戦闘描写、書くのむず。
私たちの前に現れた無数のヴィランたち。
それらを吐き出し終わった黒い靄はやがて人型に変化する。
「13号に……イレイザーヘッドですか。先日
「チっ。やはり先日のはクソ共の仕業だったか……!」
低い声で告げられた
先日と言うと、あのマスコミ侵入事件のことを言っているのだろうか。あれはこのヴィランたちの仕向けたこと……?
私がその言葉の意図を推し量ろうとしていると、最初に姿を見せた灰色の髪の青年が辺りを見渡して言う。
「どこだよ……せっかくこんなに大衆連れてきたのにさ……オールマイト——平和の象徴。いないなんて……
————子供を殺せば、来るのかな……?」
その声はまだ若く、私たちとさして変わらない年頃のようにも思えたが、神経をざらつかせる嫌な響きを孕んでいた。
じろり、と頭に被せられた『手』の隙間から悪意に満ちた眼が私たちを見つめる。
私はその視線に戦慄する。
子供じみた口調ではあったが、そこに本物の殺意があるのが明確に理解できたからだ。
「
ようやく事態の異常性が伝わったのか、クラスの誰かが叫ぶ。
その発言も尤もなことではある。雄英はプロヒーローが教師として務める学校。しかもそれぞれが並のヒーローではない最高峰に相応しい武闘派の実力者が揃っているはずだ。ヴィランたちの方から近づくなんて普通はありえない。
「先生! 侵入者用センサーは!?」
「もちろんありますが……」
「あるのに鳴っていない……?」
「つまりは誰かに妨害されてるってことか……」
「ああ、現れたのはここだけか学校全体か……なんにせよセンサーが反応しないってことは、向こうにそういったことが可能な“
校舎と離れた隔離空間、そこに
轟くんが冷静に状況分析する。
そうだ。相澤先生が言うとおりこの前のマスコミ侵入事件がこのヴィランたちの仕業であるのなら、少なくとも奴らは狙ってこの時間を襲撃してきている。
本来なら
「13号! 避難開始! 学校に
「っス!」
「先生は……!? 1人で戦うんですか!? あの数じゃいくら“個性”を消すって言っても……」
相澤先生の指示の元、避難するために動き出した私たちだったが、緑谷くんが先生を心配して詰め寄る。
「イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の“個性”を消してからの捕縛だ。正面戦闘は……」
「そ、そうです! 一度みんなで逃げて応援を呼んだ方が……」
私も緑谷くんと共に相澤先生を止めようと声をかける。相手の戦力も“個性”も分からない時は慎重に戦え、とオールマイトの授業で教わったからだが、そうでなくともあの大人数を相手に1人で時間を稼ぐなんて無茶だ。
「緑谷、月見。一芸だけじゃヒーローは務まらん。今はお前たちの身の安全が全てだ。囲まれる前に脱出を急げ。
13号! 任せたぞ!」
相澤先生はゴーグルを眼に装着し、下の広場に身を躍らせる。
たった1人で広場に降り立った相澤先生にヴィランたちが群がる。
「射撃隊! 行くぞぉ!」
「情報じゃ13号とオールマイトだけじゃなかったか? ありゃ誰だ!?」
「知らんが1人で突っ込んで来るとは大間抜け……!?」
腕に銃口のような穴のあるヴィランが相澤先生にその銃口を向ける————が、
「あれ、出ねえ……!?」
「馬鹿野郎……ありゃ見るだけで“個性”を消すっつう……イレイザーヘッドだ!」
相澤先生は包帯状の捕縛布を伸ばしてヴィランたちを捕らえ、その頭を互いにぶつけさせて意識を奪う。一瞬の早技だった。
「“個性”を消す〜? へへ、俺らみてえな異形型も消してくれんのかあ〜?」
「いや無理だ」
今度は全身が人間離れした異形のヴィランたちが先生を囲むが、先生は簡潔に応え、
「俺が消せるのは変化系や発動系に限る。だが、お前らのような奴の旨味は統計的に近接戦闘で発揮されることが多い」
だからその辺は対策してる、と言うが早いか、先生はヴィランの1人の懐に入って顔面を殴りつけた。よろけたヴィランを殴りかかってきた別のヴィランに捕縛布で投げつける。
ぶつかったその衝撃で、2人のヴィランが同時に沈む。
「す、すごい……。多対一こそ先生の得意分野だったんだ……!」
緑谷くんが呟く。私も避難しなければ、という思いとは裏腹に相澤先生の動きから目が離せなかった。
“個性”を消す“個性”。単にそれだけでは攻撃手段にはなりえない。相澤先生のプロヒーローとしての本領は、捕縛布を使った敵の混乱、同士討ちを誘う格闘戦なのだった。
「分析してる場合じゃない! 2人とも早く避難するぞ!」
「え? ああうん! ごめんなさ……」
「————させませんよ」
「!」
飯田くんの声に我に返った私がそう返事をしようとした時、私たちの目の前に、先ほどの黒い靄が広がった。
さっきまでは広場にいたはずのヴィラン。そいつは金色に揺らめく眼を歪に吊り上げながら、生徒を先導しようとしていた13号先生の目の前に立ちはだかる。
「初めまして。私たちは
——平和の象徴、オールマイトに、息絶えてもらおうと思ってのことでして……!」
「「「!?」」」
今、なんと言ったのか。あのオールマイトを、殺す?
丁寧な口調にそぐわない、極めて非常識かつ残忍な言葉に、私たちは混乱する。
オールマイト。それはこの国の平和の象徴。日本が世界的に見ても低い犯罪率を誇っているのは、圧倒的なまでの強さと実績を持つ彼の存在があるからだ。そんな彼がいなくなればどうなるか……そもそも殺すなんて……
「本来ならばここにオールマイトがいらっしゃる筈……ですが、何か変更があったのでしょうか? まあ、それとは関係なく、私の仕事は……これ!!」
黒い靄が一気に広がる。
それは未だ動揺冷めやらぬ私たちを包み込むように展開し……
と、その直前、私たちの中から飛び出すようにヴィランに殴りかかる影が2つあった。
「爆豪くん! 切島くん!」
「駄目だ! 退きなさい! 2人とも!!!」
腕のブラックホールの穴を相手に向けて開こうとしていた13号先生だったが、しかし飛び出した2人を巻き込まないようにと不発に終わる。
爆豪くんと切島くんの攻撃と共に、静止の声は虚空に消えた。
2人の攻撃をゆらりと透かして距離を取った黒いヴィランは、
「危ない危ない。そう……生徒といえど優秀な金の卵……油断大敵ですね……」
「こいつ……!?」
どうやらその靄には、物理攻撃は通じないらしい。
その一瞬の間を、ヴィランは逃さなかった。黒い靄が周囲に広がり、飛び出した2人を先頭に私たちを包む。
これは……最初に現れた時に使っていた『ワープゲート』……!?
反応できず身体が固まる。
そんな私だったが、身体をガシッと掴まれてはっとする。見ると飯田くんがゲートに飛ばされないように私を押さえてくれていた。私も彼の腕にしがみつく。
「飯田くん……!」
「月見くん! 離すな!」
「——散らして——嬲り——殺す!」
何も見えない闇の中、そんなヴィランの声が響く。
「みんな……っ!」
私の叫びはどれだけ届いただろうか。
果たして闇が晴れた後には、その場にいたクラスメイトは数名を残していなくなっていた。
「やれやれ、数人散らし損ねましたか……」
ヴィランがそう呟く。私は周囲を見渡した。
闇の中で聞こえた言葉から察するに、どうやら消えた人たちはUSJの中の各所に飛ばされたようだ。
「い、飯田くん。ありがとう……」
「すまない。月見くんを掴むだけで精一杯だった」
私は飯田くんに手を貸されて立ち上がる。
「13号先生! みんなが……!」
「飛ばされた……! くそ、皆さん! 気をつけて! こいつは僕が相手をします!」
私たちを庇ってヴィランに対峙する13号先生。先生はチラリとこちらを見て、
「
「! しかし、クラスの皆を置いていくなど委員長の風上にも……!」
私たちのことを見捨てられずに躊躇する飯田くん。
でも13号先生の判断は正しい。この場に残された私たちの中で、それが可能な機動力と速さがある“個性”を持っているのは彼だけだ。
「飯田くん! 私たちのことはいいから行って! 今この状況でそれができる人は飯田くんしかいないの!」
「月見さんの言う通りです。救うために“個性”を使ってください!」
ヴィランが襲撃してくる直前の先生の話を思い出す。今は単なる授業ではなくなってしまったけれど、やるべきことは教わった。
「くっ……みんな! 分かった!」
飯田くんが走り出すと同時に、13号先生がヴィランに対してその“個性”を解放する。
先生の指先に開いたブラックホールに、黒い靄が吸い込まれていく。
しかし……
「全てを吸い込み塵にする『ブラックホール』……なるほど驚異的な“個性”です。
しかし13号……あなたは災害救助で活躍するヒーロー。やはり……戦闘経験は一般ヒーローに半歩劣るっ……!」
「っ先生!?」
「
敵を吸い込み続ける13号先生の背後に黒い靄が広がったかと思うと、先生のスーツの背中がバリバリと崩れ、その靄の中に呑み込まれていく。
「……っや、やられた……!」
先生が吸い込もうとしたヴィランは、自分の前と先生の真後ろをゲートで繋げることによって先生を自滅させたのだ。
倒れる先生に私や残された数人のクラスメイトが駆け寄る。
「そして散らし漏らした生徒たち……応援を呼ばれては私たちも困りますので……!」
そして、今まさにUSJの入り口に向かって駆け抜けようとしていた飯田くんの目の前にも、同じワープゲートが現れる。
飲み込まれそうになった飯田くんだが、そのゲートは飛び出していった障子くんが身体を張って押さえる。
「飯田! 早く行け!!」
「すまない皆! 待っていてくれ!」
「クッ……生意気だぞ眼鏡……! 消えろ!」
尚も飯田くんを逃すまいと黒い靄を伸ばすヴィラン。しかしそのタイミングで、完全に飯田くんがその影に隠れて視界から外れたことで、私はヴィランだけを「見る」ことができた。
「……! これは、身体が石にっ……!?」
黒い靄、その全てを視界に収める。
私の“個性”は、実体があろうとなかろうと石化させることができる。たとえそれが得体の知れない靄で、物理攻撃が通じないものであろうと、眼に映るのであれば関係ない。
「なんという“個性”……! このままでは……チッ!」
そのまま全て石にしてしまおうと見続けていると、ヴィランは最後の悪あがきのつもりか一気にその靄を広げ、そして消えた。
靄の固まっていた部分のみがその場に落ちる。
「瞳子ちゃん! やったの……!?」
「……ううん、『本体』は逃したみたい」
麗日さんが声をかけてくる。
どうやらあのヴィランは黒い靄の中に実体のある本体を隠していたようで、覆っていた部分は石にしたものの、内部までは「視認」しきれなかった。ヴィランに対する妨害自体はできたが、あの一瞬で本体はゲートによってどこかに移動してしまったらしい。
右眼を閉じ、ゲートの方を見る。飯田くんが入り口の自動ドアを押し開いて外に駆け出していくのが見えて、私は少しほっとした。
「っと、そうだ。13号先生は……」
「背中ボロボロや……! 早く治療せんと!」
私、麗日さん、芦戸さん、障子くん、瀬呂くんの5人は、負傷した13号先生の周りに集まる。これがこの場に残された全員だ。
「この後はどうする? 飯田を追って外に出るか、それとも13号先生を守るためにここで残って戦うかだけど……」
瀬呂くんの質問に頭を悩ませる。広場にいたヴィランの大半は相澤先生が押さえてくれているので、今のところ周囲に敵影はない。私はしばらくはこの場所に留まってもいいと判断した。
「13号先生は置いて行けないし、飛ばされた他のクラスの面々も心配……ここに残って集合の目印になりつつ応援を待つべきだと思う」
「それが良いだろうな。この場にいるのは5名だけ……これ以上分断して動くのは得策ではないだろう」
障子くんが賛同してくれる。
「相澤先生……大丈夫やろか……?」
麗日さんが広場の方を気にしながら言う。確かに最初闘い始めた時は相澤先生が圧倒していたけれど、先生だっていつまでも闘い続けられるわけじゃない。
私は広場を見下ろせる位置まで移動する。
そこには筋骨隆々として、不気味にも頭部から脳が露出した黒い大男が相澤先生を取り押さえているのが見えた。
「!! 相澤先生!?」
自分の口から悲鳴のような声が漏れるのが聞こえる。
思わず駆け出そうとしてしまう私を、瀬呂くんのテープが引き止めた。
「待て待て! 月見! 何やってんだ! 今はここに留まるってお前が自分で言ったばっかじゃねーか!」
「でも、相澤先生が……!」
「相澤先生だってプロなんだし、大丈夫だと思うけど……」
芦戸さんが心配ないと口にする。しかし私はあの黒い靄のヴィランが言った言葉を思い出し、不安に駆られていた。
あのヴィランたちは、オールマイトを殺すのが目的だと言った。それはありえないことだと最初は思った。オールマイトはNo.1ヒーロー。どんなヴィランにも負けない最強のヒーローなのだから。
しかし、それがもし
本気でオールマイトを殺そうと準備して来ているのであれば、それ相応の手段があるのではないか? その手段があるこそ、
近接であれほどの強さを見せた相澤先生が、今は無力に取り押さえられているように見える。“個性”を消して戦っているのであれば普通はそんなことにはならないはずだ。あの脳みそヴィランには相澤先生の“個性”が通用しないのか、あるいは“個性”なしでも戦えるほどのフィジカルを持っているのか……
いずれにせよ、相澤先生が危険な状態にあるのは間違いない。
「お願い。瀬呂くん。行かせてくれない? このままじゃ……」
「っけどよ……そんなこと言ったって」
「私なら大丈夫だから……!」
押し問答しているうちにも時間は過ぎていく。私は立ち尽くし、相澤先生の無事を祈った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
広場に隣接するプール。
僕は一緒に飛ばされた蛙吹さんと峰田くんと共にその光景を見ていた。
相澤先生が黒い巨体のヴィランに殴り倒され、血塗れになる光景を。
それを、見ていることしかできなかった。
「み、緑谷ぁ……流石に……あんなの助けに行くなんて……」
「ケロ……」
僕らは相澤先生の負担を減らすために何かできないかと思って近くまできた。だけど、これは……体が竦んで動かない。
相澤先生が何もできずに倒されるようなヴィラン。僕らが行ったところで……
何もできる気がしない無力感に歯噛みしていると、ふと敵のリーダー格であろう全身に人の手をくっつけた青年のところに、黒い靄のような姿の、僕らを『ワープ』で分断したヴィランが姿を表すのが見えた。
「死柄木弔」
「……黒霧、13号はやったのか……?」
「行動不能にはできたものの、散らし損ねた生徒がおりまして……一名、逃げられました。私も生徒の“個性”を受けてしまい撤退せざるを得ず……」
「……はあ?」
「!」
僕はそれを聞いて、生徒の誰かがUSJを脱出できたことを知る。これでヒーローたちの救援がくる!
死柄木と呼ばれた青年はその言葉が理解できないかのように問い返す。苛立ちを隠そうともせず首元をガリガリと掻きながら、
「……はあーー。黒霧、お前が『ワープゲート』じゃなかったら粉々にしたよ……!」
「申し訳ありません。その上、私の半身が石化してしまい抜け出すために強引にゲートを作ったため、しばらく安定してゲートが出せないようです。ここからの脱出は可能ですが、戦闘には支障がありそうだ」
「は? 石化? 何されたんだお前。普通の攻撃は効かないんじゃなかったのかよ」
「触れずに石化させることのできる“個性”のようでして、その場では何をされたのか分からず……生徒の中にも危険な“個性”を持つ者はいるようです」
その会話を聞いて、僕らも状況を把握した。
「(……石化……瞳子ちゃんのことね……!)」
「(あの黒霧ってやつと交戦したんだ……でもこれで応援はくる! もう少し耐えれば……)」
死柄木はしばらく神経質に首を掻いていたが、急に動きを止めてこう言った。
「……流石に何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。
あーあ。
「! 今帰るって言った!?」
「……ええ、私にもそう聞こえたわ。でも……」
「やったよ! 助かるんだオイラたち!」
「ッケロ」
峰田くんが蛙吹さんに抱きつくようにタッチし、水にゴボゴボと沈められる。峰田くん、こんな時まで……
「……でも、気味が悪いわ緑谷ちゃん」
「うん……これだけのことをしといて、あっさり引き下がるなんて」
これで帰ったら雄英の危機意識が上がるだけ。何を考えているんだあいつら……!
そんな風に思っていると、死柄木と呼ばれたヴィランがこちらを向く。
「ああそうだ……帰る前に平和の象徴としての矜持を少しでも……」
「————!」
「……へし折って帰ろう!!!」
動けなかった。
数十メートル先から一瞬で近づいてきた死柄木は、僕らの真ん中にいた蛙吹さんに向かって手を伸ばす。
蛙吹さんの顔にその指が触れる。さっき相澤先生の肘をボロボロに崩したその指が。
彼女が頭から崩壊していく最悪のイメージが頭をよぎる。スローモーションのように一瞬が圧縮される。
——しかし僕の予想に反して、そこで何も起こることはなかった。
「————チッ。ほーんと、かっこいいぜ……イレイザーヘッド!」
「……っ相澤先生!」
「生徒を……離せ! クソ共が……!」
黒い巨体のヴィランに押さえつけられながらも、僕らを守るためにヴィランを睨みつける相澤先生。それを見て僕も体の強張りが解ける。
やばいやばいやばい! さっきの敵とは明らかに違う! 蛙吹さんを助けて、逃げなきゃ……!
「っ! 手ェ離せ!!! SMAAASH!!」
「脳無」
右手で『ワン・フォー・オール』を発動する。思い切り殴りつけようとしたその拳は、しかし反動で折れるようなことはなく…………
——死柄木に届くこともなかった。
拳は先ほどまで相澤先生を押さえつけていた巨体のヴィラン——脳無によって受け止められていた。
「! さっきの脳みそ
「……いい動きをするなあ。スマッシュって、オールマイトのフォロワーかい?」
攻撃が効かない絶望感。動きの止まった僕の腕を巨体のヴィランが掴んで持ち上げる。
蛙吹さんが僕に舌を伸ばして逃してくれようとするが、彼女と峰田くんにも死柄木の魔の手が迫る。相澤先生は血溜まりに伏しており、今度こそはどうしようもない、死のイメージが迫る。
時間が止まったかのような刹那、USJの入り口が轟音と共に吹き飛ぶ。
思わず目を瞑ってしまっていた僕はその破壊音に目を向ける。僕以外のその場にいた人間……
「「「……!」」」
そこには、僕が憧れてやまない存在がいた。
「もう大丈夫」
彼の名前は。
「私が来た……!」
「「「————オールマイトォ!!!」」」
「あー……コンティニューだ」
というわけで11話目。〜オールマイト到着までの回でした。
散らして戦わせるのも展開としては悪くなかったかもしれませんが、黒霧に主人公を強く意識させたかったというのもあってゲート前残留組になりました。
敵が最初に襲来した時、周辺の建物などの被害さえ考えなければ主人公のひと睨みで敵集団全滅も可能だったでしょうけれど、初めての敵との交戦で主人公も動揺していた、ということで一つ。避難指示も出ていましたし。
立ち回りが完璧にできるような主人公ではまだないのです。