なんでかな。
家に上げる前に、いつもこんなに簡単に男を家に上げるのか?と心配そうにされたのはちょっとショック。
「普段はしませんよ!これは夢オチ展開なので!」
と胸を張って答えると、彼に困った顔をされた。
マクシミリアンさんが靴を脱ぎ、家に入ると何だか嬉しそうにしている。日本の民家に憧れてたとか?
とりあえず、喜んでもらえたのなら良かったのかも?と思って気持ちを慰める。
「ここに座ってちょっと待っていてくださいね?」
私はそう言い、マクシミリアンにソファをすすめた。
何やら調べたい言葉があるのか、スマホを開いてなにか調べてるのかな?
そう思い、私は台所でポットを火にかけお茶を入れようとするけれど、お茶っぱを床にぶちまけてしまう。
なんでこうやらかすかな…。
そう思いしょんぼりしていると、マクシミリアンさんが急いでこちらに来てくれた。
緑茶のお茶缶を落とした音を聞きつけてきてくれたんだろう。
「みこと?私がお茶を淹れましょう。あなたはいい子にそこの椅子に座っていてくれますか?」
あぁ。またやらかしたなー。こういうドジが台所だと多くて手伝いもさせてもらえないんだよなぁ。
マクシミリアンさんはそう言うと、視界に入った掃除用具で床に散らばった茶葉を集める。
お茶っ葉もったいないけど飲めないな。
「でもお客様だし……」
頬にキスを落とされ、動揺した私は「ふぇ?」っと声をが漏れ、このあとの言葉を紡げていない。
「そうですね…。私が作る料理やお茶がお口に合えば、私をあなたの婚約者にしてください。 貴女に一目惚れなんです、お嬢様。 それともご褒美にキスをこの駄犬にくださいますか?」
なんでマクシミリアンさんが、私にそんなこと言うのかな。やっぱり都合のいい夢なんだ……。
こんなにドキドキして幸せな気持ちになる人初めてだったから……、初恋は実らないってほんとなんだ……。
こんな気持ちになれる相手初めてなのに。
「マクシミリアンとキス……婚約……。夢でも幸せそうですねぇ。現実ならひとつ返事ですよ〜。こんなの目が覚めたときにつらいな…。推しの色気が辛い…」
いくら嬉しくても、夢オチならしばらく立ち直れないよ……。
彼は私の後頭部に手を回し、顔を引き寄せ啄むようなキスを私にしてきた。こんなの初めてでどうしていいかわからない。緊張のあまりに呼吸も止まりそうなんですよ、マクシミリアンさん?仕上げとばかりに下唇をなめられ気絶できたらどれほどいいかと何度目かの想像をよぎらせる。
彼は雄の目で私を見ている。
貴方は何故そんな目で私を見るの?
苦しくて仕方ないよ。
「続きはまた後で…」そう言われ、『嘘つき……』私は心の中で、そうつぶやき下を向いた。
「まずは食事を作りましょうか。待っていてくださいね」
何事も無かったかのような顔して、そんなこと言う彼が少しずるいと思った。
調味料やお皿、調理器具の場所の説明をして手伝いますよと伝えると、やんわり断られた。解せぬ…。
手際よく料理を仕上げて行く彼を眺めている内に、先程された夢の様なキスを思う足してしまい、私は多分挙動不審な動きをしているに違いない。
ユウくんは温かい家族みたいな存在。
すごく大事だけど、こんなふうに心が揺さぶられて、コントロール出来ないのなんて初めてだよ。
考え事をしている間に、すごく美味しそうなご飯が完成していた……。スパダリか……。