今、マクシミリアンさんに抱きあげられているし。不意に額に落とされたキスに、鼓動が高鳴ってしまう…。
本当に夢なら覚めないでほしい!そのくらい胸が痛い。
遊びなんだろうな?とか毛色が珍しいから、構って暗てるだけなのだろう。
そう自分に言い聞かせるほど、胸が痛い。
これが初恋なら苦しいな……、辛いな…。
私は今日一日で、どれだけドキドキしてるのだろう。温かくてドキドキするなぁ。コロンか何かかな? 爽やかなミントの香りが心地良い。でも胸が重くて苦しい…。
マクシミリアンさんは背がものすごく高くて、私の背は低いので近い距離だと見上げないとお顔は見えない。
でも、抱き上げられて距離感の近い彼のお顔が赤く見える。これは私の願望かな…。
少し切なげな顔で私を見つめてくれる彼に、これが夢じゃなければいいな…そんなことを少し思った。
ゲームのマクシミリアンは大好きだけど、違う世界の憧れだから。なんだかそれとは違う…。
大好きなお友達のユウ君の側いるときの安心感ともまた違う、落ち着かないドキドキ。
たまに切なげな顔を浮かべる、彼の表情を明るくさせるのが私ならいいのにな…なんて少し願ってしまう。
会ったばかりなのに、どうして彼は私を惹きつけてやまないのかな。
だけど、こんな美形の男性が私に興味を持ってくれる事などない。選ばれるとしたら、お洒落な都会の子だろう。この体験を夢だと思って私の心を守ろうとしているのかもしれない。
「みこと、申し訳ありません。本国の癖が抜けてないみたいです。不快にさせていないと良いのですが…」
そういって彼は、私を優しく降ろしてくれた。
「あうぅ……。恥ずかしいのであんまりお顔の、距離が近いのは……。私もさっきやっちゃったし、あまり言えないけど、でもでも…恥ずかしいですぅ…」
私は恥ずかしさを誤魔化すようにして、「お店に向かいましょう…」と深呼吸をして歩き出す。
しばらく歩いて目的のお店についたらしいが、張り紙があり「本日は休業します」との文字。
私はお気に入りの腕時計で用人時間帯を確認してみると、案内しようと思ってたお店は今の曜日と時間帯には空いていないことに気がついた。
「あ、今日木曜だっけ! おばちゃんの趣味の集まりの日か…忘れてた…。 って事はおじちゃんとこも、将棋の集まりで今の時間は開いてないな……。どうしましょう……。せっかくこんな所まで来てもらったのに…」
都会の人からしたか結構な距離を歩かせてしまったのに申し訳なかったな…。