「みこと。大変おまたせしました。ご飯できたので食べてください。お腹をすかせているのでしょう?」
「うわぁ〜!ありがとうございます! 初めて会ったのに、ご飯作らせちゃうとか…」
「さあ食べましょう!」
俺はみことの背中に手を添え、エスコートする。
「どうぞお嬢様」と執事のように振舞う。
頬を赤く染める様がとても愛らしい。
そして食卓に並べてある料理を見てみことが瞳を輝かせる。
「すごく美味しそうです!」
「さあ、冷めない内にどうぞ」
「マクシミリアンさんも一緒に食べてくれますよね? すごく格好いいけど、執事さんみたいにされると、一緒に食べてくれないのかな〜って不安になっちゃいますよ」
それもそうですね…と、俺も椅子に腰掛け、「頂きましょうか」と声をかけた。
「いただきます」そう言うと、みことはポトフを一口食べる。
「美味しい…、美味しい…!」と幸せそうに食事を進める彼女。美味しそうに食べてくれる姿が愛らしいな。
パスタもサラダをモクモクと、目をウットリさせて「美味しい…美味しい…!」と食べる姿になぜだろう、うさぎが一心不乱に葉を食べる姿が頭の中に浮かんだ。
パスタは買い物の際に少し好き嫌いを聞いて、カルボナーラにしたのだがお気に召したようだ。
ふと、食事の手を止め、みことが俺を見る。
「マクシミリアンさんはサラダ食べないの?」
「……」
野菜は前世から好きではない。
緑黄色野菜は特に、肉だけ食べてればよいのではと正直思わなくもない。
「あまり好き嫌いしちゃだめですよ!ちゃんと食べましょう?」
そう言ってみことは自分のサラダをフォークにさすと、「あーん」と口元に差し出してきた。身長が低いこともあり、上目遣いで差し出される野菜…。
俺は陥落した。
野菜は相変わらず苦手な味だったが、気分は悪くなかった。
誰かと食事しただけで、気分が高揚するのかと俺も無意識に笑みが溢れる。
ふと真顔になったかと思うと、みことは、「本当にいるんだ!スパダリ……。神は何物与えるんだろ……」などとつぶやいていた。
……とりあえず満足しているようで安心する。一度食器を流しに運ぼうとしたら「私がやります!すごく美味しくて毎日でも食べたいくらい!」と運んで洗っていた。
紅茶の茶葉を出し、紅茶を入れようとする彼女に少し焦りつつ、代わってもらい俺は紅茶をいれる。
サプライズで作っておいたデザートも出すと「プリン!!」と瞳を輝かせる彼女。
「時間や材料がなかったので、プリンくらいしか出来ませんでしたが」
そういい少量のパンケーキと果物を添えたプディング。
生クリームや他のものも使いたかった所だが、小さな島なのだ。そんなに材料は揃ってはいなかった。それでも、みことは喜んでくれたので良しとする。
紅茶を飲み一息つく。
「あ、趣味のお部屋で、胡蝶の恋の話とかゲーム見てみます?」
そう言われて、気軽に趣味の部屋に足を踏み入れた事を後悔することになるのを今の俺は知らなかった。