに厳重に縛り付けられてんだ?」

 

「ダメだよクリスちゃん。みんな頑張って触れないようにしてたんだから」

 

「あたしが悪いのかッ!?」

 

全員が頑張って意識から外そうとしていたのは全身ぐるぐる巻き、ミイラ状態でベッドに縛り付けられた竜のクッソ情けない姿だった。

 

 

 

 

◆いつもの問題児(20さい)

 

耐え切れなかったツッコミ役、覚醒。我慢出来ずにツッコミ役としての本能のまま、あまりにもあんまりな扱いについて早口で捲し立ててしまう。

 

「だって一人だけ扱いがアレじゃねーかッ!何だよ全身ミイラにぐるぐる巻きって!?この『いつでも緒川システム』ってのはなんなんだッ!トッキブツっていっつもこんなんなのかッ!?」

 

「流石に普通はこんなことしないわよ。だけど竜は五体満足でなくとも放っておけば勝手に動き出し、窓から脱走した挙句必ず何処かで怪我して帰ってくるとんでもない女……だからこれは苦肉の策。安静にさせるにはこの方法しかなかったのよ」

 

今明かされる最年長の真実。尤も、クリス以外は全員知っていたので彼女にとっての、という前置きが必要になるが。

さらに付け加えておくと、クリスは流竜という女がどれだけ無茶をやらかすのかは知っている。しかし、その程度というものまでは知らないのだ。だから怪我と聞いてもどこかにぶつけたとかその程度だろうと頭の中で解釈している。だが実際は裂傷は序の口、流血を伴う大怪我までするのが基本なのである。

しかし知らないというのは実に幸運だったのかもしれない。何せ自分もまた原因の一つだということに気づかずに済んだのだから……。

 

そう。だから、こういう他人事のようなリアクションも出来るのである。

 

「ええ……何やってんだよお前バカだろ。一番年上のくせにバカかよ。いや、バカだったわ……」

 

「…………!…………!!!!!!!」

 

「しかもなまじ腕っぷしは強いから……そのせいでまともに対処できるのが叔父様……司令と緒川さんしかいないのよ」

 

だからボタンを押すだけで緒川さんを呼べるようにしたのだと翼は言う。これぞ二課脅威のメカニズム。櫻井了子謹製のこのボタンを押せば経験値を強奪していきそうな忍者のBGMと共に窓から緒川がやってきて竜を鎮圧していくのだ。ワザマエ!

 

なおクリスは流石にそこまでは冗談だと思ったのか、鼻で笑って信じなかった。

 

毎日毎日、そんなバカな話ばかりを続けていた三人は結局、揃って二週間で退院し、世間のほとぼりが冷めるまでしばらく二課の一室で暮らすことになるのであった。

 

もちろん竜は一人置いてけぼりにされた。彼女は四人一緒に別室へ移ることを主張したが、一人だけ傷が重すぎるので残念ではないし当然、という三人の共通見解という名の正論を前に敗れ去った。

 

 

 

◆その後の20歳児

 

三人が居なくなってしばらくして。竜はようやく全身ミイラから解放され、断裂した両腕の筋肉の治療に励んでいた。いたの、だが……

 

「不公平だッ!何で俺だけこんな扱いなんだよ〜〜〜!」

 

両腕を包帯でぐるぐる巻きにして目一杯固定された竜がベッドの上で見舞いに来た緒川を相手に大声で喚いている。しかし彼の反応はというと実に淡白で、りんごを器用に剥きながら呆れた様子で受け答えをしていた。

 

「自業自得という言葉はご存知ですか?この短期間で脱走に命令違反、しかも外出する度に何かしらの怪我をしているんですから、こうでもしないとまた何か問題を起こすでしょう?我慢してください」

 

「だったら修行の一つや二つ、やったっていいだろ!?こちとら暇なんだよ!」

 

「わがままを言わないでください。大体何ですかギアと生身で戦ったり腕を壊す前提の武器なんか使ったりなんかして。これに懲りたらもう少し自分の身体を大事にすることですね。ほら、口を開けてください」

 

「あーー、むぐ。もっしゃもっしゃもっしゃ。腕壊したのは、もぐもぐ、しょうがねえだろぉ?あれぐらいじゃなきゃ、もきゅもきゅ、ごくん。あのバケモノはぶった斬れねえんだからさあ」

 

「それはそうかもしれませんがね?でもだからといって、自分の身体を蔑ろにしていい理由にはなりませんよ。あと口の中のものを飲み込んでから話してください」

 

さもありなん。この一連の事件では何かにつけて病院にぶち込まれていたこの女は最終決戦で両腕の筋肉を思いっきり断裂させているなど、他の三人と比べ遥かに傷が重い。なので他の三人が二週間かそこらで退院できているのに対し、ただ一人個室へと移される羽目になったのである。

 

「少なくとも、退院するまでは運動禁止です。医師の方によればこの怪我ならもうあと数ヶ月はかかるという話ですから、それまでゆっくり休んでくださいね?」

 

「い、嫌だッ!俺ァ身体動かさねえと気が滅入って死んじまうんだよぉぉ……何とかしてくれよ慎次ぃ!」

 

「ダメです。反省してください」

 

ぺいっとすげなく断られた竜。不満げに口を尖らせるその姿を、緒川は奏が生きていた頃に戻ったようだと微笑ましく見ていた。

 

 

 

 

なお結局一ヶ月足らずで退院した。緒川は「あぁ、そういえば司令のご同類でしたね」と遠い目をしていた。

 

 

 

 

◆キャラかぶり?

 

三人の元に竜が合流してしばらくしたある日。突如響の手によって爆弾が投下された。

 

「そういえば、竜さんとクリスちゃんってちょっと似てません?」

 

顔を見合わせる二人。目が合った途端、急にメンチを切り合い始める二人。そして声を揃えてこう言った。

 

「「お前が被ってるんだろおッ!」」

 

今ここに、互いの威信を懸けた闘争が幕を開けたのである。

 

「お前が俺とキャラ被ってんだろうが!俺と言えば赤!赤と言えば俺!そこに何だお前、後付けのポッと出が赤いギアなんか付けて来やがってよ!」

 

「完全に言いがかりもいいとこじゃねえかッ!文句があったら製作者に言え製作者にッ!あたし何にも悪くねえだろッ!」

 

「いいや悪いねッ!しかも口も悪いと来たッ!なんだお前どれだけ俺のマネすりゃあ気が済むんだッ!」

 

「マネなんかしてねえっつーのッ!それを言ったらそっちの方があたしにキャラ被せてんだろぉ?」

 

なんと醜い争いか。互いにあーだこーだと水掛け論を繰り返す様はとても同じシンフォギア装者とは思えない。しかも爆弾を投下した当の本人は「うわー、言い合い方もホントそっくり……」などと呑気なことを言っている。

これは当てにならぬと流石に見かねた翼はため息をついて仲裁に入った。

 

「まあ落ち着いて二人とも。私はそこまで似てはいないと思うわ。いえ、むしろ天と地ほどの差があるとさえ思う」

 

「流石翼だ、よく分かってるじゃねえか。お前もなー、これぐらい『分かって』ればなぁー」

 

竜が翼の言うことを聞いて気分を良くし、ニヤニヤしながらクリスに視線を向ける。気分は完全に勝利ムード、「流石は翼」「やっぱ信じるべきはお前だよな」などと調子のいいことをぬかしている。

 

「話は最後まで聞きなさい。……残念だけど、地の方は竜しか有り得ないでしょう」

 

「はぁ!?誰が誰に負けてるってッ!?」

 

しかしそれは全て見直しものの見事に叩き落とされた。

どうやら彼女は仲裁ではなく、火に油を注ぎに来たようだ。

 

「考えてもみて。同じような言動をしていても、貴女のような粗忽者より雪音の方が何十倍も可憐よ」

 

「なにィッ!?随分コイツの肩持つじゃねえか!大体な、愛嬌だの何だのと、俺にそんな物必要ねえんだよッ!」

 

「別にあなたにそんなもの求めてないわよッ!貴女の場合は格好が良いだのとは違って、ただただ野暮ったく無骨で乱暴なだけでしょう!?それに比べれば雪音の方が余程可愛げがあるわ」

 

喧々諤々。すっかり「か、可憐ってなんだよ……ッ!?」などと顔を赤くしているクリスのことなど忘れてしまった竜と翼は完全に二人だけの世界に浸ってしまっている。言い争いはさらにヒートアップし、遂に竜は禁断の兵器を持ち出した。

 

 

 

「ははーん、分かったぜ。お前、コイツの胸がでかいから味方してんだろ?確かにお前、奏の胸に顔を埋めるのが好き*1だったもんな?」

 

 

ぽく。

ぽく。

ぽく。

ぽく。

ちーん。

 

 

「!?ちょっと待」

「はぁーーーーーーーーー!?!?!?!?」

「うええええええええええ!?!?!?!?」

 

竜が口走った禁断の兵器が表す意味、それを三人が理解するまでにたっぷり数秒がかかったが、完全に理解した瞬間、四人だとちょっと狭いぐらいの部屋は、クリスと響の大合唱に包まれた。

 

 

 

◆あとしまつ

 

「貴様ッッッッ!!!!出鱈目な事を言うなッ!!!!」

 

「だってよお、お前なんかあったらすーぐ奏の胸でいい思いしてたじゃねえか*2。奏の奴がお前の事をちょっと手の掛かる妹ぐらいに思ってるのをいい事によお!!!」

 

「語弊!!その言い方は語弊がありすぎるッ!!!!!待ってくれ二人ともッ!私にそんな趣味は無いぞッ!!!!」

 

竜の襟首を引っ掴んでがっくんがっくん揺らして抗議する翼をあまりの慌てぶりに思わず防人口調が出てしまっている。

無論、二人は聞いていない。顔を真っ赤にしてあわわわわわわわと目をぐるぐる回している。

 

「お、お、おま、え?お前、まさかあたしのことずっとそんな目で見てやがったのかぁ〜〜〜〜〜!?」

 

「誤解だッ!そのような邪極まりない視線など向けるものかッ!」

 

「翼さん……大丈夫ですッ!趣味は人それぞれですからねッ!わたしは応援してますよッ!*3

 

「しなくていいッ!ええい、これも全部貴様のせいだッ!*4

 

とてつもない風評被害を受けた翼が鋭い目で元凶を睨みつける。だがそんなものはどこ吹く風、ずっと腹を抱えて笑い転げている。

 

「ひー、ひー、うわははははは……!!!でも、でも胸が好きなのは、事実だろうが!ぶっははははははは!!!」

 

「違うッ!……確かに奏に抱きすくめられるのが好きなのは認める*5。だからとてそれは体勢故の偶然。私自身は断じて顔が胸に埋まるのを良しとしていた訳ではないッ!」

 

「でも身長は確か奏さんも翼さんも同じぐらいじゃありませんでしたっけ?」

 

「じゃあつまりパワー負けして抜けられなかったってことか?情けねー」

 

「だまらっしゃいッ!!!!」

 

クリスの冷静な分析を一言でぶった斬ると次は竜に狙いを定め、フー、フー、と歯を剥いて威嚇して襲い掛かるその時を待っている。

それはまさに顔芸というか、ぶっちゃけ国民的アイドルがしてはいけない顔をしている。

 

「お、やるか?いいぜ掛かってこいよ。こないだの続きだッ!どっちが先にぶっ倒れるか………勝負だッ!!!」

 

その声を合図に、とうとう翼が竜に襲いかかった。どったんばったんと部屋の中の設備を上から下までひっくり返しながら暴れる二人。大小硬軟問わず色んなものが飛んできて命の危険を感じたクリスは布団を被って身を守りながら、響に交渉を持ちかける。

 

「お、おいバカッ!あのままじゃあたしらまで巻き込まれちまうぞッ!良いのかよ放っといてッ!」

 

「ううっ……竜さんも翼さんもあんなに楽しそうにして……良かったですね……!」

 

「このケンカのどこに感動する要素があるんだよッ!?」

 

響、聞く耳持たず。というよりあんなに険悪だった二人が仲良くケンカ(またはじゃれあい)に興じている姿を見て思わず感動の涙を流しているせいで耳に入っていない。だからそんな事情は知る由もないクリスには単に響の頭がおかしくなったとしか思えないのである。

 

「やだなぁクリスちゃん。あれはケンカじゃなくてじゃれあいなんだよ。翼さんも竜さんもああやって遊んでるんだよ。ほらまた笑ってる」

 

「クソッッッッッ!!完全に脳内フィルターがおかしくなってやがるッッッ!!まともなのはあたしだけかッ!」

 

最後の希望に裏切られたクリスは部屋の隅で身を守りながらこの状況を打破する方法を考えている。

 

何か、何かないか。そんな時、クリスの目の前に飛んできたのは例のアレ。そう、櫻井了子の遺産こと「いつでも緒川システム」。

 

「あぁもうお前ら……いい加減にしろぉーーーーーッ!」

 

もはや背に腹は代えられない。ヤケクソになりながらそのスイッチを押すと、ポヒュッ☆と、軽快な音が鳴り響く。その時。

 

 

デーレー

デーレー

デッ

デデデッ

 

 

「呼びましたか?」

 

「ホントに来たぁッ!?」

 

部屋のドアから裁定者のエントリーだ!

 

「成程。……では御免ッ!」

 

「ね」

「ま」

「しゅッ!」

 

おお見よ!部屋の惨状で全てを察した彼は目にも止まらぬカラテで響含む三人の首筋を叩き、あっという間に撃沈してしまったのだ!これぞ飛騨忍群の妙技。ノーカラテ、ノーニンジャの体現者である。

 

「通報ありがとうございます。では僕はこれで」

 

軽くクリスに一礼すると、そのまま緒川は音も立てずに部屋のドアから外へ出る。残されたのは意識を刈り取られた三人と呆然としているクリスだけ。

 

「………………ねよ。つかれた」

 

とりあえず、無かったことにした。

 

 

 

 

 

◆もう二度と

 

とある日の夜中。消灯時刻を過ぎ、竜のいびきが響く部屋の中でもぞりとひとつ、影が動いた。

クリスは布団を撥ね飛ばし、行儀の悪い格好で爆睡している。響はうへへ……もう食べられないよぉ……などと寝言を呟きながら、涎を垂らしてだらしない顔で熟睡している。となれば影の正体は一人しかいない。

 

「……竜。寝てる……わよね?」

 

翼だ。そして暗闇に紛れて、物音を立てないように竜のベッドへと近づき、そして竜が無防備なのをいいことに、ゆっくりとその中へと入っていき、後ろから竜に抱きついた。

 

(……ああ、暖かい。生きている)

 

翼がこのような行動に出るのは初めてではなかった。最初はほんの出来心だった。しかし、一度成功してしまうとタガが外れてしまうというもの。結局、ここ最近は毎日のようにこんな事をしていたのである。

 

竜が寝る時、いつも下着一枚で上に何も着けないこともそれに拍車を掛けた。寝ている間、そんな無防備な姿を常に晒しているものだからその体温を直接感じたくなるのも無理ないことなのだと翼は自分に言い訳をする。

 

筋肉で引き締まった身体。特にケアなぞしている様子でもないというのにきめ細やかな肌の所々には古傷が浮いている。二年前のものか、それ以前のものか。翼には判断がつかないそれを愛おしそうに優しく指先で撫でながら、自分の身体を密着させて、直接に身体の熱を、味わうように確かめていく。

すると見た目より大きく感じる背中が奏とは全く違う感触を与え、強い安心感を感じさせてくれるのだった。

 

「……こんなところ、誰かに見られたらタダじゃ済まないわね」

 

けれどやめられない。それは翼が孤独を嫌う故か。

自覚したのは戦いを終えてからだった。一連の戦いの中で二度も、翼は竜に「置いていかれた」。そしてまた騒がしい日々が始まった時、翼の中で竜は奏とは違う「特別」になっていた。

無論、響やクリスも大切な仲間として、特別な存在だ。しかしその上でやはり竜は二人とは立ち位置が違う。それは同じ時間を過ごし、同じ苦しみを味わい、同じ痛みを分かち合ったが故。そしてそれを二度も失ったことが彼女にある種の恐怖心を与えた。

 

——もう二度と失いたくない。

 

奏に抱いていた依存心と同じかもしれない。そう思うと前とまるで成長できていないのだろう。下手をすればより悪化しているのかもしれない、と自嘲する。

 

(しかし誰がどうして奪えるものか。竜はいつだってすぐに一人で前へ行ってしまう女。いつか、人類さえ置き去りにして進んでいくかもしれない)

 

翼には、その様がありありと想像できた。

 

(だから私は繋ぎとめたい。前に進むのはいいけれど、ゆっくりがいい。急ぎすぎないように、早すぎないように。そう、だからこれは予行演習。『流竜』を構成するものを増やして、少しでも『現在』に留めるための錨であるための)

 

またひし、と少し強く抱き締める。竜は相変わらず呑気に「ぐごー」といびきを立てながら爆睡していて、翼は悩むのが何となく馬鹿らしくなった。

だから起こさないように、優しく。気付かれないように、細々と。

 

「……お願い。もう何処にも行かないで。……私を置いていかないで」

 

背中に顔を埋め、祈るように、懇願するように。

そう密やかに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆???????

 

「……私としたことが、まさか絆されてしまうとは。それでいて悪くない気分だというのがまた実に……」

 

「だが託されたならば為さねばならぬ。今一度計画を見直し、月へ干渉し『バラルの呪詛』を解く新たな方法を探らねば……いや、それだけではただの繰り返しにしかならないか。必要なのは解呪せずともヒトが繋がれることを信じることならば……」

 

「……なんだ?この空間には私の魂しか存在しない筈。一体何者が……あ、ああッ!」

 

「そんな、どうして、貴方様が——ああ。そういう、事なのですね——」

 

「それが私の役目。それが私の為すべきこと。世界を、明日へ繋ぐこと。あの子達に託す最後の鍵、それをこの手で守り育て上げること——」

 

「こんなにも簡単なことだったのですね……。私が何故ドラゴンを生み出したのか。何故私がゲッター線に惹かれたのか。いいえ、何故貴方様がゲッター線を希望と呼んだのか。何故神々はこの地球に生命を齎したのか、そしてこの星に、これほど生命が溢れたのかさえも。その全てが、この光の中に……」

 

「もはや転生も必要ありません。あの子達には悪いかもしれませんが……私は幾度も罪を重ねた身、今更あの子達のようには出来ませんから」

 

「久しきお方。貴きお方。今が進化の時ならば、私は喜んで受け入れましょう。新しい世界を見るために。あの子達の明日を創るために」

 

 

 

 

 

「私も共に参りましょう。エンキ様————」

 

 

 

 

*1
第一章、「前奏」を参照

*2
語弊。むしろいい思いをしていたのは奏である

*3
何をだ

*4
正論

*5
やっぱり好き




「俺はボインちゃんが大好きでな」がやりたかっただけとも言う。

ニンジャ参戦用BGMについては「飛影見参!」で検索してみよう!
「ランカスレイヤー」でもよく分かるぞ!


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